はちもりやま | |
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登山日: 2013年4月13日(土) | 標高:2446m(鉢盛山) |
標高差:駐車場から約1010m |
※野麦峠スキー場付近は下山路 往路は南側の沢筋の道からスキー場へ上がった
4月13日(土) | 駐車場 5:30 → 稜線出合 7:20(〜35) → 小鉢盛山 9:50 | ||||
→ | 鉢盛山 12:10(〜13:00) → 小鉢盛山 15:15 → 稜線出合 16:35 | ||||
→ | 駐車場 17:30 |
本日は鉢盛山に登ります。この週末は土曜日が快晴を約束されたような予報でしたが、日曜日が早い時間から崩れる予報であったため、この土曜日にどの山に登るかが悩ましいところでした。せっかくなので展望のいい山に登ることも考えましたが、この後の予定を考えると今年の残雪期に登るのは最後のチャンスだと思って鉢盛山に登ることにしたのでした。 鉢盛山は、一般的には無雪期に役場で林道の鍵を借りて登ることになります。ただ、残雪期に縦走して登る記録もあったため、この縦走にチャレンジしてみることにしたのでした。比較的ルートが読みやすいとは思ったのですが、体力的にここまで追い込まれるとは思ってもみなかったのでした。 |
![]() 【道路脇の駐車場】 |
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![]() 【赤く染まる乗鞍岳】 |
既に営業を終了している野麦峠スキー場の駐車場から登り始めます。この日の長丁場を考えると早い時間に現地入りしたいところでしたので、睡眠時間はほとんど取らずに現地に向かいます。そのせいか現地には午前5時前には入ることができました。ただし、この睡眠不足は後になってツケに回って来たのだと思います。 この日は快晴でしたので、他にも登る人が多少いるかもしれないと思ったのですが、最後まで誰にも会うことはありませんでした。結果論から言うと、スキー場がオープンしている間であればリフトを利用できますし、トレースが期待できた分だけここまで苦労することもなかったかもしれません。 |
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![]() 【駐車場の奥から途中まで続く樹林帯の道】 |
![]() 【脇の急登を強引によじ登る】 |
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![]() 【スキー場へ出てからの乗鞍岳の眺め】 |
ゲレンデに回り込んで上がることも考えましたが、駐車場の奥から続いている登山道のような道を進んで行きます。前年に登った記録も恐らくこのあたりの道を歩いていると踏んでだったのですが、明瞭だった道も途切れて完全に小川を遡るようになってしまいます。仕方がないので、左手の急斜面を強引に登ってスキー場に出ることにしました。無駄に労力を使ってしまいましたが、このくらいであれば特に問題はないでしょう。 その後はひたすらスキー場のコースを上がって行きます。記録ではリフト下を歩いているようでしたが、アップダウンが大きそうだったので、一定の斜度で登って行くゲレンデを上がることにしました。このあたりはまだまだ雪が残っています。 |
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![]() 【乗鞍岳から穂高連峰へ連なる山々】 |
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![]() 【真っ新なスキー場を進む】 |
スキー場を少し登ったところから絶景が広がっています。夜明け前から歩いていれば、歩き始めに見られた赤く染まる山々を眺めることができたかもしれません。それでも、出発時点では−6℃と冷え込んでいたためか、展望はクリアで比較的近い乗鞍岳の他、焼岳、笠ヶ岳から穂高連峰の見事な眺めを得ることができました。順調に登っても山頂に着くのは遅い時間で、展望が霞んでいると思われましたので、ここでじっくり展望を楽しませてもらいました。この日は、あまり展望は期待していなかったので、思わぬ素晴らしい展望に感動させられました。展望を楽しんだら再び登り始めます。 | |
![]() 【乗鞍岳】 |
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![]() 【高天原の奥に剣ヶ峰】 |
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![]() 【焼岳〜笠ヶ岳から穂高連峰】 |
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![]() 【焼岳と笠ヶ岳】 |
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![]() 【焼岳】 |
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![]() 【笠ヶ岳】 |
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![]() 【穂高連峰】 |
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![]() 【奥穂と前穂】 |
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![]() 【収納されたリフト】 |
雪の状態は最近新雪が積もったようで、比較的さらさらした雪でした。下山時はシリセードができると思っていたのですが、下山する頃にはべたべたの雪になっていて、かなりの急斜面でもほとんど滑ることはできなかったのでした。逆に登りでは部分的に凍結している箇所もあったので、最後の稜線に突きあげる急斜面のコースなどは少し慎重に登って行きました。 歩き始めて2時間弱、ようやく稜線に出ることができました。記録を見ても順当なところですが、わかってはいても2時間も歩くと思ったよりも体力を消耗させられます。この後は樹林帯で景色もなさそうでしたので、ここでも再び展望を楽しむことにしました。 |
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![]() 【レストハウス】 |
![]() 【稜線出合】 |
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![]() 【2123m峰へ続くコース】 |
ちなみに、ここから南に向かうと2123m峰に続くのですが、リフトはこの山頂方向に向かっているようで、この稜線出合はそこから下るコースの途中になるようでした。 ここからは、ひたすら鉢盛山に向けて樹林帯の稜線を歩いて行きます。この稜線出合と鉢盛山との標高差は300m少々ですが、アップダウンが多く、累積標高で見れば1000mクラスの山を登るくらいで考えても大げさではないと思います。ほとんど歩く人がいないのか、その後に雪が積もったのか、トレースどころか、人の歩いた跡の全くない稜線を歩いて行きます。 |
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![]() 【稜線からの眺め】 |
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![]() 【再び乗鞍岳をズーム】 |
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![]() 【見事な御嶽山 探せば開けた場所もあったかもしれません】 |
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![]() 【見事な樹氷群】 |
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![]() 【近くて遠かった小鉢盛山】 |
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![]() 【右奥の鉢盛山に連なる稜線】 |
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![]() 【真っ新な雪面を歩く】 |
樹氷群はなかなか見事でした。ただし、この後雪が一気に溶けて、雪や雪解け水に曝されることになります。ルートは尾根を外さないように歩けば問題ありませんでした。鉢盛山手前の鞍部に下る場所を除けば、右手を意識しながら尾根から外れないように歩けばルートを外す可能性は小さいでしょう。 なお、新雪があっても足首程度までしか埋まらないうえに、その下の雪がよく締まっていて、急斜面では滑るので、小鉢盛山への登りの途中でアイゼンを装着しました。その後は着実に高度を稼いで、順調に進んでいるように思えたのでした。 |
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![]() 【小鉢盛山と思った場所】 |
![]() 【往路には気づかなかった小さな小鉢盛山山頂看板】 |
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![]() 【時々あった目印】 |
ある程度登った後に小刻みなアップダウンがあって、小鉢盛山だと思った場所は、実際の山頂よりかなり手前でした。そして、山頂がどこかなと思って進んでいるうちに小鉢盛山を過ぎてしまっていたのでした。下山時には小鉢盛山の場所を確認できたのですが、ほとんど消えかかった小さな看板があるのみでした。 小鉢盛山の後も、同じくらいのピークをいくつか越えて行きます。たまにある目印を見るとほっとはしますが、たまにしかないので、どのような目印なのかよくわからないものもありました。 |
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この後、小鉢盛山程度の高さのピークから一気に下って行きます。この下りで方向を誤って、登山道のように見えた道を下ってしまったのですが、これが誤りで少しトラバース気味に戻ることになってしまいました。ここだけは方向を見定めて下らないと間違えることになると思います。結局この場面ではGPSで方向を修正したのでした。ピークから見ると、一見木々が生い茂ってここからは下れないのではと思うようなルートでした。元々登山道はないわけですから、登山道のように見える道という考え方からして間違っているのかもしれませんが。 | ![]() 【鞍部へ下る途中から鉢盛山】 |
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![]() 【べたべたの雪の上を歩く】 |
この方向修正をしたトラバースは結構消耗させられたのですが、これは遠回りしたことに加えて、雪がべたついてアイゼンの先に付着して団子状になっていたことによります。その後も鞍部をがんばって歩いて行きましたが、足を叩いて雪を落としてもきりがないのでスノーシューに切り替えました。このあたりでは、かなり気温も上がって来ていたうえに疲労して、少し歩いては休むの繰り返しでした。なんとか最後の鉢盛山への登りに取付いたものの、ひどい時には数歩歩いては休むという感じでした。ここまで疲労すると、帰りに小鉢盛山に登り返せるのかと思うくらいで、歩くスピードもひどく落ちていたのでした。それでもなんとかお昼を大きく超えない時間に山頂に到着することができたのは良かったです。 | |
![]() 【左の乗鞍岳と右の穂高連峰の展望】 |
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![]() 【遠くからでも目立つアンテナ】 |
山頂からは見事な展望が広がっています。山頂付近を移動しながら見て回ればパノラマの景色を眺めることができます。気温も上がっているうえに、到着した時間が既にお昼過ぎでしたので、南アルプスや中央アルプスあたりは写真では少し霞んでしまうような状態でした。ただし、乗鞍岳や穂高連峰など比較的近い位置にある山は、この時間でも素晴らしい姿を眺めることができました。正直、思っていた以上の展望でした。 ちなみに山頂には遠くからでもよく見えるアンテナがあります。このあたりからの北アルプスの眺めは本当に見事でした。残念ながら頂上碑を見つけることはできませんでした。雪に埋まってしまっていたのでしょうか。 |
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![]() 【北アルプスの眺め】 |
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![]() 【乗鞍岳 剣ヶ峰から四ッ岳あたりまで】 |
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![]() 【山頂と北アルプス】 |
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![]() 【大天井岳から常念岳の稜線と手前は蝶ヶ岳か】 |
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![]() 【穂高連峰と槍ヶ岳】 |
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![]() 【霞沢岳 左奥は笠ヶ岳】 |
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![]() 【焼岳】 |
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![]() 【奥穂と前穂】 |
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![]() 【乗鞍岳剣ヶ峰付近】 |
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![]() 【小鉢盛山と御嶽山】 |
疲労して登り返しも多い帰路も考えると、山頂にいるのもそこそこに下る予定だったのですが、思っていた以上に素晴らしい景色だったのと、結局は見つからなかった頂上碑を少し探してしまったために、下山開始リミットぎりぎりの13時まで粘ってしまいました。 鉢盛山から鞍部への下りは問題ないと思っていたのですが、登る途中から痛かった右足の付け根が再び痛くなるような状態でした。雪が緩んでいるとはいえ、思った程深くはなさそうでしたので、重い雪を付着させながら歩くよりはということで、鞍部ではスノーシューを外してつぼ足に切り替えました。 |
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![]() 【下る場所を誤ってトラバースしてきた道】 |
![]() 【クラックと雪庇 往路では死角になっていて怖いです】 |
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![]() 【かなり出て来た藪】 |
つぼ足でもやはり小鉢盛山への登り返しはきつかったです。ここは、往路で誤ったルートを補正して登り返して行きます。ぱっと見たところ木々が生い茂っていますが、うまく間を通るルートがありました。登り返して、再び緩やかなアップダウンを繰り返すと小鉢盛山です。往路では見逃しましたが、帰路には見つけることができました。 その後も、小刻みに休憩をしながら進んで行きます。下りではうまくシリセードを組み合わせて行きました。ちなみに、最後の稜線出合への僅かな登り返しが本当にきつかったです。なお、このあたりはかなり藪が見えていて、所々間を通ったり越えたりしましたので、もう少し雪が溶けてしまうと藪漕ぎをする必要があるのかもしれません。 |
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![]() 【ようやく稜線出合に】 |
![]() 【登った跡とシリセードの跡】 |
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![]() 【広々とした駐車場を通り過ぎて】 |
稜線出合で休憩をします。登る途中から空腹感がひどかったのですが、疲れてとても食べる気が起きません。元々空腹でも動けるとは思っていたので、無理に押し込むことはせず下って行きます。 最初の急斜面こそシリセードできたものの、その後は雪が緩んでいたために全然滑ることができませんでした。思った程シリセードでは稼げなかったものの、つぼ足にしてからは下りは特に問題なかったです。往路とは異なり、ゲレンデをそのまま下って行きます。ルートは明瞭で歩きやすかったのですが、下部の雪が溶けたところのひどい土のぬかるみで足回りが汚れてしまいました。 |
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正直、明るい時間帯に稜線出合まで戻れれば十分だと思っていましたが、なんとか日が暮れる前に駐車場まで戻って来ることができました。結局12時間かかっていたものの、参考にした記録と比較しても1時間も遅れていませんでしたから、それなりに粘れたのか、元々きついルートだったのでしょう。 降雪があったとは思っていたのでトレースがないのは覚悟していたのですが、他に全く歩く人がなく、気温の上昇や、気温の上昇によるべたついた雪に大いに苦しめられたのは予想外でした。特に、ここまでアイゼンやスノーシューに雪が付着した経験はなかったと思います。結果としては、つぼ足でもなんとかなるコースだったから良かったのですが、アイゼンまたはスノーシューを装着していないととても進めないようなルートだったらいつになったら戻って来られたかわかりませんでした。 これほど厳しかったのは、残雪期では昨年の景鶴山以来でしょうか。それでも、登り切れて素晴らしい景色を眺めることができて充実した1日になったと思います。それに加えて翌日の御嶽山と比較すると、トレースやリフト及びゴンドラ等のありがたみを身に染みて感じることとなりました。 |