きただけ・あいのだけ・のうとりだけ・ひろこうちだけ
 北岳・間ノ岳・農鳥岳・広河内岳(1日目)
  登山日: 2011年8月12日(金)〜8月13日(土) 
  標高:3193m(北岳) 3055m(中白根山) 3189m(間ノ岳) 3026m(農鳥岳) 2895m(広河内岳)    
  標高差 : 奈良田から約2360m


 8月12日(金)    広河原 7:50 → 二俣 9:35 → 八本歯のコル 11:35
   トラバース分岐 12:05 → 北岳 12:35(〜45)
   トラバース分岐 13:20 → 北岳山荘 13:50
 
 8月13日(土)  北岳山荘 4:10 → 中白根山 4:40(〜5:10) → 間ノ岳 6:00(〜30)
   農鳥小屋 7:20(〜40) → 農鳥岳 8:55(〜9:10) → 大門沢下降点 9:30
   広河内岳 9:55 → 大門沢下降点 10:15(〜30)
   大門沢小屋 12:10(〜30) → 奈良田登山口 14:15 → 第二駐車場 15:00

 

 本日より1泊2日で白峰三山を縦走します。といっても3日ありましたので、2泊3日でという選択肢もずっとありました。1泊目は北岳山荘で確定だったのですが、2日目がそのまま下るかもう1泊するかで昨年検討し始めた頃からずっと悩んでいました。奈良田に車を置く関係上、あまり大門沢小屋に泊まるメリットがなかったので、できれば稜線でと思ったのですが、さすがに農鳥小屋は北岳山荘からは近すぎるといった感じでしょうか。1日稜線でのんびり過ごすという選択肢もあったでしょう。結局、1泊2日の予定としつつ2泊3日の食料を担いで登ることにしたのでした。

 このタイミングで白峰三山に登るのは、マイカーを親に貸していて、ナビやETC他ほとんどの装備がない車しかないため、高速を使わなくても行ける未踏の山域が唯一白峰三山だったことによります。

【奈良田第2駐車場バス乗場】 
 
【広河原へ】
 山梨へ抜ける時によく利用している国道52号線を北上して行きます。途中、道を折れて奈良田方面に向かって行きます。すると、奈良田の手前で夜間通行止めとなっていて、朝6時まで通れないようでした。奈良田発の始発は6時半ですので、通過できるようになったらすぐに移動してバスに乗るという感じでしょうか。かなり寝不足でしたので、少し仮眠を取った後に駐車場に着いたらすぐに出発できるよう準備をしました。

 朝6時になると通行止めが解除されて、次々と車が奈良田に向かって走って行きます。奈良田発の始発が遅くなったのはこの工事のせいだと今更のように知ったのでした。工事が終わって、始発が早くなれば再び使い勝手のいいルートになるのかもしれません。 

【登山口手前より北岳】 

【登山口手前より】 

【樹林帯の道】
 奈良田へ到着しましたが、バスの停車している第1駐車場は駐車できる台数も少なさそうで既に満車のため、近くの車は次々と第2駐車場に向かいます。こちらは、空き地を利用した場所のようで結構な広さがあります。仮設トイレも設置されていました。

 到着したらトイレを済ませてバス乗場に並びます。第1駐車場まで遠いなと思ったのですが、第2駐車場にもバスが寄るため問題ありません。ただし、第1駐車場から出発しますので残りの座席数は少なくなります。結局、トイレの時間の分遅くなったせいかちょうど座ることができず立ったままの移動となりました。本当は寝たかったところで立っての移動となりましたので、なかなかきついものがありました。

【水場と小川のような登山道】 

【川沿いの登山道】 

【勢いよく流れる川】
 アサヨ峰に登って以来の広河原となります。昨秋、来年は北岳に登るぞと思ってアサヨ峰に向かったのを思い出しました。広河原のセンターで準備をしたら出発します。少し北沢峠方面に向かって歩くと間もなく北岳登山口です。登山口手前からは立派な北岳を見ることができます。これほどの標高の山が登山口から見えているのもなかなかないような気がします。のんびり写真を撮ってと思ったのですが、団体が出発しようとしていたので、慌てて登り始めました。

 しばらくは樹林帯の道を歩いて行きます。白根御池小屋への分岐がありますが、そのまま大樺沢ルートをとります。沢沿いの道ということもあって、随所に小川が流れており、登山道が川になっている箇所も結構ありました。

【北岳の山頂を見ながら】

【木の橋】 

【橋を渡る】 
 途中何度か橋を渡りつつ登って行きます。岩がごろごろしたような場所もありますが、やはりメジャーなルートだけあって比較的歩きやすいと思います。樹林帯を抜けた頃から見えた北岳も、登るにつれて徐々に迫って来ます。

 沢が開けて広々とした場所に出ると正面奥に雪渓が見えて来ます。ここをひたすら登って行くと二俣の分岐に到着です。ここは、八本場のコルへ至る左俣コースと肩ノ小屋に向かう右俣コースの分岐になっています。当初は右俣コースを歩くつもりでしたが、この時期には雪渓がほとんどなくなっていたので、左俣コースを歩くことにしました。実際、左俣コースを歩いている人の方が多かったです。

【徐々に迫ってくる北岳】

【奥に僅かに残った雪渓が】 

【二俣の分岐 左奥が八本場のコル 右奥が肩ノ小屋方面 正面に北岳】 

【左岸を歩く】
 左俣コースは沢の左岸を登って行きます。中には河原を歩いている方もいました。雪渓の残っている時は河原の雪渓を歩いて行くのでしょうか。しばらく歩くと雪渓の中心部の脇を通ります。既に登山道からはかなり下の方にあります。もうしばらくすると溶けきってしまうくらいの雪の量かもしれません。

 雪渓を抜けた後もひたすら沢を詰めて登って行きます。登山道もいつしか岩のごろごろしたような道を登って行くことになります。気温も上がってきて、このあたりが正念場だったように思います。

【ヤマホタルブクロ】 

【タカネナデシコ】 

【最後に残った雪渓】

【ひたすら沢を登る】
 しばらく登ってから振り返ると鳳凰三山を眺めることができます。5月には鳳凰三山から白峰三山を眺めたわけですが、今回は反対に鳳凰三山を眺めることになります。

 沢を詰めると登山道は方向を変えて一旦樹林帯に入ります。これを間もなく抜けると、その後はハシゴや階段などが続く急登となります。ハシゴなどは比較的しっかりをしていますので、特に問題なく上がって行きます。右手に迫る北岳を眺めながら進んで行きます。

【登って来た道を振り返って】 

【鳳凰三山】 

【木の梯子】 
 ここを登りきると八本場のコルに到着です。左手を見ると、ハシゴなどを備えた険しいピークが見えてきます。こちらは池山からのルートになるようです。右手の北岳方面に向かって歩いて行きます。途中左手を見ると立派な間ノ岳が見えてきました。北岳に登った頃にはかなりガスに覆われてきていたので、いいタイミングで見ることができたのではないかと思います。また、振り返るとガスに覆われながらもなんとか富士山も姿を現していました。この日はかなり天気が良く、お昼過ぎでもこれだけの景色が見られたのは良かったと思います。

【北岳を見上げて】 

【八本場のコル分岐】
 八本場のコルからは、岩場を登って行きます。岩の上を歩いたり、岩のごろごろした道を歩きますが、見た目ほど険しい箇所はありませんでした。しばらく登って行くとトラバース道分岐に到着です。

 実はこの上に吊尾根分岐があるのを失念していて、このトラバース道分岐にザックをデポして北岳に登ることにしました。どうも八本場のコルの分岐のところから少し勘違いをしていたようです。このあたりからは結構急な斜面を登って行くことになります。
 
【間ノ岳】

【ハシゴも見えるピーク】 

【岩場の登り】 

【池山尾根を眺める】 

【トラバース道分岐】 

【北岳山荘】 

【少しガスがかかり始めた間ノ岳】 

【辛うじて見えた富士山】 

【ザレた道を登る】 

【急斜面を登る 脇にはお花畑も】
 ザレた道の急斜面を登って行きます。脇にはきれいに花が咲いていたので帰路に撮ることにして山頂を目指します。ザックをデポして身軽になったのですいすい登って行くと、吊尾根分岐がありました。ここまでザックを担いで登って来れば、北岳登頂後そのまま北岳山荘に向かうことができたのでした。身軽になったことも考慮すれば30分も変わらないとは思いますが。

 吊尾根分岐からは岩場などもありますが、それほど険しい箇所もなく無事に北岳山頂に到着です。登山口から見えていた北岳にようやく到着することができたのでした。
 
【吊尾根分岐】 
 
【北岳山荘〜中白根山〜間ノ岳に続く稜線】 

【山頂手前の岩がごつごつした場所】
 
【山頂の様子 中央奥には甲斐駒が】

【北岳山頂】 
 北岳山頂は岩場の上にあるのですが、意外とスペースがあります。中途半端な時間帯だったせいか、登っている人の数の割には山頂にいた人の数は少なかったように思えます。好天に恵まれたこの日でしたが、さすがにこの時間になるとガスが出て来ました。あと1時間早く来るだけでも随分違った景色が見られたことでしょう。ただし、間ノ岳こそガスにかなり覆われてしまいましたが、仙丈ケ岳、甲斐駒ケ岳、鳳凰山などの主要な山々を見渡せたのは良かったと思います。今回の目的が北岳だけであれば、翌朝ものんびりと登りたいところでした。

【左手に仙丈ケ岳 右手にガスに覆われている甲斐駒ケ岳】 

【ガスが一時的に晴れた瞬間の甲斐駒ケ岳】

【仙丈ケ岳】

【ガスに覆われてきた間ノ岳 奥には塩見岳】 

【鳳凰三山】 

【白い花】
 北岳山頂での展望を楽しんだら下山開始です。後は北岳山荘に到着すればいいので急ぐ必要はないのですが、やはりお盆のこの時期、テント場の確保もあるので、休憩時間もそこそこに切り上げたのでした。

 そうは言ってもせっかくのお花畑ですので、できるだけ花の写真を撮りつつ下って行きます。わからない花ばかりですが、よく見るとさまざまな花が咲いていました。特に小さな花の密集したイブキジャコウソウの紫とミヤママンネングサの黄色のコントラストはなかなか見事でした。結局登りと同じくらいの時間をかけてトラバース分岐まで戻って来ました。

【タカネナデシコ】 

【クガイソウ】 
 
【チシマギキョウ】

【イワベンケイ】 

【ヨツバシオガマ】 

【ウサギギク】

【イワツメグサ】 

【イブキジャコウソウ】 

【トリカブト】 

【キンロバイ】

【ミヤママンネングサ】
 トラバース道はその名の通り、北岳の側面をトラバースして行く道です。あまりアップダウンはないものの、小さな梯子や橋などもあって地形はなかなか険しくなっています。ただし、危険な箇所はほとんどないと思われます。なお、このような岩のごつごつした道でしたが、さまざまな花がきれいに咲いていました。

 やがて、吊尾根分岐から下って来る道と合流します。なだらかな稜線を歩いて行くとやがて北岳山荘に到着です。徐々に登山者が到着して賑わって来ていました。

【やや険しい箇所もあるトラバース道】

【北岳山荘から間ノ岳に連なる稜線】 

【北岳山荘へ】

【北岳山荘】 

【ガスに覆われはじめた北岳】 

【テント場からの眺めと月】 

【夕暮れのテント場】
 山荘でテントの受付を済ませたらビールを飲んだ後設営開始です。主要な場所はだいたいテントが張られていましたが、なんとか設営場所を確保することができました。設営を済ませた後はテントでのんびりとくつろぎます。この時間になるとガスにほぼ覆われて北岳も完全にガスの中でした。

 結局、夕陽が見えないまま日が沈んで行きました。翌日は予報ではあまりいい天気ではなさそうでしたが、夜になってガスの晴れた北岳を眺めていると翌日の展望が楽しみになってきました。こうして寝不足に始まった1日目の夜を無事迎えることができたのでした。

【すっかり日の落ちた後の北岳】


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