ひじりだけ・うさぎだけ・おおさわだけ・あかいしだけ・わるさわだけ
 聖岳・兎岳・大沢岳・赤石岳・悪沢岳(3〜4日目)
  登山日: 2011年8月6日(土)〜8月9日(火) 
  標高:3013m(聖岳) 2818m(兎岳) 2819m(大沢岳) 3120m(赤石岳) 3141m(悪沢岳)    
  累積標高 約5100m(椹島から悪沢岳まで約2020m)


 8月6日(土)    臨時駐車場 6:40 → 乗車地点 7:00(〜40) ・・・ 聖沢登山口 8:25
   聖沢吊橋 9:35 → 岩頭滝見台 12:30 → 聖平小屋 13:40
 
 8月7日(日)   聖平小屋 3:15 → 小聖岳 4:35(〜5:00) → 聖岳 6:05 → 奥聖岳 6:25
    聖岳 6:50 → 兎岳 8:40(〜50) → 小兎岳 9:25(〜40)
   中盛丸山 10:25 → 百間洞分岐 10:40 → 大沢岳 11:00 
   百間洞分岐 11:15 → 百間洞山の家 11:55(〜12:20)
   百間洞 13:20 ・・・ 停滞約50分 ・・・ 赤石岳避難小屋 15:30
 
 8月8日(月)    赤石岳避難小屋 5:20 → 赤石岳 5:25 → 小赤石岳 5:50 
   荒川小屋 7:20 → 稜線出合 8:35 → 前岳 8:40 → 稜線出合 8:45
   中岳・避難小屋 8:55 → 悪沢岳(東岳) 10:15(〜30)
   丸山 10:50 → 千枚岳 11:20 → 千枚小屋 11:55(〜12:20) 
   見晴台 13:30 → 清水平 14:10 → 小石下 14:50 → 椹島 16:30
     
 8月9日(火)    椹島 6:30 ・・・ 乗車地点 7:20 → 臨時駐車場 7:40

 

 3日目の朝は御来光を眺めるために夜明け前に起きます。といっても満員の小屋でしたので、他の方も動き始めた4時頃起きて準備を始めました。テントの時と異なり片付けや準備が簡単なのはいいのですが、大勢の方が一気に動き出すのでばたばたしてなかなか大変なものがありました。

 外は一時すっきりと晴れていたようですが、そろそろ御来光という時間になってガスが出てきたようです。正直何も見えないくらいのガスでしたが、明るくなってくるにつれて、少しは見えるくらいのガスの濃さになってきました。赤石岳山頂の方が見晴らしはいいのでしょうが、ガスが少しでも晴れてそうな小屋の奥から見ることにしました。

【夜明け前の富士山】
 
【夜明け前の地平線】
 ガスの濃さは至近距離にある赤石岳山頂が見えないほほどでした。それでも、時々晴れて地平線の彼方にある夜明けの太陽や富士山を時々見せてくれました。ガスが晴れたのは短時間だったので、写真ではほとんどガスの晴れた瞬間を撮れませんでしたが、目には十分焼き付けることができました。いつの日かまた見てみたい絶景です。なお、富士山以外の山はほとんど見ることができませんでした。

 少しでも晴れないかなと思って粘ったので出発が少し遅くなってしまいました。御来光を眺めていた人達が大方出発した後出発しました。この時は千枚小屋までを想定していたので、それでも十分な時間ではありました。 

【ガスの中の富士山】 

【ガスの晴れた瞬間の富士山】 

【再びガスの中へ】 

【御来光】 

【赤石岳避難小屋】
 まずは赤石岳避難小屋に別れを告げて赤石岳山頂に向かいます。出発する時に小屋の御主人が声をかけてくれました。昨日も雨に濡れた人に気を使っていただき本当に助かりました。一緒に記念撮影を撮ることをお願いしている方もいてその人柄がうかがえました。自分もすいている時にまた来たいなとは思いますが、平日の真ん中でもない限りなかなか難しいでしょうか。

 小屋を出たら、まずは目の前の赤石岳山頂に登ります。昨日は雷雨のために踏めなかった山頂です。小屋から山頂まで歩いて1分かかるかどうかという距離で、これだけの標高の山でこれほど山頂に近い小屋もないのではないでしょうか。

【赤石岳山頂碑】

【ガスに包まれた稜線】

【肩にガスのかかった赤石岳を振り返って】

【ガスのかかった小赤石岳より赤石岳】 

【小赤石岳山頂碑】
 赤石岳で逆光気味の山頂碑を撮ったら先へ進みます。しばらくガスの満ちた稜線を歩いて行くとやがて、椹島へ下る道との分岐があります。実は小屋で親しく話をさせていただいた方とここまで歩いて来たのですが、ここでお別れします。それ以外の方もだいたいこの日に椹島まで下るという方が多かったように思います。避難小屋を早朝に出れば、1時のバスでも十分間に合うとのことでした。

 分岐を過ぎてしばらく歩くと小赤石岳山頂に到着です。ここもガスが立ち込めていましたが、なんとか赤石岳を見ることができました。

【ガスのかかった荒川岳と雲の流れる空】

【荒川三山】

【ザレた道を一気に下る】
 小赤石岳からは再び稜線を歩いて行きます。ほとんどの方が分岐を椹島方面に下ったため静かな山歩きとなりました。正面に荒川三山を眺めながらの稜線歩きです。ガスが多かったのですが、なんとか山頂は見えていました。

 やがて、ザレた道の下りがあって一気に下って行きます。きれいに九十九折れの道になっているので比較的歩きやすいです。ここを下ったあたりからの荒川三山はどっしりとしていて見事でしたが、早朝からの気温差のためかレンズが結露してしまって写真はうまく撮れませんでした。また、この付近からは荒川小屋から歩いて来たと思われる方達とすれ違うようになります。

【どっしりとした荒川岳 右はそのうちの悪沢岳(東岳) カメラの結露のためぼやけ気味】 
 
【レンズを変えて荒川岳】

【トラバース路より荒川前岳】 

【荒川小屋】
 ザレた道を下った後はなだらかな稜線を下って行きます。やがて大聖寺平と呼ばれる場所からはトラバース路を進んで行きます。徐々に迫ってくる荒川前岳はなかなか迫力があります。最後に樹林帯の道を抜けると荒川小屋に到着です。だいたいの方は出発した後でしょうから、小屋はとても静かでした。赤石岳と荒川岳に挟まれたロケーションは素晴らしいものがあります。機会があれば泊まってみたいものです。

 荒川小屋では、休憩がてら靴下や靴を少し乾かします。前日完全に濡らしてしまったので仕方のないところです。替えの靴下は靴の中がもう少し乾いてから履くことにしました。

【小赤石岳の肩から続く稜線 右中央に荒川小屋】 

【南アルプス北部も徐々に雲の中へ】
 荒川小屋からは荒川岳に向けての急登となります。赤石岳から標高差500m程を下って来ていますので、ほぼ同じ標高を登り返すことになります。このあたりはスケールの大きさを実感させられますが、一方でなかなかハードな稜線歩きとなります。道はよく整備されているので、その点では助かります。

 小屋からしばらく登り返して行くと鹿避けのネットであって、これを開け閉めして入って行きます。中は一面のお花畑になっていてさまざまな花を見ることができます。ただし、最盛期はもう少し早い時期なのかもしれません。

【続く急登】

【植生保護用のネット】

【ネットで囲われたお花畑】

【ガスに包まれた稜線とようやく見えて来た稜線出合】 

【イワツメグサ】
 お花畑の間の道を登りザレた道を登って行くと、ようやく稜線出合が見えて来ます。重い荷物を担ぐのがしんどいせいもあるかもしれませんが、見えてからがなかなか長かったです。荒川小屋手前あたりではよく見えていた荒川岳も、この頃にはほとんどガスで覆われていました。展望は仕方がないとしても、昨日のような雷雨にはならないで欲しいというのがこの時の正直な気持ちでした。結果としては、千枚小屋からしばらく下るまではなんとかもってくれて良かったです。

 稜線に出たらザックをデポして前岳に向かいます。稜線出合からは10分もかからないうちに山頂に到着です。ガスがなければ立派な赤石岳を正面に見ることができたのでしょう。
 
【ミヤマタンポポ】

【キンバイソウ?】 

【ハクサンフウロ】 

【稜線出合】

【前岳(中央付近)への道】

【前岳山頂】
 稜線出合まで戻った後は中岳を目指します。こちらも稜線出合からは近く、10分程歩くと到着です。前岳にしても中岳にしても、稜線のやや高くなったところという感じなので、遠方からだとわかりにくいかもしれません。実際、小赤石岳の肩から見た荒川岳は、荒川三山と言いながら前岳・中岳と悪沢岳(東岳)の2峰に見えますね。中岳が奥にあるというのもあるかもしれませんが。

 中岳もやはりガスで展望がありませんので、そのまま中岳避難小屋を目指します。赤石岳避難小屋程ではないにせよ、中岳山頂からかなり近い位置にあります。

【中岳山頂】
 
【中岳避難小屋と雲のかかった悪沢岳】

【中岳避難小屋】 
 中岳避難小屋では休憩している方がそこそこいました。だいたいの方が千枚小屋から歩いて来ているのでしょう。小屋はこじんまりとしていて、なかなかいい雰囲気の小屋のように思えました。今回、1泊する小屋は赤石岳避難小屋でなければこの中岳避難小屋を考えていました。目の前に悪沢岳が聳えており、すぐそばには中岳がありますので、晴れていれば見事な展望が広がっているはずです。

 悪沢岳を越えて行けば、多少の登り返しはあっても後は千枚小屋まで下って行くだけですので、小屋の前で少しのんびりしてから出発しました。

【悪沢岳その1】

【悪沢岳その2】

【悪沢岳その3】

【悪沢岳その4 近づいてみると岩場の多い山であることに気付かされます】

【タカネマツムシソウ】
 避難小屋からは、南アルプス南部で最高峰となる悪沢岳を目指します。同じ3000m級の赤石岳や聖岳がどっしりとしているだけに、その2山と比較するとやや華奢な感じもする山ですが、やはり近くで見ると立派な山です。特に、岩稜帯が思ったよりも際立っているように思えます。実際、道幅がしっかりあって危険はありませんが、取りつきまでやせた道が続きますし、悪沢岳の登りでは手を使う場所もあります。

 それほど標高差はないかなと思っていたのですが、やはり鞍部からですとそれなりにありますので、思ったよりも遠い山頂となりました。

【タカネナデシコ】

【クルマユリ】

【トリカブト】 

【白い花】

【チシマギキョウ】

【ウスユキソウに少し似ている?】 

【岩場を登る】
 岩稜帯を登ってややなだらかな道をさらに登って行くと悪沢岳山頂に到着です。さまざまな山から見ることができる悪沢岳なので、晴れていればかなりの山を見渡すことができるはずですが、残念ながら山頂は既にガスの中でした。

 山頂の表示は荒川東岳となっています。個人的には悪沢岳という呼び名が好きなだけにその表示がないのは少し残念でした。悪沢岳は標高3141mで日本で6番目に高い山になります。展望はありませんでしたが、せっかくの山頂ですので少し休憩してから出発しました。

【なだらかな道に】

【悪沢岳山頂】 

【山頂碑】
 悪沢岳から東側の斜面も岩のごろごろした道がしばらく続いています。やや大きめの岩の上を次々飛び乗って行く感じでしょうか。きちんとしたルートがあるので、岩場の見た目と比べると歩きやすかったです。

 岩場を越えて行くと再び歩きやすい登山道となります。緩やかに下ってやや登り返すと、その名の通り(?)丸く見える丸山に到着です。この山も3000mを超えており千枚岳に向けて緩やかに下って行きます。

【悪沢岳東側に続く岩のごろごろした道】

【穏やかな山容の丸山】 

【丸山山頂】
 しばらくなだらかな道を下って行くとやがてトラバース道になります。地形的には険しいところを歩いて行くことになりますが、登山道は歩きやすい道になっています。この付近ではいろいろな花も見ることができました。また、ガスも結構濃かったです。

 トラバース道を進んで行くとやせ尾根を歩いて行くことになりますが、ここも道は比較的しっかりしています。ただし、1箇所だけ岩場をよじ登るところがありここだけは注意です。今回のように悪沢岳から千枚岳に向かう場合は、登りなのでそれほど問題ないですが、逆の場合は下るので少し注意が必要でしょう。といっても数メートル程なので、あっという間ではありますが。 

【トラバース道とやせ尾根を進む】 
 
【今回唯一手を使って登った箇所】

【大勢の人で賑わう千枚岳山頂】

【山頂碑】

【二軒小屋分岐】
 岩場をよじ登ってしばらく歩くと千枚岳山頂に到着です。荒川三山からずっとガスの中でしたので仕方がないのですが、この山も晴れていれば結構な展望に恵まれるのでしょう。逆から登って来た場合はここから展望の良い稜線歩きになると思います。

 それまではあまり人を見かけなかったのですが、千枚岳では結構な人数の方が休憩をしていました。荒川小屋付近から出発したグループに追いついたのでしょうか。少しは休憩しましたが、大勢のグループの方達が次々と出発の準備をしていたので、結局先に下ることにしました。

【マルバダケブキのお花畑 所々にトリカブトも】 

【マルバダケブキ】
 千枚岳からは一気に下って行きます。しばらくザレた道を下って行くと樹林帯の道に入ります。まだまだ標高は高いと思うのですが、かなり森林限界が高いのでしょう。二軒小屋への分岐を経てさらに下ります。道中黄色い花のお花畑が随所に見られるのですが、これはマルバダケブキというお花のようです。お花畑を眺めながら下って行くと千枚小屋に到着です。

 千枚小屋の前は工事中になっていて、少し回り込むようにして小屋に向かいます。ちなみに小屋の表示は千枚仮設小屋となっていて、実際仮の小屋という感じは否めません。ただし、今年中に千枚小屋が完成するようですので、来年には立派な小屋が建っているのではないでしょうか。

【千枚仮設小屋】

【生ビール】

【樹林帯の道】 
 千枚小屋に到着したのはちょうど正午前でしたので、とりあえず翌日の天気を聞いてみると、山の天気なのでよくはわからないとのこと。恐らくは、この日までと同様に午前中そこそこで午後から崩れるような天気でしょうか。朝だけでも晴れるのであれば、朝一で千枚岳に登るというプランもあったのですが、この日の朝の赤石岳山頂の様子では微妙なところでしょうか。赤石岳や荒川岳に比べればガスはかかりにくいかなとも思いましたが、まだ正午だし今から下れば椹島でお風呂に入れるよという御主人との会話の中で、結局椹島まで下ることにしました。

 せっかくなので生ビールを飲んで休憩します。いくら下りの1本道とはいえ椹島への道のりは長いものがあります。

【前半は快調に下る】 

【見晴台入口】
 なお、自分が到着する時に下って行った夫婦の方がいましたが、どうも小屋が混み合うからのようです。グループがいくつか重なるとすぐいっぱいになってしまうのかもしれません。千枚小屋は上りでも下りでもちょうどいい位置にありますので、この時期は基本的に利用者が多いと思われます。

 樹林帯の下りは快適で、緩やかな道が続いています。ただし、緩やかな道ですのでなかなか標高は下がって行かず、思っていた以上に長く感じました。道中唯一の展望所となっている見晴台と呼ばれる場所がありましたが、ガスで展望がなさそうでしたので、展望台に上がらずそのまま下って行きます。

【展望はガスの中】 

【清水平 右奥に水場】 

【歩きやすい土の道は続く】
 歩きやすい道とはいえ、さすがに疲労は隠せませんので、適宜休憩を取りながら下って行きます。自分の中で次のチェックポイントを決めながら歩いて行きました。

 清水平はその名のとおり水が流れていますが、飲めるのかよくわからなかったのでそのまま素通りしてしまいました。ガイドに水場マークがあるので恐らくは大丈夫なのでしょう。登りではちょうどいい休憩ポイントになりそうな場所です。

 さらに下って行くと立派な林道と交差します。この林道は千枚小屋直下まで続いているということです。標識まであったのには驚きました。

【林道出合】 
 
【右奥に続く立派な林道と左に登山道入口】

【小石下三角点】 
 林道出合を過ぎた後も歩きやすい道が続きます。それでもすぐに疲れてしまうほど疲労がたまっていました。しばらく下って小石下と呼ばれる三角点のある場所でも休憩しました。ここは標高1600m弱で、徐々に椹島も近づいて来たかなという感じです。なお、雨は時々ぱらついていましたが、本降りにならなかったのには助かりました。

 その後は九十九折れに下る道もあり一気に下って行きます。再び林道に出て、登山道に入って行きます。この時点では、そのまま順調に下れそうな気がしていました。

【九十九折れに下る道】 

【再び林道へ】 

【岩場を進む】
 林道から登山道に入って間もなく、旧道と思われる道に通行禁止のロープが張っている箇所がありました。その脇から登って行く道があったので進んで行くと、下って来る人がいて、目印はあるけれど崖のような道なので違うかもしれないとのことでした。とはいえ、ペンキのマークは明瞭でしたので自分はそのまま進むことにしました。

 しばらくはやせた尾根を歩くだけだと思っていたのですが、岩をよじ登ったり、古い木のハシゴを登ったりする箇所が次々に出て来ました。さらに、この付近は登りが続きます。やはりそう簡単には下らせてくれなさそうです。ようやく登りきって鉄塔の下で休憩しました。

【鉄塔の下で休憩】

【岩がごろごろの道を下る】

【吊橋を渡る】
 その後も、岩がごろごろの道を下って行きます。岩の間を歩くような場所もあって、危険ということはないですが、結構歩きにくかったです。雨が少し降って濡れていたのも歩きにくかった要因になったのでしょう。岩がごろごろの道と土の道が交互に出て来ますが、一気に川に向かって下って行きます。

 下りきると吊橋などを渡って川沿いの道になります。この道は一部幅の狭い場所があったり、脇の沢からの水が少しかかってしまう場所などもありました。また、このあたりから本格的に雨が降って来ました。

【脇の小さな滝】 
 
【ようやく東俣林道へ】

【二軒小屋方面の鉄橋】
 この林道出合から椹島までは、コースタイムでは15分となっていますが、これがとても長く感じました。林道がやや登り気味になっているうえに、雨の中疲労も限界に近かったのでしょう。それでも歩きやすい道ではありますので、一歩一歩進んで行きます。

 やがて、赤石岳方面の登山口が見えてきて、脇に椹島へ入る道があります。その道をまっすぐ行っても着きますが、脇の登山道を使うとショートカットになるようです。その登山道を下って行くと、神社なども含めてさまざまな施設が現れます。結局椹島に来たのはこの時が初めてになったわけですが、思ったよりいろいろな施設があって驚かされました。 

【千枚小屋建設工事看板】 

【雨の中の林道歩き】

【林道の脇より下る】
 かなり土砂降りに近い雨が降っていたのでどうしようかとも思いましたが、まだ聖平でしかテントを張ってなかったなということで、予定通りテント泊にすることにしました。テント場は芝生の上でなかなか快適そうではあります。雨も幸い受付を済ませた後に弱くなったので、その隙に設営することができました。

 テント設営後は、暗くなる前に食事を済ませようと自炊場へ向かいます。ここには水道といす及びテーブルがあります。ビールの自販機もありましたが、電源が入っていませんでした。

【テント場】 

【レストラン】
 椹島に泊まる人はあまりいないのかなと思っていたのですが、テントはそれほどなかったものの、意外と泊まる人は多いようです。自炊場でも明日出発するという新潟から来た4人組の方が宴会をしていました。結局その宴会に入れていただき、かなりお酒までいただいてしまいました。その後お風呂の時間が終わるまでに入浴を済ませて再び宴会です。一晩寝てバスを待つだけの最後の夜になる予定でしたが、結果としてはかなり楽しい夜となりました。本当に4人組の方には感謝です。この後好天が続きましたので、きっと素晴らしい山行になったと思います。

 こうして3日目の夜は過ぎていきました。実は、この夜は宴会中も含めて、雷雨が激しく麓でもかなり荒れていたくらいですが、それを忘れさせてくれるような夜となったのでした。
 

【東海フォレストマイクロバス】
 最終日はバスに乗って帰るだけですので、それほど急ぐ必要はないのですが、やはりテント泊をしている時のくせで夜が明けると目が覚めてしまいました。とりあえず片付けられるものは片付けた後に自炊場に向かいます。すると、前日の宴会でお世話になった4人組の方が出発するところでしたので、健闘を祈ってお見送りをしました。小屋泊の割にはザックが大きいなと思ったらやはりお酒のようでした。グループでしたらそういう楽しみ方もあるなと思います。

 朝食を済ませたら撤収作業開始です。時間にはかなり余裕があるように思っていましたが、やはりテントの撤収はそれなりに時間がかかるせいか思った程は時間は余りませんでした。
 その後6時15分過ぎからのレストラン前での受付を済ませてバスに乗り込みます。そこそこ乗っている方がいるなと思いつつ6時30分発のバスがぴったりの時間で出発しました。しかし、乗った方の大半は聖岳の登山口で降りて、結局そのまま畑薙ダムまで戻ったのは自分ともう1人の方だけでした。

 帰路運転手さんの案内を聞きながら下って行きます。この日の朝はすかっと晴れていて、山の合間から荒川岳や聖岳、そして笊ヶ岳がよく見えていました。次はこのような天気の時に登りたいなと思ったのでした。そして、笊ヶ岳もいつかチャレンジしてみたいものです。

【前夜もお世話になった自炊場】 

【臨時駐車場へ】 
 畑薙ダムに到着すると、30人以上の方が待機していました。やはりこの時期になると平日でも登る方は結構多いようです。再び林道を歩いて臨時駐車場まで戻りました。

 結局、午前中には帰宅することができました。振り返ってみると本当にあっという間だったような、とても長かったようなそんな感じの山行だったように思えます。この夏の天気を象徴しているようで、なかなかすっきりとした天気にはなりませんでしたが、上河内岳から見た時に決意した南アルプス南部縦走を無事果たせたのは本当に良かったと思います。


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