ささがみね
 笹ヶ峰
登山日: 2011年1月22日(土)   標高:1860m(笹ヶ峰)
    標高差 : 駐車地点から約1150m


 1月22日(土)    駐車地点 8:35 → 登山口 9:35 → 宿 10:30
   丸山荘 11:05(〜30) → 笹ヶ峰 14:30(〜55)
   丸山荘 15:55(〜16:10) → 登山口 16:55

 

 この週末は、先々週に引き続き再度四国遠征に行ってきました。前の週が寒波のため山に登らず、翌週が車検のために登れない可能性が高いので、思い切ってもう1度行くことにしました。結果としては予想以上の雪の多さに苦戦や撤退に終わることになりましたが、逆に言えばそれが雪山というものなのかもしれません。

 初日は笹ヶ峰に登ります。当初、夏山気分で伊予富士あたりとセットでとも考えていたのですが、笹ヶ峰だけでもぎりぎりという状態でした。過去レポを見ると、冬でも普通にセットで登っているケースが結構あったので、やはり今年の雪の多さはかなりなのでしょうか。

【駐車地点】 
  
【凍結した坂道のカーブ】
 笹ヶ峰へは愛媛側から国道194号線を南下して、下津池から側道に入って行きます。しばらくは順調に走っていたのですが、雪がすぐに現れてきます。それでもしばらくはスピードを落として走って行ったのですが、徐々に高度を上げているうちに凍結した坂道のカーブが上れず戻ってしまうような状況でした。

 笹ヶ峰登山口までの道は、少なくとも最後は未舗装の道が2キロあり、車高の低いFF車ではとても最後までは行けないだろうとは予想していました。この場所から登山口まではおよそ4〜5キロほどで、チェーンをつけて中途半端な距離を走るくらいなら、歩いた方がよっぽど早いということで、かなり手前でしたがここの路肩スペースに駐車することにしました。ここからなら、帰りも安心して戻ることができます。

【つららの氷壁】  

【雪道林道】 
 駐車地点からはひたすら林道を歩いて行きます。凍結した箇所も多そうでしたので、慎重に歩けばいらないとは思いつつも軽アイゼンを付けて行きました。道中では何気ないつららの氷壁などがきれいでしたが、淡々と続く林道は長く感じます。

 途中からは予想通り雪が増えてきて、先々週大いに苦労したような道になってきました。そして、結構雪が深くなってきたあたりに登山口がありました。ちなみに、自分以外の車は全て登山口まで入っていましたが、全て車高の高い四駆ばかりです。それでもスタックした跡がありましたので、冬で積雪の多い時はアプローチが大変なように思われます。1時間くらいは歩くつもりなら、自分のような車でも行けると思いますが。  

【登山口駐車スペース】  

【登山口】 
 
【樹林帯の登山道】  
 登山口からは樹林帯の道を上がって行きます。林道にも雪があるくらいですから、登山口からきっちりと雪がついています。やや踏み固められていましたので、軽アイゼンでそのまま歩いてちょうどいいくらいでした。 やがて、沓掛山への分岐があり宿と呼ばれる場所に到着です。分岐にはザックがデポしてあって、後からわかったことですが、先行していたパーティの1人が沓掛山に登りに行ったそうです。

 高木の樹林帯を歩いて行くと、やがて雪のついた木々の間を通る道になります。青空も見えてきて見事なコントラストを成しています。
 
【木々を見上げて】 
 
【宿】
 ただし、ところどころで雪の重みでたわんだ枝が道を塞いでいたので少し歩きにくかったですね。かがんでくぐったり、払いのけたりして進んで行きました。宿から30分程歩くと丸山荘に到着です。ちなみに、丸山荘に到着するまでにいくつかのグループを抜きました。登っている人も結構いるのだなとこの時は思っていました。

 丸山荘は年季の入った建物ではありますが、結構な広さがあるようです。グループの人たちはここに泊まる予定のようで、既に中でお昼をとっていたいた人たちもいるようでした。自分の場合林道歩きがありましたので、ここで少し長めの休憩をとることにしました。

【宿の看板】 
 
【雪のついた木々】 

【青空の下の雪道歩き】  

【雪の積もった木】  

【登山道を塞いでいる木】 
 休憩中に単独の年配の方がいて、体力が持つか心配だけれど時間をかけて登ると言って出発されました。この時はあまり深く考えずに、ここから先は急登で大変ですよねなどと言って言葉を返したのを覚えています。

 その後途中で抜いたグループの人達も上がってきてお互いに話をしていました。それぞれ良く知った人達同士らしかったです。その時笹ヶ峰方面から下って来た人がいて、雪が腰より深くてとても登れないといって戻ってきました。山荘の方の話だと年末年始に雪がかなり積もって以来誰も登っていないとか。グループの人達は泊まりでしたので、翌日行けるところまでラッセルしようかというような会話をしていました。 

【丸山荘看板】   
  
【丸山荘】 
 
【トイレの横の正面付近から山頂への道】 

【丸山荘前のスペースにて】   
 トレースもなく雪も深い状態ではとても登るのは困難ですので、この時点で撤退を決めてとりあえず山荘回りの写真を撮っていました。戻って片づけをしていると正面で休憩していた方がどうするか聞かれたので、とても無理そうですから下ろうと思いますという旨話しました。そして、やはり難しいですよね、先ほど1人登って行かれましたが、という話を聞いて、先ほどの単独の方が登って行かれたのを思い出しました。この時点で思い直して、行けるところまで行ってみようと思ったのでした。ちなみに、この時に会話をした御夫婦も後から歩いて来られることになります。
 
【笹ヶ峰取り付きへの道】 

【雪のかぶった木】  
 笹ヶ峰への道は、歩き始めこそ足首が埋まる程度の積雪でしたが、少し開けた場所を突っ切ったあたりからは徐々に深くなって行きます。トレースを辿って歩いていたわけですが、樹林帯に入る手前あたりで先行する単独の方はわかんを履いたようでした。実際このあたりから一気に深くなって、ひどいところですと本当に腰あたりまでずぼっと入ってしまうところもありました。やはりわかんとは浮力が違うようで、トレースをたどっても踏み跡よりもかなり深くまではまってしまうことがしばしばありました。

 根気よく歩いて行くと、笹ヶ峰へ取り付き始めたようで結構な急斜面を歩いて行きます。斜面をトラバース気味に緩やかに登って行きます。
 
【樹林帯を抜けた後の急登を見上げる】  
 
【登って来た急登を見下ろして】  
 やがて、先行する単独の方に追いつきますが、樹林帯の密度が濃くなっていて、上に抜ける道を探すのに苦労しているようでした。特にたわんだ木が本来の登山道の上に乗っかっていたようで余計大変だったようです。

 単独の方が樹林帯を抜けて急斜面をやや斜めに登って行きます。ここが最も厳しかったところで、あまりに急な斜面でかつ雪が深いため、全然登って行けないような状態でした。このあたりはわかんとの浮力の違いが顕著だったように思われます。少しずつ足場を作ってもがくように上がっていきました。なんとか登って行けましたが、代償として、雨具のズボンの両足太もも内側部分とゲイターの片足をアイゼンで裂いてしまいました。そもそも12本をここで付けてきていたのが失敗だったのだと思います。

【ぽつんと立っていた雪のついた見事な木】    

【山頂方面を眺める】   
 樹林帯を抜けたのは大きかったのですが、わかんの踏み跡をさらにつぼ足で固める感じで、ときどきずぼっとはまりますしなかなか大変でした。やっぱり山頂に近づいている感じがしなかったのが余計そう思わせたのかもしれません。単独の方もちょっと山頂は難しいかなと話していました。リミットを14時をして引き返すとのことでしたので、自分もそれに合わせることにしました。ちなみに、この少し前について来られた方たちは、風が強くて寒いということで引き返して行きました。

 途中アイスバーン状になっている場所もありました。ここだけはアイゼンを付けていたことが幸いしました。むしろラッセルがなくて歩きやすかったくらいです。

【正面に瓶ヶ森と石鎚山】 

【沓掛山】 
 
【雪の少ないなだらかな道に】  
 やがて14時になりました。この時ちょうど瓶ヶ森と石鎚山を眺めることができました。ここで少し撮影タイムといった感じで過ごします。すると、単独の方があと20分もあれば登れそうだから行ってみようかと声をかけてくれました。もちろん行けそうなら行きたいということでそのまま山頂に向かいました。

 歩いて行くと、傾斜が緩やかになってきます。また、このあたりは風が強くて雪が飛んでしまうのか、あまり雪も深くはなく歩きやすかったです。むしろ、わかんで歩いている単独の方の方が歩きにくそうでした。そして、もう諦めかけていた山頂にようやく到着することができました。

【山頂の様子】    
 
【山頂の看板】  
 山頂からは見事なパノラマが広がっていました。単独の方も言っていたように、既にお昼を結構回ってしまったために、瓶ヶ森石鎚山方面が逆光になって見にくくなってしまっていたのは残念でした。ただし、山頂に到着できたうえに周囲の山まで見えているだけでも御の字でしょう。少なくともこの日だけは好天になるのがわかっていたので、なんとかその好天の日を生かせたのは本当に良かったです。

 また、反対側にはちち山とそこから続く稜線を眺めることができました。このあたりは見事な稜線がつながっています。
 
【瓶ヶ森・石鎚山方面の眺め】
 
【正面奥に石鎚山 左に瓶ヶ森】
  
【ちち山から続く稜線】
 
【山頂方面を振り返って】 
 山頂でしばらく撮影タイムを楽しんだら下山開始です。登りで苦労した分下りはすいすい下って行くことができました。結局単独の方と話をしながら登山口まで下ってしまいました。淡々とした下りも、話しをしながらですと本当にあっという間でした。ちょうど日没前に駐車地点に戻ってくることができました。それだけいい時間だったと言えるでしょう。

 登山口まで下った後も、単独の方には駐車地点まで車で送っていただきました。さらには、心配して雪のない地点で待っていてくれたようです。今回は本当に親切な方のおかげで、無事に笹ヶ峰に登ることができました。
 今回は、先々週の教訓を生かして早めに車で上がることに見切りをつけたのは良かったと思います。逆に言えば、四駆スタッドレス+チェーン携行でなければ、冬の里山に登るのは厳しいのだと実感させられることにもなりました。それでも登りたければ、足で稼ぐか雪の少ない時期を狙うしかないのかなと思います。
 また、今回は雪が多かったとはいえ、年末年始から誰も登っていなかったというのは大誤算でした。結構登られていると思っていたのは丸山荘までだったようで、ここまでは登山道もよく踏まれていました。親切な単独行の方のおかげで登れたわけですが、終始自分は後をついて行ったにも関わらず苦戦してしまったのは、やはり経験の差と足回りの浮力の差だったのでしょう。正直、自分が前にたって役に立つということができなかったのは残念でした。つぼ足でルートも知らないではどうしようもなかったわけですが。
 雪が多く厳しい山行となりましたが、助けられながらとはいえ山頂に到達できたことと、青空のもとの景色に恵まれて充実した思い出深い山行となったのではないかと思います。 


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