にょほうさん | |
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登山日: 2013年5月3日(金) | 標高:2483m(女峰山) |
標高差:霧降高原から約1140m |
5月3日(金) | 霧降高原 8:00 → 赤薙山 9:20 → 女峰山 13:00(〜30) | ||||
→ | 赤薙山 16:00 → 霧降高原 17:20 |
本日は女峰山に登ります。GW後半スタートということで、この日は再び静岡からの出発となりました。天気が良ければずっと東北にいるのがいいのでしょうが、こればかりは仕方がないですね。前半の渋滞を教訓に前半以上に早い時間に出たのですが、渋滞が始まるのが早くて、東北自動車道に入った頃には随所で20キロクラスの渋滞が断続的に発生していて驚きました。それでも、渋滞する前に首都高を抜けられたのは大きかったです。初日はこの女峰山に登るべく日光に向かったわけですが、矢板から始まった渋滞に巻き込まれただけで、何時間も遅れることがなかったのは幸いでした。ただ、結果としては女峰山はハードな山で、前半の高原山とは違って前日から入るくらいの方がいいと思います。ただし、展望に限っては、遅い時間に入ったがために見事な景色が見られたのは良かったです。 | ![]() 【霧降高原駐車場】 |
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![]() 【登山口】 |
女峰山はいろいろなルートがありますが、今回は霧降高原からのルートとしました。あまりアップダウンがなく歩きやすいと思っていたのですが、思っていた以上にハードな山でした。その原因のいくらかは、凍結路と緩んだ雪道にあるので、無雪期であればもっと快適に歩けたかもしれません。 霧降高原に入った時は全然車がとまっていませんでした。快晴でしたから、早朝から結構な車が入っていると思っていただけに予想外でした。実際にはこの近くの駐車場にとめて歩いていた方がいましたが、それでも先に入っていたのは数人程度で、後から登って来る人の方が多かったのは驚きでした。 |
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![]() 【最初は階段登り】 |
![]() 【小丸山へ】 |
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![]() 【振り返るとずっと続く階段】 |
小丸山までは一般の方でも歩けるようなよく整備された階段が続きます。シーズンにはニッコウキスゲを始めいろいろな花を見ることができるようです。この階段はとても長いのですが、100段毎に表示があるので、現在の場所がわかりやすくて便利です。 順調に1445段を登ると小丸山に到着です。ここからさらに上がって行くとゲートがあって、ある意味ここから本格的な登山道と言って良いでしょう。丸山への分岐を分けて赤薙山へ登って行きます。笹原の道で歩きやすいところもありますが、ぬかるんで滑りやすいところもありました。ある程度登って行くと樹林帯に入って行きます。 |
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![]() 【100段毎にある看板】 |
![]() 【ゲートを通って登山道へ】 |
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![]() 【赤薙山への笹原の稜線】 |
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![]() 【随所に凍結箇所があって歩きにくい】 |
樹林帯に入ると所々で残雪が出て来ます。凍結箇所もありますが、最初はよけられる程度です。ただし、登って行くにつれて雪の上も歩かないといけなくなりますし、結構な急登もありますので、歩きにくい箇所もありました。下りはアイゼンを付けた方がいいかなと思いつつ登って行きました。 このあたりですれ違った2人組の方は下って行くようでした。この先は雪が多そうということで引き返したとのことでした。ちなみに、この頃に自分を追い抜いて行った2人組もこのあたりで引き返したようでした。実際問題として雪もそうですが、女峰山に向かうには時間的に遅すぎるというのもあったと思います。 |
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![]() 【赤薙山山頂】 |
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![]() 【赤薙山山頂手前より】 |
やがて赤薙山山頂に到着です。こじんまりとした山頂で展望はありません。このあたりまでは雪がまだ少なかったこともあり、比較的順調に登って来ていました。出発時間が遅かったので、少しだけ休憩をしたらすぐに出発しました。 赤薙山からは樹林帯の尾根道をアップダウンを繰り返しながら進んで行きます。赤薙山への登りの最後と同様に、雪のあるところとないところが交互に出て来ます。何より厄介なのが、その合間にあるアイスバーンでしょうか。逆に言えば、よく踏まれているということは結構歩いている人がいるということかもしれませんが、この日に限っては好天の割には少なかったです。 |
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![]() 【徐々に見えて来る白い頂】 |
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![]() 【左奥には男体山】 |
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![]() 【奥社跡】 |
徐々に主稜線の雪を被った山も見えて来てテンションも上がって来ます。また、左手の奥には男体山も見えて来ました。ただ、登山道との悪戦苦闘は続き、途中で軽アイゼンを装着することにしました。なくてもなんとかなるかなとは思いましたが、これで結構安定して歩くことができたと思います。雪のない岩場ではかえって歩きにくいのでいいことばかりではありませんが。 やがて、奥社跡と呼ばれる場所に出ます。赤薙山からここまでのコースタイムを見ると大幅に遅れていました。これは、さすがにコースタイムに無理があるのかなと思いつつ先に進みます。このあたりからは、完全に雪道になっています。 |
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![]() 【このあたりからは雪道が続く】 |
![]() 【徐々に青空が見える中での稜線歩き】 |
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![]() 【麓の方が一面の青空】 |
奥社跡からは一旦鞍部に下って再び登り返して行きますが、このあたりが一番わかりにくかったでしょうか。トレースがあるのでなんとかなりましたが、降雪直後ですと少しルーファイをすることになりそうです。 少し変なルートから稜線に入った後は、ひたすら尾根道を進んで行きます。山には雲がかかったままでしたが、麓は青空が見えて来てこの先の展望に期待が持てそうでした。道はラッセルするほどではないのですが、微妙に足が埋まる雪道は体力を消耗させられます。ほぼなだらかな稜線でしたが、思ったよりも手こずりつつ独標に到着です。ここは、見事な展望台になっています。 |
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独標ではテントを担いだ方が休憩をしていました。遅めの出発だったわけですが、先行していた方はこの方だけでした。山中で1泊するのであれば、十分な時間でしょう。話をしている中で、山頂手前の急登が気になるということで、無雪期に登った時にロープに掴まってよじ登って行く箇所があるとのことでした。この方も雪のある時期は初めてのようで、心配をしていたのでした。さすがに、自分もこれは厳しいかなと思ったのですが、行けるところまで行ってみることにします。この方はもう少し休憩するようでしたので、先行することにしました。しかし、その前になんとザックも持たず地図だけを持った子が先行して行きました。 | ![]() 【稜線歩き】 |
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![]() 【独標へ】 |
この子はアイゼンも装着せずなかなかのスピードで行ってしまいました。その後、時間切れということで引き返して来たので、話を聞いたら赤薙山にザックをデポしたとのこと。そうか、やっぱりデポしてたのだなと思ったのですが、赤薙山からでは結構な距離ですので、驚いてしまったのでした。 その後は、結果としては先頭になります。ただし、雪の深いところはトレースが残っていましたので、その点では助かりました。徐々に雲も取れて来て見事な展望が広がって来ます。なお、核心部は離れた場所からも見えるピークではありません。ここも急登ですが、ステップを切って行けば問題のない場所です。 |
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![]() 【女峰山】 |
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![]() 【晴れそうでなかなか晴れない主稜線】 |
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![]() 【一旦鞍部に下って行く】 |
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![]() 【時々見える女峰山を眺めながら】 |
核心部は、女峰山の肩あたりで、離れた場所から見るとちょっと切れ落ちている程度にしか見えない場所です。とりあえず、取付きまで行って様子を見ることにします。 ロープは出ている場所もありましたが、ほとんど埋まって使えそうにありません。しかし、途中の岩や木が使えるのと、雪がほどほどの固さで足場にできそうでしたので、そのまま登ることにしました。登るだけならつま先を突っ込むくらいでいいのですが、下山時に苦労しないように、1歩1歩足場を固めて行きました。それでも下山中に1箇所崩れましたが、下山時の負担を減らせたと思います。 |
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![]() 【ようやく光の当たった女峰山】 |
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![]() 【帝釈山までの稜線も見えて】 |
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![]() 【核心部の急登へ(下山時)】 |
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![]() 【下山時のために足場を固めながら木の枝を掴んで登って行った(下山時)】 |
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![]() 【やせ尾根から振り返る】 |
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![]() 【山頂までの雪道稜線歩き】 |
この場所を登った後もやせ尾根になっていますので、注意して進みます。核心部とは書きましたが、ピッケルを持たなかったことによるもので、前爪アイゼンとピッケルを持った方で、ある程度慣れた方なら難なく進めるのではないでしょうか。自分はそれでも苦労したかもしれませんが。 その後は、比較的なだらかな稜線を登って行きます。独標から見た時はこのあたりも険しく見えたのですが、歩いてみるとほとんど急登らしきものもありませんでした。ただし、このあたりは踏み抜きが多かったので注意して進みました。 |
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![]() 【稜線を振り返る】 |
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![]() 【女峰山山頂と帝釈山 間に日光白根山】 |
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![]() 【山頂へ】 |
最後に避難小屋方面からの道と合流すると女峰山山頂へ到着です。ちょうど青空が広がって素晴らしい景色が広がっています。 男体山、大真名子山、小真名子山の連なる様は見事ですし、奥に見える日光白根山はまだまだ白く存在感抜群でした。帝釈山へ連なる稜線も見事でしたが、大真名子山からの縦走ルートはアップダウンが多くてかなり大変そうです。上越方面はまだ雲がかかっているようで、それぞれ山の中腹あたりまでしか見ることができませんでした。 |
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山頂はあまり風もなく、太陽が出てぽかぽか陽気でしたので、のんびりしていたいところでしたが、下りも長丁場であることを考えて30分程で下山を開始することにしました。一通り景色を眺めて写真を撮っただけでも随分時間がかかってしまったものです。 最初はやはり踏み抜きを気にしながらの歩きとなります。間もなくやせ尾根に入り、核心部の下りとなります。登りで作った足場を利用して下ることができました。明瞭なピークからの下りも急ではありますが、ステップが切られているの問題なく下って行きます。この後は危険箇所はありませんが、アップダウンが続きますので体力勝負になって来ます。 |
![]() 【頂上碑】 |
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![]() 【男体山〜大真名子山〜小真名子山〜帝釈山 中央奥は日光白根山】 |
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![]() 【小真名子山と帝釈山 中央奥に日光白根山】 |
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![]() 【上越方面には雲がかかって】 |
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![]() 【帝釈山への稜線】 |
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![]() 【男体山〜大真名子山〜小真名子山】 |
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![]() 【男体山】 |
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![]() 【日光白根山】 |
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![]() 【日光白根山を拡大】 |
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![]() 【稜線を下る】 |
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![]() 【途中で見えた燧ケ岳】 |
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![]() 【女峰山を振り返る】 |
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![]() 【木々の合間から独標】 |
時々女峰山を振り返りながら下って行きます。このあたりで、登山者とすれ違いました。恐らく、この日登頂したのは、自分とこの方だけだったのではないでしょうか。ただ、下山時刻はかなり遅くなったと思います。 やがて正面に独標が見えて来ますが、登り返しを考えると少し疲れが増したように思えました。実際はそれほどの標高差はないのですが。 独標に登り返して、女峰山の見納めをします。すっかり雲がなくなって素晴らしい姿を見せていますが、今度は少し逆光気味になって暗くなってしまったでしょうか。 |
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![]() 【女峰山も見納め】 |
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![]() 【赤薙山へ】 |
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![]() 【樹林帯の道】 |
独標で少し休憩をしたら、稜線歩きです。やはり、登りの時よりは雪が緩んでいましたが、そこまで深くはなかったせいか、思った程足を取られずに済みました。その後も、小刻みに休みを挟みつつ戻って行きました。 アップダウンが多いせいか、下りでもあまり時間は短縮できませんでした。疲労もあるとは思いますが、地形的な理由もあったと思います。再び空が曇り始めた頃ようやく小丸山に到着です。この時点で既に夕方5時前、かなりいい時間になって来ました。 |
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![]() 【再びアップダウンの続く道へ】 |
![]() 【小丸山あたりで再び曇り始めて】 |
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![]() 【長い階段を下って登山口へ】 |
最後は長い階段を下って行きます。このくらいの時間でも、観光客の方が結構歩いていました。まだ花がない時期でもそれなりに賑わっていましたから、花が咲き始めるとかなり賑わうのでしょう。 長い階段を下って、なんとか暗くなる前には戻って来ることができました。東北との中間点として持ってきた女峰山ですが、正直初日に持ってくるような山ではなかったのでしょう。しかし、遅い時間に登ったことが幸いして素晴らしい展望を眺めることができたのは確かでしょう。 |
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コースタイムにして10時間、雪のあることを考えると+αが考えられる女峰山でしたが、なんとか歩ききることができました。最後に残った日光の山、時期を考えても最も苦労することは分かっていましたが、それ以上に素晴らしい景色を見ることができて良かったと思います。今年は、雲竜渓谷を訪れた際に女峰山を眺めたのも1つの縁だったのでしょうか。 |