こぶしがたけ・にしざわけいこく | |
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登山日: 2013年11月5日(火) | 標高:2475m(甲武信ヶ岳) |
標高差:西沢渓谷から約1370m |
11月5日(火) | 道の駅みとみ 4:00 → 新道分岐 6:25 → 甲武信小屋 8:00 | ||||
→ | 甲武信ヶ岳 8:25(〜9:20) → 新道分岐 10:45 → 近丸登山口 12:10(〜20) | ||||
→ | 西沢渓谷山頂 14:10(〜20) → 道の駅みとみ 15:50 |
本日は甲武信ヶ岳に登った後西沢渓谷を回ります。主目的は西沢渓谷の散策だったのですが、それですと少し時間を持て余してしまうのと、きれいな紅葉は見たくてもやはり山には登りたいということで今回のような登り方をすることしました。 結果としては、やや運が悪い面もありましたが、中途半端になってしまった感は否めませんね。甲武信ヶ岳山頂では、前日の寒気が入った影響でガスが晴れないうちに下山せざるを得ず、西沢渓谷は甲武信ヶ岳で時間を潰し過ぎてしまったがために、日の当たらない時間に歩くことになってしまいました。ただ、甲武信ヶ岳の標高の低いあたりでは紅葉が見事でしたので、これはこれで良かったと思います。 |
![]() 【道の駅みとみ(下山時)】 |
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![]() 【東沢山荘奥の無料駐車場への分岐】 |
月曜日の夜夕食を食べたら出発します。現地には夜半に到着して、道の駅に車中泊をします。ちなみに、当初無料駐車場でと考えていたのですが、トイレなどの設備が揃っている道の駅にしたのでした。なお、2月に登った時に無料駐車場などなかったように思っていましたら、その時には通行止めになっていた東沢山荘の先を下ったところにありました。 朝は4時に出発します。前日の寒気の入った影響を考慮してこの時間にしたのですが、これでも山頂での展望という意味では早かったです。ただ、これ以上出発が遅いと私の足の遅さでは、西沢渓谷をずっと日陰の中を歩くことになってしまいますので、仕方のないところでしょう。 |
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![]() 【ゲート前(下山時)】 |
![]() 【徳ちゃん新道へ】 |
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![]() 【暗がりの中をひたすら登る】 |
道の駅から真っ暗な車道の脇を歩いて、東沢山荘の脇を抜けてゲートを通過して行きます。コース的には近丸新道を登って徳ちゃん新道を下るのが無駄のないルートですが、暗がりであることを考慮して歩いたことのある徳ちゃん新道にしました。近丸新道は渡渉地点が気になっていたことがあるのですが、それ以上に随所に幅の狭いトラバースがあったので、結果としてですが、暗い時間に歩くのを避けたのは正解でした。また、こちらも結果としてですが、ちょうど日の当たる時間に近丸新道下部の渓谷沿いの見事な紅葉が見られたというのも良かったです。 徳ちゃん新道の登山口は西沢山荘の脇にあります。ここからひたすら登って行きます。 |
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![]() 【展望地点より富士山とどんよりとした雲】 |
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![]() 【夜明けの富士山】 |
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![]() 【左の近丸新道と右の徳ちゃん新道分岐】 |
前回登りでも下りでも使った徳ちゃん新道ですが、比較的淡々と登って行く道ですので、あまり歩いた道は覚えていませんでした。急登はありますが、道は明瞭ですので順調に登って行きます。尾根に乗ると一旦急登が落ち着いて、比較的なだらかな道が続きます。このあたりは風が吹き抜けて、涼しいというよりは歩いていても寒いくらいでした。歩き始めから0度近くでしたので、このあたりでは氷点下だったのではないでしょうか。相変わらず夏と同じ格好で歩いていましたが、登りが中心だったので、この稜線に出たあたり以外は主稜線に出るまでは問題ありませんでした。ある程度歩くと再び急な登りになって行きます。 | |
![]() 【ここから戸渡尾根】 |
![]() 【最初はやせ尾根歩き】 |
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![]() 【上部はガスの中】 |
ある程度急登を上がって行くと展望の良い場所があります。前回も見事な富士山を見たこの場所で再び富士山を眺めることにします。この時点では夜明け前でしたので、さっさと登らなければと思いつつも、夜明けをしばらく待ってしまいました。夜明け前から赤く染まっていた富士山が一段と赤く染まりましたが、さすがにこの距離では多少赤く染まった程度でした。 結局20分以上はのんびりしてしまったので、先に進みます。少し登ると分岐があり、近丸新道と合流します。ここからは戸渡尾根となっていて、やせた尾根が続きます。 |
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![]() 【夜明けの空】 |
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![]() 【前回はラッセルで苦戦した樹林帯】 |
やせ尾根と言っても登山道はしっかりしているので問題ありません。ただ、最近のものと思われる倒木がいくつかあって少し歩きにくかったでしょうか。 その後、やせ尾根を抜けると再び急登となります。前回はこのあたりから雪が増えて、特に樹林帯ではラッセルに苦労させられたのでした。雪がないので問題なく進んで行きますが、どこが本道かわかりにくい場所でした。ただ、どこを歩いても問題はないと思います。 急登を登り切ると稜線に出て雁坂嶺との分岐になっています。そのまま甲武信ヶ岳方面に向かって歩いて行きます。 |
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![]() 【雁坂嶺分岐】 |
![]() 【分岐案内板】 |
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![]() 【木賊山頂上碑】 |
なだらかな稜線を少し歩いて行くと木賊山山頂に到着です。樹林帯に囲まれて特に展望はありません。前回登った時にはほぼ頂上碑が埋まっていましたので、やはりこのあたりは冬には結構雪が積もるようです。ここは休憩にはいいと思いますが、そのまま甲武信小屋まで向かいます。 樹林帯を少し下って行くと展望が開けて、本来であれば甲武信ヶ岳を正面に眺めることができます。しかし、この時はまだガスに覆われていて展望がありませんでした。ただ、このあたりの木々の霧氷は見事でした。また、写真を撮っているうちに少しずつガスも晴れてきたようで、山頂での展望に期待して進みます。 |
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![]() 【ガスに覆われた稜線】 |
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![]() 【きれいな霧氷】 |
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![]() 【静かな甲武信小屋】 |
砂地の道を下って再び樹林帯に入って行きます。しばらく歩くと甲武信小屋に到着です。泊まっていた方達も下山してとても静かでした。ここで少し休憩をして再び山頂を目指します。 山頂までは急登をひたすら登って行きます。途中富士山も見える素晴らしい展望所を過ぎて、霧氷のきれいな木々の合間を進んで行くと山頂に到着です。甲武信小屋で時間を潰してみましたが、奥秩父の稜線や南アルプス、そして八ヶ岳連峰の山並みはまだまだガスの中でした。富士山が見えていたのはせめてもの救いでしょう。少しずつガスが晴れて来たので、少し粘ってみることにしました。 |
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![]() 【木賊山を振り返って 右奥は富士山】 |
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![]() 【新雪が積もっているもののトレースもくっきり】 |
![]() 【頂上碑】 |
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![]() 【霧氷と富士山】 |
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![]() 【白くなってきた富士山】 |
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![]() 【北方への稜線分岐】 |
待っていると少しずつガスが晴れて来ます。手前の稜線と八ヶ岳連峰が少しずつ見えて来ました。南アルプスの一部も見えて来て期待できそうな展望でしたが、さすがに時間を使い過ぎてしまったので残念ながら下山開始です。甲武信ヶ岳に登るだけならもうしばらくいても良かったかもしれません。 甲武信ヶ岳を下り木賊山に登り返して行きます。このあたりはすっかりガスが晴れて、今度は見事な甲武信ヶ岳を見ることができました。このままでは、西沢渓谷を歩き始めるのがかなり遅くなりそうだったので、てきぱき進むことにします。 |
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![]() 【なかなかガスは晴れず】 |
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![]() 【三宝山】 |
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![]() 【少しだけ姿を現した八ヶ岳連峰】 |
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![]() 【赤岳】 |
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![]() 【霧氷の木々が並ぶ稜線】 |
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![]() 【霧氷の木々をズーム】 |
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![]() 【国師ヶ岳】 |
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![]() 【国師ヶ岳の左に南アルプス南部の山々】 |
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![]() 【北岳と間ノ岳あたりか】 |
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![]() 【ここまでの景色で断念】 |
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![]() 【木賊山】 |
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![]() 【すっきりと見えた甲武信ヶ岳と右には三宝山】 |
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![]() 【国師ヶ岳と朝日岳】 |
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![]() 【広瀬ダムを見下ろして】 |
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![]() 【ちらほらと紅葉が】 |
![]() 【すっきりと見えた木賊山】 |
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![]() 【近丸新道へ】 |
雁坂嶺分岐からそのまま下って行きます。途中の展望地点で少し写真を撮ったら再び下って行きます。分岐から今度は近丸新道を下って行きます。 沢へ下って行くルートですので最初から急な道を下って行きます。ただ、分岐手前は徳ちゃん新道も結構な急登が続いていますね。 下るに連れて徐々に紅葉が現れて来ます。紅葉はかなり下まで下っていると思っていたので、ピークは過ぎているとはいえ思っていた以上に紅葉が残っていたのはうれしい誤算でした。結局この後は写真を撮るのに時間をかけながら下って行くことになりました。 |
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![]() 【分岐付近はピークは過ぎているものの鮮やか】 |
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![]() 【鮮やかな紅葉の道】 |
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![]() 【奥の山の斜面に見える紅葉の方が鮮やか?】 |
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![]() 【残った紅葉】 |
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![]() 【沢の前後付近が見事でした】 |
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![]() 【高木を見上げての紅葉】 |
![]() 【こちらも背後の斜面と合わせて見事】 |
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![]() 【沢の堰堤と紅葉】 |
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![]() 【同じアングルを縦にして】 |
![]() 【この場所で渡渉】 |
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下って行くと沢の流れる音が聞こえて来ます。紅葉を眺めながら下って行くとやがて沢に出ます。沢沿いの紅葉もまた見事でした。 最近まとまった雨は降っていないので、増水はそれほど気になることはありませんでしたが、渡渉地点がわかりにくいということでしたので、少し懸念していた場所でした。確かに出合のあたりは踏み跡はあるものの、少し渡るのは難しそうです。ちょうど対岸にもこちらに向かってくる方がいたので、合わせて少し上流に向かいます。幅が狭くなって、丸太を渡しているところがあったので、そこを足の支えにして渡ることができました。確かにきちんとした橋ではないので、増水していたら少し大変そうな場所でした。 |
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![]() 【渡渉後に振り返った対岸の赤黄緑のコントラスト】 |
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![]() 【紅葉の道を歩く】 |
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![]() 【下の渓谷の眺めが霞むような見事な紅葉】 |
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![]() 【トロッコ軌道跡を歩く】 |
![]() 【所々に崩壊した斜面】 |
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![]() 【背後の山の斜面の紅葉も見事】 |
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![]() 【紅葉に包まれた森の中で】 |
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![]() 【気を使ったトラバース】 |
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![]() 【近丸新道登山口へ】 |
渡渉後も見事な紅葉が続きます。というよりも、このあたりはピークだったようで、きれいな紅葉を眺めながら歩くことができました。この渓谷沿いを歩く道はかつてトロッコ軌道であったようで、ずっとレールが続いていました。所々で斜面が崩壊した所ではレールが剥き出しになっていて歴史を物語っていたのでした。 紅葉が見事でしたし、そもそも木々に葉が付いているとあまり見えないのですが、下を流れる渓谷の眺めも良かったです。ただ、所々にあった崩壊した斜面のトラバースが思ったよりも幅の狭いところもあって慎重に進まざるを得ませんでした。暗くても慎重に歩けば何とかなるでしょうが、できるだけ歩きたくはないですね。そういう意味では見事な紅葉を見られたこともあり、徳ちゃん新道を登りで利用して、近丸新道で下って来たのは良かったと思います。 |
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![]() 【広々とした道へ】 |
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![]() 【右手の登山口を振り返る 左の西沢渓谷へ続く道へ】 |
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![]() 【見上げると見事な鶏冠山】 |
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![]() 【日が当たると鮮やかな道】 |
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![]() 【このあたりまでは日が当たっていて最も鮮やかでした】 |
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![]() 【紅葉を見上げる】 |
![]() 【左手の川の流れも素晴らしく】 |
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![]() 【透き通る紅葉】 |
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![]() 【吊橋を渡る】 |
紅葉で足が進まない中お昼を回ってようやく登山口に到着です。調子が良ければ11時前には下って西沢渓谷を歩き始めたいところでしたが、道中富士山の夜明け待ちや山頂でのガスの晴れるのを待ったことに加えて、紅葉が見事で写真を撮り過ぎてしまったことが影響して遅くなってしまったのでした。ただ、これだけの景色を見ながら歩いて来たのですから贅沢は言えません。 登山口まで戻ると一般の観光客も歩いているのと広々とした道が続いていて、山を下ったのだと実感させられます。そのまま再び徳ちゃん新道登山口とその脇の西沢山荘を経て西沢渓谷を進んで行きます。 |
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![]() 【吊橋から鶏冠山の眺め】 |
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![]() 【鶏冠山と紅葉の山の見事な景色】 |
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![]() 【看板脇を通って】 |
![]() 【整備された道を歩く】 |
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西沢渓谷の道は、やはりそれまで歩いていた登山道と違ってとても歩きやすい道が続きます。ただし、渓谷沿いの道に沿って付けられた道ですので、アップダウンがあるのと、足元も場所によってはやや滑りやすい岩の上を歩くこともありますので、山歩きをするくらいのつもりの方がいいでしょう。コースタイムも西沢渓谷をぐるっと回るだけで4時間となっており、普段歩いていない方には少しハードかなと思う行程です。 ただし、見事な景色が続いていて、渓谷の深部に入るまでは紅葉の眺めが続き、ある程度奥に入ると迫力のある滝が続きます。ただ、東側に開けた場所が多いため、午後になると日陰が多くなってしまうのは残念でした。 |
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![]() 【紅葉と渓谷の眺め】 |
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![]() 【大久保の滝と紅葉】 |
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![]() 【段々になった滝を眺める】 |
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![]() 【上部の斜面の紅葉が見事】 |
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![]() 【エメラルドグリーンの水と落ち葉の絨毯】 |
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![]() 【渓谷沿いの岩場を歩く】 |
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![]() 【竜神の滝】 |
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![]() 【貞泉の滝】 |
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![]() 【激流と紅葉】 |
![]() 【渓谷沿いなので日の当たらない場所も多く】 |
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![]() 【母胎渕】 |
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![]() 【紅葉の下を歩く】 |
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![]() 【光が当たって鮮やかに】 |
![]() 【右奥の橋を渡って急登を登る】 |
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![]() 【透き通る水を見下ろして】 |
人の多いこの時期ですが、平日でしかもピークの過ぎた午後ということもあって、渋滞するほどではありませんでしたが、それでもひっきりなしに歩く人がいるような状態でした。晴れた休日ですとかなり渋滞するのもわかる気がします。 いくつもの滝を眺めながら歩いて行きます。コースとしては徐々に標高を上げて行きます。途中橋を渡って急登を一気に登るとようやく七ッ釜五段の滝に到着です。このルートメインの滝だけあって、迫力のある見事な滝でしたし、また連なった滝は美しくもありました。付近に紅葉した木々がないのは残念でしたが、そこまで求めるのは贅沢なのでしょう。 |
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![]() 【七ッ釜五段の滝下部】 |
![]() 【七ッ釜五段の滝上部】 |
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![]() 【上部の奥には紅葉も なお滝全体を写せる場所は見つけられませんでした】 |
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![]() 【その後も美しい渓谷の眺めが続く】 |
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![]() 【不動の滝周辺の景色】 |
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![]() 【終点の休憩所】 |
なおも渓谷の眺めを楽しみながら進んで行きます。不動の滝付近を過ぎると急登になっており、ここからはひたすら登って行きます。すると林道沿いの道に出ますのでここを少し右に折れて進むとそこは終点の休憩所があります。案内では山頂と表示されていました。ここは、周囲の山々が見えて素晴らしい景色なのですが、木々に囲まれているので写真ではうまく撮れないのが残念でした。ここまで一気に歩いて来たのでしばしここで休憩しました。 この場所から少し奥に黒金山登山口がありました。一度乾徳山から黒金山までは縦走したことがありますが、マップを見てここまでつながっているのだと感心してしまったのでした。 |
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![]() 【日は翳っていますが紅葉を眺めながらの景色は続く】 |
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![]() 【鶏冠山と木賊山と見事な紅葉】 |
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![]() 【紅葉の道と鶏冠山の存在感】 |
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![]() 【七ッ釜五段の滝ですが少し見え辛いでしょうか】 |
![]() 【見事に黄色に染まる木々】 |
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![]() 【鶏冠山と紅葉】 |
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![]() 【最後に橋を渡って分岐へ】 |
しばし休憩をしたら周回コースを進んで行きます。あとはなだらかな林道歩き、しかも渓谷の南側を歩くので基本的には日陰を歩くことになります。したがって淡々と歩くだけと思っていたのですが、反対側斜面に聳える鶏冠山や木賊山と、その斜面の紅葉が見事でしたし、道中の紅葉も所々でまだ光が当たっていて鮮やかだったのでした。 長い林道あるきでしたが、最後橋を渡って行くと最初の林道に合流して行きます。この橋でも鶏冠山が見えて、その存在感に驚かされました。もう少し登りやすい山でしたら、いつか登ってみたくなるような山容でした。 |
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![]() 【渓谷の奥に聳える鶏冠山】 |
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![]() 【日が当たらなくても鮮やかな紅葉】 |
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![]() 【思っていた以上に見事な紅葉でした】 |
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![]() 【最後は林道歩きをして戻ります】 |
最後まで紅葉を楽しみながら戻って行きます。さすがに甲武信ヶ岳に登った後に西沢渓谷を巡るというハードなコースだったために少し膝に来てしまいましたが、なんとかひどくなる前に戻って来ることができました。 甲武信ヶ岳からの景色はガスが多かったですし、西沢渓谷は歩き始めが遅くて日陰も多かったのですが、総じてみると素晴らしい景色ばかりで充実した1日だったなと思いました。何もしなかった3連休でしたが、この日だけでも歩けて本当に良かったと思います。 |
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