熊野三山巡り
 行 程  
 9月26日(土)  静岡 → 獅子岩 → 花窟神社 → 熊野速玉神社 → 大門坂 
   → 那智の滝 → 青岸渡寺(泊)
 9月27日(日)  青岸渡寺 → 熊野那智大社 → 補陀洛山寺 → 熊野本宮大社
   → 瀞峡 → 静岡

 

 今回の観光旅行は、熊野三山巡りということをテーマに紀伊の国へ向かいました。当然このようなテーマを自分で考えるわけもなく、友人からの打診によるものです。正直、自分はこの直前まで行っていた東北遠征登山の方に頭が一杯で、それほど乗り気でなかったのかもしれません。

 しかし、過去の旅行を振り返ってみると、乗り気でなかった旅行の方が思い出深いことが多かったりします。自分の興味のない分野との出合いによる新発見があるからでしょうかね。結果としては今回も同じように思い出深い旅行となりました。

  

【獅子岩】 
  
【花窟神社】
 静岡から和歌山までは結構距離があります。以前、日帰りで潮岬まで往復した時にはちょうど1000キロ程走りました。東名〜伊勢湾岸〜東名阪を通って、現時点では終点となる紀勢大内山インターチェンジに出ます。そこからは、ひたすら下道を走って行きます。

 まずは獅子岩に立ち寄りました。高さ約25mの岩塊で、地盤の隆起と海蝕の現象が生み出したものだそうです。獅子が海に向かって吠えているように見えますね。
 続いて花窟(はなのいわや)神社です。神々の母である伊弉冊尊(イザナミノミコト)が火神・軻遇突智尊(カグツチノミコト)を産み、灼かれて亡くなった後に葬られた御陵だそうです。

 奥にあった神体の巨岩は、とてもカメラには収まりませんでした。例大祭では、この45m程の御神体から約170m程の大綱を御神木に渡すとか。ちょっと想像できないスケールです。

 というよりどうやって登るのだろうという疑問の方がわくわけですがね。ロッククライミングなんてしたら罰があたりますよね(笑)
 
【神体の巨岩】 

【熊野速玉神社入口】 
 
【梛の大樹】 
 
【境内】
 次は熊野速玉神社に向かいます。今回の目的である熊野三山の一つですね。三重県から和歌山県に入り、新宮市にその目的の場所はあります。海岸沿いの道は一度走っただけでしたが、意外と覚えていました。ただし、神社には興味がなかったのでどのへんにあったのかは全く覚えていませんでしたが・・・。

 熊野速玉神社に到着です。お寺はいろいろ回ったことはあるのですが、神社はほとんど皆無です。立派なのはもちろんですが、思ったよりもきれいで派手な感じがします。お寺の古めかしい雰囲気とは全然違いますね。ちなみに、友人2人はお札を購入していたようです。熊野三山のお札を集めるとか。
 
【熊野速玉神社社殿】 
 この後、お昼を食べることになるわけですが、めはり寿司を食べようということで歩き回ります。行く予定の店が閉店となっていたので、地元商店街の方に聞いてようやく専門店にたどりつきました。思ったよりがっつり出て来てお腹がぱんぱんになりましたよ。肝心の写真を撮り忘れていました・・・。

 さて、お昼をとったら大門坂に向かいます。本日宿泊予定の宿坊のおじさんから歩くよう勧められたとか。大門坂近くに大きい駐車場がありますので、そこにとめて歩きます。

 
 
【大門坂】 
 
【夫婦杉】
 ここから、坂を上って行きます。最近山に登っているから余裕だと思っていたのですが、ぶかぶかのジーパンが歩きにくいこと歩きにくいこと。汗をかくとべったりとつきますしね。やはり山グッズは素晴らしいとかどうでもいいことを思って歩いていました(笑)

 もちろん熊野古道の雰囲気は良かったですし、よく整備されています。短時間でしたが、雰囲気を味わうには良かったと思います。特に夫婦杉には圧倒されました。
  
【那智御瀧 飛瀧神社】
 大門坂を抜けると那智の滝が遠くに見えてきますので、そちらに向かって歩きます。落差133mはやはりすごいですね。ちなみに水量はこれでも少なめだそうです。拝観料(?)を払うと奥に入ることができて、すぐそばから滝を見ることができます。
【那智の滝】 

【境内の様子】  
 
【那智の滝(付近から)】
 さて、滝を満喫したら本日の宿泊場所へ向かいます。友人が宿坊のおじさんに連絡をしたら神社の入口まで迎えに来てくれるとのこと。しばらくすると、おじさんが到着です。

 まずは、自分だけ乗せて大門坂入口の駐車場まで乗せて行ってもらいます。慣れているとはいえ、山道を恐ろしいスピードで下って行きます。車道は当然大回りしているとはいえ、結構歩いて上ってきたのだなと実感させられます。

 大門坂入口の駐車場で自分の車に乗り込んだ後は、必死におじさんに着いて行きます。神社で友人たちを拾ってそのままお寺の敷地内に入って駐車場にとめます。結構広い駐車場に一番乗り、その後も今日は2組程しか来ないとか。こういう時って無駄にとめる場所に悩んだりしますね(笑)

 後で聞いた話では、シルバーウイーク中は相当混んでいたようで駐車場も一杯になったそうです。シルバーウイーク後の土日でしたので、連休中の疲れを癒す感じであまり遠出する人がいなかったのでしょうかね。「あんた達運がいいね」なんておじさんに言われましたよ。
 本日は青岸渡寺の宿坊に泊まります。宿坊に泊まるのは初めてだったのですが、友人の話では宿坊を専門に紹介したようなサイトもあるとか。まるで別世界の話です。

 規律が厳しくて修行のようなことでもさせられるのかと思ったのですが普通の宿です(笑)もちろん独特の雰囲気を味わうことはできますけどね。

 本日は宿泊者も少なく、宴会もほどほどに静かな夜を過ごすことができました。あまりお酒を飲むメンバーがいなかったこともありますけどね。

 

【敷地内の建物】 

【那智山宿坊 尊勝院】  

【宿坊の夕食】  
 さて2日目の朝は、のんびり起きてスタート!ではなく、朝のお勤めから始まります。朝6時からで誰でも参加できるとか。自分は最後に起きたので慌てて準備してお寺に向かいます。

 やっぱり朝一番のお寺は雰囲気があります。うちの4人以外にも参加されている方がいて10名程いました。正座でずっと御経を読んでいたのですが、最後はかなり足が痺れてしまいました。御経を読んだ後は、お坊さんの話を聞いて最後にはミカンまでいただきました。お坊さんの話にはなぜか引き込まれてしまいますね。
 
【西国第一番札所 那智山青岸渡寺】
 
【熊野那智大社】   
 
【八咫烏】
 お勤めが終わった後は境内の散策です。実は、青岸渡寺のすぐ隣に熊野那智大社があります。お寺と神社がすぐそばにあるのですね。熊野三山の二山目になります。昼間には結構訪れる方もいるのでしょうが、まだ朝一番ですので神社の方しかいませんでした。ちなみに、友人は売店を開けてもらってやはりお札を購入しているようでした。

 ここには八咫烏(やたがらす)の像があります。あのサッカー日本代表のユニフォームに描かれている鳥ですね。この那智勝浦は初めて日本に近代サッカーを紹介した中村覚之助の出身地で、敬意を表して日本サッカー協会のシンボルマークに採用されたとか。意外なところにつながりがあるものですね。売店にもきちんと売られています。

 境内をぐるっと回りましたが、まだ時間がありましたので熊野古道を少し歩こうということになりました。本当にみんな元気です(笑)30分程歩いた後宿坊に引き返します。自分はこのあたりで思いっきりお腹を壊していて大変でした。
 
 
【日本代表ユニフォーム】 

【熊野那智大社入口】 
 
【熊野古道】

【宿坊の朝食】 

【宿坊の庭より 左:三重塔 右:那智の滝】  
 宿坊に戻ったら朝食です。お腹を壊していて食べれるのかと思いましたが、なぜかおいしく食べてしまいました。朝食後は、宿坊の庭から景色を楽しみました。三重塔や那智の滝がよく見えますね。ちなみにこのあたりの山は紅葉しないそうです。紅葉したとしてもまだ時期としては早いですけどね。

 最後に玄関口で記念撮影をした後、名残惜しみつつ宿坊を後にしました。本当に貴重な体験ができましたね。
 宿坊を出た後は熊野本宮大社に行く予定でしたが、途中見かけた補陀洛山寺(ふだらくさんじ)に寄ることにします。ここも世界遺産で、補陀洛渡海で知られているお寺です。拝観料を払うと千手観音像を見せてもらえるということで、せっかくなので拝見させてもらいました。
 お寺の方に千手観音の話や補陀洛渡海の話を聞かせてもらいました。渡海と言っても捨身行で、二度と戻って来ることはありません。命がけで大海原に出ていたのですね。

【補陀洛山寺】  
 
【渡海船】  
 さて次はいよいよ熊野三山の最後、熊野本宮大社です。昨日はあまり感じませんでしたが、本日は結構な人出でした。しかし、離れた場所にある臨時駐車場の広さを見る限りでは、ピーク時に比較すると全然少ないのかもしれません。

 この本宮神社は昔平地にあったそうですが、洪水で流されて現在の場所に移されたそうです。これまでの二山と違って、朱色に塗られていないのは興味深いですね。色合いが違うだけで随分雰囲気が違います。
 
【熊野本宮大社入口】  
 
【境内】  
  
【熊野本宮大社拝殿】  
 無事熊野三山に詣でることができました。友人達も三山のお札を購入して所期の目的を達成できたようです。この後、本日の最終目的地である瀞峡(どろきょう)に向かいます。

 ウォータージェットで行くのもありだとは思いますが、山の奥まで入って行ってボートに乗ることにしました。道はきちんと舗装されていますが、狭い道が続いていて、どこですれ違うんだろうという箇所も少なくありませんでした。やがてボート乗場に到着です。他に乗る人もなくすぐに乗せてもらうことができました。
 
【本日乗ったボート】   
  
【瀞峡1】  
 
【瀞峡2】   
 断崖が続く渓谷の美しさは見事なものですね。方々で奇岩を見ることができるのですが、それぞれにいろいろな名前がついていておもしろかったです。ボートでしたので、水面に近い所から見られたのは良かったですね。アクセスは悪いですが、是非こちらの方で見るのをお勧めしたいと思います。
 瀞峡で一時を過ごした後、少し遅めのお昼をとって静岡への帰路に着きました。さすがにぐったりしていて、友人たちが交代で運転してくれたのですが、ほとんど寝ていたような気がします。こう振り返ってみると、本当に充実した1泊2日旅行だったように思います。特に、自分では行こうとは思わない、またはそもそも知らなかった場所もあり、貴重な体験になったのではないかと思っています。


旅行記へ戻る

ホームへ戻る