あわがたけ
 粟ヶ岳
登山日: 2012年5月28日(月)   標高:1293m(粟ヶ岳)
    標高差:中央登山口から約1120m


 5月28日(月)    中央登山口 4:10 → 砥沢ヒュッテ 6:30 → 粟ヶ岳 7:25(〜35)
   砥沢ヒュッテ 8:15(〜25) → 中央登山口 9:30

 

 本日は粟ヶ岳に登ります。この日は天気予報ではお昼ぐらいから天気が崩れる予定になっていましたが、強い寒気が入って安定しないということで、午前中で下山できたとしても登るかどうかを最後まで悩みました。結局、GW時に早めに切り上げてしまって後悔したので、朝のうちに下山するということで決行しましたが、結果としては最後に雷雨に遭うことになりました。場所によっては夕方までもっているところもあったようですが、とにかく判断の難しかった1日となりました。それにしても、自分が下山する時に次々登って来る方も結構いたのには驚きました。

 前日は佐渡島に渡っていた関係で、現地入りしたのは深夜になってしまいました。

【中央登山口】
 
【貯水池の橋を渡る】
 キャンプ場などの施設のあるあたりに駐車場がありますが、もう少し奥まで行けるということで、未舗装道路でしたがとりあえず第二貯水池まで行ってみることにしました。中央登山口と書かれた場所のすぐそばには1〜2台程度とめられるかどうかというスペースがあるのみで、少し進んだところと手前に少々車をとめられるスペースがありました。一晩を過ごすには平らなところがいいということで、少し手前にあったスペースに駐車することにしました。

 当日は午前中に下って来れば十分と考えていたので、夜が明ける頃に出発しました。まずは、林道を登山口に向かって歩いて行きます。
 
【貯水池を眺める】

【登山ポスト】
 
【貯水池沿いの道】
 天気のことを差し置いても登山口の標高が低いので、涼しいうちにある程度標高を稼いでおきたいのもありました。

 登山口の看板のあるところからは、まずは貯水池の橋を渡って行きます。渡って間もなく登山ポストがありますが、しばらくは池沿いの歩きやすい道が続きます。しばらく歩くと、粟ヶ岳入口の看板があり、ここから本格的な登山道となります。ちなみに、ここからは一定間隔毎に距離と時間を記した看板がありますのでいい目安になります。ただ、コースタイムについてはやや厳しめに設定されているように思えます。のんびり歩くのなら2割増しくらいで考えた方がいいかもしれません。

【登山道へ】

【山頂の10まである目印】

【まずは尾根に登ってから稜線歩き】
 本格的な登山道といっても、よく整備された登山道が続いています。このあたりも豪雪地帯のはずですので、雪解け後に一旦整備されたのでしょうか。尾根に向かって少しずつ標高を稼いで行きます。途中ハシゴなどもありましたが、特に険しい箇所はなかったと思います。

 尾根に出ると麓からの登山道と合流します。この登山道を見ても比較的整備された道が続いているようです。地元の方は結構歩かれているのかもしれません。ちなみに尾根出合にはベンチが設置されていました。この後にも休憩ポイントに設置されている箇所があって、なかなか便利です。

【よく整備された道】

【設置されたハシゴ】

【尾根出合へ】
 稜線歩きになっても、歩きやすい道が続いています。樹林帯の道を歩いていると、タニウツギなどの花も見られました。しばらく登って行くと大栃平という開けた場所に出ました。ここからは粟ヶ岳を望むことができると思ったのですが、左の鋭そうなピークが粟ヶ岳北峰で、その右が本峰との間にあるピークのようです。その右にちょっと出ているのが恐らく粟ヶ岳ではないかと思います。極端な話、粟ヶ岳をしっかり見ることができるのは、粟ヶ岳北峰に着いたあたりからになると思います。

 また、大栃平あたりからは、傾斜が急そうな稜線が見えて来ます。標高を1100m強稼がなければいけませんので、当然急登になっている箇所もあることでしょう。

【ベンチもあり】

【樹林帯の稜線歩き】

【タニウツギ】

【視界の開ける大栃平】

【険しそうな稜線が続く】
 やはり手前で見えていたように、徐々に急な登りになって来ます。ハシゴが連続して出てきたり岩場を登る箇所もあります。ハシゴやロープがきちんと設置されているので難しいということはなかったのですが、やはり登り登りの連続ですのでなかなか疲れて来ます。

 さらに登って一旦平坦な道になった後、中央右奥に岩場が出て来ます。まさかこれを登るとはと思ったらその岩場を登ることになっていたのでした。ただし、鎖やロープがあるうえに、岩場がステップを切ってあったので、ゆっくり登れば問題ありませんでした。濡れていたら下りは少し歩きにくいかもしれません。

【正面奥に粟ヶ岳】

【右手に見えたまだまだ白い守門岳】

【ハシゴの連続】

【岩場を登る】

【中央右の岩場を登る】
 登って行くと水場を示す看板がありました。水場までの距離を示した(80m)きちんとした看板でしたので、確認はしていませんが、きちんとした水場なのでしょう。この後小屋があるのですが、この水源を守るために、排泄場所のお願いがあるくらいですので、小屋泊の際によく使われているのかもしれません。

 この後は一旦展望が開けて、少し粟ヶ岳が近づいたのを確認できた後に急登を登って行くと、ようやく砥沢ヒュッテに到着です。小屋には粟ヶ岳ヒュッテと書かれていました。年季の入ったように見える外見と比較して中は小奇麗になっており、よく手入れされているように見えました。

【ロープの垂れ下がった岩場】

【水場(右)分岐】

【徐々に見えてくる粟ヶ岳(北峰) 小屋へは左の急登を登って行く】

【砥沢(粟ヶ岳)ヒュッテ】
 手前にある水場の位置といい、小高いピークで見晴らしがいいことを考慮しても絶好の位置にある小屋です。ちなみに、すぐそばに大きな雪渓が残っていましたので、もうしばらくはこの場所でも水を確保できることになります。山頂までの距離も1時間程と本当に素晴らしい位置にある小屋だなと思いました。

 小屋でゆっくりしたいところでしたが、遠方の暗くなってきた空が気になることもあって、余力のあるうちは先に進むことにします。小屋のあるところはちょっとしたピークになっているようで、一旦下って行きます。僅かに雪渓を渡る場所もありました。

【小屋の中】

【小屋脇に残る雪渓】

【雪渓を少し渡る】

【ザレた尾根道】

【小屋を振り返る】

【権ノ神岳コース分岐】
 その後はひたすら登って行きます。途中やややせた尾根があって、足元が少しザレていたので注意しながら進みます。ただ、このような箇所はあまり斜度はないのでそれほど危なくはないでしょう。

 やがて、権ノ神岳コースと書かれた看板が出て来ます。ルートは少し藪っぽくなっており、あまり歩く人のなさそうなコースでした。地形図で見ると北にある権ノ神岳を経由して歩くルートのようです。地元の方がいろいろなコースから登られるのかもしれません。

【正面に粟ヶ岳北峰】

【北峰山頂】

【北峰看板】

【山頂までもう一息】

【右のピークを経由して中央奥の山頂へ】

【登山道の脇には雪渓が】
 登るにつれて正面のピークが近づいて来ます。バランスのとれた山容を持つこの山は前衛の山としか考えていませんでしたが、粟ヶ岳北峰とのことでした。こちらは小さな看板があるだけで、山頂といってもほとんどスペースはありませんでした。

 ここからは、なだらかなピークを越えてその奥の粟ヶ岳山頂を目指します。このあたりは、斜面にべったりと雪がついていますが、登山道上には既に雪はありませんでした。北峰からしばらく歩くと南峰、粟ヶ岳山頂に到着です。

【粟ヶ岳と右奥に守門岳】

【粟ヶ岳山頂】

【頂上碑と鐘】

【中間ピークとその奥の北峰を振り返る】

【守門岳】

【タムシバ】
 山頂からは360度パノラマの景色が広がっています。展望のクリアな時でしたら、結構いろいろな山を眺めることができたのでしょう。この日は霞んでいながらも守門岳は比較的よく見ることができました。

 山頂でしばらく休憩をとも思いましたが、徐々に暗い空が広がりつつあるのと、遠方にひっきりなしに落雷の音が聞こえていたので、小屋まで下ってから休憩を挟むことにしました。ただし、花だけは少し撮りながら下って行きました。

【キスミレ】 

【カタクリ】

【イワカガミ】

【ツツジ】

【不気味な空】

【ここから橋を走って渡る】
 その後小屋で休憩した後、さらに下って行きます。遠方での落雷の音は相変わらずですが、山の方は雲もあまりかかっておらず、別世界のようでした。ただ、登山口のある方向に厚い雲がかかっているのが気がかりで急いで下って行きます。ただ、平日のこのような天気にもかかわらず、登って来る人もぼちぼちいたので、それほどでもないのかなと思いつつ下って行きました。

 しかし、尾根出合を下り始めた頃から雨が降って来て、下の方では近くで落雷が起きるようになると同時に激しい雨が降ってきました。久々の屋外での雷で昨年の南アルプス縦走以来でしょうか。遮るものの何もなかった赤石岳山頂付近に比べれば全然ましだったのでしょうが、雷がどこに落ちるのかわからない点では怖いことに変わりはありません。
 ようやく、登山道入口まで到着した後、上部が開けた貯水池付近では橋を走って通り過ぎるような有様でした。 その後は林道を少し下れば車の置いてある場所に到着です。雨が降り出してからは結構なスピードで下って来ましたがやはり長く感じてしまいました。

 最後こそ散々な目に遭ってしまいましたが、比較的歩きやすく展望のいい素晴らしい山だったと思います。登山道の整備状況や山小屋を見ていると、地元の方に愛されている山なのかなと思いました。ただ、標高差は大きいので、山の高さだけで判断すると少し苦労するかもしれませんね。

【雷雨の中車へ】
 


山行記へ戻る

ホームへ戻る