たにがわだけ | |
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登山日: 2013年11月23日(土) | 標高:1977m(オキの耳) 1963m(トマの耳) |
標高差:谷川岳ベースプラザから約1220m |
11月23日(土) | 谷川岳ベースプラザ 8:05 → ラクダの背 11:00(〜20) | ||||
→ | トマの耳 12:45(〜13:10) → オキの耳 13:20(〜50) → 天神平 15:40 |
本日は谷川岳に登ります。最近は紅葉の山を中心に歩いてきましたが、山は冬を迎えて徐々に白くなって来ました。豪雪地帯の山などは、積雪量が多くなるとすぐに自分の力量では登れなくなってしまいますが、初冬であればまだ登れる山もあります。そこで、今回はまとまった積雪のあった谷川岳を目指すことにしたのでした。実は3年前にもほぼ同じ時期に登っていますが、この時は山頂でもあまり雪がありませんでした。雪の降り始めは本当に年によって変わって来そうです。 谷川岳自体は3回目で、今年の5月にも登っていたりします。ただ、西黒尾根を歩くのは今回が初めてになります。急傾斜の道で、初冬の記録をいくつも見ましたが、厳しいとはいえ慎重に歩けば登れると判断してチャレンジすることにしました。 |
![]() 【谷川岳ベースプラザ】 |
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![]() 【谷川岳登山指導センター】 |
今年最初の積雪期の山ということもあるかもしれませんが、結果としてはかなり厳しかったです。無雪期に歩いていないルートを歩いたというのも一因かもしれません。ただ、その素晴らしい景色は十分に堪能できましたし、久々に緊張感のある山登りをして気持ちは引き締まったのではないかと思います。 下りは天神尾根を利用してロープウェイを使う予定でしたので、谷川岳ベースプラザに駐車します。ロープウェイを使用しなくても、ここから少し登ったところで通行止めになっているので、結局このあたりに駐車することになるのかもしれません。実際、このすぐ上に駐車している車が何台かありました。 |
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![]() 【晩秋の景色】 |
![]() 【西黒尾根入口】 |
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![]() 【鉄塔前を通って】 |
駐車場からは少し舗装された道を上がって行くと谷川岳登山指導センターがあって登山届を提出できるようになっています。その後はさらに進んで行くと西黒尾根入口がありますのでここから登って行きます。 樹林帯の登りになりますが、少し登って行くと間もなく雪が現れて来ます。ルートは明瞭ですし、きっちりトレースも付いていますので問題なく登って行きます。淡々とした登りが続きますが、雪は少しずつ深くなって来ます。このあたりはノートレースだったとしても歩けるでしょうが、トレースがなかったらそれなりに体力を消耗してしまいそうでした。 |
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![]() 【徐々に雪道に】 |
![]() 【深くなる雪道】 |
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![]() 【側面には天神尾根】 |
しばらく登って行くと見晴らしのいい場所も出てきます。朝はやや雲の多い天気でしたが、天神尾根のロープウェイ駅のあたりはすっかり晴れてよく見えていました。ただ、肝心の谷川岳付近はまだ雲に覆われていました。徐々に晴れつつあるのはわかりましたので、この後の景色に期待して登って行きます。今回西黒尾根を登ろうと思ったのは、まだ歩いたことがないルートを歩きたいというよりも、この西黒尾根から眺めた谷川岳に一目惚れしてしまったことからでした。稜線が雲に覆われていてもなお、迫力のある景色でしたし、覆われている様もまた良かったと思います。登山道は徐々に険しくなって来ます。 | |
![]() 【まだガスに覆われているも迫力のある谷川岳】 |
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![]() 【1つ目の長い鎖場 上に見えている方はノーアイゼンでさくさく登って行かれました】 |
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![]() 【白毛門も姿を現して】 |
気を付けるべき箇所として気にしていたのが2箇所のやや長い鎖場で、少し苦労しそうな場所として気にしていました。最初は岩場でもそれほど厳しくはないのですが、足の置き場に雪があると滑ったり、徐々にやせ尾根も歩くようになって来たりしましたので、早めにアイゼンを装着して来たるべき鎖場も含めて備えることにしました。このあたりはその人の力量によって変わるようで、上の方までノーアイゼンの方もいれば、自分のように早めに装着する方もいました。 やがて、長い鎖場が現れて、すぐその鎖場だとわかりました。ここは、慎重に狭い足場に足を乗せて登って行くのですが、アイゼンで足が置きにくかった半面、ないと雪で滑りそうでもあり、なかなか判断の難しいところです。斜度はそこまではないと思いますが、やや長くて高度があるでしょうか。 |
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![]() 【稜線が見えるまでもう一息】 |
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![]() 【左手にもう1つの長い鎖場と右奥には立派な谷川岳】 |
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![]() 【鎖場部分】 |
その後もやせた尾根を進んで行きます。すぐ脇が切り立っていて危ないということはないのですが、全般的に狭い道が続くので落ち着けるような場所はない感じでした。雪がなければ、もう少し広く感じることができるかもしれません。 やがて、もう1つの長い鎖場が見えて来ました。離れた場所から見ると鋭い岩峰のようで、とても登れそうには見えませんが、鎖場の手前までは普通に登って行って、鎖場そのものは置きにくい足場を使って、最後は鎖を使ってやや強引に登ります。相変わらずアイゼンでうまく足を置けませんでしたが、少なくとも登りではそこまで問題はないと思います。2箇所の鎖場を終えたのですが、ほっとするのはまだまだ早かったのでした。 |
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![]() 【谷川岳東尾根を眺めて】 |
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![]() 【白毛門から朝日岳も見えて】 |
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![]() 【ラクダの背と迫る谷川岳】 |
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![]() 【ラクダの背】 |
その後も尾根道を歩いて行くとラクダの背に到着です。ここからの谷川岳は見頃ですし、周囲の景色をぐるっと見渡すことができます。このあたりでしばし展望を楽しんだのでした。 再び先に進んで行くと、緩やかに下った後再び登って行きます。ここまでの道はそれほど高度は稼がなかったのですが、ここからは急登の連続です。トレースもあって難しい道ではないのですが、場所によってはルートがいくつにも分かれていて、行き止まりになっているルートもあったので慎重にコースを選んで登って行きます。 |
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![]() 【徐々に急登へ】 |
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![]() 【徐々に見上げるような景色に】 |
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![]() 【歩いてきた尾根を振り返る】 |
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![]() 【急斜面を登る】 |
特にある程度登った後に振り返ってみると、なだらかなところもなく登って来ているので結構な高度感があります。これが岩場や樹木の間にいればそこまでは感じないのかもしれませんが、雪の積もった一枚の斜面から見るとなかなか怖いものがあります。 これを登ってなだらかになると、今度はやせ尾根が待っていて、トレースがしっかりあるから歩けるもののなかなかのナイフリッジになっています。トレースも場所によっては、そのまま斜面を崩れていくので一歩一歩慎重に進みました。しっかり歩けば問題ないと思う反面、ミスはできない場所なので、どうしても神経を使わざるを得ませんでした。 |
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![]() 【振り返るとなかなかの高度感】 |
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![]() 【谷川岳全景】 |
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![]() 【やせ尾根を歩く登山者とガスのたなびく稜線】 |
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![]() 【トレースを忠実にたどって】 |
ナイフリッジは離れて見た時程切り立っているわけではありませんが、やはり深い谷が見えていますので怖いものがあります。 慎重に通り過ぎてほっと一息と言いたいところですが、再び急登が続きます。ナイフリッジ手前の急登程ではありませんが、やはり疲れて来ていることもあってなかなかしんどかったでしょうか。最初の鎖場から急登ナイフリッジ急登と、本当に緊張感の続くルートでした。最後左手に天神尾根からのルートが近づいて来ると同時に、なだらかな斜面に入って来てほっとしたものの、疲労は思った以上でした。ただ、これは、しっかりした山登りが久しぶりというのもあるので、仕方のない部分もあります。 |
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![]() 【急斜面を振り返る】 |
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![]() 【急斜面は続きますが見事な斜面の眺め】 |
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![]() 【山頂も近づいて】 |
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![]() 【側面から眺めた天神尾根 左奥にロープウェイ駅】 |
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![]() 【天神尾根から登る登山者と稜線にかかる雲】 |
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![]() 【山頂までもう一息】 |
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![]() 【埋まりかけの西黒尾根案内表示】 |
天神尾根と合流すれば間もなく山頂、トマの耳です。稜線の一部はまだガスに覆われていますが見事な青空が広がっています。ガスに覆われたり晴れたりの繰り返しでしたが着実に晴れつつあるのはわかりました。オキの耳もよく見えて素晴らしい眺めでした。 ここでのんびりしても良かったのですが、どちらにしてもオキの耳には登る予定でしたのでそのまま向かいます。よく踏まれており、特に問題なくオキの耳に到着することができました。西黒尾根から登る方もそこそこいましたが、やはり天神尾根から登る方が多く、山頂はにぎわっています。それでも、無雪期に比べれば静かなものなのでしょう。 |
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![]() 【トマの耳へ】 |
![]() 【トマの耳頂上碑】 |
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![]() 【姿を現したオキの耳】 |
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![]() 【トマの耳を振り返る】 |
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![]() 【オキの耳への道】 |
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![]() 【徐々に姿を現す谷川連峰の山々】 |
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![]() 【見事な雪の造形物】 |
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![]() 【翼を広げたようなトマの耳】 |
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![]() 【天神尾根とトマの耳】 |
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![]() 【オキの耳頂上碑】 |
オキの耳からも素晴らしい景色が広がっています。ここでのんびり写真を撮りつつ景色を楽しむことにします。この頃になるとガスも晴れて仙ノ倉山方面もよく眺めることができました。また、白毛門や朝日岳はもちろんですが、至仏山や燧ケ岳、平ヶ岳などの眺めは素晴らしかったです。 のんびりしている間に山頂はすっかり静かになりましたが、ロープウェイの時間もあるので、名残惜しみつつも下ることにします。まずはトマの耳に戻ってそのまま下って行きます。こちらは、西黒尾根と比べるとあまり危険な箇所はありません。 |
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![]() 【仙ノ倉山方面の見事な稜線】 |
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![]() 【燧ケ岳と至仏山】 |
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![]() 【平ヶ岳】 |
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![]() 【奥の一ノ倉岳】 |
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![]() 【白毛門】 |
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![]() 【朝日岳】 |
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![]() 【トマの耳と稜線の山々】 |
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![]() 【オキの耳と一ノ倉岳への稜線】 |
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![]() 【左の朝日岳と右奥の平ヶ岳】 |
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![]() 【肩ノ小屋】 |
肩ノ小屋まで下った後はひたすら斜面を下って行きます。このあたりは、5月に訪れた時にみんなでシリセードをした斜面でした。今回は新雪でほとんど滑りそうもなかったのと、ところどころ草が見えていて、雪のあまりないところもありそうだったのでやめました。 広々とした斜面を下った後は、岩場の混じったルートを下って行きます。12本爪のアイゼンなので、中途半端に雪のない場所もあって歩きにくかったです。ここを下って行くと避難小屋に到着です。 |
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![]() 【広々とした斜面を下る】 |
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![]() 【まだ雪はそれほど深くはなく】 |
![]() 【所々岩の出た鎖場】 |
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![]() 【雪はまだ少ない避難小屋周辺】 |
避難小屋はほとんど露出している状態で、やはりまだ積もっている雪が少ないことがわかります。逆に言えば、きちんと積もったら西黒尾根などとても登れないものだと思ったのでした。 この頃には随分疲れてしまいましたが、あともう一息ですのでがんばって歩きます。積雪量が少ないので夏道通しで歩いて行きます。このあたりから振り返る谷川岳の眺めも見事で、結局何度も足を止めて写真を撮りながら戻って行ったのでした。 |
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![]() 【笠ヶ岳〜朝日岳〜白毛門】 |
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![]() 【日が陰っても迫力のある谷川岳】 |
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![]() 【天神平へ】 |
ロープウェイの終了時間までに無事天神平に到着することができました。このあたりでは、観光客の方も結構いて、むしろ登山者の方が少なかったです。 そのまま片道券を購入してロープウェイで下って行きました。思ったよりも険しかった西黒尾根には苦戦させられましたが、いい意味での緊張感と素晴らしい谷川岳を眺められて思い出深い山行となりました。今年だけで2回登った谷川岳、これからも何度も訪れることになるでしょう。 |
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