ちゃうすだけ・にっただけ・いろうだけ・てかりだけ
 茶臼岳・仁田岳・易老岳・光岳
  登山日: 2010年7月2日(金) 〜7月4日(日)
  標高:2604m(茶臼岳)2524m(仁田岳)2354m(易老岳)2591m(光岳)2540m(イザルヶ岳) 
  累積標高差 : 約4200m(畑薙第一ダムから茶臼岳まで約1660m)




 7月2日(金)    沼平ゲート前 6:55 → 畑薙大吊橋 7:30 → ヤレヤレ峠 8:15
   →  ウソッコ沢小屋 9:15 → 横窪沢小屋 10:45(〜11:00)
   →  茶臼小屋 13:15
     
7月3日(土)     茶臼小屋 5:30 → 茶臼岳 6:00 → 希望峰 6:40
   →  易老岳 8:05 → 光小屋 10:15 → 光岳山頂 10:30(〜50)
   →  光石 11:00 → 光岳山頂 11:15 → 光小屋 11:25 
   →  イザルヶ岳 11:40 → 易老岳 13:15 → 希望峰 14:50
   →  仁田岳 15:10 → 希望峰 15:30 → 茶臼岳 16:05
   →  茶臼小屋 16:35
     
7月4日(日)     茶臼小屋 6:55 → 横窪沢小屋 8:20
   →  ウソッコ沢小屋 9:30 → ヤレヤレ峠 10:40
   →  畑薙大吊橋 11:10 → 沼平ゲート前 11:50

 

 今回は南アルプスを登ります。初めてのテント泊ということで、本当はもう少し山頂までのアプローチの短い山を考えていたのですが、南方の方が天気が良さそうだということ、登山口までが近いということもあり南アルプス南部の山を歩くことにしたのでした。結果としては、山に登っている間はずっと雨で、わざわざ南方の山を選んだ甲斐がなかったのは残念でした。

 登山口となる畑薙第一ダム奥の沼平ゲート前まで山道を北上していきます。同じ静岡市内とはいえ、自宅からは山道中心で85キロあります。順調に走ったものの2時間半程かかりました。

【沼平ゲート前】 
  
【南アルプス登山指導センター】
 夏季に二軒小屋や椹島まで東海フォレストのバスを利用して入る場合には、畑薙第一ダム手前の臨時駐車場を利用しますが(この時点ではまだ利用不可)、茶臼岳方面に登る場合には、一般車両が入れる道路の終点となる沼平ゲート前まで行って登山口まで林道を歩きます。この沼平ゲート前には、東海フォレストのバスはとまりません。

 沼平ゲートのすぐ前の空き地にはそれほどの車はとめられませんが、少し戻るとそこそこのスペースがあります。とはいえ、この日は全然車がとまっていませんでしたので、ゲートすぐ手前の空き地にとめることができました。

【畑薙湖と付近の山々】 

【林道】 
 
【横からの畑薙大吊橋】
 準備ができたらゲートを過ぎて林道を歩き始めます。ちなみにゲート前には南アルプス登山指導センターという建物があって、登山届を入れるポストもあります。

 林道では左手に畑薙湖を見ながら歩くことになります。なかなかの天気で、1日目は小屋までの展望のないルートでしたから、2日目以降までなんとかもってくれればという思いで歩いていました。
 テント泊用のザックは今回が初めての使用となりましたので、家で調整をしてきたつもりでしたが、結局歩きながら何度も微調整をしながら進むことになりました。いくらフィットさせても、重いものは重いですね。  
 林道をしばらく歩いて行くとやがて畑薙大吊橋が見えてきます。全長182mで東洋一の長さの吊橋だそうです。造りはしっかりしていますので見た目程怖くはないと思いますが、高度感はかなりのものです。まっすぐ歩いている分には問題ないのですが、下を見るとやっぱり高所恐怖症の自分には怖かったですね。

 吊橋を渡り終えると登山道に入ります。まずは一気に高度を上げた後、送電鉄塔が見えたあたりからトラバースする道になります。少しずつ高度を上げながら進んで行くとヤレヤレ峠です。
 
【畑薙大吊橋入口】
 
【吊橋の上より】 
 
【トラバースする道】 
 
【ヤレヤレ峠】
 
【下り坂】
 ヤレヤレ峠とはおもしろい名前です。ここでは、沢に釣りに行くという3人組のグループに会いました。実はこの3日間で、登山道中で人に会ったのはこれが最初で最後となりました。天候の悪さもさることながら、山開き前で小屋が営業していないというのもあるのかもしれませんね。

 ヤレヤレ峠で休憩した後は一旦下って行きます。茶臼小屋までのルートは、前半はほとんど高度を稼がないのですが、このように湖岸や沢沿いの道のアップダウンがあることにも起因しているようです。そして、下山時にはヤレヤレ峠までの上りが最後にたちはだかることになります。

【滑りやすい沢沿いの岩】 

【5つの吊橋を渡る】

【階段】
 
【ウソッコ沢小屋】 

【ウソッコ沢出合の吊橋へ】

【足場の悪い階段】 

【本格的な急登へ】
 ヤレヤレ峠から一旦下った後は沢沿いの道を何度も吊橋を渡りながら進むことになります。沢の水量は多く水しぶきの多いところは涼しくて気持ちが良かったです。ただし、そのような場所は岩が滑りやすくなっており、慎重に進まざるをえませんでした。

 危険を感じるほどの場所はないと思いますが、足場の悪いところや狭い道もありましたので、重いザックを背負った身としてはなかなか大変な道でした。小屋手前の上りを除くとウソッコ沢小屋まではこれといった急登はないと思います。水場で冷たい水を飲んでさらに15分程歩くとウソッコ沢小屋に到着です。

【中の段】
 
【横窪峠】

【横窪沢小屋】
 ウソッコ沢小屋で少し休憩をしてから出発します。小屋から間もなくウソッコ沢出合があって、結構な流量のある沢の上の吊橋を渡って行きます。この沢はなかなかの迫力でした。その後、小屋手前にもあったような階段があるのですが、こちらの階段は木を組み合わせて作ったような箇所や足場の狭い階段があるため慎重に登りました。下山時はさらに慎重に下ることになります。

 その後は、九十九折れの道に沿ってひたすら高度を稼いで行きます。それまでの道に比較すると歩きやすい道ではあるのですが、やはり重い荷物をもっているためなかなかの厳しい上りとなりました。
 

【お地蔵さんとガイドブック】 

【大無間山も雲の中へ】 

【水呑場】  
 何度か休憩を挟みつつ登って行くとやがて横窪峠に出ます。ここは上部に少し視界が開けています。峠からは一旦下って沢を渡ると横窪沢小屋がありました。その日はまだ冬期閉鎖中で一部が解放されているのみでした。きれいなトイレはありましたが、水はとめられていて取水することはできないようです。

 小屋で少し長めの休憩をとった後、再び急登を登り始めます。途中お地蔵さんと昭文社のガイドブックがありました。お守り代わりなのでしょうか。このあたりからはだんだん雲行きが怪しくなって、大無間山の展望所では、既に大無間山に雲がかかっていました。
 やがて、水呑場と呼ばれる水場に出ます。ガイドブックでは涸れているとありましたが、僅かに水が出ていました。他の水場と比較すると少なめでしたので、涸れやすいのかもしれません。

 さらに高度を稼いで樺段に到着です。歩き始めてからの時間は決して長くはなく、ここまでもこまめに休憩をとってきたわけですが、上りの連続が続いただけあって、このあたりではかなりしんどくなってきました。横窪沢小屋から茶臼小屋まで標高を800m程稼ぐのですから無理もないのかもしれません。時間には余裕があったのですが、雨が降り始めてきたのでがんばって登り続けます。

【樺段】 

【茶臼小屋水平道】  
 急登が終わると「茶臼小屋水平道」という看板がありました。水平ではないが急登は終わりとのことです。実際このあたりからは緩やかに登っていくことになります。

 そしてようやく茶臼小屋に到着です。雨が降っていましたのでガスがかかっています。もちろん展望は望むべくもありませんね。ただし、翌日以降の天気と比較すると一部でも山が見えているだけまだ良かったようです。

 建物は立派ですし、トイレもきれいです。現在は営業前のため、小屋もトイレも一部しか解放されていませんが解放スペースは自由に使えるようです。

【ガスの中の茶臼小屋】    

【雲のかかった山々】  

【トイレ 使用可能なのは左端のみ】   

【水場】  
 

【初めて設営したテント】    

【ミヤマキンポウゲ?】   
 水場では、冷たい水が豊富に出ていて水の心配もありません。実は、横窪沢小屋の水がとめられていたようだったので、水場が使えるかどうかが不安の種でした。そのために途中の水場から水を担いできたのですが、それも上りで苦戦した理由の一つでしょう。
 茶臼小屋に着いた時は雨が降っていたので、一旦解放されていた小屋に避難することにします。他に利用する人もいないようでしたので、そのまま小屋で過ごそうかなとも思ったのですが、ちょうど雨のやんだ時間があったのでテントを設営することにしました。
  【カラマツソウ?】 
【イワカガミ】

【稜線への道】   
 一度自宅で組み立てていたため、設営にはそれほどの苦労はありませんでした。ペグの打ち方がわかりませんでしたが、石などを利用してなんとか設営することができました。

 時間があったので、天気が良ければ茶臼岳までを往復したいところでしたが、小屋から上部は完全にガスの中でしたので、小屋の周辺の花を見て回った後この日は休むことにしました。テント設営後は再び雨が降ってきて、結局夜通し雨が降ったり強い風が吹いていました。
 

【完全にガスの中にある稜線への道】   
 2日目の朝は、前日からの雨の中で目が覚めました。そもそも、強い風が吹いてテントが揺れる度に目が覚めるような状態でした。この日は、目一杯歩くことになるので、本当は夜明けとともに歩き始めるつもりでしたが、雨が降っているうえにガスで周囲が全く見えない状態でしたので、明るくなってから出発することにしました。写真ではさっぱり先が見えませんが、肉眼では道が見える程度にはなりましたので5時半頃出発することにしました。

 小屋からは、登り続けてハイマツ帯を抜けると稜線に出ます。稜線手前あたりからはかなりの風が吹き付けてきました。   
 稜線の分岐を左に折れて茶臼岳方面に向かいます。右に折れると上河内岳に向かうことになります。
 稜線上の道は遮るものがないため、強風が当たり続けます。雨量が少なめだったのがまだ幸いだったと思います。目印はほとんどわかりませんでしたが、踏み跡はうっすらと見えていましたので、視界はなかったですが問題なく進んで行くことができました。やがて、山頂手前の岩場に入ると風が岩や樹木に遮られて静かになりました。ここを登ると茶臼岳山頂で、再び強風にさらされることになります。
 
【ハイマツ帯を歩く】   

【稜線出合】    

【分岐看板 茶臼岳へ】  

【山頂手前の岩場】  
 茶臼岳からは、見事な展望が広がっているはずですが、この天候では望むべくもありません。森林限界より下れば強風が和らぎますので、先に進むことにします。

 しばらく岩場を稜線沿いに緩やかに下った後、ザレた道を一気に下って稜線の南側に入ると風は穏やかになりました。その後、一時的に稜線に出ることはありましたが、基本的に樹林帯を歩くことになりますので、強風にさらされることはなくなりました。

 茶臼岳から下る途中では雪渓も残っていましたが、本日まともに雪が残っていたのはここだけでしたね。

【茶臼岳山頂】   
 
【雪渓を歩く】

【仁田池】   
 雪渓を通り過ぎた後は気持ち良さそうな草原が広がっていて、お花畑になっているところもありました。もう少し時期がたつと一面のお花畑を見ることができるのでしょうか。なお、このあたりはテント禁止となっていて看板もありました。また、植生保護のための木道もあります。このあたりは、ガスの中でしたが歩きやすくて気持ち良く進むことができました。

 やがて、希望峰に到着です。ここは仁田岳への分岐となっています。仁田岳は展望の山ですので、帰路に晴れていることはまずなさそうでしたが、これ以上ひどくなっていることもなさそうでしたので、後回しにすることにしました。
 

【お花畑とテント禁止の看板】 

【木道を歩く】 

【希望峰分岐】  

【樹林帯を進む】   

【バイケイソウの間を歩く】   
 
【仁田岳を望む】  

【倒木に塞がれた道】  
 希望峰から先は樹林帯の道を歩いて行くことになります。当初はよく整備された土の道を気持ち良く歩いていたのですが、途中から倒木が目立ち始めます。倒れてからの期間の長い木については、巻き道の踏み跡がしっかりしているので問題ないのですが、割と最近倒れたと思われる木については、はっきりした踏み跡がないので、うまく巻く道を探したり、強引に乗り越えて進んで行きました。ただし、元来の登山道はくっきりと残っていますので、多少巻いても道を見失うことはないでしょう。

 試行錯誤しながら進んだので結構時間を使いましたが、最後しばらく上りが続いた後に易老岳山頂に到着です。周囲を樹木に囲まれた地味な山頂です。

【折り重なった倒木に道が見えず】   
 
【易老岳山頂】  

【易老渡分岐】  
 易老岳山頂付近に易老渡への分岐があります。光岳へは易老渡からが最短で、1泊2日あれば登れるのではないでしょうか。健脚者であれば日帰りでも可能なようです。

 分岐からは、光岳方面に向けて南西方向に緩やかに下って行きます。樹林帯の中を下って行くのですが、やがて開けている場所があって、イザルヶ岳と光岳を正面に眺めることができます。最初に光岳を見た時は雲がかかっていなかったのですが、カメラを取り出す頃には雲がかかってしまいました。それだけ雲の動きがめまぐるしかったということでしょう。
 
【分岐から光岳方面の道】   
 
【加加森山】   

【左:イザルヶ岳 中央:光岳】     

【草原の道】     
  また、少し右手を見ると加加森山を見ることができます。光岳からこの加加森山を経て池口岳につながらる縦走ルートがありますが、踏み跡が薄く上級ルートとなっているようです。

 緩やかな下りを終えて鞍部に出ると、少し開けた草原の道に出ます。ここから間もなく三吉ガレがあり、崩壊した斜面を眺めることができます。また、北側に目を向けますと、うっすらとですが奥茶臼山や大沢岳あたりが見えていました。

 さらに進んで行くと再び樹林帯の中に入って行きます。このあたりは結構なぬかるみがあって、道を外すとずぼっと靴がはまってしまいました。

【三吉ガレ 中央奥の光岳はガスの中へ】    
 
【樹林帯とぬかるんだ道】   

【テープを追って中央奥へ】    
 
【沢の岩のごろごろした道】   
 
【残雪の脇を登る】    
 樹林帯の道も順調に進んで行きますが、一箇所登山道ではなくテープを追うところがありました。 テープが何箇所もついていますので間違えることはないとは思います。

 さらに進んで行くと、沢になっていて岩がごろごろした道が続いています。ここはそれなりの坂が続いていて、一気に高度を稼いで行くことになります。岩といってもそれほど大きな岩ではないので、歩きにくいということはありませんでした。途中、残雪もありますがここは脇を登って行けました。

 やがて、視界が開けて正面にイザルヶ岳が見えてくるようになると同時に傾斜も緩やかになってきます。
 
【正面にイザルヶ岳】    
 
【静高平】    
 
【水場】   
 
【正面奥に光小屋】   
 
【キスミレ?】   
 静高平に出ると水場がありました。涸れていることが多いという水場ですが、さすがにこれだけ雨が降っていると水もよく出ています。ちなみに、ここの水が出ている間は光小屋で水を分けてもらうことができないようです。水を汲んでから小屋に来てくださいと看板に書いてありました。

 さらに進んで、お花畑が出てくると同時に正面奥に光小屋が見えてきました。またイザルヶ岳への分岐もありました。仁田岳同様帰路に寄ることにします。
 
【イワカガミ】   
 
【イザルヶ岳分岐】   
 
【木道を歩く】   
 
【白い花】   

【振り返ってイザルヶ岳】  

【ミヤマキンポウゲ?】    
 さらに木道を進んで行きます。このあたりには、さまざまな花が咲いてきれいでしたが、花の名前はよくわかりませんでした。お花畑を通る木道を歩いて行くとやがて光小屋に到着です。まだ営業期間前のはずでしたが、中から物音が聞こえてきました。営業に向けての準備中だったのでしょうか。

 光小屋の前を通って光岳山頂を目指します。途中柴沢吊橋(寸又川林道)分岐を経て、緩やかに登って行くとようやく光岳山頂に到着です。山頂は樹木に囲われていて展望はありません。
 

【光小屋】    

【光小屋入口】    
 
【柴沢吊橋分岐】  

【山頂の様子】     

【光岳山頂】     

【展望所】     
 山頂からすぐの場所に展望所がありますが、さすがにこの天気では何も見えません。せっかくなので、光石を見に行くことにしました。光岳山頂からは加加森山への縦走ルートを進み途中で分岐します。しばらく下って行くと光石に到着です。

 光石は石灰岩質のため白く見えるようです。この石が遠方から見ると光って見えるため光岳と呼ばれるようになったとか。この光石は池口岳に登った時によく見ることができました。逆に、晴れていればこの光石の上から池口岳をはじめ深南部の山々がよく見えていたことでしょう。

【加加森山への縦走ルートと光石分岐】  
 
【この付近にもお花畑】 

【光石】  

【青い花】  
 光石からは、行きで寄らなかった場所に寄りつつ戻って行きます。易老岳から光岳あたりまで、一時的に雨がやんでいたのですが、このあたりから再び雨が降ってきました。残念ながら、この日はずっと晴れることはありませんでした。

 まずは、イザルヶ岳分岐まで戻って登ります。分岐の看板のとおりおよそ15分程で往復できます。分岐からは緩やかに登って行くと山頂に到着です。森林限界を超えて遮るものもなく展望が良さそうですが、この日は強風と雨にさらされることになりました。山頂だけ確認するとすぐに戻りました。

【イザルヶ岳山頂の様子】   

【イザルヶ岳山頂】   

【仁田岳へのハイマツ帯を歩く】   
 
【山頂の様子】  

【仁田岳山頂】     
 その後、沢の道を慎重に下って登り返した後易老岳に到着しました。このあたりは疲れのピークに達しつつあったようで、こまめに休憩を挟んで行きました。

 易老岳からの倒木帯は厳しいかなと思っていたのですが、往路でルートを探しながら来たせいか帰りは巻く場所を覚えていて特に問題なく進んで行けました。そして、仁田岳分岐となる希望峰に再び到着です。

 仁田岳への道は、すぐに視界が開けてハイマツ帯が続きます。このハイマツが濡れていたため、足がびしょ濡れになってしまいました。また、登山道に突き出ているため、少し歩きにくいですね。  
 山頂が近くなってくると、イザルヶ岳と同様に強風にさらされることになりました。それでも、朝方茶臼岳付近を歩いていた頃に較べれば全然ましでしたが。結局山頂を踏んだだけで希望峰に戻ってきます。

 希望峰からは再び茶臼岳に戻って行くことになります。視界の悪さは変わりませんでしたが、風がかなり収まっていたのは助かりました。岩場を登って行き、再び茶臼岳の山頂を踏むと稜線の分岐に向けて下って行きます。砂礫の道は、上りと同様視界が悪かったので、道を丁寧に確認しながら下って行きました。

【茶臼岳を眺めて】  

【砂礫の道を下って行く】  
 稜線分岐を経てようやく茶臼小屋まで戻ってくることができました。朝は強風にさらされ、結局ほぼ1日雨の中を長時間歩くというハードな1日でしたが無事に終えることができました。ただ、慣れないサブザックを背負っていたこともありますが、かなり疲れきっていてあまり食欲もないような状況でした。それに追い打ちをかけるように、大雨が降ってきます。結局、食べないことには仕方がないということで、無理に食べ物を詰め込んで寝ることにしました。

 なお、前日は誰もいなかった茶臼小屋ですが、2日目はテント泊の方1名と、小屋の営業準備に来たと思われる方々が来ていました。 
 

【稜線への道はガスの中】 
 2日目の夜は、1日目の夜にもまして強風と豪雨にさらされることになりました。いきなり、テントが浮くかと思うような風が吹いたかと思うと、猛烈な勢いで雨がテントに当たるという感じでした。熟睡はできませんでしたが、早い時間から横になっていたのでそれなりに睡眠はとれたと思います。明け方になってきても雨がなかなかやまなかったので、食事をとって片づけをしつつ時間をつぶし、雨がやんだのを見計らって撤収作業に取り掛かりました。予想していた通り設営よりもかなり手間取りましたが、なんとか撤収作業を終えることができました。
 当初3日目は上河内岳をピストンしてから下る予定でした。しかし、雨こそやんだものの稜線への道はガスの中であり、森林限界上を歩く時間が長く強風にさらされる時間も長くなりそうだったので断念しました。そもそも、このガスの中では山頂を踏むだけで終わるだろうなというのもありました。山頂からの大展望は次回にとっておくことにします。

 したがって、撤収を終えたら下り始めることにします。重い荷物を持っていますので慎重には下って行きましたが、やはり上りと比較するとかなり楽に進んで行くことができました。

【テントを撤収して】  

【横窪沢小屋】  
 また、天気の方も下るにつれて良くなってきました。これは山の天気が悪かったからだと思っていたのですが、麓でも2日目の夜は大雨が降って3日目の午前中には晴れてきていたそうです。

  順調に下って行きましたが、ウソッコ沢小屋手前の階段は滑るうえに足場が狭いのでゆっくり下って行きました。また、小屋以降の沢沿いの道も滑る箇所があったり、アップダウンがあったりと、慎重に慎重に下って行くことになります。また、最後のヤレヤレ峠までの上りは思ったよりもしんどいものになりました。やはり、重いものを上げるのは大変なようです。

【滑る階段】 

【沢沿いの岩】 

【時々青空も】  
 ヤレヤレ峠を過ぎてトラバース道を歩いて行くと、ようやく畑薙湖まで戻ってくることができました。大吊橋を渡り林道を歩いている時には時々青空も見られる程で、山の上でずっと風雨に曝されていたのが信じられないくらいでした。

  林道を歩いている時にパトカーが通りかかって、登山届は出したかどうかとか、単独行はできるだけ避けるようになどというやりとりもありましたが、無事沼平ゲート前まで戻ってくることができました。本当にこのすがすがしい青空を山頂で見たかったですね。

【沼平ゲート前】    
 
【畑薙第一ダム】     
 今回は初めてのテント泊にも関わらず2泊3日となったわけですが、テントを背負っての登山は初日と3日目で実質小屋までのピストンとなりました。結局、登ってからは全く晴れることもなく、テント内のものは一切乾かずに濡れたままという厳しい状況でしたが、経験を積むという意味では小屋泊ではなくテント泊とした意義は大きかったと思います。基本的には日帰りで目一杯歩くというスタイルが中心になるとは思いますが、今年中に2回目3回目のテント泊にチャレンジして、来年以降の山行につないでいけたらと思います。


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