にぺそつやま | |
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登山日: 2010年9月18日(土) | 標高:2013m(ニペソツ山) |
標高差 : 杉沢出合から約990 m |
9月18日(土) | 杉沢出合 5:15 → 天狗のコル 7:05 → 前天狗岳 8:10 | ||||
→ | ニペソツ山 9:50(〜10:25) → 前天狗岳 12:00(〜10) | ||||
→ | 天狗のコル 12:55(〜13:05) → 杉沢出合 14:25 |
本日はニペソツ山に登ります。前日に斜里岳、雌阿寒岳に登った後、天気の良さそうな北方へ向かうことも考えましたが、すっきりと晴れる保証もなかったので、結局予定していた山の1つであるニペソツ山に登ることにしました。実際問題として、少し離れた山域になると移動距離が長くなるというのもあります。北海道は、高速道路網が発達しているわけではないうえに、かなり広いので、結構移動にも時間がとられます。 今回の遠征では大雪山系の山を登る予定がなかった中で、唯一東大雪山群の盟主であるニペソツ山は場合によっては登ろうと計画していた山でした。大雪山系の山々を見たいということが目的でした。 |
![]() 【登山口手前の路肩へ駐車(下山時)】 |
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![]() 【杉沢出合登山口(下山時)】 |
前日の夜ニペソツ山の登山口となる杉沢出合を目指します。途中ダートの道は長いですが、比較的整備された道で、概ね走りやすい道になっています。部分的に荒れているのは仕方がないでしょう。登山口では前泊している車も何台かありました。 夜が明けたら出発です。早朝にも車が次々に入ってきましたが、誰も出発しないので最初の出発となりました。これが後で大いに苦戦する要因の1つとなりました。わかっていれば備えていたのでしょうが。 |
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![]() 【登山道は丸太の奥(下山時)】 |
![]() 【登山道へ】 |
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![]() 【樹林帯の登り】 |
登山口から入った後が、少しわかりにくかったです。右奥を見ると登山道があるのが見えたのですが、丸太を渡るにしては道になっていないし、回り込んで川を渡渉するにしても水量が多い、ということで、結局慎重に丸太を乗り越えて行きました。 登山道に入るといきなり滑りやすい道の急登がありますが、間もなくなだらかな樹林帯の道になります。徐々に標高を稼いで行く感じの一本道なので、比較的歩きやすいと思います。着実に高度を上げて行くとやがて小天狗が見えて来ます。登山道はこの小天狗の向かって左側を巻きながら進んで行きます。 |
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![]() 【木々の隙間より小天狗】 |
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![]() 【脇からの小天狗】 |
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![]() 【岩を乗り越えトラバース 要注意箇所】 |
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![]() 【笹の覆いかぶさった道】 |
紅葉は一部始まっていたようで、時々色づいた木もありましたが、最盛期はまだまだ先でしょう。 このあたりで、足元注意の看板があり、岩を乗り越えてトラバースするような場所があります。高度感はそれほどないのですが、鎖や杭などがないため、越えるのに少し苦労しました。もしかしたら、通りやすいルートを見落としたのかとも思いましたが、結局帰路でもこれというルートは見つけられませんでした。局所的に注意を要するのはここだけかなと思います。縁が切れ落ちているので全般的に注意を要する場所(ニペソツ山手前稜線)もありますが、崖に寄らず普通に歩いていれば問題ないと思われます。 |
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![]() 【前天狗岳へのササ原の道】 |
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![]() 【天狗のコル(と思われる)】 |
岩を越えるとササ原の道をやや下って行きます。この道には両側からササが飛び出していて、ズボンを露でかなり濡らしてしまいました。雨具のズボンを履いていれば良かったのですが、雨具は上しか持っていなかったので仕方なくそのまま進みます。結果的には、靴下から靴の中まで濡れてしまい、靴下を絞りながら進んだのですが、靴の中が濡れているとかなり歩きにくく苦労することになりました。雨具のズボンも履かずに、または持たずに最初に出発したのは失敗でした。 正面に前天狗岳を見ながら進んで行きます。やがて、天狗のコルと思しき場所を過ぎて行くと、ハイマツ帯の道になります。ガスで視界がないため、トラバース気味の道がしばらく続いて誤った道を歩いているような気分になったのですが、正しい道を歩いていました。 |
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![]() 【前天狗岳の登りへ】 |
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![]() 【岩のごろごろした道】 |
やがて、岩のごろごろしたような道になって前天狗岳への登りになって行きます。この岩の1つに何気なく乗った時に足を滑らせて落ちてしまい膝を激しく打ってしまいました。一瞬感覚がなくなって焦ったのですが、歩くにはなんとかという感じにまで戻ったのでそのまま進みました。靴の中を濡らしたことといい、今回の山行を厳しくしてしまった要因の1つといっていいでしょう。 ガスってはいましたが、だいたいの方向はわかりましたし、ところどころにテープがありましたので、方向は間違えずに進んで行くことができました。やがて、前天狗岳に到着です。ここには携帯トイレブースがあります。また、幌加温泉コースとの合流点でもあるようです。実は、恥ずかしながら最初ここに到着した時は、前天狗岳だとは気づいていませんでした。ここから登山道が下っていることで初めて気がついた次第です。 |
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![]() 【携帯トイレブース】 |
![]() 【鞍部へ下った道を振り返って】 |
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![]() 【前方の霞んだ中に天狗岳】 |
前天狗岳からは一旦鞍部への下りになります。緩やかで広々とした斜面のため方向感覚がつかみにくいですが、要所要所に棒がたっているのでそれを目印に進んで行きます。一旦下った後、再び登って行きます。鞍部付近は特に大きな岩がごろごろしているので歩きにくかったです。一回足を滑らせて膝を打っているせいか、かなり神経質になっていたのでしょう。 天狗岳の脇を進んで行きます。ガスがひどくて相変わらずの方向感覚ですが踏み跡はしっかりしています。しばらく緩やかなアップダウンを繰り返すとやがて稜線が見えて来ます。ニペソツ山への最後の稜線のアップダウンとなります。 |
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![]() 【ニペソツ山への稜線】 |
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![]() 【突き出たハイマツを押しのけて進む場面も】 |
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![]() 【ひたすらハイマツ帯を進む】 |
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![]() 【ガスの晴れ間から天狗岳】 |
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![]() 【ザレた道へ】 |
この稜線に入るまでにも部分的にはあるのですが、ここからは頻繁にハイマツを押しのけながら進む場所があります。登山道脇だけとはいえ、急な登り下りでは結構体力を使わされました。また、ガレの縁を歩く場所もありますので注意が必要ですが、これは縁に寄らなければ大丈夫でしょう。 この稜線のアップダウンを進んでいると、晴れ間が見えたので振り返ってみると天狗岳が見えました。この日は基本的にはガスの中、時々晴れ間という感じでしたが、ニペソツ山を遠望できそうな場所ではついに晴れませんでした。 |
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![]() 【ニペソツ山への道】 |
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![]() 【ニペソツ山頂】 |
ハイマツ帯を抜けるとザレた道になって、ニペソツ山頂もぐっと近づいてきます。この最後の稜線を歩ききるとニペソツ山頂に到着です。周囲に遮るものもなく、晴れていれば見事な展望が得られそうですが、この日は結局ほとんどガスの中でした。時々雲が晴れかかるのですが、下の方だけで、稜線の一部と麓あたりが見えるだけでした。 山頂では足を乾かせながら休憩をしてのんびり過ごします。登って来た方と少し話をしてから下山開始です。 |
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![]() 【稜線を振り返って】 |
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![]() 【ハイマツ帯の斜面を見下ろす】 |
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![]() 【下の方の雲は時々晴れるも山の展望はなし】 |
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![]() 【天狗平の奥に前天狗岳】 |
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![]() 【前天狗岳山頂付近の岩石群】 |
下山中、ガスの合間からニペソツ山が見えないかなと思ったのですが、肝心の山頂付近のガスがどうしてもとれず結局断念しました。それでも、少しはガスが晴れてきましたので、登って来た道、地形を確認することができました。前天狗岳から天狗岳付近の様子はおおよそ確認することができたように思えます。特に前天狗岳からの下りでは、方向転換していたように思えた場所もほぼ一直線で、ガスの中で錯覚を起こしたようでした。これなら道の間違えようもないですね。 ガスは晴れつつあったと思ったのですが、天狗のコルあたりからは再びガスが濃くなるどころか雨まで降ってきたので急いで下って行きました。 |
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![]() 【前天狗岳からの下りの様子】 |
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![]() 【登山口へ】 |
やや足を滑らせつつも思ったよりは早く登山口まで戻ってくることができました。結局雨足が強まらなかったのは幸いでした。ただし、本当に天候が不安定な1日だったなと思います。 今回のニペソツ山では、足を濡らしたり、激しく膝を打ったりなどの自らの不用意と、ガスに包まれた中での登山ということで、厳しい山行となりました。このような天候で展望にも恵まれませんでしたが、大自然を満喫したという不思議な充実感は残ったのでした。ただし、やっぱり大雪山系の山々を見ておきたかったというのは正直なところでしょうか。 |
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