あさひだけ・とむらうしやま・てんにんきょう
 旭岳・トムラウシ山・天人峡(2〜3日目)
  登山日: 2013年7月12日(金)〜7月14日(日) 
  標高:2290m(旭岳) 1963m(忠別岳) 1954m(化雲岳) トムラウシ山(2141m)   
  累積標高 約3100m(天人峡から旭岳まで約1640m) 累積距離:55km


 7月12日(金)    姿見駅 6:30 → 旭岳 9:00(〜25) → 白雲岳 13:30(〜14:00)
   白雲岳避難小屋 15:00
 
 7月13日(土)   白雲岳避難小屋 4:10 → 忠別岳 7:30(〜8:00) → 五色岳 9:10(〜40)
    化雲岳 10:45 → ヒサゴ沼避難小屋 11:30(〜12:15)
   トムラウシ山 14:40(〜15:05) → ヒサゴ沼避難小屋 17:25
 
 7月14日(日)    ヒサゴ沼避難小屋 4:40 → 化雲岳 5:45 → ポン沼 7:05 
   第一公園 9:00 → 天人峡 11:00 → 旭岳温泉方面登山口 11:20
   ひょうたん沼 12:50 → 旭岳温泉駐車場 14:25

 

 2日目の朝を迎えます。この日は長丁場になるため、早い時間に起きて準備をします。出発の準備をして小屋に向かうと、トムラウシ方面には雲がかかっていて、僅かに山頂が見えているだけでした。しばし、写真を撮って雲が晴れるのを待ってみましたが、この時はこれ以上は晴れませんでした。

 写真を撮ったら出発です。まだガスガスでしたが、晴れることを期待して進みます。本当は夜明け前に出発したいところでしたが、ガスで覆われていることもあって、明るくなってからの出発としたのでした。雪渓の雪は硬く、水の流れているあたりは凍っていました。これでは、雪渓の残っているあたりは厳しいなと思ったのですが、夜がすっかり明けた後は特に問題はありませんでした。

【夜明け前のトムラウシ山方面】

【トムラウシ山は山頂付近のみ】

【山頂付近をズーム】
 
【まだ雪が硬い雪渓歩き】
 前回ほどほとんど歩いていないということはありませんが、小屋までという方が多く、縦走する人はあまり多くはないようでした。歩いている方がぽつんぽつんといるくらいの感じで稜線を歩いて行きます。まだ夏休み期間の前ということもあるかもしれません。

 歩いていると、ガスが徐々に晴れてくると同時に左手にある緑岳から太陽が昇って来ます。ちょうどガスガスの中で昇って来たためにとても神秘的な景色となりました。これで、太陽がすっかり現れた頃から徐々にガスも晴れて来ます。振り返れば残雪をまとった昨日歩いた山々が見えますし、正面にはこれから歩く縦走路が見えていました。

【表面の凍結した道と雪渓】

【振り返るとまだ旭岳はガスの中】

【緑岳の肩から昇る太陽】

【神秘的な夜明け?】

【徐々にガスが晴れて】 

【エゾツツジ】

【コマクサ】 

【高根ヶ原分岐】

【コマクサの大群落】

【ハクサンチドリ】 

【チシマキンレイカ】

【ヨツバシオガマ】  
 
【ホソバウルップソウ】  

【東大雪の山々とガスに覆われる稜線】

【平ヶ岳の断崖は残念ながらすっきりとは見えず】

【随所にお花畑が】

【振り返ると旭岳〜白雲岳の稜線が】

【正面には地平線まで続くと思われるような稜線】

【旭岳と後旭岳】

【白雲岳】

【忠別岳への稜線と左手前は忠別沼】

【忠別沼から忠別岳 雪どけ直後で花はまだまだ】
 
【リシリリンドウ】
 その後は、熊の出没によりほとんど通行止めになっている高根ヶ原分岐を過ぎて、平ヶ岳に向かいます。このあたりはコマクサのまとまった群落や、他にもいろいろなお花を見ることができました。平ヶ岳はほとんどどこにピークがあるのかはわかりません。むしろ東方の断崖が前回歩いた時に印象的でした。雪がたっぷり残って素晴らしい景色が広がってそうでしたが、この時間はまだガスが残っていたのが残念なところでした。

 その後はほぼガスが取れて気持ちよく稜線を歩いて行きます。やがて、独特の山容をした忠別岳が見えて来て、忠別岳を目指して歩いて行くことになります。
 
【旭岳方面を振り返る すっきり見えるのはこのあたりまででしょうか】

【忠別岳山頂】
 
【エゾウサギギク?】
 忠別岳の手前には忠別沼があります。実はここの沼に咲く花に期待していたのですが、最近雪が解けたばかりのようで、随分雪も残っていました。したがって、花はショウジョウバカマがちらほら見られた程度だったのが残念でした。全般的に7月後半あたりからが、花の盛りなのかなと思いました。

 その後は緩やかに登り返して行くと忠別岳山頂に到着です。化雲岳方面の山々の残雪の残った山々が素晴らしい眺めです。ここで少し休憩をしてから五色岳に向かいます。一旦鞍部まで下って忠別岳避難小屋への分岐を通った後、五色岳に向かって登り返して行きます。
 
【残雪の残った左奥のトムラウシ山から化雲岳を経て明日下る予定の天人峡への稜線】

【東大雪の山々とお花畑】

【奥にはトムラウシ山 その右はロックガーデン】

【左奥の五色岳への縦走路】

【ハイマツ帯を歩く】

【鞍部はやや地肌の露出した道 正面はその右の化雲岳より存在感のある1952m峰】

【アオノツガザクラ】

【忠別岳避難小屋分岐】

【振り返ると堂々たる忠別岳 左奥には旭岳方面も】

【ハイマツのうるさいところも】

【五色岳】

【ミヤマキンポウゲ】
 比較的歩きやすい今回のルートですが、この五色岳への登りあたりから、化雲岳手前の雪渓あたりまでは、断続的に伸びて来ていたハイマツが結構うるさくて、特に五色岳を過ぎたあたりは結構押し込みながら歩くような場所もありました。

 日も随分昇って暑くなって来た中を登りきると五色岳山頂に到着です。ここは、稜線の途中にあるピークで、離れた場所からではどこが山頂なのかわかりにくいです。ここまで来ると、歩いて来た方向には忠別岳と旭岳方面の山並みが、南方に目を転じればぐっとトムラウシ山が近づいて来たのがわかります。しかし、ここまで来てもトムラウシ山は遠く、本当にこの日のうちに行って来られるのかと思ってしまいます。実際、距離的にもまだまだあります。

【徐々に近づくトムラウシ山】

【振り返ると忠別岳と左奥に旭岳】

【トカチフウロ】 

【ミヤマリンドウ】 
 
【エゾノツガザクラの群落】

【左のトムラウシ山と右奥の化雲岳】

【ハイマツ漕ぎから気持ちの良い木道歩きへ】

【エゾノハクサンイチゲの群落】

【木道脇のホソバウルップソウ】

【道中の沼とトムラウシ山】

【唯一見かけたエゾカンゾウ】

【チシマノキンバイソウ】

【徐々に現れるチングルマのお花畑】

【見事なお花畑 このようなお花畑が続くとは思いませんでした】

【ちょうどチングルマは満開でした】

【チングルマのお花畑と大雪山系北方の山々】

【同じような写真が続いているのはいかに広大であるかということです】

【お花畑とトムラウシ山 前回もチングルマの紅葉とセットで撮っていたのでした】

【ミヤマリンドウの青もいいアクセントを出しています】
 五色岳で少し休憩をしたら化雲岳へ向けて出発です。最初は五色岳への登り以上に厄介なハイマツ漕ぎがあります。ルート自体は明瞭ですが、押しのけながら歩くのは大変でした。ただし、これを過ぎると雪渓があり、その後は木道や歩きやすい登山道が続きます。同時にチングルマを中心とした見事なお花畑が続きます。

 化雲岳のチングルマのお花畑の素晴らしさは聞いていたところでしたし、前回歩いた時も満開の時は素晴らしいのだろうなとは思っていましたが、これほどまで広範囲にお花畑があるとは思いませんでした。本州の山でも、これほどの規模のものはまずないのではないでしょうか。 

【青空と雲も素晴らしいです】
 
【化雲岳頂上碑】
 後で見返してみると同じようにしか見えないお花畑を何枚も撮りながら、緩やかな登山道を登って行くと化雲岳に到着です。明日は再びここまで登り返して天人峡まで下って行くことになります。

 このあたりはお花畑も素晴らしいですが、トムラウシ山も手頃な距離にあるので素晴らしい眺めとなっています。ここにはずっとのんびりしていたい気分です。この日にトムラウシ山まで頑張って登ろうと思っていなければ、間違いなくここで時間を潰していたでしょう。名残惜しみつつも、しばらく休憩をしたらヒサゴ沼の避難小屋を目指します。まずは、木道を緩やかに下って行き、途中で稜線伝いの道から逸れて雪渓に入り、そのままヒサゴ沼へ向けて一気に下って行きます。このあたりは、遅い時期まで雪渓が残っているようで、この時でもまだたっぷりと雪が残っていました。

【化雲岳からの旭岳から白雲岳 そして右の忠別岳へ連なる山々の眺め】

【チングルマとトムラウシ山再び】
 
【正面はトムラウシ山へ 左はヒサゴ沼へ】
 ヒサゴ沼へ下る途中に左手に夏道が見えるので、使ってみたところ歩きにくいうえに、なんと九十九折れになっていてまた雪渓に戻って来てしまいました。結局沼のほとりまで出て、その後木道を通って避難小屋に向かって行くことになります。一旦沼のほとりまで出てしまうのがわかりやすいと思います。ただ、広々とした雪渓ですので、晴れている時は遠くからでも沼が見えているので問題ありませんが、ガスに覆われている時などは方向に注意した方がいいかもしれません。

 木道を歩いていると途中水場となっている沢があり、そこを通ってしばらく歩いて行くとヒサゴ沼避難小屋があります。そして、その周りがテント設営地になっています。

【最初は東大雪の山々を眺めながらの木道歩きですが】

【右手にトムラウシ山を見ながら雪渓の大下りとなります】

【左に夏道が見えますがそのまま沼のほとりまで出てしまった方がわかりやすいです】

【ヒサゴ沼避難小屋へ テント設営地はそこまで広くはありません ぬかるみもあります】

【避難小屋と小屋のトイレ】
 この時間ではまだ到着している人も少なく設営場所も自由に選べます。湖畔のあまりぬかるんでなさそうな場所を選んでテントを張りました。実は、この日はあまり人が来ないのではと思っていたのですが、トムラウシ山から帰って来たときにはそこそこの数のテントが張られていたのでした。

 テントを張っている時にトムラウシ山に登るべきかどうか迷いましたが、この時点ではあまり疲れていませんでしたし、暗くなる前には戻って来られるだろうということで、トムラウシ山に登ることにしました。登らないなら化雲岳でもう少しのんびりしていれば良かったというのもありました。当然ですが、この時間からトムラウシ山を往復する人などはおりませんでした。

【沼の脇の木道歩き】
 
【雪渓を登っている途中に振り返って】
 ちなみに避難小屋のトイレですが、関係者の方々が掃除してくれているのか、聞いていたよりもきれいでしたが、かなりの虫が飛び交っていました。

 トムラウシ山へは、まずは沼沿いの木道を歩き、ある程度過ぎたところで雪渓を登って行きます。このあたりは、ほとんど夏道が埋まっているので要注意です。しかも、取り付きあたりは結構な急斜面になっていました。早朝などは歩きにくいだろうなと思って歩いていたのですが、翌朝の様子を見ているとノーアイゼンで登っている方もいたのでなんとかなるのかもしれません。この時間でも嫌な感じでしたが、さすがにそれなりに雪が緩んでいるのでノーアイゼンで登っていけました。
 その後は、緩やかに登りつつ稜線の登山道のある方向に歩いていけば良かったのですが、左手に登って行く方に夏道らしきものが見えたのでそちらを登って行きました。最初こそきちんとした踏み跡がありましたが、所々が藪っぽくなっていました。それでも、十分たどれるレベルでしたので、そのまま稜線に出ることができました。しかし、登って来た道を振り返ると石に×印が付いていたので、現在は廃道になっている道のようでした。あるいは、もう少し雪の多い時期だと、このあたりまで雪が付いていて稜線に出るにはちょうどいい道なのかもしれません。

 その後は、快適な登山道となりますが、前回秋に来た時とは違って随所に雪渓が出てきます。見通しがきくので迷うことはないですが、雪と岩のミックスはやはり道がわかりにくいです。

【稜線の木道に合流】

【鮮やかなエゾコザクラ】

【ヒサゴ沼を見下ろして 奥は東大雪の山々】

【随所に現れる岩のごろごろした道】

【ロックガーデンへ】

【振り返ると全体的に岩の多い稜線】

【ようやくトムラウシ山の山頂付近が見えて】

【北沼とトムラウシ山】

【エゾオヤマノエンドウ】
 アップダウンを繰り返しながら進んで行くと正面にごつごつした岩で覆われた壁のような場所が現れます。壁というほど急斜面ではありませんが、その存在感が壁のように思わせます。ここがロックガーデンで、岩を飛び移るように歩いて行きますので、リズムよく歩ける場所は楽しいですが、そうでないとなかなか大変だったりします。ルートは目印と岩に付いた踏み跡でたどります。ややわかりにくい箇所もありますが、違うルートでも登れなくはないと思います。ただ、踏み跡が付いているところが結局一番歩きやすいとは思いました。これを越えるあたりになると、さすがにしんどくなってきました。

【べったりと残った雪と青々とした北沼】

【北沼と旭岳〜白雲岳の稜線】

【トムラウシ山へは岩のごろごろした道】
 ロックガーデンを越えてしばらく登って行くとようやくにしてトムラウシ山の山頂が見えてきます。この緩やかな道を登って行くと、目の前に北沼が現れてそのすぐ奥に堂々としたトムラウシ山が聳えています。前回の縦走時はこの北沼で浄水器を使って水を補給したものでした。

 北沼分岐を経てトムラウシ山への最後の登りに取り掛かります。ここは、最初はザレた道を歩き、最後の方は岩場になっています。見るからに危険な場所というのはないと思いますが、濡れている時や視界のない時は注意が必要でしょう。なかなか疲れている体にはしんどい登りとなりますが、道中から見える展望が素晴らしくて、写真を撮っては進みを繰り返していたらなかなか進むことができませんでした。ようやくトムラウシ山山頂に到着です。

【ようやく山頂へ】

【トムラウシ山頂上碑】 

【トムラウシ山頂と左奥に旭岳〜白雲岳の展望】

【西側の展望 左奥はオプタテシケ山から十勝岳、そして富良野岳へ続く稜線】

【富良野岳〜十勝岳〜美瑛岳〜オプタテシケ山の稜線】

【オプタテシケ山の存在感は抜群です この時期ですとまだ結構な雪渓が残っているようです】

【旭岳〜白雲岳の見事な稜線】

【旭岳】

【東大雪の山々 中央右に沼ノ原で中央奥が石狩岳あたりでしょうか】

【記念撮影をして下山開始】
 山頂からは素晴らしい景色が広がっています。北方の旭岳〜白雲岳の稜線から、前回縦走したオプタテシケ山方面の縦走路、そして東大雪の山々もよく見ることができました。麓を見下ろすときれいな沼や雪渓が見えますし、本当に素晴らしい展望だと思います。時間のことを考えなければ、もっとのんびりしていたかったところです。

 展望を楽しむのもそこそこに下山開始です。キャンプ場に下ってぐるっと回ることも考えましたが、トムラウシ山裾のトラバース路の状況がわからなかったので、結局ピストンで戻ることにしたのでした。下りでも素晴らしい景色が見えていますので、名残惜しみつつ下って行きました。

【写真ではわかり辛いですが中腹をトラバースするように下ります】

【再び絶景を眺めながらの下り】

【北沼湖畔に建てられたテント】

【トムラウシ山に別れを告げて】

【岩場に雪渓に上り下りを繰り返しながら戻って行く】

【ヒサゴ沼再びですが本道はここから結構遠回りになります】

【左奥の登り返しが化雲岳への道 鞍部を右の雪渓のある方向に歩くのがヒサゴ沼への道です】

【急斜面の雪渓を慎重に下って行きます】

【この時間になるとテント場は賑わっていました】
 トムラウシ山に別れを告げた後は、ロックガーデンを慎重に下り、雪と岩のミックスの道を戻って行きます。途中すれ違った方のトレースが付いていてわかりやすくなっていました。疲れてはいましたが、身軽なので思ったよりもテンポよく戻って行けました。この時間に歩いている人もいないだろうなと思ったら、テントを担いでいる方を何人か抜いて戻って行きます。

 ようやくヒサゴ沼が見えてきますが、登って来た道は本来の道ではないので、さらに稜線を戻って行きます。途中、下って登り返して行く鞍部から雪渓に入って行きます。このあたりは、結構踏み抜きが多かったです。
 雪渓を歩いて行くと、沼に下る急斜面の下りが待ち受けています。この時間になるとトレースが付いていたり、雪が緩んでいたりでそこまで苦労せずに下ることができました。その後は、湖畔の道を歩いて行くとテント場に戻ることができます。

 テント場はいつの間にか賑わっていました。自分のように縦走して来た方よりはトムラウシ山方面から来た方の方が多かったようです。隣のテントの方がおもしろい方だったので、しばらくいろいろなお話をしていました。こうして、長丁場で大変だったものの、本当に充実した2日目が過ぎて行きました。3日目はやや長いものの下るだけだとこの時は思っていたのですが。
 
【ヒサゴ沼の日も暮れて】
 

【夜明けのヒサゴ沼】 
 3日目の朝を迎えます。この日は下るだけではありますが、天人峡への下りが長いうえに、そこから旭岳温泉へ抜ける道の情報がほとんどなく、登山道の状況がわからないことから、夜明け前とまでは行かなくとも早朝に出発することにしました。この日は北海道遠征最終日で、苫小牧まで移動しなければいけませんが、フェリーは深夜発ですので、日が出ているうちに下れれば十分でした。

 自分が出発する前にも続々と他の登山者の方が出発していきますが、ほとんどがトムラウシ方面で、急斜面の雪渓を登っていました。見た範囲では自分より先に化雲岳方面に向かっていた人はいないようでした。 
 準備ができたら出発します。前日に下って来た広々とした雪渓を登り返して行きます。既に夜は明けていましたが、斜面の角度の関係で御来光のように昇る太陽を眺めることができました。

 登り返した後は、お花畑を眺めながら木道を歩いて行きます。緩やかな道を歩いて行くとやがて化雲岳に到着です。少し雲が多くて、トムラウシ山の方などは、前日の朝と同様に雲がかかっていましたが、やはり早朝だけあって全体的にクリアな展望を得ることができたのは良かったと思います。

【早朝のテント場】

【見た範囲では左奥からトムラウシ山に向かう方しかいませんでした 自分は手前の雪渓を上がります】

【雪渓を登っている途中に顔を出した太陽】 
 前日に化雲岳に登った時と同様にしばらくのんびりしていたいような気分でしたが、まだ1時間ちょっとしか歩いていないため、あまり休憩が必要な状態でなかったことと、涼しいうちに歩けるだけ歩いておこうということで、天人峡方面に向かって下ることにしました。

 最初は下るというよりも若干アップダウンのある緩やかな稜線を歩いて行きます。このあたりも化雲岳付近ほどではないにせよ、結構なお花畑があって目を楽しませてくれます。ただ、この頃になると、広々としたお花畑も見慣れてしまうくらい、多くのお花畑を眺めて来たと思います。

【広々とした雪渓を登る】

【ヒサゴ沼を振り返る】

【お花畑の間の木道を通って化雲岳へ】

【化雲岳頂上碑と旭岳〜白雲岳の稜線】

【東大雪の山々 石狩岳〜ニペソツ山他】
 
【トムラウシ山方面の眺め】

【トムラウシ山の取れそうで取れなかった雲】 

【旭岳方面の青空と雲を見上げて】 

【旭岳から白雲岳への見事な稜線】 

【旭岳】 

【白雲岳 右中央あたりには白雲岳避難小屋】 

【化雲岳北西に伸びる断崖と残雪の見事な縞模様】 

【断崖と大雪の山々】 

【お花畑の稜線へ】

【チングルマとエゾノツガザクラのお花畑】

【広々としたお花畑は続く】

【イワギキョウ】
 やがて緩やかに下って行きますが、素晴らしい展望は続きます。それまでほどではないにしても、お花畑も断続的に現れます。ずっと旭岳から白雲岳の稜線が見えているので、同じ写真であることがわかっていても何度も撮ってしまいました。

 やがて、この日初めて登山者とすれ違いました。早朝から登られたとはいえ、かなりの速さで登って来ているようで、この後ぽつぽつ天人峡から登って来る登山者の方とすれ違いました。最初の方とすれ違った後にポン沼に到着です。決して大きな沼ではありませんが、大雪の山々を背景にして撮るとなかなか雰囲気があります。まだまだ緩やかに下って行きます。

【気持ちのいい稜線が続く】

【ポン沼が見えて】

【ポン沼と大雪の山々】
 
【この山並みを何枚撮ったでしょうか】

【お花畑でこの日に初めてすれ違った登山者と】

【ポン沼と大雪の山々】 

【今度はお花畑と組み合わせて】

【本当に旭岳が素晴らしかったです】

【徐々にハイマツも濃くなって岩のごろごろ道へ】 
 
【ほとんど川になっている場所も】

【ここだけはやむを得ず少し水の中を】

【ぬかるみが多く】
 ポン沼を過ぎてさらに下って行くと徐々にハイマツ帯に入って行きます。同時に岩のごろごろした道も入って歩きにくくなってきます。特に一部が川になったような道は歩きにくく、どうしてもよけられずやむを得ず少し水の中を歩いた場所もありました。その後もぬかるみあり、崩壊した階段ありと、聞いていたように歩きにくい道が続きます。それでも、登って来る方はそれなりにはいます。さすがに、メインルートに比べれば少ないとは思いますが。

 悪路に苦戦しつつ進むと木道が現れます。このあたりが第一公園になるでしょうか。その前にまとまって花の咲いている場所がありましたので、そちらが第二公園だったのでしょう。

【崩壊した階段】 

【整備された木道へ】 
 
【ミズバショウ】
 道中はハイマツ帯や笹が生い茂っていてあまり花がありませんでしたが、このあたりはいろいろな花が咲いていて目を楽しませてくれます。チングルマは結構まとまって咲いていました。このあたりは木道が整備されていますが、ここまでも天人峡からはなかなかの距離がありますので、ちょっと訪れるというわけにはいかないかもしれません。

 木道の整備された道を抜けると、樹林帯の道に入って行きます。このあたりまで下って来ると里山のような雰囲気でしょうか。花も比較的低山で見かけるような花が多かったような気がします。登山道は木道ほどではないですが、比較的歩きやすい道が続いていました。

【エゾコザクラ】

【チングルマ】

【ショウジョウバカマと蝶】

【サンカヨウ】

【エゾイチゲ】
 樹林帯の道をひたすら下って行くと滝見台と呼ばれる場所が出てきます。ここからは羽衣の滝と呼ばれる滝を見ることができます。ここで会った方々は上の方まで登るというよりはこのあたりを散策しているようでした。

 さらに下って行って、最後急斜面を九十九折れに下って行くとようやく天人峡に到着です。このあたりを散策して下った方に旭岳温泉への道を聞くと、ほとんど歩く人はなくヒグマも出るのでお勧めできる道ではないとのことでした。実際、歩いた記録を見ると、ここからタクシーを使ったり、何人かで訪れて車をデポしていたりすることが多く、この区間を歩いた記録はほとんどありませんでした。

【脇にお花畑を眺めながら木道を歩く】

【チングルマの群落】

【正面に旭岳を眺める最高のロケーション】

【旭岳をズーム】

【公園を過ぎた後は樹林帯の道】
 
【羽衣の滝】

【天人峡登山口】 
 ここでタクシーという手もありましたが、せっかくだから一度は歩いてみようということと、まだ時間もあったので歩くことにしました。とりあえずは休憩を取ってそれから移動します。化雲岳登山口からは少し上がって行くと旅館があり、さらに先に天人峡神社があります。この神社手前を脇に入って登って行くことになります。

 全然刈り払いをしていないのか、最初からひどい藪で本当に背丈ほどある藪をかき分けながら登って行く感じでした。最後まで相当悩まされる蚊もこのあたりからつきまとって来て本当に大変でした。これをずっとではとてもたどり着かないと思いましたが、ある程度登った後は背丈ほどの藪はもうありませんでした。

【天人峡神社】

【この脇から登山道へ】

【本当にひどい藪道でした】 

【崩壊した斜面を慎重にトラバースします】 

【ここはくぐったりよじ登ったりでした】
 その後は順調にと思いきや、斜面の崩壊した道や木の間をくぐって、その先で枝を掴んでよじ登らないといけない場所などもあって、かなり道が荒れていました。登山道の造りを見る限りでは、荒れる前は結構歩きやすい土の道だったのではないかなと思いますが、しばらく手が入っていないか、一気に荒れてしまったのでしょうか。

 ただ、このようなひどい道もある程度登ってなだらかな道になると歩きやすくなります。ただし、その前からつきまとっていた蚊がさらに増えて常に大群に囲まれているような状態でした。遠征初日の暑寒別岳もひどかったですが、それ以上のひどさで、とても休憩などは取れず、最低限の水分だけを摂取して先に進みました。

【ゆっくり写真が撮れずピンボケのミヤマハンショウヅル】

【道そのものは歩きやすく】

【ひょうたん沼の傾いた看板】 

【ひょうたん沼】

【ムラサキヤシオ】

【旭岳でしょうか】

【道を塞ぐ大木】
 このあたりになると、標高もあまりなく、風もほとんど吹かないためかなり暑くなって来ました。実は雨具のズボンを履いたままで蒸れてしょうがなかったのですが、蚊がひどすぎて脱ぐかどうかを迷うくらいでした。ただ、これ以上暑いままでは埒が明かないので結局我慢をして脱ぐことにしたのでした。

 その後も蚊を追い払いながら歩いて行きます。本当に蚊の密度はすごかったですね。しかし、この蚊の攻撃も徐々に弱まって来ます。小川をいくつか渡って、少し広々とした道に出てくるとようやく落ち着いて来たのでした。さらに歩いて行くと、草むらに埋もれた登山口の看板がありキャンプ場に出てきます。

【ミヤマムラサキ】 

【徐々に広々とした道へ】】 

【草むらの中の登山口案内】
 その後は車道を歩いて駐車場まで戻って行きます。疲れてはいましたが、安堵感と達成感に浸りながらの最後の歩きとなりました。この時期は初夏で蚊の多い時期でしたが、それを外せば歩けなくはないかなと思います。最初の登り以外は危険なところはなく、むしろ比較的歩きやすい道でしょう。ただし、ヒグマも現れるようですので、むしろそちらの方が注意が必要かもしれません。

 その後は日帰り温泉に浸かってすっきりした後、フェリー乗場のある苫小牧まで戻って行きました。いつも北海道最後の日は安堵感と充実感と寂しさがないまぜになったような気持ちになります。
 三百名山も一段落して、せっかくだから登ってみようと思って歩いた今回のルートですが、苦労もあったものの、それをはるかに上回る素晴らしい展望とお花畑に恵まれたルートだったと思います。

 なかなか簡単には訪れることのできない北海道ですが、今回も目一杯歩き、充実した日々を過ごすことができたのではないでしょうか。またお花の時期に訪れたいと思いますし、季節を変えて訪れるのもいいかもしれません。そこには厳しくも雄大な自然が待ち受けているのですから。

【フェリーで帰路に就く】


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