こぶしがたけ | |
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登山日: 2013年2月17日(日) | 標高:2475m(甲武信ヶ岳) |
標高差:西沢渓谷から約1370m |
2月17日(日) | 東沢山荘 5:00 → 徳ちゃん新道登山口 5:30 → 分岐 8:15 | ||||
→ | 木賊山 10:35(〜45) → 甲武信ヶ岳 11:30(〜12:15) | ||||
→ | 木賊山 12:40(〜50) → 分岐 13:50(〜14:00) → 徳ちゃん新道登山口 15:00 | ||||
→ | 東沢山荘 15:20 |
本日は甲武信ヶ岳に登ります。土曜日が寒気が入って天気が荒れるという予報だったので、回復する日曜日に登ることにしました。ただし、寒さは厳しくこの日の朝はこの冬一番の冷え込みが予想されていたのでした。ただ、今年は年明けから週末は毎週のように寒さが厳しかったので、気分的には慣れのようなものもあったかもしれません。唯一劇的に気温の上がった週末があり、しかも快晴だったのですが、そのような週に限って風邪で家でごろごろしていたりします。 甲武信ヶ岳はこの厳冬期に登ろうと思っていた最後の山で、難所こそありませんが、行程が長く、雪の積もり具合によってはかなり厳しい山行になると踏んでいた山でした。 |
![]() 【東沢山荘駐車場(下山時)】 |
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![]() 【西沢渓谷ゲート(下山時)】 |
甲武信ヶ岳自体は一度無雪期に毛木平より登ったことがあります。この時は十文字峠から登り、千曲川源流から下るという周回コースをとっています。今回は冬によく登られている西沢渓谷から登ることにします。登山道の状態以前に車でのアプローチが容易なのが大きいです。この日駐車した東沢山荘駐車場や道の駅みとみこそ雪がありましたが、途中の道路はきれいに除雪されていました。 前日の土曜日にのんびりしたおかげで、余裕を持って家を出発して、現地には早い時間に入ることができました。 |
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![]() 【公衆トイレと登山届ポストく(下山時)】 |
![]() 【近丸新道登山口(下山時)】 |
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![]() 【橋を渡って進む(下山時)】 |
最初は道の駅みとみに駐車するつもりでしたが、特に車がとまっていないだろうということで東沢山荘駐車場にとめることにしました。実は冬季は営業していないと思っていたのですが、実際は営業していてきっちり駐車場代500円をとられてしまいました。値段的には特に気にする程ではないのですが、営業していないと勝手に踏んでいたので少しバツが悪かったでしょうか。 駐車場から既に雪道が続いていますので、最初から軽アイゼンを装着して歩き始めます。間もなく西沢渓谷のゲートがあり、その脇を通って林道を進んで行きます。 |
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![]() 【西沢山荘(下山時)】 |
![]() 【徳ちゃん新道登山口(下山時)】 |
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![]() 【樹林帯の雪道を登る(下山時)】 |
しばらく歩くと公衆トイレや登山ポストなどがあり、さらに奥へ進んで行きます。ちなみに、夜明け前に出発したのでこの時間はまだ真っ暗闇の中でした。 やがて、近丸新道登山口が現れます。若干踏み跡らしきものはあったものの、よく歩かれている徳ちゃん新道の方が良いだろうということで、さらに奥に進んで行きます。緩やかに下って、西沢山荘が見えると、その前が徳ちゃん新道登山口になっています。ここからは、樹林帯の雪道をひたすら登って行きます。緩やかな道と急登を織り交ぜながら登って行きます。 |
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![]() 【赤く染まる山の斜面】 |
![]() 【登山道にも日が射して】 |
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![]() 【夜明けの鶏冠山】 |
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![]() 【御来光を眺めて】 |
駐車場から林道歩きまでは、風が強くてかなり寒かったのですが、樹林帯に入ると少し風が落ち着いて来ます。それでも尾根に出ると場所によっては風が吹き抜けて寒かったです。 ある程度登って来た頃夜が明けて来ます。樹林越しですが御来光も眺めることができました。この時ちょうど左手には鶏冠山が見えていて、見事に紅く染まっていました。その名の通り鶏冠のような山頂が印象的な山で、山梨百名山屈指の難峰のようです。実際、ぎざぎざの稜線を見ているとかなり険しい山であることを窺わせます。徐々に夜が明けて行く尾根道を着実に進んで行きます。 |
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![]() 【夜明けの尾根道を進む】 |
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![]() 【眩しい太陽を眺めて】 |
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![]() 【残念ながら鶏冠山をすっきりと見られるポイントはなく】 |
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![]() 【シャクナゲのトンネル】 |
道中は前日に付けられたと思われるトレースが明瞭でしたが、部分的にはトレースの消えている箇所もありました。この時は雪の少ない箇所で風が強くて消えたのだろう程度に考えていたのでした。 ある程度登って行くとシャクナゲの景色が続きます。雪道を歩いていると、微妙に服に引っかかって面倒だったのですが、春には見事な花を咲かせてくれるのでしょう。5月頃にもまた歩いてみたい場所です。やがて、少し開けた場所に出ます。ここからは、振り返ると見事な富士山を眺めることができたのでした。 |
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![]() 【トレースの消えている箇所も】 |
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![]() 【夜明けの見事な富士山】 |
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![]() 【近丸新道合流分岐】 |
再び樹林帯の道を歩いて行くと、近丸新道との合流点があります。麓ではトレースがあったように思っていたのですが、ここでは近丸新道の方にはトレースがありませんでした。単に消えてしまっただけかもしれませんが。 分岐からは最初やせた尾根道を歩いて行きます。狭い道ではありますが、特に危険な箇所はなく順調に進んで行きます。これまで以上に鬱蒼とした樹林帯を歩いて行きます。すると、トレースがなく雪の深いところも出て来ます。それでも、うっすらとトレースは見えていますので、それを拾いながら歩いて行きました。 |
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![]() 【ラッセルを振り返る】 |
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![]() 【急登が続く】 |
さらに進んで行くと、完全にトレースがわからなくなりました。進む方向は明らかだったのですが、とにかくどこを歩いても深く沈んでしまうような状態でした。仕方なく部分的には腰まで埋まるような場所を突き進みつつ、それでも踏まれていそうな場所を探しながら進んで行ったのでした。なんとか、緩やかな斜面を抜けて急登に入ろうとした頃、下山者がいてようやくトレースを拾うことができるようになったのでした。結局この日は、日帰りの人を除くと6人が下って来たのですが、前日に登った時のトレースは消えていたようでした。ただし、この後は、トレースを拾えましたし、ほとんどラッセルせずに済みました。 | |
![]() 【広がる絶景 富士山と国師ヶ岳方面】 |
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![]() 【展望地点】 |
急登を登り切ったあたりに展望地点があります。見事な富士山や国師ヶ岳方面が見えていましたが、寒気が流入したせいか空が雲に覆われていたのが残念でした。山自体はよく見えているのですが、前週の権現岳に続いてのこのような天気です。 展望地点を過ぎると再び樹林帯の道が続きます。このあたりに来るまでにはテント泊の方達全員とすれ違いましたので、それなりにトレースはしっかりして来ます。やがて縦走路分岐が見えて来ました。左手に曲がって甲武信ヶ岳を目指しますが、右に曲がると雁坂嶺方面となります。 |
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![]() 【縦走路分岐】 |
![]() 【木々に囲まれた木賊山山頂】 |
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![]() 【雪に埋まった頂上碑】 |
その後も比較的なだらかな樹林帯の道が続きます。登りよりは当然楽なはずなのですが、ここまで登って来たことによる疲労と、若干足を取られることからなかなかペースが上がりませんでした。若干ラッセルを強いられたことを差し引いても本当に登りではペースが上がりませんでした。 やがて、木賊山に到着です。頂上碑がかなり埋まっており、積雪量の多さを物語っています。それにしてもここまでの道のりが本当に長かったです。この後は甲武信小屋方面に下って行きます。少し下ったあたりは木々がなく見事な景色が広がっていました。 |
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![]() 【甲武信ヶ岳と右奥は三宝山】 |
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![]() 【一旦鞍部に下る】 |
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![]() 【見事な景色が広がる】 |
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![]() 【甲武信小屋】 |
見事な景色が広がっていますが、一方で風が強くて思った程気温が上がっていなかったこともあり、見通しの良い所ではなかなか落ち着いて写真を撮ることができませんでした。 鞍部に下って再び樹林帯に入ると間もなく甲武信小屋に到着です。雪を被った小屋もなかなか風情があります。小屋の奥にテントを張ったのか、トレースは小屋の奥に続いていました。さすがに結構疲れていましたが、山頂までもう一息ですので、山頂に向かって急登を登って行きます。 |
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![]() 【雪に埋まった入口】 |
![]() 【最後の急登】 |
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![]() 【木賊山を振り返る】 |
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![]() 【この後に少し樹林帯を歩く】 |
樹林帯の道を抜けると一旦見晴らしのいい場所に出ますが、ここは山頂ではなく、もう少し樹林帯を歩いた先に山頂があります。ただし、山頂まで出てしまうと風を避ける場所がないので、長めの休憩を取るのならその前の樹林帯で休憩するのが良いでしょう。 青空の見えていた夜明けとはうって変わって、この時間は雲に覆われていました。ただし、高曇りのため展望は素晴らしかったです。とにかく風が強かったですが、時々風下を向きながら景色を眺めたり写真を撮って過ごしました。 |
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![]() 【甲武信ヶ岳山頂へ】 |
![]() 【頂上碑】 |
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![]() 【国師ヶ岳・金峰山へ続く稜線】 |
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![]() 【富士山】 |
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![]() 【朝日岳の奥に金峰山山頂の五丈岩】 |
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![]() 【白峰三山】 |
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![]() 【赤岳〜横岳〜硫黄岳】 |
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![]() 【槍穂の山並みも】 |
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![]() 【木賊山と富士山】 |
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![]() 【青空の下の甲武信小屋】 |
結局強風の吹き付ける中結構な時間を山頂で粘ったのでした。山頂にいるうちに徐々に晴れて来たのですが、下りも長丁場になりますので、泣く泣く下山開始です。 予めわかっていたことですが、やはり木賊山への登り返しはしんどかったです。決して標高差は大きくないのですが、登りでの疲労は隠せませんでした。それでも、木賊山まで戻ってしまえば、後は基本的に下りになりますので、比較的順調に下って行きます。急な下りもありますが、危険箇所はないとみて結局軽アイゼンのまま下って行きました。本当は上部では12本を装着すべきだとは思います。 |
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![]() 【青空の下の甲武信ヶ岳 左奥にはくっきりと八ヶ岳の山々が】 |
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![]() 【ゲート前へ】 |
その後も登りで費やした時間を取り戻すかのように下って行きましたが、それでも距離もありますので、かなり時間がかかってしまいました。ようやく徳ちゃん新道登山口まで戻った頃には、かなり日が傾いていたのでした。 ここまで戻れば林道歩きで戻るだけです。このあたりまで来ると観光客の方も見かけました。こうしてなんとか3時過ぎには戻って来ることができたのでした。登りで6時間半もかかったこともあって、かなり厳しい山行となりましたし、山頂にいた時にうまく晴れてはくれませんでしたが、厳しくも充実した山行になったのではないでしょうか。厳冬期登山をうまく締めくくれたのではないかと思います。 |
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