やけだけ | |
![]() |
|
登山日: 2013年5月18日(土) | 標高:2393m(焼岳北峰) |
標高差:新中ノ湯から約790m |
5月18日(土) | 新中ノ湯 7:45 → 焼岳 10:20(〜11:20) → 新中ノ湯 12:20 |
本日は焼岳に登ります。本当はかなり前からこの週末は関西の友人達と関西の山に登る予定だったのですが、直前になって案内役の友人が体調を崩したために中止になってしまったのでした。予報では2日とも悪天候だったのがせっかく土曜日は晴れになったのでとても残念でした。中止が決まったのは前日のお昼頃でしたので、土曜日はどうするのかかなり迷いました。 結局2つの山に絞った段階で力尽きてしまったので、そのまま寝てしまいました。起きてみると既にいい時間になっていたので、比較的短時間で登ることができる焼岳にしたのでした。もう1山は来年以降チャレンジできればいいなと思っています。 それと比較すると本当にハイキングに近い山登りとなりました。 |
![]() 【登山口前駐車スペース】 |
|
![]() 【小さな看板】 |
焼岳は登山を始めて間もない頃に登った山の1つで、文句なしの快晴だったにも関わらず、デジカメが壊れていてきちんとした写真が撮れなかったのと、当時は槍ヶ岳や穂高連峰のことなどもほとんど知らなかったがために、せっかくの絶景も半分しか楽しめなかったということで、いつかもう一度は登りたいと思っていたのでした。当時も素晴らしい景色を見られたとは思いましたが、やはり見える山を知っているかどうかによっても全然違うと思います。 今回はまだ5月も半ばということで、高峰はそれなりに白い状態ですので、それも含めて景色を楽しみに登りました。とはいえ、出発が遅れてしまいましたので、ある程度靄が出てしまうのは仕方がないかなという思いはありました。 |
|
![]() 【雪渓脇から入って行く】 |
![]() 【最初は車道と並行して続く道】 |
|
![]() 【日当たりの良い道はすっかり雪が溶けて】 |
前回は上高地から登りましたが、今回は新中ノ湯ルートを利用します。最短ルートだからというよりは、この時期の記録がほとんどこのルートだったからということがあります。樹林帯はまだ雪が結構残っているでしょうから、あまり歩かれていないルートはルーファイが大変だと思ったのでした。 沢渡を抜けて釜トンネルの前を曲がって安房トンネルの手前の山道に入って行きます。九十九折れになっている道を上がって、中ノ湯温泉を過ぎてもう少し上がって行くと新中ノ湯ルート登山口があります。車は5台程とまっていました。さすがにもうみなさん出発されているようです。すっかり日が昇って暑さをも感じる中で出発します。最初から雪渓の脇を歩いて行きます。 |
|
![]() 【樹林帯に入ると徐々に雪道に】 |
![]() 【若干藪をかき分ける場所も】 |
|
![]() 【雪の多く残る樹林帯】 |
最初は少し雪がありますが、登りに取り掛かると日当たりの良い場所になっているせいかしばらく雪がなくなります。しかし、それも樹林帯に入ると少しずつ雪が現れてやがて完全な雪道になります。とはいえ、雪が溶けて来ていて、藪で歩きにくいところや踏み抜いてしまう場所などもあって、難儀する場所もありました。ただし、テープは一定間隔ごとにありましたし、トレースもあったので、ルーファイはほとんど必要ありませんでした。 前半はある程度標高を稼いで行くような道ですが、やがて小刻みなアップダウンが続いて徐々に広々とした樹林帯の道が続きます。 |
|
しばらく歩いて行くと正面に噴煙が見えて来ます。まさかこんなにすぐには見えないだろうと思ったのですが、これが雪渓を登り詰めたところにある噴煙だったのでした。とはいえ、最初に見えた場所からはまだまだ距離はあります。 やがて、正面に見える2つの小高いピークが近づいて来ます。同時に木々もまばらになって雪原に入って来ます。このあたりから右手に見事な穂高連峰が見えて来ます。さらに右に目を転じると、昨年登った霞沢岳の雄姿も見えて来ました。4月の鉢盛山に登った時も思いましたが、この霞沢岳はピークの重なる南北から見るよりも側面から見た方が格好良く迫力があるような気がします。 |
![]() 【遠方に見えた噴煙】 |
|
![]() 【雪原を進む】 |
ルートはこの2つのピークの間の雪渓を詰めて行きます。それなりの斜度がありそうでしたが、雪が結構緩かったので、アイゼンは装着せずにそのまま進みました。なくても登れるかどうかは別として、雪が締まっていたらアイゼンを装着した方がいいでしょう。 雪渓を登る途中には結構岩も転がっていましたので、雪が溶けて来た頃は落石にも注意をした方がいいかもしれません。とにかく登りが続きますので、ゆっくりゆっくり登って行きます。徐々に右に折れて急な斜面になりこれを登ると正面に噴煙の上がる岩場が見えて来ます。これを登り詰めると北峰南峰の間のコルに突き上げることになります。 |
|
![]() 【ピークの間の雪渓を登って行く】 |
||
![]() 【右手に見えて来た穂高連峰の雄姿】 |
||
![]() 【雪渓を登って行く】 |
||
![]() 【正面の噴煙の上がる岩場が近づいて】 |
||
![]() 【急斜面を振り返ると見事な乗鞍岳】 |
||
![]() 【雪渓を登り詰めると岩場】 |
急斜面を振り返ると乗鞍岳が見事でした。トレースは南峰の鋭い岩峰の方向にも結構向かっていましたが、無理をせずそのまま北峰に向かいます。トレースは結構あったうえに明瞭だったのですが、特にこの後に南峰方向に人を見かけることはありませんでした。 北峰へは噴煙を上げる岩場を回り込みながら登って行きます。さすがに岩のごろごろした道ですのでアイゼンがあったら歩きにくいでしょう。ただし、嫌な場所に雪が残っていますので難しいところです。回り込みつつ上高地から登るルートと合流して間もなく山頂に到着です。上高地からのルートにもトレースが付いていましたので、このルートから登っている人もいたようです。 |
|
![]() 【迫力のある噴煙】 |
||
![]() 【立ち入り禁止の南峰 岩場まで続くトレース】 |
||
![]() 【奥の池には僅かに水が】 |
||
![]() 【右手に巻いて行く】 |
||
![]() 【南峰と乗鞍岳】 |
||
![]() 【噴煙と山頂直下の岩場】 |
||
![]() 【穂高連峰と霞沢岳】 |
||
![]() 【北峰山頂へ】 |
山頂はさすがに雪が全くありません。3年半ぶりの山頂でしたが、再び素晴らしい天気の日に登ることができました。見事なパノラマの景色で、どの方向を向いても名山が並んでいます。 真東には霞沢岳がありそこから穂高連峰から槍ヶ岳笠ヶ岳の見事なアルプスの眺めが続きます。さらに左に目を転じると真っ白な峰々が見えて、方角からすると白山のようでした。さすがにこれほどくっきり見えるとは思っていなかったので驚きました。さらにぐるっと目を転じて行くと、南峰と乗鞍岳、そして中央アルプスが広がっています。 |
|
結局展望の良かった山ではいつもそうであるように山頂に1時間程滞在していました。日帰り登山の時は軽く行動食ぐらいしか口にしませんので、いかに景色を眺めていたり写真を撮っている時間が長いかということが言えるでしょう。さすがに全方向に景色が広がっているといくら眺めても山頂を去るのが惜しくなりました。 山頂が溢れるほどの登山者が登って来ることはありませんでしたが、徐々に山頂に到着する方が増えて来ましたので、展望を名残惜しみつつ下山を開始します。岩場とその下に残った雪を慎重に下って行きます。 |
![]() 【頂上碑】 |
|
![]() 【笠ヶ岳から穂高連峰の景色】 |
||
![]() 【南峰と乗鞍岳】 |
||
![]() 【霞沢岳】 |
||
![]() 【西穂〜奥穂〜前穂】 |
||
![]() 【笠ヶ岳〜抜戸岳】 |
||
![]() 【乗鞍岳】 |
||
![]() 【ジャンダルムと奥穂高岳】 |
||
![]() 【正面に槍ヶ岳】 |
||
![]() 【笠ヶ岳】 |
||
![]() 【白山】 |
||
![]() 【中央アルプス】 |
||
![]() 【コル付近で休憩する人々】 |
下りはストックからピッケルに持ち替えます。単にシリセードで下るからというそんな理由で持ち替えるのもどうかと思いますが、斜度はともかく雪渓上に落石が多く、下手な場所でぶつかったり蹴飛ばしたりしないように備えることにしたのでした。地形的にはスプーン状になっているので、落石以外はあまり危険はないかもしれません。 コルに戻る手前から雪渓に下りてそのままシリセードで下って行きます。やはりあちこちに石が転がっているのでスピードもそこそこに下って行きます。スピードがあるというよりも滑るということの方が楽しいでしょうか。落石の多い所や斜度の緩い所は歩きつつ雪渓を下って行きます。 |
|
![]() 【コル手前より絶景を眺めながらのシリセード開始】 |
||
![]() 【比較的緩やかですが快適な下り】 |
||
![]() 【樹林帯の下り】 |
出発が遅いと思っていましたが、結局登ったのは早い方だったようで、雪渓を下っている間もそれなりの方とすれ違いました。短時間で登れるので遅い時間から登る方も結構多いのかもしれません。 雪渓を下って再び樹林帯の下りになります。気温がかなり上がって来て踏み抜きが気になるところでしたが、あまりひどい踏み抜きもなく下って行くことができました。ところどころである程度踏み抜いてしまうのは仕方がないところでしょう。 |
|
![]() 【一旦雪が切れて】 |
![]() 【最後に少し続く雪道】 |
|
![]() 【登山口へ】 |
結局下りは1時間程度で登山口まで戻って来ることができました。雪道が長いと下りが早いので登りは疲れますがその点では楽ですね。ちょうど下ったのはお昼頃でかなり気温が上がっていました。まだまだ雪が多くても季節は進んでいるのだと実感させられたのでした。 帰路はせっかくここまで来たので中ノ湯に寄って行きました。時間は早いですが結構利用者がいるのかなと思ったら結局貸し切りのようになってしまいました。歩いた時間は4時間足らずで疲れたと言えるかどうかはわかりませんが、温泉でのんびり疲れを癒して帰路についたのでした。 |
|