りゅうががけ・あまがたけ・たかでっき・けなしやま
 竜ヶ岳・雨ヶ岳・高デッキ・毛無山
登山日: 2012年2月19日(日)   標高:1485m(竜ヶ岳)1772m(雨ヶ岳)1921m(高デッキ)1946m(毛無山)
    標高差:バス停から約1130m


 2月19日(日)    本栖湖駐車場 5:35 → 竜ヶ岳 7:25(〜50) → 端足峠 8:20
   雨ヶ岳 9:40(〜55) → 高デッキ 10:35(〜45) → 毛無山 12:00
   朝霧グリーンパークバス停 13:55 ・・・ 本栖湖入口 14:10 → 駐車場 14:20

 

 本日は天子山塊を縦走します。まだ未踏であった竜ヶ岳を登るというのが当初今回の主目的だったのですが、この際いつかはやろうと思っていた天子山塊縦走にチャレンジすることにしました。天子山塊縦走と言っても毛無山までで、天子ヶ岳や長者ヶ岳方面までは縦走しません。日帰りですと、自分の脚力ではこのあたりまでが限界でしょう。

 早朝本栖湖駐車場に入ります。いつも通り予定よりも遅い到着になりました。駐車場らしきスペースが何箇所かあったので、どこに駐車するかをいろいろと見て回ったせいもあるでしょう。縦走後はバスで戻って来ますので、登山口に近ければ近いほどいいというわけではありませんが、結局最寄りの駐車場にとめることにしました。

【本栖湖駐車場(下山時)】
 
【登山口】
 予定より遅い出発となりましたが、それでもこの時間ではまだ真っ暗です。気温はさすがに低かったですが、風がほとんどないため、それほどの寒さは感じません。キャンプ場の建物の間を看板に従って進んで行きます。このあたりは広い敷地になっているので、少しわかりにくい箇所もありました。このあたりでは地図の読みようもないので、たくさん踏み跡のある方に向かって歩くというような感じでした。明るい時間帯であれば問題ないのかもしれません。

 結局、この日の中では唯一道を探しながらの歩きとなって、ようやく登山道入口に到着です。歩いた時間としてはそれほどではないですが。 
 
【暗闇の登山道】

【夜明けとうっすらと積もった雪】
 
【富士山は雲の中】
 登山道はよく整備されています。雪がうっすらと残っていてアイスバーンだったら歩きにくいかなと思ったのですが、雪でしたので問題なく登って行きます。緩やかに九十九折れに登って行くような感じです。

 結構標高を稼いだかなと思う頃に夜が明けて来ます。同時に富士山も見えてきますが、残念ながら薄い雲が間にあって山頂付近は見えませんでした。実は前日の山伏とこの日の縦走は、当初逆の日に登る予定だったのを、日曜日の方が富士山がよく見えそうだということで、この日程にしたのでした。したがって、この時点で雲がこれほど多かったのは誤算でした。 

【徐々に大きくなる竜ヶ岳】

【雪は再凍結してアイスバーンに】

【夜明け前の富士山】

【笹原の道を振り返って】
 この頃になると竜ヶ岳も見えて徐々に大きくなって来ます。笹原の道は、溶けた雪が再凍結してアイスバーンになっていましたが、登山道全面を覆っているわけではないので、問題なく進んで行きます。

 正面にどっしりとした竜ヶ岳が見えて、展望所らしき場所が近づいて来ると、夜が明けて来ました。竜ヶ岳の上の方から徐々に赤みを増して行きます。急いで展望所に移動して、御来光を待つことにしました。本当は竜ヶ岳山頂で迎えたかったところですが、この場所でも十分御の字でしょう。幸いなことに、間にあった雲もなくなってきて富士山はよく見えていました。 

【正面に竜ヶ岳】

【夜明け直前の富士山】

【朝日の当たる竜ヶ岳】

【富士山の脇より御来光】

【太陽をズーム】

【毛無山方面】

【分岐を振り返る】
 しばらく待っていると、富士山の脇より御来光を拝むことができました。やはりどこで見ても御来光は素晴らしいものです。しばし夜明けの景色を堪能した後竜ヶ岳を目指します。ちなみにこの日は毛無山でダイヤモンド富士が見られたそうです。反対側からもっと早い時間に登っていればと思ったのですが、このへんは来年以降の楽しみとしましょう。

 なだらかで気持ちの良い稜線の道を歩いていると、別ルートからの登山道と合流します。そのまま、さらに歩いて行くと竜ヶ岳山頂に到着です。

【山頂へのなだらかな道】

【僅かに残るエビの尻尾】
 山頂は広々としていて大勢の人が休憩することができそうです。実際、富士山の展望台であり、比較的アクセスも良く登りやすいこの山は、いつも賑わっていることでしょう。この時は早朝ということもあり、自分が最初に山頂に到着したようです。ただし、山頂でテント泊しているグループがいて撤収作業をしているようでした。麓でも出発時に−7〜8℃でしたから、山頂はかなり寒かったことでしょう。

 山頂から眺める富士山は逆光になるため少し白んでいました。もう少し日が昇ってこないときれいには見えないでしょう。

【広々とした竜ヶ岳山頂】

【頂上碑】
 竜ヶ岳が素晴らしいのは富士山だけでなく南アルプスの山々も見えることです。薄い雲がかかってなかなかすっきりとは見えてくれませんでしたが、これだけくっきりとした山々を見ることができれば十分でしょう。この先の縦走路でも部分部分で見ることはできますが、全山を一望できるのはここだけではないでしょうか。 

 しばらく周囲の景色を眺めたり写真を撮ったりしていましたが、先はまだまだ長いので先に進むことにします。山頂奥の笹原の道を進んで行くと、緩やかに下って行きますが、やがて急な下りになります。

【雨ヶ岳方面の眺め】

【早朝の富士山】

【赤石岳】

【山頂奥より広がる展望】

【赤石岳〜甲斐駒ケ岳の山並み】

【塩見岳 左手前は蝙蝠岳】

【悪沢岳 左の山と合わせて荒川三山か】

【八ヶ岳連峰 中央に赤岳 左に阿弥陀岳 右に横岳】

【急斜面の雪道】
 雪はあったりなかったりという感じでしたが、日当たりのよくないやや下ったあたりから雪が結構出て来ます。軽アイゼンを付けてもいいかなとは思いましたが、凍結まではしていなかったのでそのまま下って行きます。下ったあたりからは再びどっしりとした雨ヶ岳が見えてきますが、急登の連続であることが見て取れます。

 急な下りを終えると緩やかなアップダウンがあり、やがて端足峠に到着です。ここからは、根方方面や本栖湖方面に下ることができます。縦走ですので、そのまままっすぐ雨ヶ岳方面へ向かいます。

【道中より雨ヶ岳を見上げて】

【端足峠分岐 左が根原方面 奥が雨ヶ岳 右が本栖湖】
 端足峠から雪はしっかり付いています。ここから高デッキまでは一度は歩いたことのあるルートになるわけですが、前回とだいたい同程度の積雪量だったと思います。最初は緩やかな道が続きますが、やがて急登にさしかかってきます。この緩やかな道で今日初めて会った登山者の方を追い抜いたのですが、どうも軽アイゼンを装着していたようでした。自分もそろそろ装着してもいいかなとは思ったのですが、行けるところまで行くことにします。

 しばらく登ってみたところなんとかなりそうでしたが、下手なところで足を滑らせてはと思い、結局アイゼンを装着することにしました。

【よく締まった雪道】

【登って来た急登を振り返る】

【徐々に展望が開けて】
 雪がよく締まっていることもあって、アイゼンを装着すると快適に歩くことができました。前回は日当たりの良い場所は雪のないところも結構あったのですが、今回はそのような場所もあまりなく快適に進みます。徐々に視界が開けて来ると雨ヶ岳山頂に到着です。

 雨ヶ岳山頂はこじんまりとしていますが、ここに多くの登山者が集まることもないでしょうから十分でしょう。ここからも見事な富士山を眺めることができます。雲がかかって裾の方は見えませんが、山頂付近はよく見えています。光が反射しててかっているのが印象的でした。雪というよりはアイスバーンなのでしょうか。

【雨ヶ岳山頂】

【頂上碑と富士山】

【太陽の光に反射する富士山】

【山頂付近をズーム】

【樹林帯の道を進む】
 ちなみに、雨ヶ岳に登る途中で1グループ、山頂で1人の方とすれ違いました。いずれの方も毛無山山頂でダイヤモンド富士を見たということで、初めてこの日はダイヤモンド富士が見られる日であることを知ったのでした。また、登山道の状態を懸念していた高デッキから毛無山の縦走路が比較的歩きやすい状態になっていることもわかりました。

 雨ヶ岳山頂では富士山を眺めたり写真を撮ったり、縦走してきた方と話しをしたりしましたが、まだまだ先があるので、それらのこともそこそこに先に進みました。

【高デッキ山頂付近】

【南アルプス方面の展望は木々に遮られる】

【真っ白になった木】
 雨ヶ岳から高デッキへ向けても若干のアップダウンがあって、最後に一気に登って行くのですが、雨ヶ岳への急登を思えば歩きやすいものです。無雪期には歩いたことがないのでわかりませんが、雪があるために返って歩きやすくなっているのではないかと思います。

 しばらく登ると展望が広がり、奥の毛無山が見えてくると高デッキ山頂です。山頂と言っても、頂上碑がないどころか、ただの登山道しかありません。道中の最高点らしきところを山頂だと思っています。実際は道から多少外れたところかもしれませんね。

【雨ヶ岳と同じように立派な富士山が見える】

【樹氷で他の山よりも白く見える毛無山と毛無山へ続く笹原の道】

【高デッキをやや下ったところから白峰三山】

【どっしりとした間ノ岳】

【雪道歩き】
 山頂からは雨ヶ岳と同じように立派な富士山を眺めることができます。南アルプス方面は木々に遮られて見えないわけですが、やや下ったところから南アルプスの山々を見ることができます。ただ、これらのポイントもやや間隔の開いた木々の間から見るので、竜ヶ岳のように一望とまでは行きません。それでも、竜ヶ岳では雲のかかっていた白峰三山がくっきり見えたのは良かったです。

 高デッキまで来ると、本日の縦走の最後の山である毛無山もよく見えます。毛無山は高デッキ付近と比較すると白くなった木々が多くて白く見えます。登山道の状況を聞いていなければ雪の深さが心配になりそうです。

【樹氷群の間を進む】

【白くなった木と富士山 右上にはパラグライダーも】

【再び樹林帯へ】
 このあたりになってくると帰路のバスの時間が気になって来ます。コースタイム+休憩を考慮すると、当初は15:55を想定していました。遅れても16:55があるという感じでしょうか。予定よりも結構早かったのですが、それでも13:55はいくらなんでも間に合わないということで、結局はマイペースで歩いていました。後から焦るくらいなら、この付近からペースアップしても良かったかなと思います。

 高デッキを下って毛無山に近づくと、遠方から見えたように樹氷群が近づいてきます。やっぱり近くで見るときれいです。この日は寒かったせいか、まだまだ溶けている様子はありませんでした。 

【右手に方向を変える 正面にはロープあり】

【天子山塊最高峰 大見岳頂上碑】

【大見岳山頂付近】
 しばらく歩くと展望のいい稜線歩きを過ぎて、樹林帯に入って来ます。同時にこのあたりになると雲も多くなって来ました。さすがに天気が崩れるほどではありませんが、富士山はかなり雲に隠れるようになって来ました。

 樹林帯の道は雪深そうに見えますが、踝が埋まる程度でむしろ歩きやすいくらいです。しばらく進んで、右手に方向を変えて少し歩くと、天子山塊最高峰の大見岳があります。毛無山よりも20m弱標高が高いようですが、頂上碑がないと気付かないと思います。その後も気持ちの良い雪道を進んで行きます。

【雪原を眺める】

【樹氷の間を歩く】
 道中の木々は遠方で見たように白くなっていて、真っ白な雪原も見事です。ただ、地肌が見える場所もあるので、それほど積雪量が多いわけではないのかもしれません。

 緩やかなアップダウンを歩いて、最後少し登ると毛無山山頂に到着です。山頂は、登山者で賑わっていました。ただし、富士山の方はかなり雲に隠れかけている状態です。特に見る者もないですし、グループの方が出発しそうだったので、休憩せずにそのまま進むことにしました。同時にちょっと無理かなと思いつつも早い時間のバスを狙うことにします。 

【毛無山山頂へ】

【頂上碑】

【木々の合間より辛うじて富士山】
 緩やかに稜線を下って行くと分岐があって、稜線をそのまま進むと地蔵峠方面に進みます。ここは最短で下るためにそのまま登山口方面に進みます。少し下ると雪は一気に減りますが、随所に凍結箇所があってなかなかアイゼンを外すタイミングが難しいです。結局、ほぼ雪がなくなる場所まで、アイゼンを装着しながら進みました。アイゼンを外す時間を休憩に充てようという思いもありました。

 さらに下って行くとヘリポートがあります。その後も岩のごろごろした道があったりと、やや歩きにくい道を下って行きます。

【地蔵峠方面との稜線分岐】

【断続的に続く凍結箇所】

【道中のヘリポート】
 この道は合目の表示があるので、現在の場所の目安がつくのがいいところです。一気に駆け下って地蔵峠との分岐に出ます。この後、河原を渡る箇所がありますが、後は緩やかな道を進むと登山口です。

 ここからはひたすら舗装された道を歩きます。登山口に着いた時点でバスの時刻の20分前、コースタイムではあと40分になっています。ここまで来たらということで、ひたすら早歩き、最後は走ってぴったりの時間にバス停に到着です。

【地蔵峠方面分岐】

【登山口を振り返る】

【ようやくバス停へ】
 バス停には待っている方がいたので、間に合ったことはすぐにわかりました。バスは2〜3分遅れで到着、無事に乗ることができました。15分程で本栖湖に着いたわけですが、ちょうど待っていた方が、毛無山山頂でテントを張ってダイヤモンド富士を見られたそうで、その時の写真を見せてもらったのでした。

 バス停に到着した後は、観光客で賑わう本栖湖畔を通って駐車場に戻りました。最後は忙しなかったですが、本当に充実した縦走になったと思います。この縦走はまた機会があればやってみたいと思っています。

【本栖湖を眺めて】
 


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