かしまやりがたけ・じいがたけ | |
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登山日: 2010年7月24日(土) | 標高:2889m(南峰)、2842m(北峰)、2670m(爺ヶ岳) |
累積標高差 : 約2600m(登山口から約1550m) |
7月24日(土) | 登山口 4:00 → 種池山荘 6:40 → 爺ヶ岳南峰 7:15 | ||||
→ | 爺ヶ岳山頂 7:30 → 冷池山荘 8:15 → 布引山 9:00 | ||||
→ | 南峰 9:25(〜10:05) → 北峰 10:30 → 南峰 10:55 | ||||
→ | 冷池山荘 12:05(〜15) → 種池山荘 13:35(〜45) | ||||
→ | 登山口 15:40 |
本日は鹿島槍ヶ岳に登ります。先々週に餓鬼岳に登った時のように、長野道豊科ICで降りた後北上していきます。途中から大町アルペンラインに入って扇沢を目指しました。扇沢には広い駐車場とトイレがありますが、登山口付近にもそれなりの駐車スペースがあります。車中泊をするのなら、広いスペースとトイレのある扇沢の方が良さそうですが、日帰りのため登山口付近の駐車スペースにとめました。ただ、こちらが満車になっていて、結局扇沢にとめることになることも多いようです。 ここまで寝ずに来ましたので、2時間程運転席で仮眠をとって暗いうちに出発しました。扇沢から歩き始める場合と比べて10分程の短縮になります。 |
![]() 【登山口付近駐車場(下山時)】 |
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![]() 【登山口前駐車スペース(下山時)】 |
まずは駐車場横の橋を渡って登山口に向かいます。登山口の目の前にもスペースはあるのですが、よっぽどうまく開いた時でないととめるのは困難でしょう。 登山口には「爺ヶ岳登山口」とあります。鹿島槍ヶ岳を目指す人にとっては爺ヶ岳は通過点かもしれません。爺ヶ岳からは縦走して行くような感じでしょうか。爺ヶ岳まででもなかなかの距離ですし、見事な展望が得られますのでここを目標に登っている人も多かったです。 登山口からはよく整備された道を歩いて行きます。最初は木の幹などで歩きにくい場所もあるにはあるのですが、歩きやすいことに変わりはなく暗い中でも問題なく進んで行けました。 |
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![]() 【登山口(下山時)】 |
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![]() 【登山口付近の道(下山時)】 |
![]() 【ケルン】 |
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![]() 【扇沢】 |
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![]() 【蓮華岳と針ノ木岳】 |
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![]() 【石畳】 |
登り始めて30分も過ぎてくると徐々に夜が明けて行きます。ケルンに到着した頃にはすっかり夜が明けていました。麓を見下ろすと扇沢を見ることができます。駐車場は半分も埋まっていない状態ですね。また、背後にはずっと蓮華岳と針ノ木岳を見ることができます。朝焼けに染まった山を見ることができましたが、その時には針ノ木岳に雲がかかっていました。写真は明るくなって雲もそれなりにとれてからのものです。針ノ木大雪渓、いつか登ってみたいですね。 柏原新道はよく整備された道ですので淡々と登って行きます。途中石畳と書かれた岩の上を歩く場所がありました。平らな石が多く、濡れてさえいなければ快適に歩いて行けます。 |
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![]() 【ガラ場の道】 |
![]() 【雪渓をトラバース】 |
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![]() 【稜線手前】 |
さらに登って行くとガラ場が出て来て、前後には注意書きの看板があります。確かに足場が少しもろい感じがするのと落石に注意すべき場所なのでしょうが、特に問題なく歩いて行けます。雪渓だけは滑りやすいので少し注意した方がいいかもしれませんね。 柏原新道は危険な場所どころか歩きにくい場所がほとんどないため、体力が残っているうちは順調に歩いて行けます。やがて、稜線が見えてきて登山口から3時間弱で種池山荘に到着です。種池山荘では、宿泊客らしき方達が景色を眺めていました。背後に大きな山が見えると思ったらなんと立山連峰が目前に控えているのでした。 |
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![]() 【種池山荘】 |
![]() 【種池山荘分岐】 |
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![]() 【山荘奥の雲の被った左の立山と右の別山】 |
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![]() 【爺ヶ岳南峰への道】 |
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![]() 【種池山荘を振り返って 立山〜別山〜剱岳】 |
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![]() 【ライチョウ】 |
立山から剱岳に至る立山連峰を時々振り返りつつ先を進みます。まずは爺ヶ岳南峰に向かって歩いていきます。途中緩やかなザレた道を登って行く途中にライチョウに会うことができました。最初は気付かなかったのですが、静かに写真撮影をしていた人達が教えてくれたのでした。思わぬかたちでの初めての出会いとなりました。 登山道は爺ヶ岳を巻くようについていて、途中南峰に登る道へ分岐します。分岐からは間もなく山頂に到着です。山荘に泊まっていた方達でしょうか、山頂は結構な人でにぎわっていました。これから登る鹿島槍ヶ岳はもちろん、立山連峰など見事な北アルプスの景色を眺めることができました。 |
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![]() 【爺ヶ岳中峰(最高峰)】 |
![]() 【爺ヶ岳南峰山頂より鹿島槍ヶ岳】 |
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![]() 【右に槍ヶ岳】 |
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![]() 【手前に餓鬼岳〜唐沢岳 奥に常念岳〜燕岳の稜線】 |
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![]() 【爺ヶ岳山頂分岐】 |
南峰に登った後は爺ヶ岳最高峰である中峰を目指します。こちらも南峰同様巻くように道がついていて途中に分岐があります。ザレた道を登って行くと中峰山頂に到着です。こちらも南峰と同様遮るものもなく見事な景色です。中峰については、南峰側からも北峰側からも登れるようになっているので、北峰側から下って行きます。ここは岩場になっているのでゆっくり下って登山道に合流しました。全般的に歩きやすい道になっているので、このような道が余計歩きにくく感じるのかもしれません。 さらに進んで行くと北峰を巻くように道がついています。北峰への分岐はありませんでしたが、少し脇に入れば登れるのかもしれません。 |
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![]() 【槍ヶ岳】 |
![]() 【爺ヶ岳中峰山頂(最高峰)】 |
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![]() 【爺ヶ岳南峰を振り返って 左に蓮華岳と針ノ木岳 右に立山 中央奥にうっすらと薬師岳】 |
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![]() 【爺ヶ岳北峰】 |
北峰を過ぎると一気に下って行きます。間違いなく帰りはこの上りが応えるだろうことが想像できます。この下りからは正面にどっしりと鹿島槍ヶ岳を望むことができます。ただし、残念なことにこのあたりからは雲が徐々にかかり始めてしまい、正面から見えたのはこのあたりが最後になってしまいました。ただし、稜線で雲がとまっていたためその後も西側の景色は問題なく眺めることができたのは良かったですね。 下りきると冷乗越に到着です。ここでは、赤岩尾根からの道と合流します。鹿島槍ヶ岳に登るだけならこちらからの方が若干短時間で登れるようです。 |
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![]() 【雲がかかりつつある布引山〜鹿島槍ヶ岳南峰〜北峰 左手前に冷乗越 左に冷池山荘】 |
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![]() 【冷乗越】 |
![]() 【冷乗越看板】 |
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![]() 【冷池山荘】 |
冷乗越からややザレた道を下って登り返して行くとやがて冷池山荘があります。鹿島槍ヶ岳最前線の山小屋になりますね。ちょうど小屋泊の人が出払った後で、小屋の方が掃除などをしているようでした。 小屋の脇を通って行くとトイレがあり、さらに進んでテント場になります。ここからは、鹿島槍ヶ岳も見えることは見えるのですが、何よりも立山連峰の眺めが見事です。よく晴れた日にここから夜明けや夕陽を眺めてみたいものですね。 |
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![]() 【山荘脇の道を通る】 |
![]() 【テント場】 |
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![]() 【テント場からの立山連峰 立山〜別山〜剱岳】 |
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![]() 【鹿島槍ヶ岳は雲の中 正面は布引山】 |
![]() 【シナノキンバイの群生】 |
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![]() 【チングルマのお花畑】 |
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![]() 【布引山】 |
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![]() 【爺ヶ岳を振り返って】 |
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![]() 【布引山への道】 |
テント場からしばらくはなだらかな道を進みます。このあたりでは鹿島槍ヶ岳はすっかり雲の中に入ってしまい、布引山だけがよくみえます。道中ではシナノキンバイやチングルマのお花畑を見ることができました。この後少し樹林帯を抜けると布引山への上りになります。 遠方から見ると鹿島槍ヶ岳の脇であまり目立つことのない布引山ですが、近付くにつれてその大きさに驚かされます。思ったより長い上りは結構大変でした。また、このあたりでは小屋泊で早朝に山頂に登っていた方達とよくすれ違いました。 |
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![]() 【雲がほぼとれた立山連峰 この後再び雲が】 |
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![]() 【布引山山頂と奥に鹿島槍ヶ岳南峰】 |
ようやく布引山山頂に到着です。奥に南峰も見えています。布引山に登った時もそうだったのですが、このあたりはスケールが大きいのか見た目よりも遠く感じられます。山頂まで近そうに感じだので、山頂まで歩いたら休憩しようと思って歩き続けたのですが、このあたりできちんと休憩を挟まなかったのが、後半の大失速の要因になった気がします。 布引山からそのまま鹿島槍ヶ岳南峰を目指して歩いて行きます。 最後山頂直下のザレた長い上りが大変でしたが、ようやく南峰山頂に到着です。こちらが最高峰になります。 |
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![]() 【鹿島槍ヶ岳南峰への道】 |
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![]() 【山頂の様子】 |
![]() 【山頂看板】 |
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![]() 【五竜岳】 |
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![]() 【白馬鑓ヶ岳と奥に僅かに白馬岳】 |
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![]() 【どっしりとした薬師岳】 |
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![]() 【野口五郎岳〜(鷲羽岳)〜水晶岳〜赤牛岳 手前中央は針ノ木岳】 |
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![]() 【鹿島槍ヶ岳北峰】 |
![]() 【南峰直下の急な岩場の下り】 |
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![]() 【南峰を振り返って】 |
南峰からはそれまで見えなかった五竜岳やわずかながら白馬岳を眺めることができました。また、道中見てきた山を一通り眺めることができます。文字通りの見事なパノラマが広がっていました。特に薬師岳は初めて見たのですが、さすが百名山だなと思わせるようなどっしりとした姿を見せてくれました。 しばらく景色を楽しんだ後北峰に向かいました。ここまでが順調だったので、少し足を伸ばしてみようと思ったのです。 |
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![]() 【五竜岳方面分岐】 |
![]() 【北峰山頂】 |
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![]() 【北峰からの五竜岳 稜線沿いまで雲が】 |
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![]() 【鞍部の脇に残る雪渓】 |
南峰までの道は見事なまでに歩きやすい道でしたが、北峰までの道は険しい道でした。特に南峰直下の岩場は結構急でした。往復に要した時間こそ1時間足らずでしたが、ここで結構消耗したような気がします。 一旦鞍部まで下った後上り返します。北峰山頂直下には吊尾根分岐があって、八峰キレット、五竜岳への道がつながっています。この分岐を過ぎると間もなく北峰山頂です。山頂は狭く南峰と比較すると地味な感じがするかもしれません。ここからは、北側の真下にキレット小屋を見ることができました。 |
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北峰からはほとんど休む間もなく南峰に戻ります。急な下りは今度は急な上りとなりますので、最後はよじ登って行きました。南峰からはしばらくザレた道を下って行くのですが、このあたりからは足取りも重くなっていったような気がします。上りでの無理と北峰往復がきいてきたのでしょう。 爺ヶ岳への登り返しとアップダウンはやはりきつかったです。それでも、道がよく整備されているだけ助かったといえるでしょう。暑さもあって、冷池山荘でも種池山荘でも1リットルずつの水を買いました。それでも種池山荘まではそこそこペースで歩いて来られたのではないかと思います。 |
![]() 【爺ヶ岳への登り返し】 |
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![]() 【ようやく登山口へ】 |
本当にきつかったのは、種池山荘からの柏原新道の下りでした。道は歩きやすいのですが、とにかく足の疲労が限界に達していました。ほとんど惰性で下っていて、まさに足が棒になっていましたね。それでも力を振り絞ってなんとか登山口まで戻ってくることができました。 最後は足の疲労が限界に達したものの、夕方までには戻れましたし、何よりも見事な景色を見ることができて充実した山歩きになったのではないでしょうか。ただし、足の疲労があまりにひどく翌日に大いに響くことになりました。普通の日帰り山行ではほとんど響かなかったことを考えると、この日はよっぽど消耗させられてしまったのでしょうか。何はともあれ、翌日の登山口へ向かったのでした。 |
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