あさよみね
 アサヨ峰
登山日: 2010年11月3日(水)   標高:2799m(アサヨ峰) 2714m(栗沢山)
    累積標高差 : − m(北沢峠から約770m)


 11月3日(水)    北沢峠 7:25 → 栗沢山 9:15 → アサヨ峰 10:25(〜55)
   →  早川尾根小屋 12:20 → 広河原峠 12:40
   →  広河原峠入口 13:40 → 広河原 13:55

 

 本日はアサヨ峰に登ります。当初はもう少し北の方へ行く予定でしたが、寒波が来たうえに天気が崩れそうでしたので、比較的天気の安定している南アルプスへ向かいました。とはいえ、未登頂の高峰は軒並み雪山になっていますし、そもそも日帰りは困難なので、日帰りで歩いて来られるアサヨ峰に登ることにしました。以前から北の方の天気が悪かった時に登ろうと思っていましたので、ある程度調べてあったこともありますね。

 まずは芦安駐車場から広河原に向かいます。午前3時半には駐車場に到着しましたので、少し仮眠をとって午前5時10分のバスに乗る予定でした。ちなみに無料駐車場はいくつもありますが、さすがに時期が時期だけにバス停の目の前の駐車場にとめることができました。

【広河原 バス停付近】 

【インフォメーションセンター】 
 5時前に起きてチケット売り場に行ったところ、北沢峠行きバスが来るまで40分程待つので寒い思いをするよと言われたので、さらに待つことにして再びチケット売り場に向かいました。すると、乗り合いタクシーの運転手が100円高いけどこちらの方が早く着くよということだったので、結局乗り合いタクシーで向かいました。5時10分のバスに乗っても変わらなかったですね。ちなみに乗り合いタクシーは定額で1200円になります。

 広河原到着後は時間がありましたので、北岳登山口と北岳を見に行きました。バスに乗っていた時に驚いたのですが、北岳は山頂付近だけとはいえ結構白くなっていました。実際、北岳に向かう人で冬山用の登山靴を履いていた人がいましたね。早く着いていい景色を見ることができました。来年は、この登山口から白峰三山の縦走ができたらいいなと思っています。

【登山口付近より北岳】  

【登山口付近より北岳 その2】 
 
【北岳登山口】
 北岳を見に行った後は、インフォメーションセンターに置いてあるザックを背負った後、北沢峠行きバスの出るテントを目指します。歩いて数分の場所ですけどね。思ったよりたくさんの人が北沢峠を目指すようで、結局2台で向かいました。バス代は荷物有で片道750円です。

 北沢峠は、昨年の仙丈ケ岳と甲斐駒ケ岳以来1年ぶりで3回目になります。1年前、登山を始めてそれほどたっていない頃必死に登ったことを思い出しました。この日もこの2山に登る人がほとんどです。戸台方面から来る人の方が多いでしょうから、結構な人数が登ったのかもしれません。11月になってもやはり人気の山です。
  
【北沢峠行バス乗場へ(緑のテント)】 

【北沢峠】 
 
【仙水峠方面分岐】
 栗沢山・アサヨ峰方面へは、まず林道を少し戻って仙水峠方面に入って行きます。間もなく北沢駒仙小屋がありますが、その前が仙水峠方面と栗沢山・アサヨ峰方面への分岐になっています。分岐からはすぐに樹林帯に入り、ひたすら上りが続くことになります。

 樹林帯の上りは、着々と標高を稼いで行くような上りで、一定の斜度で登っているような感じでした。落ち葉で少し道がわかりにくいところもあるのですが、ピンクのテープがきちんとあるので問題なく進んで行けました。
 
【北沢駒仙小屋】 

【仙水峠栗沢山分岐】 

【樹林帯の上り】  
 やがて、登山道に少しずつ雪が現れてきます。結局のところ表面にうっすらと積もっている程度で、風の強いところでは吹き飛んでしまっていて雪がないくらいでした。

 登って行くと徐々に視界が開けて森林限界を超えてきます。このあたりになってくると風が強烈で、寒いというよりは痛いというのが正直なところでした。この風が吹き続けたら厳しいなと思ったのですが、栗沢山付近にいた時が最も強かったようで、その後アサヨ峰付近以降ではそれほど強い風は吹いていませんでした。ただし、気温が低いのでちょっと風が吹くだけでも寒いです。

【登山道にも徐々に雪が】   

【森林限界を超えて】   

【霧氷】  
 山頂手前のピークの岩場付近からは一面の霧氷を見ることができました。これだけの霧氷が見えるとなかなかの圧巻です。また、振り返ると見事な仙丈ケ岳を見ることができます。本日のルートでは、仙丈ケ岳はこの付近が一番よく見えたのではないかと思います。雪はあまりなく、まだ岩肌がよく見えていてカールが少々白くなっている程度でしょうか。

 岩場のピークを越えて、若干下って登り返すと栗沢山山頂へ到着です。先にも書いたように、このあたりの風が一番強かったです。景色も最高だったのですが、風に揺られてなかなかうまく写真が撮れませんでした。さすがにここに留まっているのは厳しいと思い、撮影後先に進みます。

【仙丈ケ岳】 
 
【左に栗沢山山頂と斜面に広がる霧氷】 

【栗沢山山頂】 
 
【山頂の看板と甲斐駒ケ岳】 
 
【甲斐駒ケ岳と摩利支天】 
 
【北岳〜間ノ岳〜塩見岳の山並み】  
 
【北岳と間ノ岳】  
 
【塩見岳 左端に蝙蝠岳】  
 
【岩の転がった道が続く稜線】
 山頂からは岩のごろごろした道を緩やかに下って行きます。このあたりの雪は吹き飛んでいるか僅かでしたので、あまり滑るということはなく進んで行きます。ただし、やはり歩きにくい道ではあります。

 進んで行くとハイマツ帯になるのですが、このあたりで道を間違えたようで少しそれた道を歩いていました。偶然近くを歩いていた方がハイマツ帯を抜けて本来の登山道に戻るルートを開拓してくれましたので、無事登山ルートに戻って進んで行くことができました。

【栗沢山を振り返って】

【迷った付近のハイマツ帯 左奥は仙丈ケ岳】

【岩峰を眺めて】 

【よじ登った岩場】 
 ハイマツ帯を過ぎると岩峰が前面に現れます。ペンキなどでルートがはっきりと示されていないので、少しわかり辛い場所があります。ほぼ一直線なので迷うということはないのですが、どう進むか探しながらの場所もありました。また、1箇所よじ登る場所があり、下りだと少し厳しいかなと思うような場所でした。

 この岩峰を登ってさらに進んで行くとアサヨ峰が徐々に近づいてきます。アサヨ峰と北岳のコラボもなかなかいいですね。迷ったこともあり、コースタイムをオーバーしてようやくアサヨ峰山頂に到着です。

【左のアサヨ峰と右奥の北岳からの山並み】   

【アサヨ峰山頂の様子】   

【アサヨ峰山頂】 
 
【山梨百名山の看板】 
 アサヨ峰山頂からは予想通りのパノラマが広がっていました。仙丈ケ岳や甲斐駒ケ岳の眺めは栗沢山に譲るにしても、白峰三山や鳳凰山の眺めは見事なものです。

 山頂では北岳を眺めながらのんびりとお昼をとったのですが、このあたりでは栗沢山付近のような強風は吹いていませんでしたので、あまり寒さを感じずに済みました。日が昇ってきて暖かくなってきたこともあるかもしれません。
 
【再び北岳】

【野呂川】 

【鳳凰山への道】  

【日陰に見られた雪道】 
 本当は1時間くらいゆっくりしたいところでしたが、ここまでコースタイムオーバーで帰りのバスも気になるところでしたので、お昼をとったら先に進むことにしました。このアサヨ峰から下るあたりが、一番雪が多かったと思います。それでも5p程度だとは思いますが、急な下りになりますので、スリップしないように気を付けながら下って行きました。

 アサヨ峰からは、いくつかのピークを越えながらのアップダウンが続きます。栗沢山〜アサヨ峰の道と比較すると歩きやすい道ではないかと思います。ただし、アップダウンはあるので、なかなか体力は消耗させられました。
 
【アサヨ峰(中央)を振り返って】  

【甲斐駒ケ岳】  
 
【稜線の眺め】 

【左から地蔵岳〜赤抜沢の頭で中央右に観音岳と高嶺がほぼ重なっているようです】  

【姿を現した富士山】  

【八ヶ岳】  

【小屋内部】 
 道中では樹林帯に入ったり、展望の良い場所に出たりの繰り返しだったのですが、鳳凰山につながる稜線ということで徐々に鳳凰山付近の山々がくっきりと見えてきます。また、このあたりにくると甲斐駒ケ岳の姿がきれいな三角錐になってきます。角度が変わるだけでこれだけ違って見えるようです。富士山も見えてきましたが、少し雲がかかってますね。富士山については、下山した後はすっきりとした姿を見せていました。

 やがて、展望の見える箇所もなくなって樹林帯の道を歩いて行きます。歩いている途中三角点があるのですが、ここは早川尾根ノ頭と呼ばれるピークとのことです。ここを過ぎると間もなく早川尾根小屋に到着です。 
 
【早川尾根ノ頭三角点】 

【早川尾根小屋】
  
【広河原峠】  
 さすがにこの時期には閉鎖されており静かなものです。ここで休憩をとって最後の下りに備えることにします。コースタイムを見る限りでは、がんばって3時のバスに間に合うかどうかという感じでした。

 小屋からしばらくなだらかな道を下って行くと広河原峠に到着です。ここは縦走ルートと林道への下山ルートの分岐になっています。なお、ここからは見事な八ヶ岳を眺めることができました。これが、この日最後の展望となります。ここから先はひたすら樹林帯を下って行くことになります。
 
【雪を被った八ヶ岳】

【樹林帯の急な下り】 
 急ではありますが、比較的歩きやすい土の道を下って行きます。だいたい標高1700〜1800m付近までは一気に下ってくることができるのではないかと思います。

 ある程度下ってくると沢沿いの道になります。沢の上の少し岩のごろごろした道を下って行くと、少し幅のある川沿いの道に出ます。この川の橋を渡った後はゆるやかに九十九折れの道を下って行きます。落ち葉で少しわかりにくい場所もありましたが、よく見るとテープがありましたので無事下って行くことができました。

【川沿いへ】   
 
【一箇所だけある橋を渡る】  

【広河原峠入口】   
 広河原峠入口に到着した後は広河原まで林道歩きです。葉の落ちている木が多かったのですが、まだ残っている紅葉を眺めながら広河原へ向かいます。

 広河原へは予想よりも早く2時前には着いてしまいました。次のバスが3時で中途半端な時間だったのですが、たまたま乗り合いタクシーの運転手さんが1人でも出してくれるということでしたので、長時間待つことなく帰って来られました。芦安までの道中での車窓から見える紅葉は見事なものでした。これでも、台風でかなり落ちてしまったということですので、全盛時はいかにきれいかということでしょう。昼間では観光客が賑わっていたとのことでした。 

【紅葉した木々を眺めながらの広河原までの林道歩き】  

【広河原へ】 
 芦安には2時半頃に到着。結局6時前には帰宅することができました。

 今回のアサヨ峰登山は、思っていたより苦戦した反面、展望は思っていた以上で、白くなった北岳を見ることができたのは良かったです。また、久しぶりに甲斐駒ケ岳や仙丈ケ岳を近くで見ることができて良かったなと思います。次に広河原に来る時は北岳に登る時でしょうか。かなり先のことになると思いますが、それが楽しみになってくるような展望だったのでした。
 


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