やくしだけ 
雲の平山行記 1日目    薬師岳 
           登山日: 2010年8月20日(金)
           標高:2926m(薬師岳)   標高差 : 折立から1576m




8月20日(金)     折立 7:25 → 1870m三角点 8:50 → 五光岩 10:15
   →  太郎平小屋 11:05(〜35) → 薬師峠キャンプ場 11:55(〜12:50)
   →  薬師岳山荘 13:55 → 薬師岳 14:35(〜55) 
   →  薬師岳山荘 15:25 → 薬師峠キャンプ場 16:20

 

 本日より雲の平へ向かいます。雨の続いた先週のお盆とはうってかわって、天候は概ね晴れで、雨が降り続けることはなさそうな予報でした。雲は多めで展望が得られるかどうかはわかりませんでしたが、早朝の展望に期待することにしました。

 一方で先々週より悪化している足の状態もあって、テーピングと湿布はそれなりに持って来ましたが、こちらは不安を抱えたままとなりました。行程を、テントを背負う時間を5〜7時間とゆとりを持った設定にすることによって負担を抑えたつもりでいましたが、テントを担ぎ慣れていない自分にとってはこれでも厳しいかもしれないという気がありました。

【東谷ゲート前】 
  
【折立駐車場】
 今回出発地点を折立にしたのは、短時間で稜線に乗ることができるという点です。また、薬師岳を登っておくには最適の登山口と言えるでしょう。ただし、もう1つの登山口の候補であった新穂高温泉と比較すると、遠方にあるのに加えて、有料(普通1870円)で通行時間制限(6〜20時)があります。さらには、ゲートをくぐってからの林道が20キロ以上もあって本当に長く感じられましたね。

 静岡を0時頃出発しましたが、途中少し仮眠をとったことを考慮してもやはり遠く、東谷ゲート前にようやく到着したのは、開門直前の6時前でした。早く来てもすることはないのでちょうど良かったのかもしれませんが。車は5〜6台程並んでいました。ゲートそばにトイレがあったので、トイレを借りて6時頃まで待ちました。

【折立キャンプ場】 

【薬師岳登山口】 
 
【十三重之塔 慰霊碑】
 6時近くなると係員の方が出て来て開門されました。自分の後ろには車が来ていなかったのでのんびり進むことにします。片側通行の信号があったり、思ったより長い林道で折立までの道はかなり長く感じました。最後新折立トンネルをくぐるとようやく折立に到着です。

 やはり結構な台数の車がとまっていましたが、空きもそれなりにありました。お盆あたりだと、トンネル前までずらっと車が並ぶこともあるとか。

 いい時間になっていましたので、準備ができたら出発です。登山口に向かって歩いて行くと、右手にキャンプ場そしてトイレがあります。キャンプ場は自由に使って良いようです。さすがにこの時間には1張もありませんでしたが。 
 駐車場奥のバス停の当たりで右に折れると薬師岳登山口になります。ここから、雲の平周遊の長旅が始まります。なお、この登山口にもトイレがあり、休憩所や自動販売機などもありました。

 登山道に入って間もなく、十三重之塔慰霊碑があります。昭和38年に起きたこの遭難事故によって富山県山岳救助隊が結成されたとのことです。この遭難事故は冬山の話ですが、それだけこれから山の奥に入って行くのだと身の引き締まる思いがしました。

 空は雲が絶え間なく動いている感じで、すっきりとはしていませんでしたが、青空も随所に見られるような状況でした。 
 
【青空も】
 
【樹林帯の土の道】 
 
【1870m三角点】
 
【展望はガスの中】
 最初は、樹林帯の中を土や木の根でできた登山道を上って行きます。急登とまではいきませんが、このあたりでは着実に標高を稼いで行きます。1時間半程歩くと視界が開けて、1870m三角点に到着です。ここには、それなりの数のベンチがあって展望が開けています。残念ながら、展望はガスの中で何も見えませんでした。

 三角点からは、やや下った後再び緩やかに上って行きます。このあたりからはザレた道になり、視界は開けたままで、ガスがなければ気持ち良く歩いて行けそうです。ただし、この時は結構暑くなっていて、緩やかながらも結構きつい登りのように思えたのでした。

【緩やかに続く上り】 

【五光岩ベンチ】
 
【薬師岳山頂付近はガスの中】
 
【有峰湖方面】

【太郎平小屋付近の木道】
 登って行くと五光岩ベンチに到着です。薬師岳は、雲が結構なくなってきていたものの、残念ながら山頂付近を見ることはできませんでした。有峰湖方面の景色もすっきりとはしませんでしたね。

 五光岩ベンチからは、さらに緩やかな上り下りがあります。途中長い木道などもありました。やがて、ガスに包まれた太郎平小屋に到着です。

 小屋ではせっかくなので生ビールをいただいて、景色を楽しむことにします。雲は多かったのですが、水晶鷲羽黒部五郎岳をはっきりと見ることができました。薬師岳の立派な山容も見えています。

【太郎平小屋】

【案内看板】

【中央左に水晶岳 中央にワリモ岳と鷲羽岳 中央右に三俣蓮華岳】 

【薬師岳 ピークは中央左奥】  

【薬師峠キャンプ場を見下ろして】  

【薬師峠キャンプ場】 
 薬師岳に登るのを1日目にするか2日目にするか散々悩んだのですが、1日目に登ることにしたため先に進むことにします。展望を考えると2日目の朝に登った方がいいのですが、2日目は余裕を持たせたいとのことで1日目に登ることにしました。

 まずは薬師峠キャンプ場に向かいます。ここは、太郎平小屋から20分程の距離にあります。小屋で受付をしようとしたら、現地で受付をするということでしたので、そのままキャンプ場に向かいました。見下ろしてみるとまさに峠という場所にありますね。
 キャンプ場はそこそこの広さがあって、まだあまりテントが張られていませんでしたので、張る場所を自由に選ぶことができました。とはいえ、最終的にはほぼ埋まっていますわけですが。

 トイレはそこそこきれいですし、水場は6箇所程の口から勢いよく水が出ていてこれがまたとても冷たくておいしかったです。折立からの距離も短くテント場が埋まってしまうのもうなずけるようなキャンプ場でした。

 テントを張ってサブザックを準備したら、薬師岳に向かって出発です。コースタイムは薬師岳往復で5時間ですので、普通に歩けば明るいうちに戻って来られるでしょう。

【キャンプ場トイレ】 

【キャンプ場奥から】

【沢沿いの岩のごろごろした道】 

【岩のごろごろした道が続く】 
 薬師岳へはキャンプ場奥から入って行きます。最初は、狭い岩のごろごろしたような道で沢を登って行くような感じです。渡渉というほど大げさなものではありませんが、実際水が流れているような場所も渡って行きます。

 やがて、道は広がりますがやはり岩のごろごろした道は続いて行きます。これをさらに登って行くと木道が現れて薬師平に到着です。それまでの沢沿いの道からは一変して広々とした草原が広がっています。

 薬師平を過ぎるといよいよ稜線に向けて上がって行きます。このあたりはザレた道が続いていますが、岩のごろごろしたような道と比較すれば歩きやすいですね。

【薬師平へ】  

【休憩場のケルン】

【薬師平の眺め】 

【薬師岳への道】 

【薬師岳東南稜】 
 
【ハクサンフウロ】 
 稜線に向けて上がって行く道の脇に見える東南稜の山並みがきれいでした。有名な薬師岳の圏谷群はこの東南稜の向こう側にあるので、こちらからは見えないようです。

 稜線に上がると正面に避難小屋のあるピークが見えて来ます。山頂はさらに左奥にあります。手前のピークはくっきりと見えていましたが、山頂はガスがかかったり晴れたりを繰り返しているようでした。

 やがて、肩のあたりに薬師岳山荘が現れてきます。まだ工事中とのことですが、きれいな建物ですね。山頂はまだ先ですので、少し休憩した後先に進むことにします。 

【ザレた道】  
 
【登ってきた道を振り返って】 

【正面に山頂手前ピーク 山頂は左奥】

【薬師岳山荘とガスのかかりかけた山頂】 

【薬師岳山荘】 

【ザレた道をひたすら登る】

【避難小屋】
 

【山頂への稜線】   
 薬師岳山荘からは、避難小屋のあるピークに向かってザレた道を九十九折れに登って行きます。ここで一気に高度を稼ぐ感じでなかなかの上りが続いています。やがて避難小屋が近づいて山頂手前のピーク付近に到着した後は、山頂までほぼなだらかな岩場の混じったような道を歩いて行きます。

 しばらく歩くとやがて山頂に到着です。山頂付近は岩場がごろごろしたような場所になっています。山頂には祠があってさまざまなものが祀られており山岳信仰の対象となっていることが偲ばれます。また、ガスが一部かかってはいるものの見事な展望が広がっていました。  

【山頂の様子】

【薬師岳山頂】

【北薬師岳】   

【赤牛岳】   

【水晶岳】  

【鷲羽岳】  

【祖父岳と雲の平】  
 
【ガスがかかり始めた下り】  
 時間には余裕があったものの、山頂で展望を楽しんだら下山開始です。もしかしたら雨が降るかもしれないと思ったこともありました。とはいえ、下り始めて間もなくは、一時的に青空も見えるような状態でした。

 薬師岳山荘を過ぎてザレた道を下って薬師平に入る頃になると、晴れ間はほとんどなくなり雨がいつ降ってもおかしくないような状態でした。しかしながら、なんとかテント場に着くまでは雨に降られずに済んだのでした。結局その後も降りませんでしたので、思い過ごしだったのでしょうかね。

【つかの間の青空に】

【薬師峠キャンプ場へ】   
 キャンプ場はまだ結構空きがあるように見えましたが、暗くなってからも続々とやってきて結局はほぼ埋まったようです。

 この日は1つの分岐点で、あまり調子が優れないようなら翌日下山も考えていたのですが、なんとかなりそうだということで翌日雲の平へ向かうことにしました。場合によっては、薬師岳登山の1泊2日も悪くないということも折立からの登山を決めた理由の1つだったのでした。 
 


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