やけいしだけ
 焼石岳
登山日: 2011年6月19日(日)   標高:1548m(焼石岳) 1507m(東焼石岳)
    標高差 : つぶ沼登山口から約1070m


 6月19日(日)    つぶ沼登山口 4:30 → 中沼分岐 6:40 → 銀明水 7:05
   焼石岳 8:30(〜9:00) → 東焼石岳 9:55(〜10:15)
   銀明水 11:30 → 中沼分岐 11:50 → つぶ沼登山口 13:30

 

 本日は焼石岳に登ります。前日船形山に登った後に登山口に向けて移動しました。つぶ沼登山口は国道沿いにあって、登山口のある交差点から少し脇の道を下ったところに駐車場があります。ここは、数十台の車を駐車できるうえに、公衆トイレもあります。自分はいつものように車中泊だったのですが、他にも結構車中泊をしている人がいて、やはりこの時期は登山者が多いのだなと思いました。道中の避難小屋にも結構な人が泊まっていたようで、延べでは結構な数の入山者がいたようです。

 なお、中沼登山口からのコースの方が短時間で登れますが、林道が崩壊して入れないようです。そのうち復旧するのかもしれません。

【つぶ沼登山口駐車場(下山時)】 
  
【車道の脇を歩く】
 入山者が多くなりそうでしたので、夜明け前に出発しようと思ったのですが、結局起きられず、明るくなってからの出発となりました。最近起きられないことが多いですね。この時期は夜明けが早いので仕方のない部分もありますが。

 まずは、駐車場から舗装された道を戻って登山口を目指します。国道に突き当たって国道を渡ると登山口です。階段を登って行くと樹林帯の道に入って行きます。すっかり夜が明けたとはいえ、森の中はまだ薄暗いです。しばらくはなだらかな道が続きます。本日のルートは、標高差の割には距離が長く、特に前半はなだらかな道が続きます。 

【国道を渡ると登山口】 

【登山口】

【夜明けの樹林帯の道】 
 樹林帯の道は、比較的整備されていて歩きやすいですが、ぬかるんでいる箇所も多く、少し回り込むようにして歩いて行く場所もあります。それと、1箇所沢の渡渉がありました。しばらく歩いて行くと徐々に日が昇ってきて、森が鮮やかな色を織りなすようになってきます。

 随分歩いたでしょうか、徐々に視界が開けてきて石沼の手前あたりで、焼石連峰の一部が見えて来ます。残雪を纏った山々が突如として現れるのでなかなか迫力があります。とても1500m前後の山々とは思えません。また、石沼も青々としていて近くで見たかったのですが、結局下りでも寄りませんでした。離れて見ていても見事な色でした。

【沢の渡渉】 

【新緑の道】 

【残雪を纏った焼石連峰】

【石沼(下山時)】 

【徐々に残雪が】 

【脇のミズバショウ】

【中沼分岐の雪壁 中央左奥が焼石岳方面 右が中沼登山口方面】

【木道が少し見えているのが中沼方面】 
 石沼を過ぎると徐々に残雪の残った箇所も出て来ます。また、その脇には所々でミズバショウも見ることができました。雪があっても、木道などで整備されていますし、なだらかな道なので特に問題なく進んで行きます。しばらく歩いて行くと突如雪壁が現れます。正確には壁というほどではありませんが、一見そう見えたのでした。ここが中沼分岐になります。

 足跡が消えかけていてわかりにくいのですが、ここを登った奥が焼石岳方面になります。ただし、傾斜が急で雪が硬かったので、安全策をとって一旦中沼方面に下って、傾斜の緩やかな方を登って行きました。

【ムラサキヤシオ】 

【木道の両脇にはミズバショウ】 

【雪渓も目立ってきて】 
 無事中沼分岐を過ぎると再び樹林帯の道に入ります。ただし、このあたりからは徐々に雪が目立ってきます。道中木道で沢を渡るあたりでは、一面のミズバショウを眺めることができました。また、ミズバショウと並んでミヤマキンバイも数多く見られました。

 雪道と木道の混ざった道を歩いて行くと銀明水に到着です。ここには銀明水と呼ばれる水場と、テントをいくらか張れそうなスペースがあります。銀明水はとても冷たく、下山時にはおいしくいただきました。避難小屋やテントサイトと水場がセットになっていて、泊まるにはうってつけの場所だと思いました。

【銀明水とテントサイト】 

【銀明水】 

【避難小屋(下山時)】  
 避難小屋については、銀明水から右奥を上がったところにあったのですが、登りでは気付かずどこに小屋があるのだろうと思いつつ登っていました。下山時に寄ったのですが、きれいに整備されていてトイレもありました。かなり高い位置にあるので、積雪量が多い時にも使えるようになっています。この時は既にこの日に泊まる予定の方でいっぱいでした。

 銀明水からは、大きな雪渓をトラバースして行きます。正直最初見た時にはここを通って行けるのだろうかと思ったくらいでした。しかし、踏み跡、ペンキなどによりルートは明瞭で、斜面の傾斜もあまりないため、問題なく進んで行けました。

【避難小屋内部(下山時)】 
 
【雪の斜面】 

【延々と続くトラバースルート】

【雪渓歩き】 

【ようやく見えたのは東焼石岳】
 いくつかの雪渓と夏道を交互に歩いて行くと、やがてほぼ平坦な道になり、正面に焼石岳と思われる残雪を纏った山が出て来ます。しかし、最初に見えたのは東焼石岳で、もう少し進んで行くとその左手に焼石岳が見えてきます。なお、左手にはずっと立派な山容をもった横岳が見えています。

 このあたりは、素晴らしい青空のもと広々とした高原の風景もいいのですが、徐々にさまざまな花も見られるようになってきます。後で見ることになるお花畑のことを考えなければここだけでも結構な花があるのではないかと思います。

【左の横岳と右に焼石岳】 

【左の焼石岳と右の東焼石岳】

【姥石平のお花畑と焼石岳】 

【泉水沼と焼石岳】 

【最後の雪渓歩き】
 正面に焼石岳を見ながら歩いて行くと徐々に近づいて行きます。登山道は岩のごろごろした道もあってやや歩きにくいですが、ほぼ平坦なのでそれほど大変ではないでしょう。やがて姥石平に到着です。ここはお花畑になっていると同時に東焼石岳との分岐になっています。余力があったら帰路に東焼石岳に寄ることにして進みます。

 ここから先はお花畑から焼石岳を撮ったり、泉水沼から焼石岳を撮ったりとなかなか足が先に進みませんでした。焼石岳も素晴らしいのですが、最後の雪渓を越えた後の横岳分岐からの横岳の姿も素晴らしいものがありました。
 
【横岳への稜線】

【焼石岳から奥に連なる山々】 

【広々とした山頂】 
 
【山頂碑】
 横岳の分岐からもう少し登って行くと焼石岳山頂に到着です。少し写真を多めに撮っていたとはいえ、4時間かかってようやく到着です。山頂は広々としていてパノラマの景色が広がっていました。ただし、遠方は霞んでいたので、周囲の有名な山の中では栗駒山しか見ることができませんでした。

 山頂では、頻繁に焼石岳に登っている地元のおばさんと話をしたのですが、焼石岳の裏から下れること、東焼石岳から下ったあたりのお花畑がすごいことを聞きました。それで、焼石岳の裏からぐるっと回ることにしたのでした。ちなみに、この方は3時間で登ってきたとのことでかなりの健脚の持ち主のようでした。
 
【左の東焼石岳とお花畑の続く稜線の道】

【右に南本内岳】

【栗駒山】
 山頂である程度休憩をしたらお花畑を見るために出発します。当初予定していなかったルートですが、焼石岳の裏手から下って行きます。下った先の方にはなかなか立派な山容をもった南本内岳を眺めることができました。

 このなだらかに下って行く道は、やや藪っぽく、大岩を越えて行く場所もありますが、ルートは明瞭で順調に進んで行くことができました。最後、急坂を下って行くと分岐に出ます。ここは、秋田県側からのルートの分岐となっているようです。なお、ここから東焼石岳方面に向かうと間もなく、南本内岳方面との分岐があります。

【大岩を越えて】 
 
【分岐を見下ろす】

【ミヤマキンバイの群落】 
 
【焼石神社分岐】

【再び雪渓歩き】 
 分岐直後は雪渓歩きとなり、雪渓と夏道を交互に歩くような感じで進んで行きます。やや藪っぽいところを抜けると、そこは一面のお花畑になっていました。これだけ広々としたお花畑を見たのは初めてかもしれません。さまざまな花が咲いていますが、主は白いハクサンイチゲになります。先週杁差岳でも見たのですが、再びこれほどのハクサンイチゲが見られるとは思いませんでした。

 その後、東焼石岳から姥石平へつながる登山道に合流して、東焼石岳山頂を目指します。この付近は、山登りというよりはお花を見ながらのハイキングといったところでしょう。
 
【お花畑と横岳】
 
【お花畑と焼石岳】

【東焼石岳への道】

【東焼石岳分岐】
 分岐からしばらく登って行くと東焼石岳山頂に到着です。なだらかな山容のためあまりピークという感じがしません。休憩を兼ねて付近の花を撮ることにしました。ハクサンイチゲの白とミヤマキンバイの黄色に目を捉われて来ましたが、よく見るといろいろな花が咲いているようです。

 一通り写真を撮ったら、再び写真を撮りつつゆっくり下って行きます。やはりこれだけのお花畑だけあって、花好きな方はずっと写真を撮っている感じでした。ゆっくり下って姥石平に出ると、お花畑に別れを告げつつ下って行きます。 

【東焼石岳山頂】 

【ミヤマキンバイ】 

【イワカガミ】

【ハクサンイチゲ】

【ハクサンコザクラ】 

【ミヤマシオガマ】 

【横岳と焼石岳】 

【焼石岳をバックに】 

【ハクサンイチゲの絨毯】 

【銀明水への下り 左手に避難小屋】
 姥石平からの下りでは、まだまだ登ってくる人もいて結構な人数で賑わっていました。これほどのお花畑を見せられては、多くの方が登るのもわかる気がします。

 再び雪渓の道に入りますが、下りとはいえ暖かくて雪が緩んだのと、多くの方が歩いたこともあって、登り以上に歩きやすい道でした。銀明水では水をいただいてさらに下って行きます。道中では登りではほとんど撮らなかった写真を何枚か撮って下って行きます。

【ミズバショウ】 
 
【リュウノキンカ】

【シラネアオイ】 
 
【ミツバオウレン】
 
【登山口へ】  
 中沼分岐を過ぎて、さらに下って行きます。この道は比較的なだらかなのですが、やはり距離の長さがきいて最後は結構疲れてしまいました。それでも無事下山です。駐車場に戻る前に、せっかくなのでつぶ沼を少し見に行きました。ほとりでのんびりするにはいい場所になりそうです。

 焼石岳は、天気の良い日にお花畑をという狙いで今回のメイン山行といってもいいのですが、予想以上の青空とお花畑で本当に充実した山登りとなりました。改めて東北の山のお花畑はすごいなと思ったのでした。

【つぶ沼】 
 


山行記へ戻る

ホームへ戻る