からまつだけ
 唐松岳
登山日: 2012年4月21日(土)   標高:2696m(唐松岳)
    標高差:八方池山荘から約860m


 4月21日(土)    八方池山荘 8:55 → 丸山ケルン 10:40(〜11:10) → 唐松岳山荘 11:55
   唐松岳 12:15(〜55) → 唐松岳山荘 13:15 → 八方池山荘 14:55

 

 本日は唐松岳に登ります。4月から仕事が忙しくなったため先週先々週と土曜日に休んで日曜日に山に登っていたのですが、この週は土曜日が絶好の天気になったため急遽登ることにしたのでした。特に天気が良いうえに風が非常に穏やかであったことから、残雪期に一度登ってみたいと思っていた唐松岳に登ることにしました。風が強いと全く進めないということですが、条件が合えば、ゴンドラとリフトを使って八方池山荘まで入れるので、距離が短いうえに危険箇所は少ないと思います。記録を見ていて思ったことは、条件が良いという大前提のもとで、積雪のある時期で登れる山はこの唐松岳と燕岳と蝶ヶ岳あたりかなというのが正直なところで、日帰りで登れるのはこの時期は唐松岳だけでした。
【駐車場】
 
【ゲレンデも既に雪解け】
 行くことは決めていたものの仕事がうまく切り上げられなかったため、結局睡眠時間なしで現地に向かいます。ゴンドラの開始時間の関係であまり早い時間に入っても仕方がないので、途中で仮眠を挟みながら向かいました。

 昨秋登った時にはゴンドラ駅の駐車場を利用しましたが、まだ雪が残って利用できず、周囲の駐車場にとめようとしましたが満車でした。結局戻って無料駐車場に駐車したのでした。最初からこちらに駐車している方も多いようです。実際、ゴンドラ駅までの距離はそれほどでもありません。自分の場合は、基本的に近い方を選んでしまうことが多いですけれども。 
 
【ゴンドラ乗場は大行列】

【リフトで八方池山荘へ(下山時)】
 
【一面に広がる雪景色】 

【新婚さんの撮影会?】
 ゴンドラ乗場は大盛況で、スキーヤーボーダーがとても多かったです。さらには、シーズンパスのようなものを持っているせいか、切符を買う前から並べるので、早い時間に着いてもどうしても行列の後ろについてしまいます。結局八方池山荘まで入れたのは9時前になってしまいました。比較的短時間で登れるとはいえ、この時間ですと、ラッセルなどが必要な場合には時間切れになってしまいそうです。

 準備が出来たら出発します。出発地点から少し登ったところでは、新婚さんが写真撮影をしていて、通りがかった人たちがみんなで写真を撮っていました。この雄大な景色をバックにしたら本当に素敵な写真になると思います。

【次々と登って行く人々】 

【存在感抜群の五竜岳】

【ケルンはすっかり雪の上に】
 雪質はラッセルするほどではありませんが、足がずっぽり入る感じで、つぼ足で行くかワカンで行くか悩ましいところでしたが、なんとなりそうだったので結局つぼ足で進むことにしました。入山者が多くてよく踏まれているのですが、つぼ足からスキーで登る人までいるのでいろいろな踏み跡になるのでしょう。雪がかなり腐ってきているのもあるかもしれません。

 気温も上がってなかなかしんどい登りではありましたが、唐松岳山荘への尾根道から奥に広がる見事な稜線に至るまでの素晴らしい景色にテンションは高まって行くばかりでした。

【白馬岳】

【尾根に沿って登って行く】

【不帰のキレット】

【八方池も雪の中に】

【五竜岳の肩には鹿島槍ヶ岳】

【眺めていて飽きない雄大な景色】

【ライチョウさんとも御対面】

【丸山ケルン】
 特に昨夏に登った時は、登りも下りもガスの中でしたので余計うれしかったですね。徐々に左手から迫って来る五竜岳、その奥には鹿島槍ヶ岳が見えます。右手には白馬三山と不帰のキレットもよく見えていました。なお、池に映る稜線というのも想像してみましたが、八方池はさすがに雪の中に埋もれていました。

 道中では白いライチョウまで見ることができました。雪山をやらない関係上お目にかかることはないかなと思っていたのでうれしかったです。ライチョウ自体は昨秋燕岳大天井岳に登った際に少し白くなったライチョウを見て以来になります。またこの夏もたくさん会えるといいですが。結構登ったかなと思う頃丸山ケルンに到着です。

【稜線出合が見えて来て】

【急登は続く】

【正面に唐松岳 雪のない部分もそれなりに】

【唐松岳山荘】
 一気に登って来ましたので丸山ケルンで少し休憩をしました。ちょうど岩肌が露出していたので休憩するにはうってつけの場所だったと思います。

 その後はひたすら尾根を登って行きます。見通しが良くてかなり遠くまで見えてはいるのですが、やはりこれだけスケールの大きな景色の場合にはなかなか近づきません。稜線の出合付近も見えていましたが、それからの登りも結構長かったです。特に足を取られることが多かったのも時間のかかった要因でしょう。ただし、結果としてはなかなかのペースで登れていたと思います。

【唐松岳山頂を見上げる】

【美しい稜線】

【山頂へ】
 稜線に出ると北アルプスの眺めが一気に広がります。少し空が曇って来ていたのが残念でしたが、立山連峰を始め見事な景色が広がっていました。また、このあたりは風が強いのか結構地肌の見えているところも多かったです。

 ここからはアイゼンを装着して山頂を目指します。無雪期にはさくさく登ってしまった山頂ですが、さすがに雪があると一筋縄では行きません。ただし、トレースはきちんとあるのでそれほどの苦労をしたわけではありませんが。山頂直下の両側が急斜面になっているところは慎重に通り過ぎました。

【頂上碑】

【白馬岳を背景に】

【立山連峰を中心とした眺め】

【立山と剱岳】

【立山 主峰群が重なっている】

【剱岳】

【毛勝三山】

【白馬岳】

【正確には天狗ノ頭と白馬鑓ヶ岳か】

【不帰のキレット 雪でむしろわかりにくい?】

【頸城三山 焼山〜火打山 少し離れて妙高山】

【登って来る人々】

【唐松岳山荘と牛首】

【五竜岳】

【山頂直下のやせた稜線】
 山頂からは素晴らしい景色が広がっています。ここまでも見えていた五竜岳や白馬岳はもちろん、立山剱岳などの北アルプスの山々や積雪量の豊富な頸城三山もまだ真っ白な姿を見せていました。さすがに山頂まで来ると風はそれなりにはありますが、予報通り穏やかでのんびり写真を撮ることができました。山頂で景色を楽しんだり写真を撮ったりしたいので、どうしても雪のある山は風の弱い日になります。週末でこのような条件のことはめったにないので本当に運が良かったのだと思います。ちなみに先週登った方は、快晴だったけれども風が強すぎて全然進めなかったということで、これほどの高峰になると条件がそろわなければ登頂は厳しいのだと思いました。

【急斜面を下って沢に滑り降りて行くスキーヤー】

【唐松岳】

【薄曇りで日暈が】
 山頂での景色は名残惜しいですが、それほど強くはないとはいえ風に当たり続けて体が冷えて来たので下山を開始します。山頂直下だけは慎重に下った後、一気に下って行きます。まだまだ登って来る人も多かったです。条件も良くこれだけの景色が見られるのですから入山者が多いのも当然かもしれません。

 下った後振り返った後の唐松岳が本当に見事でした。バランスの取れた山容に一部地肌の見えた雪の付き具合がちょうどいい感じでした。薄曇りのせいか空を見上げると日暈が出来ていました。  

【剱岳と唐松岳】

【五竜岳と遠見尾根】

【白い稜線を下って】

【道中にはテントも】
 稜線出合まで戻ったら、北アルプスの眺めとお別れして下って行きます。結構快調に下ってはいたのですが、時々足を取られそうになるので注意しなければなりません。それぞれの方が好きなルートで下っているので、トレースがあってもかなり深いところもあったのでした。

 下る途中も尾根の脇に見える五竜岳と白馬三山は見事でした。特に白馬三山は光の当たり具合が素晴らしくて稜線がくっきりと浮かび上がっていました。少し下る度に振り返りながら下って行きました。

【白馬三山】

【快適な下り】

【八方池山荘とリフト乗り場へ】
 楽しい下りも八方池山荘で終わりです。次々に上がって来るスキーヤーを横目にリフトで下って行きます。登山者もそれなりに多かったとは思いますが、スキーヤーボーダーの数に比べれば微々たる人数だったかもしれません。

 その後賑わうゲレンデをよそにゴンドラに乗り継いで下って行きます。下の方が滑れないのでスキーヤーも下る時はゴンドラに乗る必要があります。こうして、充実感に浸る中ゴンドラ駅に到着、歩いて駐車場まで戻ったのでした。寝不足を押して来たわけですが、あまりの景色の素晴らしさに寝不足であることを全く意識することなく登って来ることができました。褒められたことではありませんが、がんばって登った甲斐があったと思います。 
 


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