やつがたけ | |
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登山日: 2014年2月11日(火) | 標高:2899m(赤岳) |
標高差:美濃戸口から約1410m |
2月11日(火) | 美濃戸口 5:00 → 美濃戸山荘 6:10(〜20) → 行者小屋 8:20(〜9:00) | ||||
→ | 地蔵の頭 10:00 → 赤岳 11:00(〜12:10) → 行者小屋 13:15(〜13:35) | ||||
→ | 美濃戸山荘 14:40 → 美濃戸口 15:20 |
本日は赤岳に登ります。この週末からの連休は、大雪で積もった雪を楽しみつつ富士山を眺めるという目的でしたので、八ヶ岳まで足を伸ばす予定はありませんでした。しかし、日曜日月曜日と連続して富士山が見えなかったどころか雪に降られるような状態で、この日も晴れではあったものの雲が多そうであったことから、すっきり晴れそうな八ヶ岳の山域まで移動することにしたのでした。一応このような展開になる可能性もあったので、装備は車に積んでいたのですが、問題はテルモスがなかったことで、ペットボトルの水が凍らずに済むかという問題がありました。寒い場所で冷たい飲み物を取ることへの抵抗はあまりないのですが、さすがに凍ったものは飲むことができません。結果としては一部凍っただけで済みました。 | ![]() 【美濃戸への林道歩き】 |
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![]() 【北沢南沢分岐】 |
前日越前岳から下った後、この赤岳行を決めてまずは山中湖付近の日帰り温泉に寄ります。富士五湖近辺の雪も多かったですが、この時期は比較的雪があるイメージなのであまり違和感はありませんでした。 その後山梨県の中心部に入った後、中央自動車道が通行止めになっていることから国道20号線で現地に向かいます。この道がひどく混んでいて、車が多いのではなく、所々にアイスバーンがあってスピードを落とすので渋滞していたのでした。このせいで、車中泊をする予定の小淵沢の道の駅に着いたのはすっかり夜も更けた頃でした。また、このあたりは結構道路上にも雪があって、翌日に不安を抱えながらの一晩となりました。この日の夜中には道の駅に除雪車が来て除雪をしており、かなり遅い時間まで除雪作業をしていたようです。 |
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![]() 【徐々に迫る横岳】 |
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![]() 【まだ日の当たらない行者小屋へ】 |
翌日朝早い時間帯に美濃戸口へ向かいます。道路上の雪はぼちぼち残っていましたが、中途半端に再凍結を繰り返してアイスバーンとなった道よりは走りやすかったかもしれません。特に問題なく美濃戸口まで到着です。この大雪の影響か駐車されている車は少なかったです。 準備ができたら出発です。過去と同じように軽アイゼンを装着して歩いたのですが、皮肉にも雪が程よく積もって行者小屋までアイゼンのいらないような道でした。いつもなら凍結箇所があるのですが、この日は全て雪道でスリップするような箇所はほとんどありませんでした。それでいて道はよく踏まれていてラッセルも必要もありませんでした。 |
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![]() 【赤岳〜中岳〜阿弥陀岳の景色】 |
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![]() 【地蔵尾根分岐】 |
この日は昼間は気温もそこそこ上がって風も穏やかな好条件のそろった日になる予定でしたが、朝はかなり冷え込んでおり、出発時点で−15℃で、まだ日の当たる前の行者小屋付近はかなりの寒さだったと思います。行者小屋でアイゼンとピッケルに装備を変更するわけですが、この間本当に寒かったです。このような状態で稜線に出て大丈夫なのかと思うのは、毎度のことのようです。 準備ができたら出発します。今回はきちんと準備をしたわけではないので、昨年と全く同じルートを歩くことにしました。まずは、地蔵尾根を登って行きます。こちらもよく歩かれていて、雪はよく均されていました。 |
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![]() 【最初はひたすら雪道を登って行く】 |
![]() 【最初の階段が雪が詰まって歩きにくく】 |
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![]() 【かなりの急斜面ですが写真ではそう見えず?】 |
最初はひたすら樹林帯の道を登って行きます。結構険しいイメージのある地蔵尾根ですが、この登りで標高を稼いでいきます。危険ではないですが、一定以上の斜度がしばらく続きますのでなかなか大変です。 これを登って行くと階段が現れます。このあたりから、本格的な急斜面が続きます。この最初の階段は隙間が雪で埋まってかなり登りにくかったです。この日一番歩きにくかったかもしれません。同じルートを歩いていても、雪の状態によって随分感じ方が違うものです。 |
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![]() 【堂々たる中岳と阿弥陀岳】 |
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![]() 【見事に居並ぶ北アルプスの山々】 |
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![]() 【こちらの階段は意外と登りやすい】 |
この後も急斜面が続いていますが、トレースは明瞭でステップも脆いところがあるものの切られているので、それをたどって一歩一歩登って行きます。基本的に険しい山にはあまり登らないので、ピッケルをフルに活用したのは久しぶりでした。なお、登り始めはまだかなり寒かったのですが、気温が上がってきたのと、急登の連続で体が温まったのか、ある程度登った頃にはあまり寒さを感じなくなっていました。 最後の地蔵ノ頭へのやせ尾根は、地蔵尾根らしい険しさがありますが、登りであることもあり、トレースに沿って歩いて行けば特に問題はありませんでした。ただ、岩が露出したところでアイゼンを引っかけないように注意しました。 |
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![]() 【最後のやせ尾根手前の道】 |
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![]() 【地蔵ノ頭へ最後の登り】 |
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![]() 【やせ尾根と阿弥陀岳を振り返って】 |
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![]() 【地蔵ノ頭】 |
最後のやせ尾根を登りきると地蔵ノ頭に到着です。大雪の影響で登山者が少ないのか時々下山して来る方とすれ違う程度で静かな稜線となりました。予報通り風は穏やかでしたが、このあたりはそれでも風があった方でしょうか。 しばし景色を楽しんだら先に進みます。実はこの時お腹の調子があまりよくなかったので、赤岳展望荘でトイレを借りさせていただきました。そのまま行けたかなという気もしましたが、あまりお腹を気にしながら歩くのも良くないので、営業中で良かったです。ちなみに余談ですが、、今回のコースタイムは驚くほど前回歩いた時と似ていたのですが、この赤岳展望荘で滞在した時間だけ余分にかかっていたのはおもしろかったです。 |
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![]() 【横岳を眺めて】 |
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![]() 【赤岳展望荘と赤岳】 |
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![]() 【赤岳展望荘にて】 |
赤岳展望荘からはひたすら急登を登って行きます。前回このあたりを歩いた時の記憶があまりなかったのですが、思ったよりも急斜面のように感じました。ただ、赤岳は全般的に急登が多いので、特にここが急ということはないでしょう。 急登を登りきれば山頂です。赤岳はこれで4回目ということで、お馴染みの山頂になったでしょうか。積雪期は3回目で、毎回風の穏やかで天気のいい日を選んで来ましたが、今までで一番暖かく、かつ風の穏やかな日となりました。特に風は山頂なのでそれなりにはあるのですが、時々無風になるのには驚いてしまいました。いつものように指先を温めながら写真を撮るという必要はありませんでした。 |
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![]() 【最後の急登へ】 |
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![]() 【硫黄岳〜横岳と赤岳展望荘を振り返る】 |
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![]() 【山頂へ】 |
![]() 【南峰の山頂にて】 |
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![]() 【蓼科山から続く山々と左奥の北アルプス及び右奥の浅間山の眺め】 |
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![]() 【北峰山頂】 |
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![]() 【阿弥陀岳と北アルプスの展望】 |
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![]() 【横岳と奥は四阿山から浅間山の眺め】 |
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![]() 【高妻山と頸城三山】 |
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![]() 【蓼科山】 |
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![]() 【天狗岳 西天狗と東天狗】 |
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![]() 【白馬岳】 |
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![]() 【鹿島槍ヶ岳と五竜岳】 |
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![]() 【穂高連峰と槍ヶ岳】 |
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![]() 【阿弥陀岳を拡大】 |
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![]() 【乗鞍岳と諏訪湖】 |
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![]() 【御嶽山】 |
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![]() 【中央アルプスと右手前は富士見パノラマ】 |
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![]() 【浅間山】 |
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![]() 【赤岩の頭〜硫黄岳と左奥は天狗岳】 |
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![]() 【北アルプスの眺め 左手前は霧ヶ峰右中央は美ヶ原】 |
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![]() 【金峰山】 |
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![]() 【いつもそこにあった富士山はなく】 |
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![]() 【権現岳と雲がかかりつつある南アルプス】 |
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![]() 【権現岳とギボシと奥は北岳〜甲斐駒ケ岳〜仙丈ケ岳】 |
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![]() 【赤岳頂上碑】 |
山頂には北峰と合わせて結局1時間以上も過ごしてしまいました。寒くても長居してしまうであろう絶景であるにも関わらず、風も穏やかで暖かいとなれば長い時間を過ごしてしまうのは仕方がないところでしょうか。時々登って来ていた登山者もほとんどいなくなった頃、その頃に登って来た方と写真を撮りあって、名残惜しくも山頂を後にしました。 文三郎尾根を下って行くわけですが、山頂で会った県界尾根から登って来た学生さんはそのままやはりトレースのない真教寺尾根を下って行きました。無雪期ですら歩けるかどうかという尾根ですから、別世界のような話でした。 |
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![]() 【トレースが付いたばかりの稜線の道】 |
![]() 【文三郎尾根分岐】 |
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![]() 【急斜面を慎重に下る】 |
文三郎尾根分岐を経ると急斜面の下りが待っていますが、ルートはよく踏まれていて歩きやすくなっています。昨年も歩いたのに赤岳の登りと同様、思ったよりも急斜面に感じたのでした。気になっていた狭いトラバースは健在でしたが、思ったほど雪が付いていなかったのでもちろん慎重には歩きましたが、問題なく通過することができました。さらに下ると阿弥陀岳方面との分岐です。 このあたりは風の通り道になるためか、風の穏やかなこの日にあっても結構な風が吹いていました。そして、この付近での遭難を題材にした小説を思い出していたのでした。 |
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![]() 【気になっていたトラバース】 |
![]() 【キレット方面分岐】 |
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![]() 【阿弥陀岳と北アルプスの展望】 |
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![]() 【正面に堂々とした阿弥陀岳】 |
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![]() 【行者小屋への分岐と見事な眺め】 |
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![]() 【急斜面を下って行く】 |
行者小屋への分岐から下って行きます。この下りもまた、横岳から硫黄岳の眺めや阿弥陀岳、そして奥に広がる北アルプスの絶景を眺めながらの下りです。ただ、急な下りですので、展望に見とれているばかりではいけません。特に、今回は上部ではあまり感じなかったものの、この行者への下りでは雪が多くて高度感のある所がありました。この場所に限った話ではないですが、やはり赤岳はトレースがしっかりしているからこそ登れるのだなと改めて思ったのでした。 下るに連れて風もなくなり暑くなって来ました。急斜面を終えた後は手袋を外して歩きました。こうして行者小屋に無事到着してほっと一息を付きます。 |
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![]() 【絶景の広がる下りの眺め】 |
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![]() 【行者小屋へ 奥には硫黄岳が】 |
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![]() 【赤岳と中岳】 |
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![]() 【最後は圧雪されたような林道を歩いて美濃戸口へ】 |
しばらくのんびりしていましたが、さすがにお昼を過ぎて気温も徐々に下がって来ているようで寒くなって来ました。美濃戸口まではまだ長いので下ることにします。 登りでは軽アイゼンで歩いた道ですが、雪で繋がっていて問題なさそうでしたので、下りはノーアイゼンで歩きました。場所によっては足を滑らせながら戻って行きます。登りで無理せずゆっくり登ったせいか、ばてばてにならずに美濃戸口まで戻って来ることができました。富士山を見られなかったことだけが残念ですが、申し分のない天候と展望で、この前2日間のもやっとしたものを吹き飛ばしてくれるような山行となりました。 |
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