ひじりだけ・うさぎだけ・おおさわだけ・あかいしだけ・わるさわだけ | |
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登山日: 2011年8月6日(土)〜8月9日(火) | |
標高:3013m(聖岳) 2818m(兎岳) 2819m(大沢岳) 3120m(赤石岳) 3141m(悪沢岳) | |
累積標高 約5100m(椹島から悪沢岳まで約2020m) |
8月6日(土) | 臨時駐車場 6:50 → 乗車地点 7:10(〜40) ・・・ 聖沢登山口 8:25 | ||||
→ | 聖沢吊橋 9:35 → 岩頭滝見台 12:30 → 聖平小屋 13:40 | ||||
8月7日(日) | 聖平小屋 3:15 → 小聖岳 4:35(〜5:00) → 聖岳 6:05 → 奥聖岳 6:25 | ||||
→ | 聖岳 6:50 → 兎岳 8:40(〜50) → 小兎岳 9:25(〜40) | ||||
→ | 中盛丸山 10:25 → 百間洞分岐 10:40 → 大沢岳 11:00 | ||||
→ | 百間洞分岐 11:15 → 百間洞山の家 11:55(〜12:20) | ||||
→ | 百間洞 13:20 ・・・ 停滞約50分 ・・・ 赤石岳避難小屋 15:30 | ||||
8月8日(月) | 赤石岳避難小屋 5:20 → 赤石岳 5:25 → 小赤石岳 5:50 | ||||
→ | 荒川小屋 7:20 → 稜線出合 8:35 → 前岳 8:40 → 稜線出合 8:45 | ||||
→ | 中岳・避難小屋 8:55 → 悪沢岳(東岳) 10:15(〜30) | ||||
→ | 丸山 10:50 → 千枚岳 11:20 → 千枚小屋 11:55(〜12:20) | ||||
→ | 見晴台 13:30 → 清水平 14:10 → 小石下 14:50 → 椹島 16:30 | ||||
8月9日(火) | 椹島 6:30 ・・・ 乗車地点 7:20 → 臨時駐車場 7:40 |
本日から3泊4日をかけて南アルプス南部を縦走します。昨年あたりは、赤石岳悪沢岳の2泊3日の周回を考えていたのですが、テント泊練習をした上河内岳から南アルプス南部の山々を眺めた時、聖岳を合わせたこの3000m級の三山を縦走してみたいと思ったのでした。また、静岡の百山でもある兎岳と大沢岳もこの際に登ろうという狙いです。特に兎岳は今年の干支でもあるので、それなら今年かなというのがありました。 この夏最大の縦走ということで、当初海の日の3連休+1日で狙っていたのですが、思ったより早く天気が崩れることがわかったので、その後機会を伺っていました。次の候補としてお盆あたりを考えていたのですが、少し天気の安定していそうなその前の週に持ってきました。 |
![]() 【夏期臨時駐車場】 |
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![]() 【臨時駐車場から先は通行止め(徒歩はOK)】 |
天気を見る限りでは翌週の方が良く、結局毎日雨に降られることになりましたが、それでも1日中雨ということはなかったので充実した山行となったのではないかと思います。 まずは畑薙ダム手前にある東海フォレストの夏期臨時駐車場に向かいます。海の日3連休後の豪雨で土砂崩れが起きましたが、この駐車場までは車で入ることができます。通常であれば、この駐車場から東海フォレストのバスに乗ることができますが、現在この先の道は車が通行止めのため、乗車地点である畑薙ダムに架かる橋の手前の乗車地点までは20分程歩くことになります。 |
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![]() 【路肩の崩壊した道】 |
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![]() 【バス乗車地点(ダム橋手前)】 |
途中路肩の崩壊した地点を通りましたが、半分ほど崩れており、徒歩では問題なく歩けます。幅は車1台ぎりぎりという感じでしたので、許可車両だけは通っているのかもしれません。 乗車地点には既に30名近くの方が並んでいました。最初の便は8時だと思っていたのですが、臨時便として既に7時のバスが出ていたようです。その後、8時のバスが来ましたが、ぎりぎり乗れない状態でした。しかし、二軒小屋行きのワゴンに空きがあったので、これに乗って登山口に向かうことができました。なお、その後すぐにワゴンが何台か下って行ったので、乗れなかった人も次のバスまでは待たずに済んだようです。 |
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![]() 【ダム湖を眺める】 |
![]() 【聖沢登山口】 |
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![]() 【急登の九十九折れの斜面】 |
運転手さんとの話では、通常4台であったマイクロバスが現在故障などで2台になっていて、結構回すのに苦労しているようでした。土砂崩れの件もあって、例年より登山者が少ないようですが、現在の輸送能力ではこの日はぎりぎりだったのかもしれません。 結局マイクロバスに先行したので、第2便の中では最初に聖沢登山口に到着することができました。そもそも、赤石岳悪沢岳に登る人が多いので、聖沢登山口から登る人はあまりいないのかもしれません。東海フォレストの送迎バスを利用するには山小屋に1泊しないといけませんが、聖平小屋が東海フォレストの系列でないことも一因としてはあるでしょう。 |
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![]() 【樹林帯の道】 |
![]() 【前半は歩きやすい道が続く】 |
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![]() 【聖沢吊橋】 |
なお、聖岳から登るのは、事前の天気予報で今回の4日間で特に前半の天気があまりよくないようでしたので、未踏である赤石岳悪沢岳に登る時に天気がいいことを願ってのことです。 聖沢登山口からはいきなり樹林帯の急登が待っています。九十九折れになっていて比較的歩きやすいのですが、この時間になってくると結構暑くなってきていたのには参りました。汗をかきながらも樹林帯の道を登り進んで行きます。暑くはありましたが、それでも樹林帯で直射日光を浴びにくいことや、ところどころで涼しい風が吹いているのには助かりました。しばらく登ると聖沢吊橋があり、これを渡って進んで行きます。 |
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![]() 【休憩地点】 |
![]() 【休憩地点】 |
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![]() 【随所に沢が】 |
この後も少しずつ標高を稼ぎながら進んで行きます。所々に平坦で休憩するのに良さそうな場所で休憩しながら進みます。トラバース路では随所に沢があって、水の豊かさを感じさせてくれます。 その後吊橋が出てくるのですが、先ほどの聖沢吊橋と違い少し床板がもろそうに感じました。恐らく強度は見ていると思いますので大丈夫でしょうけれど。標高も2000mになってくると、木々の隙間から展望がありそうではあるのですが、ガスっていて遠方は見ることができませんでした。 |
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![]() 【床板がもろそうだった吊橋】 |
![]() 【山々はガスの中】 |
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![]() 【幅の狭いトラバース路】 |
この付近のトラバース路は危険マークがあったので少し警戒していたのですが、実際幅が狭く足元もややもろくなっています。沢の脇にそのような場所があったりするので注意が必要でしょう。ただし、険しい岩場になっているというわけではないので、慎重に進めば特に問題はありませんでした。 さらに進んで行くと岩がごろごろした沢を越えて、大岩の脇を進んで行きます。このあたりからは、頻繁に花を見ることができました。派手な花こそありませんが、目を癒してくれました。やがて、特に表示はありませんが、岩頭滝見台と思われる場所に到着です。 |
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![]() 【慎重にザレたトラバース路を進む】 |
![]() 【沢を越えて】 |
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![]() 【大岩の脇を歩く】 |
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![]() 【イワオトギリ】 |
![]() 【トリカブト】 |
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![]() 【カワミドリ?】 |
![]() 【シモツケソウ】 |
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![]() 【センジュガンビ】 |
ここは特に表示はありませんでしたが、脇から入って岩の先端付近に行くと滝を見ることができます。少し遠方になりますが、なかなかダイナミックな滝のようです。なお、この付近にはハクサンシャクナゲを見ることができました。 この頃から徐々に雨が降り始めます。本日は長い行程ではないのでなんとか小屋まではと思ったのですが、出発時間がどうしても遅くなるのでお昼頃からの雨では間に合いませんね。まだ小雨でしたので、滝をしばし眺めた後そのまま再び歩き始めます。 |
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![]() 【ハクサンシャクナゲ】 |
![]() 【岩頭滝見台】 |
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![]() 【滝見台からの滝】 |
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![]() 【滝見台からの滝2】 |
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![]() 【濡れた丸太橋】 |
その後はほぼ平坦な樹林帯の道になります。ガイドにある通りぬかるみのある道でしたが、残雪期に見られるような足がはまるほどではありませんでした。この頃から雨脚が強まって来て、もうすぐ着くだろうからとそのまま向かったのですが、結局ここから小屋までが意外とあって、最後は雨具を付けたもののびしょ濡れになってしまいました。 晴れていればほぼ平坦ですし、気持ちよく歩けそうな森です。途中、折れ曲がった橋がありましたが、その上に置かれた丸太橋を通って行きます。お花畑が随所に見られてきた頃ようやく聖平小屋に到着です。 |
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![]() 【折れ曲がった橋とその上に架けられた丸太橋】 |
![]() 【ぬかるみの中を歩く】 |
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![]() 【聖平小屋へ】 |
聖平小屋は賑わっていて、小屋はかなり混み合っていたようです。一方でテントサイトはかなり空いているようでした。しばらく、屋根のある休憩所でのんびりした後、雨がやんだ隙にテントを設営しました。その後到着した方も結構いたようで、最終的にはテントサイトもだいたい埋まっていたようです。 一時的にはやんだ雨も、その後は再び降って来ました。夜半には土砂降りや落雷などもあってかなり荒れた天気だったようです。ただ、翌日の天気はそれなりのようでしたので、晴れることを期待しつつ眠りにつきました。 |
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![]() 【雨宿りをする人々】 |
![]() 【雨の中のテントサイト】 |
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![]() 【夜明けの富士山】 |
2日目は当初計画では最も長い行程となりますので、夜明け前に準備して出発します。結果としては3日目も長い行程となっていますが、3、4日目で行程を分ける予定でいたので、この2日目が行程が長くしかも上りが中心の厳しい1日となります。 夜も明ける前の午前3時過ぎに出発します。聖平小屋から聖岳までは昨年も歩いているので、おおよその道がわかっているのもありました。早すぎるくらいに思っていましたが、実際のところはもっと早く登り始めていた人が結構いたのには驚きました。 |
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![]() 【富士山をズームで】 |
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![]() 【小聖岳より聖岳】 |
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![]() 【ウスユキソウ】 |
小屋からすぐに稜線に出て薊畑の分岐を聖岳方面に入ります。しばらくは樹林帯の道を緩やかに高度を上げながら歩いて行きます。だいたい小屋から1時間程歩いた頃、森林限界を超えてザレた道に入ります。このあたりからうっすらと夜が明けて来ました。 明るくなって来たザレた道を登って行くとやがて小聖岳に到着です。ここで休憩を兼ねて、夜明けの富士山や聖岳の写真を撮って行きました。御来光は聖岳の向こう側になりますので見られませんでした。雲が多めの天気でしたので、きちんとした御来光ではなかったかもしれません。 |
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![]() 【右の小聖岳と左の上河内岳を眺める】 |
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![]() 【ザレた急登】 |
小聖岳からはやややせた尾根を通って聖岳に取りつきます。その後は延々とザレた道の急登を登って行きます。昨秋経験済みとはいえ、やはりこの急登は厳しいものがあります。それでも、効率よく九十九折れに登っているのでその点では助かります。道中振り返ると、上河内岳から茶臼岳、そして光岳方面に連なる稜線や深南部の山々を見渡すこともできました。 この山頂まで続く急登を登りきると聖岳山頂に到着です。昨秋は寒さと強風に苦労した山頂も、この日はさすがに暖かかったです。それと、意外と先に登っていた人が多いのに驚きました。 |
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![]() 【登って来た道を振り返って】 |
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![]() 【イワギキョウ】 |
山頂に到着したらすぐに奥聖岳に向かいます。昨秋にも登りましたし、本日は長丁場なので登らない予定でしたが、前日に登った方がライチョウを見かけたし、お花畑もあったという話を聞いたので寄ってみることにしたのでした。その後雷雨に遭う分かれ目は結果としてこの寄り道にあったのですが、これは結果論ですから仕方がないでしょう。ただし、やっぱり無理のない計画というのは大切ですね。 奥聖岳までは岩のごろごろした道を歩いて行きます。決して歩きやすい道とは言えないでしょう。実際、聖岳山頂はかなりにぎわっていましたが、奥聖岳に向かって歩いてくる人はほとんどいませんでした。 |
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![]() 【聖岳山頂】 |
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![]() 【山頂看板と赤石岳】 |
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![]() 【奥聖岳への道】 |
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![]() 【お花畑】 |
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![]() 【登山道脇のチングルマは既に咲いた後】 |
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![]() 【奥聖岳山頂】 |
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![]() 【赤石岳】 |
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![]() 【小兎岳〜大沢岳〜百間平〜赤石岳に連なる稜線】 |
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![]() 【赤石岳山頂とその右に本日宿泊予定の避難小屋】 |
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![]() 【聖岳を振り返って】 |
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![]() 【登山道から離れた場所にチングルマ】 |
昨年も通ったお花畑ですが、昨年は既に10月だったために何も見ることができませんでしたが、今年はいろいろな花を見ることができました。ただし、チングルマは既に見ごろを過ぎていたようで、登山道脇のチングルマは既にふさふさの実になっていました。また、残念ながらライチョウは見ることができませんでした。やはり狙って見られるものではないですね。 山頂まで行く必要もないかなと思ったのですが、富士山や赤石岳を見るにはいい場所なので今回も奥聖岳山頂まで登ることにしました。 |
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![]() 【ウサギギク】 |
![]() 【ミヤマダイコンソウ?】 |
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![]() 【イワツメグサ】 |
奥聖岳山頂は特に看板等もなく地味な山頂です。三角点とケルンが山頂であることを物語っています。聖岳よりも東寄りにありますので、富士山はよく見ることができますし、北にある赤石岳も正面に堂々と聳えています。結果としては、ガスのかかっていない赤石岳を見たのはこの時が最初で最後だったかもしれません。 この日は長丁場ですので、一通り写真を撮ったら聖岳に引き返します。空身とはいえ、間の岩場はなかなか歩きにくいものがあります。聖岳に戻るとさらに人が増えて賑わっていました。 |
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![]() 【富士山】 |
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![]() 【聖岳直下より 兎岳〜小兎岳〜大沢岳の眺め】 |
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![]() 【ヨツバシオガマ】 |
聖岳に戻って準備をしたらすぐに兎岳に向かって出発します。最初はなだらかな道を下って行きますが、やがてザレた急な道を一気に下って行きます。途中、小ピークの崖沿いに登山道が見えましたが、旧道のようでその手前で右の樹林帯の道に入って行きます。この付近から見た兎岳はなかなか迫力があります。聖岳が大きいので地味ではありますが、なかなかどっしりした山なのではないでしょうか。それにしても、歩いても歩いても鞍部が見えません。しばらく樹林帯をトラバース気味に歩いた後、再び鞍部に向けて一気に下って行きます。 | |
![]() 【鞍部手前より兎岳】 |
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![]() 【ようやく鞍部に】 |
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![]() 【ハクサンフウロ】 |
兎岳の山頂が見えなくなるまで下るとようやく鞍部に到着です。聖岳からは400m以上下って来たことになります。ここからは、逆に兎岳に向けて登り返して行くことになります。ひたすらザレた道というより半分岩場のような場所が続きます。急登でなかなかしんどいですが、険しいというほどではないかもしれません。 しばらく登って行くと左前方に年季の入ったコンクリの建物が目に入って来ます。これが兎岳避難小屋です。小屋の手前付近の広場に看板がありました。中は改装してきれいになっているようですが、この外観を見てしまうとなかなか泊まる気にはならないのかもしれません。 |
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![]() 【ガレ道の登り】 |
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![]() 【兎岳避難小屋】 |
避難小屋まではたいして距離はありませんでしたが、寄らずにそのまま登ることにしました。さらに続く斜面を登って行くとようやく兎岳山頂に到着です。今回の縦走では何度となく山を上り下りして行くわけですが、この聖岳兎岳間は最もハードな上り下りの1つだったと思います。 兎岳山頂では、高校生のグループがいて高校野球を聞きながら校歌を歌っています。ちょうどこの時母校の甲子園での試合があって、山岳部は南アルプスを縦走中だったようです。あまりの偶然に驚いてしまいましたね。知らない方が見ると、少し異様な光景だったことでしょう。 |
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![]() 【ガスのかかり始めた聖岳】 |
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![]() 【兎岳へ】 |
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![]() 【山頂の様子】 |
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![]() 【山頂碑】 |
今年の干支である兎岳に無事登ることができました。深い意味はないのですが、今年こだわってみた理由の1つではあります。聖岳の隣にあるという程度の認識でしたが、なかなか素晴らしい山だったと思います。 兎岳で一休みしたら先に進みます。一旦鞍部に下った後小兎岳に登り返して行きます。聖岳兎岳間と異なり、比較的緩やかで歩きやすい道が続きます。それでも、登りは徐々にきつくなっていくのを感じていました。小ピークを越えた奥に小兎岳山頂があります。なお、手前の鞍部から見た兎岳は素晴らしかったです。 |
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![]() 【小兎岳から中盛丸山、大沢岳へ続く山並み】 |
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![]() 【西には奥茶臼山】 |
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![]() 【鞍部より兎岳を振り返る】 |
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![]() 【聖岳から兎岳】 |
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![]() 【小兎岳山頂】 |
小兎岳で少し休憩したらさらに先に進みます。緩やかな道を下って行くと正面に中盛丸山が迫ってきます。空を突き上げるような山容が特徴的で、結構な急登になることを想像させます。実際、岩場を越えてハイマツ帯を進んで行くのですが、かなり急斜面を登って行きます。ただし、道は比較的しっかりしているので問題なく登って行けます。また、聖岳兎岳あたりに比べれば標高差はそれほどではありません。 こうしてガスに覆われる寸前の中盛丸山山頂に到着です。この付近の山は完全にガスに覆われるというわけではなく、山頂をかすめて通るという感じでした。 |
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![]() 【中盛丸山】 |
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![]() 【岩場を進む】 |
![]() 【ハイマツ帯の急登】 |
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![]() 【中盛丸山山頂】 |
休憩は百間洞分岐でとることにして、中盛丸山では休憩せずにそのまま下って行きます。あっという間に鞍部に下って行くと分岐があります。そのまままっすぐ行けば稜線沿いにそのまま大沢岳に登る道、右手に下って行けば百間洞です。ここにザックをデポして大沢岳に登ることにしました。 分岐からの登り始めこそ樹林帯の道ですが、やがて岩がごろごろしたような道になります。ここまで登って来た山と比較すると岩場が多い山だったように思えます。 |
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![]() 【振り返って雲に隠れた聖岳と小兎岳〜兎岳の稜線】 |
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![]() 【正面に大沢岳】 |
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![]() 【百間洞分岐】 |
なお、大沢岳を縦走して行く道は結構険しいようです。記録を見るとそれほどでもなかったという記述もありますが、南側から登った感じではそれなりの道が続くような感じでした。ただ、南側からの道は特に危険箇所はなさそうでした。ザックをデポして空身ですからなおさらですね。途中通行止めになっているしらびそ峠方面の分岐を経て大沢岳山頂に到着です。 すっきりと晴れていれば見事な展望が広がってそうな山頂ですが、この時は周囲をぐるっとガスに囲まれてほとんど展望がありませんでした。特に赤石岳方面のガス、というよりは雲は結構厚かったです。 |
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![]() 【しらびそ峠分岐(左)大沢岳は右の岩場を登る】 |
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![]() 【山頂の様子】 |
![]() 【大沢岳山頂】 |
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![]() 【赤石岳方面】 |
展望もありませんので、山頂の写真だけ撮ったらすぐに下山開始です。15分程で下って百間洞分岐に戻って来ることができました。再び重いザックを担いで百間洞へ下って行きます。 ザレた道を少し下って行くと、歩きやすいなだらかな道が一時的に現れますが、その後は樹林帯をトラバースして行くような道で歩きにくい箇所も随所にありました。ただし、ルートは明瞭で危険箇所も特にありません。また、ところどころで花を見ることもできました。 |
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![]() 【ヨツバシオガマ】 |
![]() 【分岐直下の道】 |
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![]() 【マルバダケブキ】 |
![]() 【キンバイソウ?】 |
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![]() 【百間洞山の家】 |
トラバース気味の道を下って行くとやがて百間洞山の家に到着です。まだこの日に宿泊予定の方が到着していないのか本当に静かでした。山に囲まれ、小屋の前には小川の流れる素晴らしい場所でしたので、この小屋前のベンチでのんびり休憩をとることにしました。この後の赤石岳への登りが正念場になるわけですが、その前の最後の大休憩でしょうか。 百間洞山の家のテント場は小屋からやや離れていて、全てサイトに番号が振られています。先に受付を済ませて番号札をもらうようです。水場は小屋にありますので、小屋で水を汲んでいくことになるのでしょう。 |
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![]() 【脇に小川が流れる小屋前ベンチ】 |
![]() 【指定テント場】 |
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![]() 【急登が続く】 |
今回の自分も水場のない赤石岳避難小屋に泊まることになるので、水を汲んで行くことになります。この時は行動時の飲み水と合わせて4リットル以上の水を担いだのですが、翌日荒川小屋まで下れば水場がありますし、避難小屋でも飲み物は買えますので、結果としては担ぎ過ぎでした。さらには小屋でお湯をわけてもらったので、なおさら水は使わなかったのでした。 ここからは、赤石岳まで標高差700mを超える登りが待っています。さらに水が増えて重くなったザックに苦しめられることになりました。テント場を抜けたあたりから、百間平まではひたすら急登が続きます。 |
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![]() 【大沢岳を振り返って】 |
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![]() 【広々とした百間平へ】 |
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![]() 【ライチョウの雛】 |
急登は本当に一歩一歩登って行くという感じでした。それでも休みつつ進んで行きます。大沢岳からの稜線ルートといつの間にか合流してそのまま登って行きます。急登を登りきると、一気になだらかで広々とした場所に出ます。ここが百間平になります。驚いたことにここでライチョウ一家と出会うことができました。やはり天気の悪い時には出会いやすいのでしょうか。 ライチョウの撮影が終わったら先に進みます。赤石岳を包む雲の厚さは相変わらずですが、小さな音とはいえごろごろと雷が鳴っていたのが気になるところでした。 |
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![]() 【今回も出会えたライチョウ】 |
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![]() 【ガスに包まれた赤石岳へ】 |
さらに進んで行くと雷らしき音は多少大きくなりましたが、まだ遠くにあるような感じでした。そのまま稜線を進み、赤石岳に取り付いて最後の登りに向かいます。 この時ぽつぽつ雨が降り始めましたのでザックカバーだけ装着して進みます。すると一気に土砂降りになったので急いでレインコートを着用しました。そのまま進んで、小屋まで30分の地点を過ぎて標高3000mに近づいた頃、それまでにも雷の音はしていましたが、一気に雷の音が大きくなり付近に雷が落ちるようになりました。光はともかく音は凄まじくて、正直身のすくむような思いでした。、 |
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![]() 【この先のことを知る由もなく赤石岳の取り付きへ】 |
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![]() 【徐々に日が暮れて】 |
このまま一気に登ってしまうことも考えましたが、冷静に考えて岩陰にあるハイマツ帯でやり過ごすことにしました。できるだけ体を低くするために伏せっていましたので、結局びしょ濡れになりました。1時間弱程辛抱して、ようやく雷が一時的にせよ遠方に行ったように思えたので、一気に登って行きました。ただ、疲れもピークに達していたようで本当に這うように進んで行くというのが正しい表現でしょうか。小屋までの距離はそれほどではなかったはずですが、とてもとても長く感じたのでした。 小屋には無事に到着できました。その後も、土砂降りや雷に遭った人たちが続々と到着しました。結局避難小屋という名の通り、予定ではもっと遠くに行く予定だった方も避難してそのまま泊まったのでかなり混みあうことになりました。 |
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![]() 【ガスの中の夕暮れの太陽と右は赤石岳山頂】 |
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![]() 【かなり狭かった寝床(小屋泊では当然?)】 |
その後は、干せるものは干した後に夕食を自炊してのんびり過ごしていました。すると、ガスが薄くなったのか夕陽が見えて来ました。結局すっきりとは晴れませんでしたが、少しでも夕陽を見ることができたのは良かったです。 赤石岳山頂付近ということで、外は暗くなると一気に寒くなってきましたが、小屋はストーブも炊いていたせいかとても暖かかったです。翌日はこの時点ではあまり長い距離を歩くつもりはなかったのですが、早めに寝ることにしました。ただし、やっぱり慣れないぎゅうぎゅう詰めの小屋の中ではぐっすりとは寝られませんでした。それでも最低限は寝ることができたかなと思いますが。 |
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