たんざわさん
 丹沢山(主稜縦走)
登山日: 2014年2月1日(土)   標高:1491m(塔ノ岳)1567m(丹沢山)1673m(蛭ヶ岳)1601m(檜洞丸)
    標高差:大倉から約1370m


 2月1日(土)    大倉 5:00 → 花立山荘 7:20 → 塔ノ岳 8:00 → 丹沢山 9:20
   蛭ヶ岳 11:00 → 檜洞丸 14:30 → 西丹沢自然教室 16:45
     西丹沢自然教室 ・・・ 新松田駅 ・・・ 渋沢駅 ・・・ 大倉

 

 本日は丹沢主稜を縦走します。年末年始に九州遠征をして以来の約1ヵ月ぶりの山登りとなります。九州遠征をした翌週は風邪を引いて治りかけていた時期なので仕方がないとして、その後は仕事が忙しかったのも一因ですが、それ以上にゲームにはまってしまったのと、だらだら家で過ごす癖が付いていたのが原因で間隔があいてしまったのでした。体がずいぶん重くなって来たのでさすがにということで、登る山にはいろいろ迷いましたが、金曜日がどうしても遅くなってしまうこともあって、近場の丹沢にしました。大倉の登山口までは、山梨県南部の山々までと距離が変わりませんし、ほとんど高速で近くまで行けるのが大きいですね。ただ、入山者がかなり多い山域なので、そう頻繁に訪れることはありませんが、時々訪れている感じで今回は3回目です。
【夜明け前の駐車場】
 
【天神尾根合流点】
 久しぶりの山登りですので、塔ノ岳あたりまででも十分かなと思ったのですが、以前より行けたらと思っていた縦走を、様子を見ながら実行することにしました。状況を見ながら塔ノ岳、丹沢山、蛭ヶ岳で判断する感じでしょうか。ちなみに、丹沢主稜というと蛭ヶ岳以西の山々を指し、塔ノ岳から蛭ヶ岳、焼山に至るまでが丹沢主脈と呼ばれているようですが、ここでは丹沢の高峰を結ぶルートという意味で丹沢主稜縦走としています。

 蛭ヶ岳までは2回歩いていますし、道も明瞭なので早い時間から出発でも良いのですが、とても起きられるわけもなく、結局4時半過ぎに現地入りして、5時頃の出発となりました。これまたいつものように有料の駐車場を利用します。1日800円になる駐車場で、すでに10台程の車が駐車されていて、出発の準備をしているようでした。 
 
【樹林帯の中よりご来光】

【朝焼けに染まる階段】
 
【花立山荘】
 冬至の頃に比べれば日が長くなって来ていますが、さすがにこの時間はまだ真っ暗です。ただ、この日は気温が高かったせいかあまり寒くはありませんでした。

 駐車場からはそのまま舗装された道を歩いて行って、案内看板に従って歩いていきます。やがて登山道となりますが、歩きやすい道が続いています。予想通りとはいえ、体は重くて少し登るだけでも疲れて来てしまうような状況でした。それ以上に、足首やら膝やらが痛くて先が思いやられるような状態です。過去2回丹沢を歩いた時のように、この時期は特に健脚な人が多いようで、続々と自分を抜いて行ったのでした。

【富士山はすっきりと見えず】

【視界が開けて】

【塔ノ岳へ】
 天神尾根合流点手前あたりから明るくなって来て、その後の樹林帯で日が昇って来ました。早い時間に出発できるのなら塔ノ岳で御来光もいいでしょう。

 朝陽を浴びながら階段を登って行くと花立山荘に到着です。このあたりまで登って来ると視界も開けて来ます。少し休憩をしてそのまま塔ノ岳を目指します。最近の雨は雪にはなっていなかったようで、思ったよりも雪が全然少なくて、塔ノ岳に無事到着しましたが、山頂も雪はあまりありませんでした。これでは、日陰を通る道などはほとんどアイスバーンになっているのではという悪い予感が当たってしまうことになります。

【これでもこの日最もよく見えた富士山】

【頂上碑と富士山】
 山頂からの景色は、見事に晴れてはいるものの靄がかかっているような状態で、富士山は先に見たようにうっすらと見える感じでした。それでも、この日見た中では一番くっきりと見えていたと思います。

 塔ノ岳に登るだけでも随分疲れてしまったので、ここまででも良かったかなと思ったのですが、時間も早かったのでもう少し先まで進むことにします。尊仏山荘で休憩するのもいいかなと思ったのですが、あまり寒くもなかったので、結局行動食だけとったらそのまま丹沢山に向かいます。山荘の裏に出ると雪景色に一変します。しばらく雪が降っていなかったのか、本当に日当たりの良し悪しで随分状態が変わりました。

【尊仏山荘】

【裏側からは雪道】

【つるつるに滑る道】
 前回も雪道で少し滑りやすかったもののそのまま下れたので、今回もそのまま下ろうと思ったのですが、思った以上につるつるな上に、脇道もよく踏まれたのか、それとも雨で一旦溶けて再凍結したのか滑りやすかったので、チェーンアイゼンを装着することにしました。その間に2人の方が通って行ったのですが、やはり滑って転んでしまい、結局みなさん軽アイゼンを装着していました。

 登山道上はかなりつるつるで、チェーンアイゼンではほとんど刺さらなかったので、脇道を下って行きました。鞍部まで下ってみると、予想通り雪がなくなっていました。氷上での効きは悪いですが、雪の有無が繰り返されると思ってチェーンアイゼンとしたのでした。

【不動ノ峰と丹沢山】

【一旦雪のない道に】

【雪だるま】

【雪道と稜線の眺め】

【丹沢山頂】

【頂上碑】

【不動ノ峰と右奥に蛭ヶ岳】

【笹原の気持ちよさそうな道】

【階段を登る】
 丹沢山へは、小高いピークを越えてその奥にあります。今回登った山々は手前の山から見るとかなり近く見えるのですが、歩いてみるとやはり結構時間がかかります。それでも、まだこのあたりは元気だったでしょうか。

 丹沢山も広々とした山頂が広がっています。あまり展望もありませんので、少し休憩をしたら蛭ヶ岳に向かいます。下りの斜面はやはりアイスバーンが残っていますので気を付けて下ります。ただ、雪は気温が上がって緩んで来ていたようで、足首が埋まるような場所もありました。 

【丹沢山を振り返って】

【雪が緩んで時々足が潜るところも】

【徐々に近づく蛭ヶ岳】

【不動ノ峰奥の分岐】
 まずは一気に下って行きます。このあたりは日陰になっているので、アイスバーンになっている箇所もありましたが、脇は普通に歩くことができました。鞍部から登り返して行くと不動ノ峰になります。蛭ヶ岳にはぐっと近づいて来ますが、まだまだ先は長いです。

 その後緩やかなアップダウンを経て、鬼ヶ岩の下りになります。蛭ヶ岳から先のルートに比べれば歩きやすいと思いますが、蛭ヶ岳までの道のりでは最も気を付ける場所でしょうか。ただ、思っていた以上に雪が溶けていて、アイゼンを効かせる必要のある場所はあまりなく、意外とあっさり通過することができました。

【手前のピークの奥が鬼ヶ岩の下り】

【鬼ヶ岩は凍結箇所が思ったよりも少なく】

【蛭ヶ岳とまだまだ遠い左奥の檜洞丸】

【蛭ヶ岳への最後の登り】

【蛭ヶ岳山荘】
 鬼ヶ岩を下って鞍部に到着すると、いよいよ蛭ヶ岳への最後の登りになります。このあたりから、左太ももの付け根あたりが痛くなって来て、足を上げる度に痛んで大変でした。ただ、体力はまだ残っていたのでゆっくりゆっくり登ってようやく蛭ヶ岳山頂に到着です。

 ここからは、見事な富士山が見えるはずなのですが、やはり肉眼でなんとか見える程度です。ただ、この日は歩きに集中する意味でもそれはそれで良かったかもしれません。ここでは、少し時間を取って、休憩をしたり写真を撮って過ごしていました。

【展望の広がる広々とした山頂】

【丹沢山塊最高峰 頂上碑】

【うっすらと見える富士山と檜洞丸】

【富士山】
 この先どうするかですが、戻るのにかかる時間と縦走して抜けるのにかかる時間はあまり変わらないでしょう。縦走するとなると問題となるのは、実際にかかる時間と未知のルートであることでしょう。さすがに蛭ヶ岳まで程は歩かれていませんが、それなりにトレースがありますので、多少険しいかもしれませんが歩くのは問題なさそうです。バスの時間もほぼコースタイム通りに行けば、30分程余裕がありますので、なんとか間に合いそうでした。問題としては、太ももの痛みと疲労で登りがかなりきつくなって来たところで、檜洞丸への登りが正念場になりそうでしたが、せっかくなので決行することにしました。

【檜洞丸方面の眺め まずは左手の臼ヶ岳に向かって歩いて行きます】

【檜洞丸をズーム 手前に向かってなだらかになっており下から見ると手前が山頂に見えるようです】

【道中の木々の合間より見事な蛭ヶ岳と棚沢ノ頭】

【アイスバーンになった急斜面を振り返る】

【急斜面の岩場を見上げて ここは凍結箇所なし】

【臼ヶ岳分岐付近のベンチより蛭ヶ岳方面を振り返る】
 まずは蛭ヶ岳からの急斜面を下って行きます。ここは、何度も手前に注意書きの看板が出ているように注意を要する箇所が出てきます。特に日陰のアイスバーンは、部分的に脇に避けられない箇所もあって慎重に下って行きました。また、一箇所岩場の急斜面もあります。ただ、このようなアイスバーンがなければ、慎重に歩けばそこまで危険ではないとは思います。

 一旦下った後は方向を変えて臼ヶ岳へ向かって緩やかに登って行きます。途中で振り返った蛭ヶ岳は初めて見る角度でしたが本当に見事でした。丹沢山からですと裾まで見えないので、余計に立派に見えたのかもしれません。

【路肩が崩壊した箇所も】

【再び登り返し】

【神ノ川乗越 鞍部を通って】
 緩やかな登りとはいえ、足の状態が状態ですのでなかなかしんどかったです。それでも、緩やかな登りだったので助かりました。臼ヶ岳の手前を右手に折れて行きますが、ここにベンチがあるので少し休憩を取りました。このあたりからはこまめに休憩を取りながら進みました。

 その後は再び下っては登ってという感じですが、神ノ川乗越あたりが一番標高が低いでしょうか。やせ尾根に注意しながら進んで行くと、檜洞丸がぐっと近づいて来ますが、思ったよりも標高が低く感じました。実は上部は緩やかな斜面になっていて、見えていたのは手前の急登を登り切ったあたりだったのでした。 

【思ったよりも低い檜洞丸と思ったら山頂ではありませんでした】

【完全なアイスバーンになった道】 
 少し登って行くとベンチがあったのでそこで休憩をして先に進んで行くと、急斜面に付けられた橋があってそこを渡ります。橋を渡った後は急斜面の雪道になっているので、慎重に下って行きます。このあたりは金山谷乗越と呼ばれているようです。

 この後は檜洞丸への取り付きとなり、本格的な登りとなっています。急斜面というわけではありませんが、とにかく登りが続いています。このあたりでもすれ違う人がちらほらいました。恐らく蛭ヶ岳山荘あたりに泊まるのでしょう。

【橋を渡って急斜面を慎重に下る】

【梯子を下る】

【遠くなった蛭ヶ岳を振り返って】

【青ヶ岳山荘】
 しばらく登って行くと少し離れた場所から見えた頂上付近に到着します。やはり、そこは山頂ではなく緩やかな登りが続いています。標高がまだまだだなと思ったらやはり山頂の手前だったのでした。

 このあたりになると、かなりしんどい登りが続きますが、本格的な登りは檜洞丸までだということで頑張って登って行きます。山頂の手前には青ヶ岳山荘がありますが、休業中のようでした。ここで少し休憩をして、再び山頂を目指します。この僅かな距離を登るのも苦労しました。

【山頂はすぐそこですが】

【広々とした山頂】

【木々に囲まれて展望はあまりなく】
 山頂は木々に囲まれてすっきりとした展望はありませんが、広々としており、木々の合間から景色を眺めることができました。ただ、冬以外は生い茂った木々に囲まれてほとんど展望はないかもしれません。先に少し休憩をしましたので、山頂では休憩をせずにそのまま下って行きます。結構がんばったつもりでしたが、この時点で17時5分のバスに対して、コースタイム通りであれば20分前に到着するくらいで、登りが多いと厳しいところですが、下り中心なのでなんとか間に合うかなという感じでしょうか。

 最初は木の階段が多く、日当たりがいいせいか雪も少なめでしたが、様子見でアイゼンは付けて行きます。 

【上部は階段が多い】

【ゴーラ沢出合】

【歩きやすいトラバース道が続く】
 下の方の斜面を見ると結構雪があるなと思っていたらやはり雪道が出てきます。下って行くに連れて当然雪は少なくなりますが、現れるとほぼアイスバーンになっていて、アイゼンがないとかなり歩きにくそうな場所も多々ありました。標高1100mくらいになってさすがにもう出てこないだろうと思って外してみると、その後も登山道を覆うアイスバーンがあって苦労させられました。

 標高1000mあたりになるとさすがに雪もすっかり見えなくなります。アイゼンを外したり、アイスバーンに時間をかけたりと思ったよりも時間をロスしつつもようやくゴーラ沢出合に到着です。ここは、渡渉地点をじっくり探して渡ります。

【登山口へ】

【ようやくバス停へ】

【建物前で片付けをしつつバスを待つ】
 渡って表示を見ると残り2.2キロで、その後の表示を見る限りではもっと長い距離が残っていたようでした。ここまでかなりのんびりしてきたので、さすがにこれはまずいと思って少しペースを上げて行きました。若干アップダウンはあるものの、歩きやすい登山道が続きます。途中、キャンプ場経由のルートとの分岐がありましたが、よくわからなかったのでそのまま山道を進んで行きました。

 最後九十九折れの道を下って行くとようやく登山口に出ますが、この後にバス停まで500m程歩いて行くことになります。こうして17時前になんとか西丹沢自然教室のバス停に到着することができました。 
 ストックなどをしまって、ジュースを買ってのんびりするにはちょうどいい時間でした。その後、バスで新松田駅まで移動して、小田急線で渋沢駅まで移動、最後は大倉駅行きのバスに乗って無事車を回収することができました。それなりの本数のバスがあるのは便利ですね。
 今回は靄がかかったような展望だったのは残念でしたが、無事縦走ができたのは良かったと思います。今度訪れる時は主稜線を外したルートをと思うのですが、また同じルートを歩いているのかもしれません。


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