まえくろほうしだけ
 前黒法師岳
登山日: 2009年12月4日(金)   標高:1943m(前黒法師岳)
    累積標高差 : 約1870m(ゲート前から約1450m)


 12月4日(金)    寸又峡駐車場 7:10  → 夢の吊橋 7:30 → 登山口 7:55
   →  湯山林道出合 8:40 → 栗の木の段 9:05
   →  前黒法師岳山頂 11:00(〜11:50) → 栗の木の段 13:15
   →  湯山林道出合 13:35 → 登山口 14:15
   →  寸又峡駐車場 14:55

 

  本日は寸又三山の2山目、前黒法師岳に登ります。寸又峡自体は最近こそあまり来ていないものの、以前はよく遊びに来ていたことから親しみがあって、夏頃から県内の山を登り始めたら登っておきたいなと思っていました。その際に標高差やコースタイムなどから最も厳しい山行になると思われたのがこの前黒法師岳でした。

 したがって、できるだけ良いコンディションで登りたいということもあり、今日が晴れそうでなんとか休暇を取ることができたため登ることにします。残業続きで疲労がたまっているのは仕方ないですね。
 また、先週の黒法師岳の様子から、雪があったとしてもまだ多くはないだろうという読みもありました。  

【寸又峡温泉駐車場】 
  
【夢の吊橋方面入口ゲート】
 それと、このあたりは結構蛭が多い(5月〜10月頃)ようなので、寒い時期であることを差し引いても登る条件としては悪くないと思います。

 駐車場は先週の沢口山の時と同じ駐車場を利用します。駐車場はいくつもありますが、広々としていますし、登山口までそこそこの距離なので気に入りました。
 寝不足の目をこすりながら出発です。今日の行程の長さを考えれば登山口に直行すべきなのですが、懐かしさから夢の吊橋を通って行くことにしました。距離的にはそれほどの遠回りではありませんが、一旦下った後に長い階段を登るのでそれが結構大変です。それと、橋がつるつる滑るので慎重に渡ることになりました。真冬に行って、凍った橋を渡った時よりはましでしたが・・・。

【夢の吊橋1】 

【夢の吊橋2】 
 
【前黒法師岳案内板】
 久しぶりの吊橋を堪能した後に長い階段を登って(300段以上あるらしいです。)登山口に向かいます。ちなみに、吊橋を渡って階段を登って帰ってくるともう立派な周遊コースになります。以前はこれだけでも大変だったのですよね。

 登山口への分岐は以前から知っていましたが、当時はわざわざこんなところまで来て山に登る人なんているのかななんて思っていましたよ(笑)ちなみに、それだけ観光客が多く、比較すると登山者がかなり少ないのではないかと思います。

 分岐からは砂利道を通ってしばらく歩いて行くと登山口に到着します。登山口付近から、登山道が崩壊したり落石の痕跡があって思いやられます。
 登山口付近程ではないにせよ、落ち葉と落ち葉に隠れた岩や木の幹などで滑りやすくなっているため慎重に進みます。登りなのでそれほど神経質になることはありませんが。しばらく樹林帯の中を歩いて行きます。

 途中湯山集落跡という場所があり、近辺には平らな土地がいくらかあったので昔はそれなりに人が住んでいたのでしょうか。林業が盛んだった頃の名残かもしれませんね。

 なおも歩いて行くと、湯山林道という林道と合流します。このあたりからは寸又三山である朝日岳や七ッ峰を見ることができます。ほとんど展望のないこの山では貴重な景色ですね。 
 
【前黒法師岳登山口】
 
【湯山集落跡】 
  
【朝日岳】

【中央奥:七ッ峰】
 しばし景色を堪能した後、再び樹林帯に入って行きます。しばらくはそこそこ急な道を上って行くことになります。30分程歩くと栗の木の段があり、さらに上ると、なだらかな尾根を上って行くようになります。

 このあたりからはどのようにでも進めるため、道がわかりにくくなっているのですが、目印はまめにあるので迷うことはないでしょう。ただし、一旦外した後が怖いのである程度どの方向に進んで行くのかは覚えておいた方がいい気がします。もちろん、それはこの山に限ったことではないですが。

 なだらかな尾根をしばらく進むと再び急な上りになります。1600mを超えた頃再びなだらかになります。

【栗の木の段】 
 
【なだらかな尾根】
 
【白ガレの頭】
 なだらかになって間もなく白ガレの頭があり、このちょっと先あたりから南が開けているので、沢口山から板取山につながる稜線を見ることができます。

 その後、小刻みなアップダウンを進んで行くと途中で展望所への分岐があります。展望所方面に進んで行くと(といっても数十メートル程度です)木々の間から僅かに展望が開けます。ここが、唯一の南アルプスを眺められる場所になります。(湯山林道出合あたりも多少は見られたかもしれませんけどね。)個人的には自信がないのですが、他の方のHPによると光岳と聖岳が見えているようです。
 
【左:沢口山 右:板取山】
  
【展望所分岐】
 
【中央奥:光岳 右奥:聖岳】

【中央に富士山:写真では見えていません】 

【前黒法師岳山頂】
 アップダウンが終わると最後の上りに入ります。途中振り返ると木々の隙間に見事な富士山が見えました。残念ながら写真にはうまく写せませんでしたが。

 最後の上りは苔生したところも多く滑りやすくなっていました。帰りは結構手こずることになります。1900mを超えてますます深くなった樹林帯を進むとそこはようやく山頂になります。

 山頂は木々に囲まれていて南側が少し開けている以外は展望がありません。ちなみにこの日は随分暖かくて山頂もぽかぽか陽気でした。12月に入っていますが雪は全くありませんでした。
 
【山頂一帯】

【中央:蕎麦粒山 中央右:高塚山】 
 僅かに開かれた南側の山々を眺めながら食事を取ります。これが、北側だったら本当に見事な景色が見えそうですね。木々の間から僅かに見える南アルプスを見ているとうずうずしてしまいます。

 しばらく休憩した後、下山開始です。先に書きましたように、落ち葉や苔などで滑るため斜度の割には下るのに手こずりました。また、当然距離や標高差もありますので、下りとはいえかなり疲労させられました。

 途中曇って来てはいたものの、湯山林道出合で再び見事な朝日岳と七ッ峰を眺めつつ2時間半程歩いて登山口に到着です。曇って来たのに加えて、昼過ぎから一気に気温が下がって来た気がします。 
 
【中央左:八丁段】 

【山頂付近下り】  

【中央左:七ッ峰】  

【湯山林道出合より振り返って】  

【飛龍橋】   

【夢の吊橋】
 帰りは飛龍橋より駐車場へ戻ります。途中、行きで通った夢の吊橋を遠くから見ることができます。それにしてもダム湖の水は見事なまでに青々としていますよね。

 平日のため観光客も少ない中、40分程歩くと駐車場に到着です。先週の黒法師岳程ではないにせよ今日はよく歩きました。

 今日は沢口山に引き続いて山中で誰一人として会うことはありませんでした。ある意味静かでマイペースに登山を楽しむことができたのではないでしょうか。
 前黒法師岳は、思った通り結構な体力を要する山でした。樹林帯の中を自然を感じながら歩くという意味では良かったのですが、もう少し北側(南アルプス側)に展望があればなとは思いました。これで、寸又三山のうち2山に上りました。最後の朝日岳はどのような姿を見せてくれるのでしょうか。


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