かたむきやま
 傾山
登山日: 2010年5月2日(日)   標高:1602m(傾山)
    累積標高差 : − m(登山口から約1230m)


 5月2日(日)    九折登山口 5:40 → 坊主尾根分岐 7:40 → 合流点 9:00
   →  傾山山頂 9:25(〜55) → 九折越 10:50
   →  九折登山口 12:25

 

 前日の由布岳・鶴見岳に登った後、傾山に登るべく九折登山口駐車場を目指します。当初、傾山に登るのは数日後を考えていましたが、休日前の仕事と九州への移動での疲労感が抜けたように思えたこのタイミングで登ることにしました。

 今回の九州遠征では、基本的に一般コース、初心者〜中級者コースを回る予定でいたのですが、1山くらいはチャレンジしたいということで、この傾山だけは難ルートと言われている坊主尾根ルートを歩くつもりでした。ですから、どのタイミングで登るかというのは悩ましいところでした。

【夕暮れの坊主尾根】 
  
【九折登山口駐車場】
 九折登山口に向かう途中では、祖母山と傾山坊主尾根を眺めることができました。なお、九折登山口駐車場までの道は舗装されています。駐車場も2箇所合わせれば20台以上は十分とめられるでしょう。また、きれいなトイレと水道もあります。これから登る険しい山とは対照的に思える駐車場の様子でした。

 このような駐車場であること、GWであること、コースタイムが長いこと、主因はわかりませんが、駐車場は車中泊の車だけでかなり埋まっていました。自分が着いた時にはまだ明るかったにも関わらず片方の駐車場はほぼ埋まっています。

【下った場所にも駐車場】 

【きれいなトイレと水道】 
 
【駐車場奥の河原沿いの道】
 翌明け方にも次々車が到着し、早い人はヘッドランプを点けて出発したようです。自分は、観音滝付近の渡渉ポイントがわかりにくそうでしたので、明るくなってそれなりに他の登山者が歩き始めてから出発しました。

 しばらくは駐車場奥の舗装された道を歩いて行きます。川沿いの道を歩いて行くことになりますね。進んで行くと急登があってぐんぐん高度を上げて行きます。この急登の途中に標高400mの看板がありました。登りきって土の道になると、やがて上畑ルートとの分岐になります。上りでは坊主尾根コースを歩きますが、帰りは上畑ルートから帰ってくることになります。
 
【急登】 
 
【奥に分岐】
 
【上畑ルートとの分岐】 

【川を眺めて】 
 
【真っすぐ進まずに左手のザレた道へ】
 再び舗装された道を歩きますが、そのままずっと進むのではなく左手のザレた道に入ります。一応小さな看板はありますが、わかりにくく先を歩いていた人がどうしようか迷っていました。自分も前を歩いている人について行っただけですが。

 樹林帯に入って歩いていると、滝を示す看板がありそこに入ると結構な落差のある観音滝を見ることができました。だいたいの人がここで写真を撮ってから進んでいるようでした。

 その後、滝の上流に上がって行くように道がついており、渡渉ポイントがあります。ここがわかりにくいとの指摘もありましたが、目印もあって今はわかりやすくなっているようです。
 
【観音滝】 

【滝の上流へ】 

【滝の上流にある渡渉ポイント】

【林道出合 中央奥に再び入口】
 とりあえず、最初の懸案箇所を過ぎてほっとしました。やがて、林道に出て再び樹林帯に入って行きます。北東方向に向きを変えた後は、尾根に沿ってひたすら上ります。道はわかりにくいなと思う場所もあるのですが、尾根に沿って上って行けばいいので迷うような場所はないでしょう。前後に人が歩いているというのもありますけどね。

 この間、同じ数グループまたは人と抜きつ抜かれつ、追いついたり離されたりの繰り返しで、坊主尾根を目指して行きます。何人かの方と話しましたが、坊主尾根を登ることにワクワクしているようで、やっぱりこのようなルートが好きな人が登るのだなと実感させられました。自分も勘違いして楽しみになってきたのはいいことでしたが。

【尾根の急坂】

【アケボノツツジ】 

【樹木の間より山頂方面】

【樹林帯を抜けてなだらかな道に】
 途中、まとまって咲いている場所はありませんでしたが、アケボノツツジを見ることができました。木々の間からは山頂方面を眺めることもできました。とにかく、この尾根だけでも結構な標高差がありますので、あまり体力を消耗しないようにして進みました。

 やがて、急登が終わってなだらかになると、登山道は南東方向に曲がって行き大白谷とのコースと合流します。このあたりは、多少アップダウンがあるものの、なだらかな土の道のため歩きやすかったです。合流後しばらく歩くと、ついに坊主尾根コースへの分岐になります。前を歩いていた方は、さあ本番だとかなり気合が入っていました。
 

【大白谷コースとの合流点】
 
【坊主尾根及び水場コース分岐】

【坊主尾根コース入口付近】 
 坊主尾根コースに入ると、すぐに大岩が随所に現れます。ただ、岩によじ登るというわけではなく、岩を避けながら進んで行くという感じでしょうか。難所の続くルートというよりは、アップダウンの激しい体力の消耗するルートといった方がいいかもしれません。

 実際、岩や梯子、木の根などを交えた急な上り下りがあって飽きさせない箇所もある反面、地道な上り下りもあって、本当にたたむ必要のある箇所以外は両手ステッキを活用したことが体力の温存に一役買ったのではないかと思います。

【岩峰を眺めて】   

【木につかまりながらの下り】 

【尾根の急登】 

【最初の難所】  

【梯子の下り】  
 思ったよりも順調に進んでいると最初の難所があります。「最初の難所」というのは私の主観的な意見に過ぎませんけども、ここはステッキをたたんで登ることに専念しました。中央にロープはありますが、岩の間に体は入らないので、右手からよじ上って中央の裂け目を奥へ渡る感じでしょうか。もっといい上り方もあるかもしれませんけどね。

 難所といっても脇が崖になっているというわけではないので、落ち着いて登れば大丈夫でしょう。ただ、ここはロープが垂れ下がってなければ、とても進むルートには思えない場所でした。周囲は崖ですからここを進むよりないわけですが。 

【ツツジの花】 

【なだらかな上り】 

【第二の難所】 

【水場コースとの合流点】  
 さらに上り下りを繰り返しつつ進みます。ところどころで咲いているツツジが和ませてくれますね。やがて、なだらかな上りになりましたので、そろそろ合流点かなと思った時に第二の難所が現れます。

 横着をしてストックを持ったまま登ってしまいましたが、ここも集中して登りたい場所でしたね。丁寧につかむ場所、足を置く場所を探して行けば大丈夫でしょう。第一の難所と同様に、ここが登山ルートのようには思えなかったことから第二の難所としてみました。岩場に慣れた人なら普通の上りかもしれません。

 ここを過ぎてしばらく歩くとようやく水場コースとの合流点、坊主尾根コースの終点となります。ここからそのまま傾山山頂を目指すことになります。

【合流点からの上り】  

【最後の急登】  

【山頂と九折越への分岐】   
 合流地点からはなだらかに上って行きます。このまま山頂に到着するのかと思いきや、一旦一気に下った後に再び急な上りとなります。前を歩いていた方が、急な下りを見てげんなりしていましたが、坊主尾根を通ってきた人はみな同じ気持ちになるでしょうね。

 また、最後の上りでは道が崩れて木の幹をトラバースするような箇所があったので慎重に進みました。ある意味一番の危険箇所だったかもしれません。簡単には山頂に到達させてくれない山ですね。

 山頂手前の九折越への道との分岐を経てようやく山頂に到着です。

【傾山山頂】    
 
【右奥に祖母山】   

【祖母山への縦走ルート 祖母山は写真外右奥】   

【坊主尾根を振り返って】   

【大崩山】   
 傾山山頂からは、祖母山や大崩山を眺めることができます。祖母山へは縦走ルートもよく見えました。

 山頂には西側にもスペースがあるのですが(祖母山はこちらから)、この西側のスペースは行き止まりで、九折越へは山頂手前の分岐から一旦南に下ってから向かいます。地形図を見れば確かにそうなのですが、西に西にと思っていると間違えそうです。実際、縦走中のグループが一旦間違えて降りてしまったとのこと。

 しばし休憩をとった後に下山開始です。下山は九折越から下る上畑ルートを通ります。 

【後傾より山頂】   

【なだらかな下り道】  

【九折越】     

【前傾・本傾(山頂)・後傾の眺め】     

【九折越案内看板】    
 まずは、山頂から少し戻って九折越への分岐に入ります。その後、少し下って上り返すと、特に看板等はありませんが後傾の山頂のようです。ここからは、傾山の山頂を見渡すことができます。その後少し急な箇所を下った後は、なだらかな道をずっと下って行きます。

 傾山山頂から1時間弱で九折越に到着です。あまりに広々としていて驚きました。九折越には結構な人がいましたが、これだけ広々としていると全く人が多いのが気になりませんね。また、ここからは傾山山頂を眺めることができました。ちょうどさまざまなルートの合流点となっている場所ですが、北側の九折登山口に向かって下って行きます。

【歩きやすい九十九折れの道】  

【急斜面を下って】   

【沢の様子】   
 
【左岸から正面の倒木の向こうの左岸に取りつく】

【三ッ尾ルート上畑ルート分岐】   
 九折越からは、しばらく九十九折れになった歩きやすい道が続きます。実は、ここで一気に下ろうとしてオーバーペースになりました。そのまま分岐まで行けると思ったのが甘く、急な下り坂や沢の渡渉及びルート探しで苦戦させられることになります。テープはしっかりあるので、迷うことはないのですが、わかりにくい箇所もいくらかありました。

 オーバーペースが祟ったのか、途中からは下りであるにも関わらず非常に足が重かったです。やっとのことで、分岐に到着し舗装された道を下って登山口まで戻ることができました。
 
【舗装された道を歩いて登山口へ】   
 登山口に戻った時には気温も上がってきており、本当に力を使い果たした山行となりました。しかし、坊主尾根を中心として充実した山歩きができたのではないかと思います。

 坊主尾根ルートは、以前と比較すると整備されており、必ずしも危険ばかりが連続するようなルートではなさそうだということは、他の方の山行記録を見て感じていました。今回チャレンジした理由にはそれもあります。ただ、本当に上り下りは多いですので体力の消耗は激しいです。元気ならなんとかという箇所も、体力を消耗してしまうと一気に危険個所になるのでそれが怖かったですね。同じルートを登っていた方とも話したのですが、体力勝負のルートかなということでした。厳しいルートでしたが、傾山を堪能するにはこれほどうってつけのルートもないでしょう。


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