つばくろだけ・おてんしょうだけ
 燕岳・大天井岳
登山日: 2011年10月29日(土)   標高:2763m(燕岳) 2922m(大天井岳)
    標高差 : 中房温泉から約1470m


※一部往復で別ルート

 10月29日(土)    中房温泉 5:55 → 第三ベンチ 7:10 → 燕山荘 9:00(〜10)
   大天井岳 11:40(〜12:20) → 燕山荘 14:30
   燕岳 14:50(〜15:00) → 燕山荘 15:20 → 第三ベンチ 16:30
   中房温泉 17:20

 

 本日は燕岳・大天井岳に登ります。今シーズン登りたい山はだいたい登ることができましたので、未踏の山の多い上越方面の山を考えていたのですが、日曜日の天気が良くないことから、やや遠い上越方面は断念して、異なる山域の山に登ることにしました。この夏にアルプスの山は結構登ることができましたので、この燕岳・大天井岳は来年以降に登る予定で考えていたのですが、天気が最高に良さそうだったのと、この時期になっても雪がほぼない状態だったことから、急遽白羽の矢を立てました。

 登山口となる中房温泉は上越方面に比べれば近いですが、それでも静岡からですと結構な距離になります。やはり思った程早くに到着することはできませんでした。

【第一駐車場】
 
【登山口へ】
 中房温泉の駐車場は先日の有明山登山の際にも利用していたので、勝手がわかっている分探すこともなかったのは良かったです。この日は比較的暖かく、凍結の心配もありませんでした。

 燕岳は人気がありますので、ハイシーズンですと夜明け到着ではもう駐車する場所がないという話を聞いていましたが、快晴の予報でも時期が外れていることもあって第一駐車場にとめることができました。ちなみに、ここには簡易トイレもありますので、車中泊をするにも便利なのかもしれません。日帰りでしたら、登山口にきれいな公衆トイレがありますのでどの駐車場でも問題ないと思います。 
 
【中房温泉登山口】
 
【整備された登山道】
 
【水場分岐】
 遅めの到着とはいえ時期が時期だけにまだ暗い時間帯になります。この日の長丁場を考えて、準備ができたらすぐに出発です。まずは駐車場から登山口に向けて車道を歩いて行きます。しばらく上がって行くとロータリーがあり、さらに少し進むと登山口があります。ここには、きれいな公衆トイレも完備されています。

 登山口からはよく整備された登山道が続きます。北アルプス三大急登と呼ばれているルートですが、極端に急な道はなく、むしろ効率よく高度を稼いでくれるので、楽ではないにせよ比較的歩きやすいルートだと思います。それも人気の1つなのかもしれません。
 
【ポイント毎に看板】
 
【道中開けた場所も】
 
【日の射し込み始めた第三ベンチ】
 しばらく歩くと第一ベンチと呼ばれる場所があり、水場への分岐があります。その後も、第二ベンチ、第三ベンチ、富士見ベンチなどがあり、標高も記されているのでいい目安になると思います。1箇所少し開けた場所もありましたが、概ね樹林帯の中を歩くことになります。逆に言えば気候の急変の影響も受けにくいと言えるでしょう。

 富士見ベンチを過ぎてさらに登って行くと合戦小屋があります。ここはスイカで有名ですが、小屋自体まだやっているのかどうかよくわかりませんでした。ちなみに、脇には荷揚げ用ケーブルがあります。
 
【合戦小屋】
 
【荷揚げゲーブル】 
 
【槍の穂先】
 合戦小屋で少し写真を撮った後、再び登って行きます。このあたりは、稜線に向かっての最後の登りと言ったところでしょうか。稜線手前に少し広々とした場所があって展望もなかなかでしたので、ここでも写真を撮ってから先に進みました。

 目の前に見える燕山荘の方に向かって緩やかな登山道を歩いて、行くとやがて稜線分岐、燕山荘の前に出ます。稜線に出た時に広がる北アルプスの景色がなんとも素晴らしかったです。この到着した瞬間に開ける景色が来たぞという感じがしていいものです。本当は燕岳に登ってから大天井岳に登りたいところですが、体力的に時間的に間に合うかどうかわからなかったので、写真を一通り撮ったら先に大天井岳に向かいます。

【正面に燕山荘 右奥に燕岳】

【遠方には富士山も】 

【燕岳】 

【大天井岳(左)に連なる稜線とその奥に見える槍ヶ岳】 

【稜線に到着して広がる北アルプスの景色】 

【槍ヶ岳から野口五郎岳付近の山々】 

【燕山荘】 
 大天井岳へ向かう稜線も素晴らしい景色の連続で、少し写真を撮っては進むという感じでしたこの時期にしては比較的暖かかったようで、歩くにはちょうどいいくらいの気温だったと思います。しばらく緩やかなアップダウンを繰り返しながら進みます。

 やがて、正面に見える大天井岳が大きくなってきた頃大下りと呼ばれる場所があり、一旦下って行きます。下って登り返すあたりに謎の分岐があって、片方にロープがかかっていたのでもう片方の道を進んで行ったのですが、踏み跡はきちんとあるものの、藪っぽいところもあってやや歩きにくい道がしばらく続きました。 

【槍ヶ岳】

【笠ヶ岳】

【鷲羽岳】

【水晶岳】

【野口五郎岳】

【燕岳】

【鹿島槍ヶ岳】

【立山と剱岳】

【左の大天井岳と右の槍ヶ岳を眺めながらの稜線歩き】

【振り返って左の燕岳と右の燕山荘】

【やや白くなったライチョウ】

【大下りから大天井岳への稜線】
 ちなみにこの途中に白っぽくなったライチョウに会うことができました。梅雨明け直後のアルプス入りからは連続で会っていたものの、その後しばらく見かけることがなかったのですが、久しぶりの、そして今年最後の御対面となりました。白っぽくなっているのはやはり冬の準備でしょうか。冬のアルプスに登ることはできないので、本当に貴重な御対面だったと思います。

 その後、やや歩きにくい箇所を抜けると再び気持ちの良い稜線歩きとなります。あと一息と言いたいところですが、まだまだ先は長いです。

【この日ずっと眺めていた大天井岳と槍ヶ岳の組み合わせ】

【ちょっとした岩場】 

【藪っぽいトラバース道を振り返る】 

【大天井岳までかなり近づいたように見えてもまだ先は長かったです】

【正面に大天井岳を眺める】

【一旦手前のこの日唯一の鎖場を下って奥の梯子を登る】 

【槍ヶ岳方面分岐】
 稜線を歩いて行くとこの日唯一の鎖場があり、一旦下って梯子を登ります。登って間もなく槍ヶ岳方面の分岐があります。いつかは、表銀座を縦走して槍ヶ岳を目指したいものです。ここでは常念岳方面に入ります。

 この後ザレた道が続きますが、ここでも不思議な分岐があって、先ほどと同じようにロープが張ってあったので、張っていない方を登って行きます。岩がごろごろしていますが、しばらくははっきりとした道が続いています。ある程度登った頃にトラバース道に入ります。

【謎の分岐 左はロープがあるので右の道を登りましたが・・・】 

【途中崩壊箇所やハイマツの藪を越えるトラバース道】

【ようやく見えて来た大天荘】 
 このトラバース道はきちんと歩ける箇所もそれなりにあるものの、ハイマツ帯の藪を抜けたり、崩壊した斜面をトラバースしなければならない場所もあって、慎重に進まざるを得ませんでした。実は帰路に先ほどの分岐に出るルートを歩いたのですが、このトラバース道のずっと下を通っていて、至って歩きやすい普通の登山道でした。ちなみに、少し前に歩いた分岐も別ルートは歩きやすい道になっていて、もしかしたら大天荘が小屋を閉めた後だったので、冬ルートということなのでしょうか。また登る機会はあると思うので、次回はきちんと下調べをしておいた方がいいのかもしれません。 

【大天荘を見下ろして】

【ザレた道を登る】 
 トラバース道をなんとか越えるとようやく正面に大天荘が見えてきます。今年の営業は既に終了していますのでとても静かでした。大天荘の手前にそのまま大天井岳に登る道がありますので、そのまま山頂を目指します。

 ザレた道をしばらく登って行くとようやく大天井岳山頂に到着です。登山口から6時間弱、やはり長い道のりとなりましたが、そこで待っていたのは予想通りのパノラマの景色でした。既に日が昇って結構な時間がたっているせいか、少し靄がかかったような感じではありますが、どの方向を見ても素晴らしい景色が広がっています。 

【大天井岳山頂】

【山頂碑と槍ヶ岳】

【槍穂の山並み】

【槍ヶ岳】 

【穂高連峰の山々 左が前穂高岳 中央に奥穂高岳】 

【歩いて来た稜線を見下ろして】

【鷲羽岳〜水晶岳〜野口五郎岳】

【富士山はまだきちんと見えていました】

【記憶が正しければ常念岳】 

【中央に燕岳 右に燕山荘 左奥は鹿島槍ヶ岳】 

【高瀬ダム湖】 

【左奥に立山剱岳 中央右奥に針ノ木岳】 

【右の鹿島槍ヶ岳から白馬三山に連なる稜線】 

【針ノ木岳】 

【何度も何度も眺めた槍ヶ岳】

【燕山荘】

【分岐看板と大天荘】

【大天井岳側から鎖場を眺める】

【別ルートにこの日唯一見かけた雪】
 時間的な余裕はあまりないので、山頂にはそれほど長い時間いる予定はなかったのですが、あまりの素晴らしい展望に40分も居座ってしまいました。似たような写真を数多く撮っていたり、今年最後のアルプスということで名残惜しさもありましたね。

 十分景色を堪能したら下山開始です。まずは大天荘まで戻り、本ルートらしき道より下ります。先に書きましたようにこちらは歩きやすい道が続きます。鎖場も越えて歩いて来た稜線を戻って行きました。なお、もう1箇所往路とは別ルートを通ったのですが、こちらは僅かに雪があり、この日唯一見た雪となりました。

【大下りを登り返して進む】

【燕岳へ】

【イルカ岩と右奥に槍ヶ岳】

【スペースのない燕岳山頂】 
 そのまま燕山荘に戻った後は燕岳を目指します。燕岳に登ると明るい時間帯に戻るのは厳しそうでしたが、登山口付近であれば暗くてもヘッドライトで行けるだろうという判断です。

 燕山荘からイルカ岩を眺めつつ進み、白い砂地の道を登って行くと30分もたたないうちに燕岳山頂に到着です。山頂にはほとんどスペースがなく、人が多い時には写真を順番に撮って下るという感じになりそうな場所です。ここからの景色もなかなかですが、さすがにどの方向を見ても遮るもののない大天井岳の展望にはかないわないでしょうか。山頂で少し休んだら下山開始です。

【山頂碑】 

【山頂より北方の眺め】
 
【山頂から燕山荘〜大天井岳〜槍ヶ岳を眺めて】

【槍も見納め】

【テント場も賑わっています】

【すっかり暗くなった頃登山口へ】
 燕山荘のテント場ではこの日泊まる人がテントを張っていて結構賑わっていました。冬でも登る人がいる山ですから当然なのかもしれません。この後、意外と膝や足腰の状態が良かったことと、明るいうちにできるだけ下りたいということで一気に下って行きます。結局思っていた以上のペースで駆け下ったので、ヘッドライトが必要になる直前に登山口まで戻ることができました。ちなみに、自分が最後に下山するだろうと思っていたのですが、2グループ程を途中で抜きました。ぎりぎりまで登っていたのは自分だけではなかったようです。

 さすがに長丁場で疲れましたが、とても日帰りとは思えない充実した山行となりました。ただ、次は夜明けの北アルプスを見てみたいなと思ったのでした。
 


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