のうごうはくさん
 能郷白山
登山日: 2012年4月15日(日)   標高:1617m(能郷白山)
    標高差:ゲート前から約1220m


 4月15日(日)    ゲート前 5:35 → 登山口 6:35 → 前山 8:55(〜9:15)
   能郷白山 10:25(〜11:10) → 前山 11:55 → 登山口 13:15
   ゲート前 14:00

 

 本日は能郷白山に登ります。今回もまた残雪期の山登りに挑戦です。前週の猿ヶ馬場山と違って能郷白山は無雪期にも普通に登ることができます。今回登った能郷谷からのルートの他、温見峠からの短時間で登れるルートがあります。登るだけなら無雪期に温見峠から登れば十分なのですが、過去の記録を見た時に残雪期の能郷白山があまりに美しかったので登ることにしたのでした。

 能郷白山は豪雪地帯である奥美濃の最高峰になる山で、深田久弥が荒島岳とどちらを百名山にするか迷った山であるということです。結局百名山には選ばれていませんが、二百名山になっています。

【ゲート前の駐車スペース】
 
【ゲート】
 登る時期は比較的よく登られている4月としました。これより早い時期になると雪でゲート前まで入れないこともあるようです。もう少し早い時期でも良かったとは思いますが、ラッセルをほとんどすることなく、それでいて下まで雪があったので、雪の残り具合はちょうど良かったと思います。

 ゲート前に着いた時には既に夜が明けていたのですが、他に車はとまっていませんでした。この時期になると結構入山者がいるイメージでしたが、早朝から登る人はあまりいなかったようです。しかし、下山時には路肩にも駐車されるほど車が入っていたのでした。
 
【しばらくは舗装された道】

【未舗装の道へ】
 
【日影には雪がたっぷりと】
 ゲート前からはしばらく舗装された道を歩きます。このあたりは雪はありませんでした。この道をしばらく歩いて行くと未舗装の道との分岐があるのでそちらに入って行きます。なお、舗装された道は橋が崩壊して途中から通れないようになっています。

 未舗装の道もつなぎの部分だけで再び舗装された道になりますが、このあたりは雪に覆われている部分が多いです。また、未舗装の道あたりからは緩やかな登りになって来ます。ここを登って行くと登山道入口の看板があって、脇の沢を渡渉して進んで行くことになります。

【登山口へ】

【登山口の木柱】

【登山道入口脇の渡渉地点】
 実は今回懸念していたのがこの沢の渡渉で、ここで苦労した記録が多々ありました。今回両脇の雪が溶けていて無雪期と同じ条件で渡れたのは良かったと思います。ただ、雪解け水が多くて水位は高めだったかもしれません。そういう意味では帰路の方が不安ではありました。往路でも、どの岩を渡るか結構考えさせられました。ちなみにどうしても渡れない場合には上部の石堤のような場所から回り込むことも可能なようで、実際踏み跡もありました。

 対岸に渡って尾根に取り付くと急登が待っています。既に雪が解けていたので問題なく登れましたが、ここに雪が残って滑るようですと苦労させられそうな気がします。

【尾根に取り付いて急登を登る】

【なだらかな場所に出ると地肌は見えつつありますが雪景色】

【登山道を示す木柱は半分雪の中 この奥から登る】
 急登を登り切るとなだらかな斜面になり雪が出て来ます。ただ、このあたりはかなり地肌も見えて来ていました。しばらく進んで行くと林道に出て登山道であることを示す木柱が雪の上に顔を出していました。まだこのあたりは数十センチの積雪があるようです。林道はすっと奥まで続いていますが、林道はほぼ渡るだけで再び尾根に取り付いて登って行きます。

 尾根は少し登ると真っ白な雪に覆われた道になります。この道を登って行くとやがて右に折れて前山を正面に見ながらの登りとなります。

【雪に覆われた林道とまだ白い峰を眺める】

【雪に覆われた尾根道】

【正面に前山を見ながらの稜線歩き 正確には右奥あたりがピークか】

【所々に出ている夏道を拾って進む】
 基本的には雪道が続きますが、所々で雪解けが進んでいる場所があり、夏道が露出しているところもありますので、歩ける場所は利用して行きます。雪道も楽しいですが、やはり雪のない道の方が歩くのは楽です。能郷白山は長丁場の山になるので、体力を温存しながら登って行きます。

 しばらくはなだらかな稜線歩きですが、前山に近づいて来ると急登も出て来ます。雪がほどよく締まっていて歩きやすいですが、やはりこのあたりまで来るとしんどくなってきます。 

【斜度もそこそこに気持ちよく歩ける稜線】

【振り返っても一面の雪景色】

【徐々に急な道に】

【笹原の間を抜ける】
 途中露出した笹原を抜けて行くと前山付近に到着です。三角点のあるピークはもっと東に行ったところにあるようです。ただ、ほとんど雪原のようになっているうえに当然三角点は雪の下でしょうから、どのあたりが山頂なのかはよくわかりません。展望も良さそうですが、先はまだあるので、能郷白山の方向に折れていく場所で少し休憩をしました。ここまで登るとどっしりとした白山と荒島岳がよく見えるようになって来ます。また、真っ白な頂を持つ能郷白山もしっかり見えています。休憩をしたら先に進むことにします。ここからはやややせた尾根が続いていて、雪が硬くなっていることもあるようですので、場合によってはアイゼンの装着が必須になると思います。

【広々とした稜線の奥に前山山頂】

【見事な白山と左手前に荒島岳】

【正面に能郷白山】

【憧れの真っ白な山頂】

【やせた稜線へ】

【最後に待ち受ける急登を眺める】
 雪庇には近づかないようにしながら進んで行きます。うっすらと以前付けられたトレースも残っていますので、特に問題はありませんでしたが、1箇所結構狭まっているところがあって、稜線直下をトラバースしつつ途中で登ったのですが、ここは稜線ををそのまま歩くのが正解でした。後から来た方をこの誤ったトレースに導いてしまって申し訳なかったと思います。滑落などの危険はあまりない場所なのが幸いでしたが。

 この稜線を抜けるといよいよ能郷白山への最後の登りになります。真っ白な頂を見ているともうすぐにも見えるのですが、ここからもそれなりの登りが続きます。 

【最後の登り手前の稜線】

【前山からの稜線を振り返って】

【山頂を見上げて】

【山頂直下は急斜面】

【雪原の広がる山頂】
 山頂までの道はあまりトレースがはっきりしないので適当に登りやすいところを上がって行きます。そのまま山頂直下まで上がりますが、ここから山頂までが実際は見た目ほどではないとは思いますが、結構な急斜面になっています。上部に亀裂が見えたので、亀裂を避けるように斜めに登って、亀裂を越えたところから大回りするように山頂を目指しました。雪の深さもほどよく足場を固めながら登ることができました。

 山頂は前山付近と同様に広々とした雪原が広がっています。多少は高低差がありますので、山頂の位置はおおよそでわかりますが、とてもなだらかであることがわかります。

【山頂から歩いて来た稜線を見下ろす】

【白山から御嶽山の展望】

【冠山方面も白い頂が続く】

【冠山】

【荒島岳と白山】

【荒島岳】

【白山と別山】

【御嶽山】

【乗鞍岳】
 山頂からは見事な景色が広がっています。西側には見事な山容を持った冠山、北側には白山と荒島岳が見えています。若干ガスがかかったような感じですがこれだけくっきり見えれば十分でしょう。それにしても、白山までの距離を考えるとこの存在感は本当にすごいなと思います。

 白山の右手に目を転じると北アルプスの山々やどっしりとした御嶽山も眺めることができました。前週の猿ヶ馬場山ほどのクリアな展望は望めませんでしたが、肉眼では十分山座同定ができるだけ見えていました。広々とした山頂に素晴らしい景色と本当に楽しませてもらいました。

【北アルプスの山々】

【うっすらと穂高連峰】

【青空を見上げて】

【続々と登って来る登山者】

【能郷白山を振り返る】

【前山への稜線歩き】 
 山頂での景色を楽しんだら下山開始です。山頂直下はシリセードをしてみようとも思いましたが、少し急斜面だったので結局普通に下りました。その後も順調に下って行きます。最後の登りへの取り付きあたりで後から登って来た方達とすれ違うようになりました。日も長くなって来ましたのでゆっくり出発される方が多いのかもしれません。

 前山付近まで戻ったらそのまま下って行きます。残雪期の山は登りがしんどいですが、雪道の下りは快調で楽しいです。あれだけ苦労して登ったのが嘘のように思えてしまいます。

【前山から尾根を見下ろして】

【ゲート前へ】
 帰路に懸念していた登山道入口付近の渡渉地点ですが、帰路も特に問題なく渡ることができました。往路と違って最悪濡れてもという感じで気楽ではありましたが。

 その後は再び長い林道を戻って行きます。結局2時頃には戻って来ることができました。ゲート前は結局は路肩がいっぱいになるほど駐車されていたのでした。わざわざ残雪期に登ることにした能郷白山ですが、確かに体力的には厳しいもののそれを補って余りある素晴らしい山行となりました。自宅からの距離がもう少し近ければ、何度でも訪れたいものです。
 


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