かおれだけ
 川上岳
登山日: 2010年4月17日(土)   標高:1625m(川上岳)
    累積標高差 : − m(登山口から約750m)


 4月17日(土)    登山口 9:40 → 馬背村分岐 13:05 → 宮村分岐 13:20
   →  川上岳山頂 13:30(〜14:05) → 馬背村分岐 14:25
   →  登山口 16:50 

 

 本日は川上岳に登ります。この週末は、白い白山の展望を求めて飛騨までやってきました。この川上岳と翌日登った位山は、まだ残雪は残っているものの、山頂付近以外はかなり溶けているだろうとの想定で選びました。とはいえ、4月では何十年ぶりという寒気と積雪があった直後のため、この日は気温の上がることがわかっていたとはいえ懸念材料は残ったままでした。

 静岡ではずっと雨が降っていたために少し遅めに自宅を出発しました。東名高速東海環状を経て向かいます。登山口へは山之口林道を通って行きます。途中、登山口まで5キロの看板があり、そこから1キロも走らないうちにダートの道に入ります。

【登山口駐車スペース】 
  
【登山口(坂を上がって行く)】
 ダートの道はそれほどひどくは見えなかったものの、やはり所々段差の大きいところがあって、油断をしていたら少し下をこすってしまいました。登山口付近は少し広々としていたのですぐにわかります。運転に集中していたために思ったより疲れてしまいましたね。林道はこの奥まで続いていますがゲートがあってこれ以上先へは進めません。

 駐車スペースには既に1台の車がとまっていました。既にという時間でもないでしょうがね。この日この登山口から登ったのは、自分とこの車でやってきた御夫婦だけでした。

 コースタイム的には、休憩時間を含めても5〜6時間で考えていたのでのんびり出発します。

【登山口付近の道】 

【渡渉地点(渡渉後)】 
 
【登山道】
 まずは、駐車スペースから坂を登るようにして上って行きます。少し歩くと川の渡渉地点に出ます。
 
 ぱっと見たところでは普通に渡れそうでしたが、よく見ると思ったより水量が多くてすねまで浸かってしまいそうな深さでした。少し上流なり下流なりに行けば大きめの岩を伝って行けそうでしたが、足を滑らせるとまともに川に落ちてしまうのでやめました。登り始めて10分もたっていない状態でしたから、靴の中は絶対に濡らしたくないということで結局裸足になって渡りました。渡れたものの、怪我をする可能性や雪解け水の痺れるような冷たさを考えるととてもいい選択肢とは言えません。帰りはどう渡ろうかと考えつつ進んで行きました。
 登山道は渡渉後まもなくこそ雪のない道でしたが、標高1000mを越えるとだんだん雪が増えてきて、やがて完全な雪道になりました。気温がぐんぐん上がっていたので、凍結の心配はなかったのですが、木に積もった雪が溶けて雨が降っているかのようにぽたぽたと水滴が落ちてきたのには参りました。また、雪そのものも結構落ちて来ます。

 それに加えて、雪に埋まった道では道の幅が狭いせいかずるずると足が斜面を滑ってしまう状態でした。このような場所では、できるだけ内側を慎重に歩いて行くことになりました。
 
【雪道を進む】
 
【雪の埋もれた幅の狭い道】 
 ちなみに、登山道はずっと沢沿いの斜面を歩いて行くことになります。時々九十九折りに上りながら、ずっと斜面に取りついた道を進んで行く感じですね。幅の狭い場所こそありますが、急傾斜等はなくよくも悪くも淡々と歩いて行くというのがぴったりではないのでしょうか。実際地形図を見ても、ルートのほとんどが沢沿いの道になっています。

 最後、一気に高度を稼ぐと尾根筋の道に出ました。しばらくはなだらかな道を上っていくことになります。霧氷した木々がと言いたいところですが、雪が付着しているという方が正確かもしれません。既に溶け始めていて水がぽたぽた落ちていましたね。 
 
【沢沿いの道を上りきった後のなだらかな上り】
   
【雪の付着した木々】 

【樹木の間を進んで】 

【薮を踏み越えて】

【尾根筋の道】
 なだらかな道を過ぎると、尾根に沿って急斜面を上って行きます。ところどころで薮で塞がれていますので、そこを突破して行きます。ただし、全ては先行している方の足跡を辿ったのですね。それでも、所々で赤いペンキのついた木を見かけたのであまり疑問を感じずに進んでいました。とにかく、尾根上を進んで行きます。

 ちなみにこのあたりの写真はいつの間にか水滴がついていたために曇ってしまっています。山頂の展望以外は撮った写真を確認しなかったのが仇になってしまいました。いつのまにか落ちてきた水滴で濡れていたようです。
 1617mピークが見え始めると、さすがに回り込み過ぎているのではないかという疑問がもたげてきます。しかし、足跡はピークに向かわずにさらに尾根筋を進んでいます。薮で途切れていてかなりわかりにくかったのですが、少なくともピークには向かっていません。悩んだ末に尾根筋の道を追うことにしました。

 やがて、ようやくにして足跡が尾根筋を下って行きます。この時、遠くから声が聞こえてきました。その時は山頂から戻ってきたのだろうと思ったので、やはりこの道であっていたのだなと思いつつ下って行きます。

 
 
【1617mピークを見上げて】

【尾根からようやく下り始める】
 年配の御夫婦の方で、自分が辿って来た足跡はこの2人のものだったようです。はっきりと1617mピークに登る道が見えるのにそこにつながる道がなかなかなかったこと、谷筋まで下って行ったが、奥さんが帰りたいとのことで断念して帰ること、体力があれば行けるだろいうということを話してくれました。体力云々よりも、既に予定よりもかなり時間がかかっていたのでことの方が気がかりでした。御夫婦には無理をしない程度にがんばりますと言って別れます。

 下るだけ下って1617mピークの麓に着きますがどこから取りついたらいいのかわかりません。西に寄り過ぎていると思ったので東に回り込みつつ登ろうとしますが薮に阻まれて進めませんでした。 
 御夫婦の足跡は、少し西側の斜面を上っていたようなのでさらに本来の道から遠くなるなと思いつつ辿って行きます。やがて途切れてしまうのですが、そこから登山道を探してみるとなんと遠くに看板が見えるではありませんか。

 はやる気持ちを抑えつつ向かうと見えたのは馬背村との分岐の看板でした。しかも、自分が来たのはその馬背村方面からで、いかに遠回りしていたかということでしょう。ここからは、遠くから見えていたはっきりした登山道に入ります。
 
【馬背村分岐】 

【通ってきた尾根を眺めて】  
 時々足がはまるような決して歩きやすい道とはいえませんでしたが、進むべき道がはっきりしているというのは大きいですね。通ってきた尾根を眺めるといかに無駄にアップダウンを繰り返していたかがわかります。本来の登山道であれば、1617mピークへの上りにとりつくまでは大きなアップダウンはなかったはずですから。

 実際、尾根を眺めていると中腹にうっすらとトラバースする道が見えていました。あの道を使えば、藪を突破する必要もないですし、アップダウンも
ないはずですね。ペンキがついている様子からすると、昔は尾根筋の道が使われていて、後から中腹の道ができたのでしょうね。

【うっすらと見える中腹のトラバースする道】   
 
【雪に覆われた登山道】
 やがて、宮村分岐に出ます。ここからは、山頂に一直線です。踏み跡のない雪道を気持ち良く進んで行きます。また、宮村分岐以降は一気に展望が開けてきます。ただし、登り始めた時に比べればかなり天気がよくはなっていたものの、雲が多くて山頂の見えない山が多かったのは残念ですね。

 しばらく歩いていると山頂付近に人がいることに気付きました。足跡がないことから察すると位山から縦走してきたのでしょうか。これほど、雪の積もった山の間を縦走するとは初心者にはなかなか考えられませんね。その方とすれ違いつつ山頂にようやく到着することができました。

【宮村分岐】  

【宮村分岐からの川上岳】  

【足跡のない川上岳への道】  

【宮村分岐を振り返って】   
 360度のパノラマとは聞いていましたが、山頂の周囲は本当に遮るものは何1つありません。雲がなければ、白山方面、北アルプス、中央アルプスが一望できることでしょう。実はこの時、白山が辛うじて見えていると喜んでいたのですが、実は別山で白山は雲に隠れていたようでした。山頂にいた時はそのことを知らなくてちょうど良かったのかもしれませんけどね(笑)

 山頂からは翌日登った位山も見ることができました。縦走すると結構な距離になりそうです。 

【山頂の様子】

【川上岳山頂】  

【山頂からの眺め】   

【白山方面展望】   

【当日は白山だと思った別山】   

【大日ヶ岳】   

【位山】   

【雪が溶けてぐちゃぐちゃに】   

【宮村分岐再び】    

【馬背村分岐を萩原方面へ】    
 山頂で十分休憩をとったら下山開始です。馬背村分岐までは、元の道を辿るだけですので順調に進みます。ちなみに、山頂から宮村分岐までの道の雪はかなり溶けていました。日当たりのいい場所はすぐに雪がなくなってしまうかもしれませんね。

 馬背村分岐からは、本来登って来る予定であった萩原方面へ下って行きます。道ははっきりしているのですが、冬の間に倒れたササ原などを乗り越えるのに苦労させられます。

【だんだんなだらかに】

【踏みぬいた場所】 

【迷った付近】 
 麓に下って来るにつれて道がなだらかになってきます。同時に道がわかりにくくなってきました。また、時々踏みぬいてしまうので注意して進みます。特に、麓あたりには小川があちらこちらに流れているので上に乗らないように注意しました。

 上の方から見えた道についてはおおよその見当はついていたのですが、なかなかそこまでの道が見つかりません。結局少し戻るように尾根を登って行くと無事に登山道を見つけることができました。ここで、結構な時間がかかってしまいましたね。

【ようやく登山道へ】 

【雪に埋もれた道】  

【見えない道をトラバース】  
 やはり上で見た通りの一直線の道でわかりやすいですね。アップダウンもなく進んで行きます。雪に埋もれた場所もありますが、ほぼ直線ですのでなんとなく道はわかります。また、沢沿いの道よりは傾斜が緩やかですのでそれほど滑るのを気にすることもありません。

 そのうち、一直線だった道が回り込むようになってきます。また、道が下っているようにも見えましたが、ここは登ってきた足跡が見えるまで水平方向に歩き続けることにします。中途半端なところで下ってしまうのが一番怖いですね。

【登ってきた足跡を発見】   

【来た道を振り返って】    

【雪解け進行中】    
 しばらく歩いているとようやく登って来た時の足跡を見つけることができました。振り返ってみると、足跡がない限りは気付かない道かもしれません。途中からははっきりしないところを歩いていたので、ここが尾根を登る道との分岐なのかどうかはわかりませんが。

 ここからは、元の道を下って行きます。尾根筋の道の雪はかなり溶けていたのですが、やはり沢沿いの道の標高の高いところは結構雪が残っていましたね。ただし、着実には溶けてはいます。また、この時間になると木に付着した雪もほぼなくなっていました。
 沢沿いの道を順調に下って行きます。下るにつれて川の流れる音が近づいてきます。登山口までもう少しというところで、上りに裸足で渡った渡渉地点があります。

 今度はスーパーの袋を巻いて渡りました。川幅があまりなかったのでこれでなんとかなりましたね。このような場合にどうするのかは今後の課題でしょう。

 渡渉すると間もなく登山口です。予想通り自分の車だけがぽつんととまっています。本日最後の難関(?)であるダートの道を通り、登山口まで5キロの看板を経て次の目的地に向かいました。
 
【スーパーの袋を巻いて渡渉】    

【ようやく登山口へ】    

【登山口まで5キロ地点】    


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