やつがたけ | |
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登山日: 2013年1月5日(土) | 標高:2899m(赤岳) |
標高差:美濃戸口から約1410m |
1月5日(土) | 美濃戸口 5:10 → 美濃戸山荘 6:10(〜20) → 行者小屋 8:20(〜9:00) | ||||
→ | 地蔵の頭 10:05 → 赤岳 10:45(〜11:40) → 行者小屋 12:50(〜13:10) | ||||
→ | 美濃戸山荘 14:25(〜35) → 美濃戸口 15:05 |
本日は赤岳に登ります。一昨年誤ったトレースをたどって、結果としては膝を痛める結果となったリベンジを込めてこの冬の課題と考えていた山です。といっても自分の力量ではこの時期に簡単に登れる山ではありませんので、条件の良い時を狙います。気温の低さこそ気がかりですが、この時期の八ヶ岳が寒いのは当たり前で、天気が良く、風は穏やかとまではいかないにせよ、この時期にしてはかなり弱そうであることから登ることにしました。それと年末年始で入山者が多くてトレースがきちんとついているだろうというのもありました。また、2〜3月になって積雪量が増えて来る時期と比較すると、露出している箇所が多くて歩きやすいということもあります。 | ![]() 【美濃戸口駐車場(下山時)】 |
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![]() 【林道入口(下山時)】 |
結果としては最高の条件だったと思います。トレースどころかステップまで切ってあったので、かなり楽をしてしまいました。さすがに寒さだけは厳しかったですが、それを除けば完璧でした。寒さはむしろクリアな展望に繋がっていたかもしれません。 今回の赤岳に登るに当たっては、冬のテント泊ができないことから日帰りになるということで、前日に足慣らしのために金峰山に登りました。ここで、年末年始でなまった体をこなしつつ、厳しい寒さを体験しておいたのは本当に良かったと思います。長丁場ですし、前日近くまで来ていましたので、小淵沢で車中泊をして、夜明け前に美濃戸口に入ります。 |
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![]() 【林道歩き(下山時)】 |
![]() 【美濃戸山荘(下山時)】 |
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![]() 【よどよく締まった雪道】 |
やはり最後の坂の一部は雪道になっていましたが、問題なく美濃戸口に入ります。硫黄岳に登った時も含めると何度か入っているので慣れたものですね。まだ真っ暗な時間帯ですが、林道歩きが続きますので暗い中を進んで行きます。 寒い日が続いて雪がほとんど溶けなかったのか、ずっと雪道が続いており、凍結箇所はありませんでした。美濃戸まで車で入った人もかなり運転しやすかったでしょう。歩くにしても凍結しているよりはずっと歩きやすいです。1時間程歩くと美濃戸に入ります。まだ暗い中で美濃戸山荘に到着、一息入れたら南沢のルートで行者小屋に向かいます。 |
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![]() 【霧氷の美しい景色】 |
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![]() 【日の当たる前の樹林帯】 |
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![]() 【横岳が見えて】 |
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![]() 【正面に赤岳】 |
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![]() 【行者小屋も営業中】 |
歩いて行くにつれて徐々に明るくなって来ます。やはり樹林帯の霧氷は見事でしたが、前回同様このあたりが一番寒さを感じて、あまり立ち止まることなく進んで行きます。前日歩いていても思った程はペースが上がりませんでした。 正面に横岳や赤岳が見えるようになると行者小屋も近いです。周囲はそれなりに雪が積もっていますが、よく踏まれて歩きやすくなっているトレースをたどって無事に行者小屋に到着です。小屋に入って温まろうかとも思いましたが、すぐに先に進むための準備、アイゼンとピッケルの装着をしました。この間も本当に寒かったですね。 |
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![]() 【赤岳〜中岳〜阿弥陀岳を見上げる】 |
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![]() 【地蔵尾根入口】 |
準備ができたら地蔵尾根を登って行きます。行者小屋の少し脇に入ったあたりに登山口があります。前回のリベンジもあるので気を引き締めて行きますが、そもそもが誤ったトレースを辿ったことなのできちんとトレースもステップも切ってある今回はリベンジと言うのもおかしいのかもしれません。 最初は樹林帯ですが、とにかく急登が続きます。足の置く角度を考えないと足首が痛くなってきてしまうような傾斜でした。しばらく登って行くと階段があり、歩きにくそうですが、ここは巻き道があるのでこれを利用します。その後は再びしばらく登って行きます。 |
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![]() 【続く急登】 |
![]() 【階段を左に巻いて行く】 |
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![]() 【コンデジでも見事な絶景が広がる】 |
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![]() 【トラバース道を振り返る(実際は見えない奥の方)】 |
![]() 【先を見上げて】 |
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![]() 【道中からの中岳と阿弥陀岳】 |
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![]() 【稜線出合手前の急傾斜の岩稜帯】 |
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![]() 【登って来た道を見下ろして】 |
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![]() 【地蔵の頭】 |
その後に核心部の1つがあって、狭いトラバース道を抜けるのと、雪に半分埋まった梯子を使う場所があります。登りではあまり問題ないと思いますが、下りは恐らく後ろ向きで下る必要があるので、個人的には嫌な場所かなと思いました。 その後もひたすら急登が続くわけですが、地蔵の頭手前の岩稜帯も道がやせていて、急傾斜になっているので注意が必要でしょう。ずらずらと前の人に着いて行ってしまったので、あっさり登れてしまっていますが、このあたりを下ったり単独で動いている時は結構慎重になってしまいそうな場所でした。地蔵尾根自体が全体的に急傾斜で、ほとんどなだらかな場所はなかったです。逆に言えば、効率良く登っていたのでしょう。 |
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![]() 【地蔵の頭より横岳 背後には黒々とした雲が】 |
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![]() 【左の阿弥陀岳と右と蓼科山 奥にはアルプスの山々が】 |
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![]() 【山頂への道と富士山】 |
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![]() 【赤岳〜中岳〜阿弥陀岳】 |
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![]() 【赤岳展望荘】 |
稜線に出ると素晴らしい景色が広がっています。同時に風も吹きつけて来ますが、予報通りこの時期の赤岳にしては穏やかな方ではないかと思います。それでも、前回登った時よりは吹いていて、肌を出していると顔に当たる雪が痛かったです。 まずは赤岳展望荘を目指します。ここまでの道は比較的歩きやすいです。この後は赤岳山頂へ向かって高度を稼いで行きます。険しい箇所はそれほどありませんが、ここもとにかく急登が続きます。特に稜線出てから赤岳が目の前に見えていますが、登ってもなかなか近づかなくてしんどかったですね。近くを歩いていた方とは、お互いに休憩を挟むために抜きつ抜かれつという感じでした。 |
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![]() 【急斜面を九十九折れに登る】 |
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![]() 【山頂手前の急登】 |
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![]() 【山頂手前より振り返って硫黄岳〜横岳の稜線】 |
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![]() 【赤岳北峰 右奥に南峰】 |
最後の急登を登り切るといよいよ赤岳山頂に到着です。文三郎尾根の下りも油断は出来ませんが、地蔵尾根から無事に登って来てほっと一息と言ったところでしょうか。 山頂からは見事な景色が広がっています。途中北方から黒い雲が迫って来ていたので、あまりいい景色は見られないかなと思っていたのですが、黒い雲が思った程伸びて来ていなかったので、素晴らしい景色を眺めることができたのでした。さすがにこれだけ景色が素晴らしいので、寒い中でも写真を撮っていたのですが、指先の冷たさに加えて時々強風が吹き付けるので、風が穏やかになる度に写真を撮るという感じでした。 |
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![]() 【山頂からの阿弥陀岳 奥のアルプスが驚くほどクリアに】 |
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![]() 【横岳から先の稜線を眺めて】 |
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![]() 【北峰山頂と阿弥陀岳 奥には中央アルプス】 |
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![]() 【登頂者で賑わう南峰】 |
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![]() 【北アルプスを眺めて】 |
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![]() 【硫黄岳と横岳】 |
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![]() 【穂高と槍】 |
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![]() 【北アルプスと霧ヶ峰】 |
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![]() 【乗鞍岳】 |
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![]() 【阿弥陀岳 山頂には結構な人が】 |
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![]() 【雲上の富士山】 |
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![]() 【富士山】 |
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![]() 【御馴染みの頂上碑】 |
北峰で撮れるだけの写真を撮ったら南峰を目指します。目指すと言っても少し歩くだけですが、途中の鞍部手前で富士山を眺めます。前回もこの小屋の手前あたりでのんびり過ごしました。 山頂で写真を撮り、南アルプス方面を眺めます。昨年は天候不良で断念しましたが、今年は八ヶ岳の縦走をやりたいですね。それにしても、逆光気味の割には南アルプスも権現岳もよく見えていました。本当に北アルプスを始め展望のクリアさはかつてないほどでした。寒かっただけ素晴らしい景色になったのでしょうか。寒さも前日の金峰山が昼間でも寒かったのに比べればまだ気温が上がっていました。ただし、先に書いたようにこの日は風はそれなりにありました。 |
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![]() 【権現岳方面への縦走路と南アルプス】 |
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![]() 【奥は北岳〜甲斐駒ケ岳〜仙丈ケ岳 手前は権現岳とギボシ】 |
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![]() 【南峰に三角点】 |
冬の赤岳でよく1時間も過ごしたなと思いますが、山頂で景色を楽しんだら下山を開始です。文三郎道は地蔵尾根に比べれば歩きやすいと思いますが、バリエーションルートが近くにあるので下山地点がややわかりにくいです。少し権現岳方面に下って行くと分岐の看板がありますのでそこから下って行きます。南峰から直に下るルートも見えますが、これがバリエーションのようで、ここから登って来る方もいました。 文三郎道も急傾斜ですが、この日はとにかく斜面にステップが切ってあったので歩きやすかったです。気になっていたトラバースも雪が少なくて、知らなければ何気なく通り過ぎていたでしょう。岩交じりの場所は歩きにくいですが、そのような場所はちょうどあまり危険でない場所なのが助かります。 |
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![]() 【文三郎道分岐】 |
![]() 【急な下り】 |
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![]() 【今回は雪が少なくて容易に通過できたトラバース 前回は岩壁沿いをトラバースして苦労した覚えが】 |
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![]() 【山頂方面を振り返る】 |
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![]() 【阿弥陀岳と北アルプス】 |
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![]() 【稜線から麓へ下る道を見下ろして】 |
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![]() 【雪煙の上がる赤岳】 |
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![]() 【下山中に見上げた阿弥陀岳】 |
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![]() 【行者小屋へ戻って】 |
もちろん最後まで息は抜けませんが、岩稜帯を抜けるとほっと一息です。同時に稜線出合が見えて来ます。もう撮りたいものは撮ったような気でいたのですが、やはり山頂付近とは異なった景色を見るとカメラを出してしまうものです。阿弥陀岳は言わずもがなですが、雪煙を上げる赤岳もまた見事でした。 稜線出合からは急斜面を下って行きます。これが結構長くて、下りなので快適でしたが、登りだとかなりしんどいです。前回何度も休みながら登ったことを思い出していました。最後シリセードしようかどうか迷っているうちになだらかになって行者小屋に戻って来ることができました。 |
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少し休憩を取って装備を変更した後美濃戸、そして美濃戸口へ戻って行きます。登りに比べればもちろん楽なのですが、やはりこの距離が長いです。そして、意外に標高差があったりします。美濃戸まで入れない時は1泊するくらいがゆとりがあっていいとは思いますが、雪山泊はできないので日帰りになってしまいますね。よくよく考えたら赤岳鉱泉に泊まる手があったのですが。 帰路は快調に歩いて、自分にしてはなかなかのペースで下って来られたのではないでしょうか。前回足を引きずって帰って来たことから余計対照的だったのかもしれません。条件に恵まれていたとはいえ、今回は何事もなく戻って来られて良かったです。この日は登頂できればというくらいに考えていたのですが、展望も思っていた以上に素晴らしくて本当に良かったと思います。これからも八ヶ岳の山には1年を通じてお世話になりそうです。 |
![]() 【ようやく美濃戸口へ】 |
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