はりのきだけ・れんげだけ | |
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登山日: 2012年8月10日(金) | 標高:2821m(針ノ木岳) 2799m(蓮華岳) |
標高差:扇沢から約1410m |
8月10日(金) | 扇沢 4:20 → 大沢小屋 5:40 → 針ノ木小屋 8:00(〜20) | ||||
→ | 針ノ木岳 9:20(〜10:00) → 針ノ木小屋 10:35(〜45) → 蓮華岳 11:40(〜12:05) | ||||
→ | 針ノ木小屋 12:40(〜13:00) → 大沢小屋 14:40(〜50) → 扇沢 15:45 |
本日は針ノ木岳・蓮華岳に登ります。今年の夏は本当に天候の安定しない週末が続いて、最初の海の日3連休を利用した縦走が荒れたのは梅雨明け前だったから仕方がないにせよ、梅雨明け後の縦走も快晴続きとまでは行きませんでした。その翌週である先週も天候は悪く、この週末もあまり良くなさそうであったことから、まだ天気の良さそうな金曜日に有休を取って日帰りで登ることにしたのでした。日帰りで登るには無理のある山では決してありませんが、登るのなら針ノ木小屋でテント泊をしたかったところですが、土曜日の天気が下り坂であったことから日帰りとしたのでした。 | ![]() 【扇沢無料駐車場(下山時)】 |
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![]() 【駐車場奥より(下山時)】 |
木曜日の夜に自宅を出発して現地に向かいます。登山拠点となる扇沢ですが、鹿島槍に登る際にこの手前まで入ったことはあったのですが、扇沢まで入るのは初めてでした。駐車場も広いことから、事前に駐車場の位置はよく調べて向かいました。 駐車場は手前に市営の無料駐車場があり、奥の扇沢駅の近くに有料駐車場があります。日帰りですし、そこまで惜しむこともないのですが、普通にあいていたので無料駐車場にとめることにしました。まだ、夜明け前の早い時間帯でしたがほぼ埋まっていました。 |
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![]() 【有料駐車場く(下山時)】 |
![]() 【扇沢駅(下山時)】 |
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![]() 【登山口(下山時)】 |
素晴らしい景色を眺めるためにも、車をとめたら準備をして夜明け前に出発です。まずは、駐車場の奥から上がって有料駐車場前に出ます。駐車場に沿って扇沢駅方面に少し歩いた後左手に入って行くと登山口があります。 登山道は鬱蒼とした樹林帯を通って行きますが、その後、何度か林道を渡ったり、その上を歩きながら奥へ進んで行きます。夜が明けかかった頃、再び登山口のような場所が出て来て、以降は完全に登山道となります。 |
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![]() 【樹林帯を進む(下山時)】 |
![]() 【林道を渡りながら進む(下山時)】 |
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![]() 【徐々に近づく雪渓】 |
徐々に夜が明けて来ると同時に、遠方に針ノ木雪渓が見えて来ます。さらに進んで行くとやがて大沢小屋に到着です。平日であるせいか、小屋は静かでした。 少し休憩をしたら先に進みます。続いていた樹林帯を抜けて、沢沿いの道に出ます。高い所を通っているわけではないので高度感はありませんが、岩がごろごろしていたり、ちょっとした岩場になっていたりする箇所もあります。しばらく歩くと河原の上を歩くようになり、最後沢に架かった橋を渡ると針ノ木雪渓の取り付きに到着です。時期的に雪渓はかなり溶けていると思いますが、それでも一応取付きまではそれなりに雪がついているように見えました。 |
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![]() 【大沢小屋】 |
![]() 【イワオトギリ】 |
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![]() 【シモツケソウ】 |
![]() 【沢の脇を通る道】 |
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![]() 【河原を歩いて】 |
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![]() 【橋を渡って雪渓へ】 |
登りですので、とりあえずアイゼンは付けずに登って行きます。最初は斜度も緩やかで特に問題はありません。赤いペンキでルートが付けられていますが、亀裂の入ったところもあるので気を付けた方がいいと思います。 この後雪渓は一旦途切れて沢らしい岩のごろごろした道になります。少し登ると再び雪渓が現れて来ます。この後、結構な急登になっていて、慎重に登って行きました。ちなみに、針ノ木小屋に前日泊まったであろう方々が下って来てすれ違ったのですが、結構アイゼンなしでも歩いていたのには驚きました。 |
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![]() 【取り付き点あたりの雪渓】 |
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![]() 【一旦雪が途切れて】 |
![]() 【斜面に残った岩】 |
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![]() 【雪渓の急登を登る】 |
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![]() 【雪渓から外れて夏道へ】 |
ちなみに、雪渓を登っている途中脇を見やるとペンキなどが付いています。雪渓が崩れて歩けなくなった時に使うルートでしょう。やはりある程度雪渓がある時の方が歩きやすいのだと思います。また、雪渓上には大きな岩もあって、落ちてきたら怖いなと思ったのでした。 急登を終えると雪渓は比較的なだらかになって来ます。その後は、緩やかに登って行くと雪渓の切れている場所が見えて来ます。再度雪渓を歩きますが、左手に夏道が見えて来ます。ここから先は夏道になります。 |
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![]() 【針ノ木岳からの稜線】 |
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![]() 【ややザレているが整備された道】 |
しばらくは右手に雪渓を眺めながらの急登になります。このあたりは雪渓も随分雪が溶けて来ています。さらに突き上げるようにして登って行くとザレた道になりますが、木の階段があるなど整備された道になります。ただ、一気に登って行きましたのでなかなかしんどかったです。 ここを登り切ると針ノ木峠へ到着です。そして、この場所に針ノ木小屋もあります。ここまで登って来れば景色も素晴らしいですし、針ノ木岳も蓮華岳も1時間程度の距離になります。峠での景色はそれほど期待していなかったのですが、小屋前からの景色は本当に素晴らしかったです。 |
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![]() 【針ノ木峠へ】 |
![]() 【針ノ木小屋】 |
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![]() 【小屋前からの絶景】 |
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![]() 【槍ヶ岳 左奥には穂高の山々も】 |
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![]() 【野口五郎岳〜水晶岳〜赤牛岳】 |
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![]() 【野口五郎岳】 |
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![]() 【水晶岳】 |
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![]() 【スバリ岳と針ノ木峠】 |
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![]() 【素晴らしい景色のテント場】 |
展望のない中を一気に登って来ましたので、小屋の前で景色を眺めながら休憩します。ここでのんびりしても良かったのですが、この日気になっていたのは針ノ木岳からの景色ですので、休憩もそこそこに針ノ木岳に向かいます。 ちなみに、小屋から少し針ノ木岳方面に向かったところにテント場があります。なかなか素晴らしいロケーションですが、風もよく通りそうな場所でした。この日のように穏やかならば問題ないと思います。そのまま、針ノ木岳に向かって急登を上がって行きます。 |
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![]() 【ミヤマキンバイ】 |
![]() 【ミヤマダイコンソウ(これもキンバイ?)】 |
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![]() 【チングルマ】 |
![]() 【ウサギギク】 |
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![]() 【チングルマ】 |
![]() 【タテヤマリンドウ】 |
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![]() 【コマクサ】 |
![]() 【イワギキョウ】 |
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![]() 【ザレた道とスバリ岳】 |
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![]() 【左の針ノ木岳と右のスバリ岳】 |
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![]() 【それほど歩きにくくはないですがザレた道が多かったです】 |
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![]() 【すぐ着きそうで意外に遠かった山頂】 |
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![]() 【正面に槍ヶ岳の眺め 中央は高瀬ダム】 |
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![]() 【真っ青な青空と山頂】 |
ある程度標高を稼ぐと緩やかなトラバース道になります。砂利や岩の入り混じったような道もありますが、よく整備された歩きやすい道です。ただ、最後の登りが意外と長く感じました。すぐ着くようなイメージを持っていたからかもしれません。 山頂は予想していた以上の素晴らしい景色で見事なパノラマの景色が広がっています。この夏縦走した裏銀座や薬師岳〜立山の縦走路もよく見えました。逆に言えば縦走中何度も見たこの針ノ木岳が気になっていたのでした。また、スバリ岳から鹿島槍以北に連なる山々の稜線も見事で、いつか歩き通してみたいものです。 |
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![]() 【頂上碑と右奥は薬師岳】 |
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![]() 【鹿島槍ヶ岳】 |
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![]() 【黒部湖と立山連峰】 |
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![]() 【剱岳】 |
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![]() 【立山(雄山〜大汝山〜富士ノ折立付近)】 |
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![]() 【縦走を思い出す五色ヶ原】 |
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![]() 【存在感抜群の薬師岳】 |
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![]() 【この色はすぐに目につく赤牛岳】 |
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![]() 【水晶岳】 |
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![]() 【野口五郎岳】 |
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![]() 【白馬三山】 |
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![]() 【薬師岳〜五色ヶ原〜立山連峰の縦走ルート】 |
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![]() 【スバリ岳から続く稜線 奥は左から白馬岳〜唐松岳〜五竜岳〜鹿島槍ヶ岳】 |
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![]() 【稜線のトラバース道と奥に蓮華岳】 |
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![]() 【ザレた道を下る】 |
どの方向を眺めても素晴らしい景色で、今まで歩いて来た縦走路や山を眺めることができたのは感慨深いものがありました。針ノ木岳のみでしたらもっとゆっくりしても良かったのですが、蓮華岳も登りますので山頂を後にすることにしました。他の方はこの日は泊まるという方が多かったようでもっとのんびり歩いていましたね。 ザレた道を気を付けながら下って行きます。登った時と違って、下りは結構あっという間に戻って来ることができました。針ノ木峠で一息入れたら、今度は蓮華岳を目指します。 |
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![]() 【逆光ではなくなりすっきり見えて来た蓮華岳】 |
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![]() 【小屋とテント場を見下ろして】 |
蓮華岳へは、まずは目の前に見えている急登を上がって行きます。お昼も近くなって気温が上がって来たのと、この日は既に結構な標高差を登って来たのでなかなかしんどい登りとなりました。 急登を終えるとなだらかな稜線歩きとなります。遠くで見ていたのと比較すると広々とした稜線です。ちなみに、このなだらかな道が長くて、見た目と比べて結構遠いです。このなだらかな道はそれなりのペースで歩けますから、結局は針ノ木岳と所要時間はそれほど変わらないと思います。 |
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![]() 【急登の後は緩やかな稜線】 |
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![]() 【針ノ木岳へ続く稜線】 |
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![]() 【なだらかな広々とした稜線を歩く】 |
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![]() 【蓮華の大下り】 |
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![]() 【最後の登り】 |
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![]() 【神社奥宮と立山連峰】 |
ある程度登った後に振り返った針ノ木岳に続く稜線は見事でした。針ノ木岳そのものも鋭い山容を持っていて迫力があります。 しばらく歩いて行って最後の登りにとりかかります。急登というほどではありませんが、この坂を登り切ると山頂ではなく、まずは山頂手前の神社奥宮に到着します。ここからの景色が素晴らしそうですが、まずはその奥にある蓮華岳山頂を踏むことにします。この神社奥宮からは間もなくです。蓮華岳山頂も素晴らしい展望が広がっていますが、少し雲が上がっていたのと、山頂付近がなだらかな稜線になっているので、針ノ木岳方面がやや見辛いでしょうか。 |
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![]() 【神社奥宮の碑】 |
![]() 【蓮華岳山頂】 |
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![]() 【頂上碑】 |
ちなみに、北葛岳方面に向かう稜線もよく見えていて、蓮華の大下りと呼ばれる急な下りになっています。いつかは先日登った烏帽子岳からつないでみたいものですが、ガレた箇所が多く厳しいコースのようです。 神社奥宮に戻って景色を眺めながら休憩をします。雲は結構出て来ましたが、もうお昼になることを考えるとよく見えていたと思います。下りも長いですので、休憩もそこそこにまずは針ノ木峠に戻って行きます。針ノ木岳の時と同様にやはり下りは速いものです。 |
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![]() 【神社奥宮からの眺め 左手前に針ノ木岳 中央奥より立山〜剱岳】 |
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![]() 【針ノ木岳】 |
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![]() 【針ノ木小屋と針ノ木岳〜スバリ岳】 |
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![]() 【長い雪渓を下る】 |
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![]() 【樹林帯も素晴らしい眺め】 |
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![]() 【シナノナデシコでしょうか】 |
針ノ木小屋で一息入れたら下って行きます。針ノ木小屋はこの日宿泊する人達で賑わっていました。続々と登って来る人たちとすれ違いながら下って行きます。下りの雪渓では軽アイゼンを装着しました。雪が緩いので効いているのかいないのかわかりにくいところもありますが、やはり安心感があります。 雪渓を下って大沢小屋まで戻れば後は樹林帯の道です。夜明け前から出発したこの日でしたが、扇沢に着いた時は16時前でした。やはり長丁場のコースだけあります。本当は1泊で登りたかったこのコースでしたが、日帰りであるにも関わらず本当に素晴らしい展望に恵まれた1日となったのでした。 |
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