しちめんざん
 七面山
登山日: 2012年3月3日(土)   標高:1982m(七面山) 1980m(希望峰)
    標高差:羽衣から約1480m


 3月3日(土)    羽衣 6:05 → 敬慎院 9:10(〜30) → 七面山 10:30(〜50)
   希望峰 11:30(〜50) → 七面山 12:20(〜30) → 羽衣 15:00

 

 本日は七面山に登ります。この日は一応晴れの予報でしたが、前後の天気があまり良くないうえに雲が多めということで、山には行かないつもりでした。しかし、2週連続で何もしないのも体がなまると思ったのと、標高の高いところでは雪がそれなりにあって雪道歩きができるだろうということで登ることにしました。候補はいろいろとありましたが、南アルプスを見たいということで、七面山に登ることにしました。前回登った時は4月だったのですが、この時は見事な景色を眺めることができました。今回は、再びその景色を期待して、今度はデジイチにその展望を収めたいと思いつつ向かったのでした。
【入口横の駐車場(下山時)】
 
【入口の鳥居(下山時)】
 前回は表参道から登ったので今度は裏参道からとも思いましたが、さすがに体力的に無理だろうということで、前回同様表参道から登ることにしました。結果としては表参道でも余裕がなかったので、この選択肢で正解だったと思います。

 羽衣の駐車場には夜明け前に到着です。前回と違って、登山口のそばに駐車場のあることがわかっていましたので、登山口直下の駐車場まで入って駐車します。さすがにこの時期は余裕をもって駐車することができました。それほど台数はとめられませんので、少し混みあうとこの最寄りの駐車場はとめられなくなると思います。なお、このすぐそばに公衆トイレもあります。 
 
【敬慎院の五十丁目まで続く(下山時)】

【よく整備された登山道(参道)】
 
【道中何箇所かある茶屋】
 準備をしたら、薄暗い中出発です。まだかなり暗かったのでヘッドライトを装着して行ったのですが、登山口付近は外灯があったり、道がよく整備されていたりするのであまり必要がなかったです。なお、登山口には元丁目と記された目印があって、五十丁目である敬慎院まで続いており、現在地を知るのにいい目安になります。

 道は多くの参拝客が歩くこともあってよく整備されています。緩やかな登り坂がひたすら続いて行きます。最初の茶屋に着いたころ徐々に夜が明けて行きました。このような場所は途中何箇所かにあります。人の少ないこの時期はやっているのかどうかよくわかりませんが、参拝客が増えて来ると賑わうのでしょう。

【麓でもどんよりとした空】

【標高の低い所でも雪がちらほらと】

【溶けかかっているものの徐々に雪道に】
 最近登った方の記録にあったように、二十丁目あたりから雪がそれなりに出て来ます。ただ、標高の低いところは朝早いこの時間帯でも既に溶けかかっているような状態でした。降った直後だったので残っていた雪なのでしょう。

 踏み固められたり、一旦溶けて凍ったために滑りやすそうな箇所もありましたが、道幅が広くて歩く場所を選べるうえに登りでしたので、アイゼンを装着することなくそのまま登って行きます。ただし、登るのに支障がある程ではありませんが、時々足を滑らせるので、結局軽アイゼンを装着して登ることにしました。雪もよく締まって歩きやすかったです。

【茶屋の前はすっかり凍り付いて】

【標高が上がると結構な積雪が】

【ようやく見えて来た山門】
 四十丁目を過ぎるとカウントダウンと言ったところでしょうか。とはいえ、敬慎院から先もまだ長いのに、このあたりで疲れて来てしまいました。それでも、このあたりになると雪がしっかり積もっているので気持ちよく歩いて行くことができました。さらに登って行くとやがて山門が見えて来ました。

 ここまで来れば敬慎院までもう一息です。ここから緩やかな一直線の道が続くわけですが、これがつるつるに凍っていました。アイゼンも先がようやく少し刺さる程度の硬い氷でした。ただし、脇に雪があるので、それを利用すればなんとかなるとは思います。この緩やかな坂を登りきると敬慎院に到着です。境内は前回見ているので今回は寄りませんでした。 

【敬慎院までまっすぐ続く坂道】

【つるつるに凍った通路】
 鐘の設置されているところを左手に上がって行きます。この上がったところが展望所になっていますが何も見えませんでした。辛うじて手前の身延山が見えていた程度です。ちなみに、前回は完全にガスの中でさらに視界が悪くて全く見えませんでしたが、逆に山頂へ向けて高度を上げるとガスを抜けて見事な晴れ間が広がっていたのでした。この時点で上層の方まで雲に覆われていることは間違いなさそうで展望は期待できなさそうでしたが、雪道歩きを楽しもうということで先に進むことにしました。

 敬慎院を回り込むようにして七面山に向かって登って行きます。登山者や参拝者はほとんど見かけませんでしたが、お寺の関係者の方々が除雪作業をしているのは所々で見かけました。

【展望所からは手前に身延山が見えるのみ】

【新雪が積もっているもののトレースもくっきり】
 敬慎院から七面山へ登り始めるあたりから雪が一気に増えて来ます。実際は敬慎院にも雪が積もっていたのでしょうが、除雪されていました。雪が多めとはいえつぼ足で十分そうでしたが、せっかく持ってきたわかんを装着することにしました。今季最初で最後の出番になるかもしれません。結果としては、わかんを持って来たのは正解だったと思います。一方で、冬用靴ではなくいつも履いている重登山靴で来たのは失敗だったかなという感じです。気温が極端に下がるわけではないのでなんとかなりましたが、ずっと雪道を歩いているうちに、最終的にはつま先が少し冷えて来てしまいました。全行程のうち完全な雪道の占める割合は多くはないので、失敗とまでは言えないかもしれません。

【木々に囲まれた山頂へ】

【頂上碑】
 登山道にはやはり新雪が積もっていましたが、それまでのトレースを覆ってしまうほどではありませんでしたので、特に迷うことなく進んで行きます。積雪はトレース上を歩いている限りではくるぶしが埋まる程度ですが、少しそれると、場合によっては腰あたりまでずぼっと埋まりました。途中、それた踏み跡をあえてたどったりしながら進んで行きます。1時間程歩いて、少し開けた場所に出るとそこが七面山山頂です。ここは、上が開けているせいか一層積雪量が多いように感じました。

 ちなみに、七面山山頂は木々に囲まれているので展望は全くありません。ただし、それでも展望が期待できそうもないということはわかりました。しかも、希望峰方面のトレースは完全に消えています。

【希望峰方面はトレースなし】

【展望は期待できそうもない空模様】

【トレースを振り返って】

【所々にあるテープを目印に進む】
 本当はここで引き返しても良かったのですが、時間的に余裕があるのと1回通ったことがあったので、行けるところまで行ってみようということで希望峰に向かうことにしました。展望が期待できない以上無理をすることはないので、その点では気楽に歩くことができたのかもしれません。

 山頂から最初のテープまでが、少し目印のないまま歩く必要があるので、誤った方向に行くと少し余分に歩くことになると思いますが、その後は一定間隔ごとにテープがあるのでなんとかなると思います。自分の場合は、1回歩いたので何となく覚えていたのと、いざという時はGPSで確認しながら行けばいいかなという感じで進んで行きました。 

【トラバース気味に進む】

【三ノ池分岐】

【さすがに疲れた急登のラッセル】
 途中、三の池分岐となっている箇所を過ぎて、最後急登をラッセルしながら進んで行くと希望峰山頂に到着です。結局、ルートファインディングをする必要はありませんでしたが、やや深めの雪に苦労しながら進むことになって、30分のコースタイムの1.5倍程の時間がかかりました。正直この距離だったから何とかなったのかなと思います。積雪量の多さにもよるのでしょうが、ここまで来る人があまりいなかったというのが実際のところラッセルをする程苦労した原因だったのでしょう。七面山山頂までの道とは全然様相が異なりました。昨年の伊予富士に比べれば全然楽だったのでしょうが、やはり一筋縄では行きません。 

【やはり展望のない希望峰山頂からの展望】

【希望峰山頂】
 山頂は予想通り展望は全くありませんでしたが、ここで少し休憩することにしました。わかってはいても残念ではあります。

 下りも長いので、少し休憩をしたら下山開始です。この時点でお昼ですから、やや日が長くなっているとはいえなかなかいい時間です。ただし、自分がラッセルをした後を歩くので快調に下って行くことができました。ただし、やはり疲れてはいるので、登り返しは少し大変でした。七面山に登り返した後はひたすら下って行きます。ちなみに、この時間帯になると七面山山頂は完全にガスに覆われていて、小雪が舞っているような状態でした。

【快適な下り】

【帰路はガスに覆われていた七面山山頂】

【敬慎院入口付近】 
 その後も着実に下って行きます。七面山山頂直下でようやく、この日初めて登山者とすれ違いました。その後数人とすれ違いましたが、やはりみなさんアイゼンのようでした。少なくとも七面山山頂まではアイゼンかつぼ足で十分でしょう。

 敬慎院の裏手あたりでワカンをアイゼンに変えて下って行きます。やはり、敬慎院山門付近のつるつるの凍り道はすごいです。脇の雪がなかったら結構怖い道になるでしょう。もう少し上部での話になりますが、前回登った時も随所に凍った箇所があって大変だった覚えがあります。

【凍った道を下る】

【登山口へ】
 敬慎院からは歩きやすい道をひたすら下って行きます。歩きやすい道ですが、さすがに距離と標高差がありますので、一気にというわけにはいきません。このあたりでは、参拝される方と結構すれ違いました。といってもこの時期ですので、みなさんアイゼンは装着されているようでした。

 雪もなくなり、かなり疲れた頃ようやく登山口に到着しました。結局富士山や南アルプスなどの展望は全くなく、ラッセルなどもあってかなり疲れましたが、むしろワカンも活用できましたし、充実した雪道歩きができたのではないかと思います。危険がなく慣れた山でないと無理ですが、自分でトレースを付けて進んで行くのはやっぱりいいなと思いました。
 


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