えちごこまがたけ | |
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登山日: 2014年4月13日(日) | 標高:2003m(越後駒ヶ岳) |
標高差:石抱橋から約1220m |
4月13日(日) | 石抱橋 7:25 → 道行山 9:55(〜10:15) → 駒の小屋 12:50 | ||||
→ | 越後駒ヶ岳 13:20(〜14:00) → 道行山 15:30(〜45) → 石抱橋 17:20 |
本日は越後駒ヶ岳に登ります。前日には西丹沢オフ会があり、正直その翌日に登るには厳しい状況でしたが、この時期の新潟方面の天気にしては、絶好の天気であることから、かねてより考えていた残雪期の越後駒ヶ岳に登ることにしました。 越後駒ヶ岳は日本百名山最後の山として、一昨年荒沢岳からの縦走で歩いたものの、その時は強引に1泊2日にしたこともあって、最後に登った越後駒ヶ岳は記念の山であるにも関わらず山頂ではガスガスでした。その後は、時間に追われるように下ってしまい、越後駒ヶ岳はどのような山であるのか、ほとんど知ることなく山行を終えてしまいました。したがって、いつか再登しようと思っており、特に残雪期の記録が美しかったことから狙っていました。 |
![]() 【石抱橋へ曲がる交差点 まだ路肩の雪も高く】 |
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![]() 【石抱橋】 |
この時期のシルバーラインは夜間通行止めのため、早朝から入ることができません。ただし、そもそも丹沢からの移動で時間がかかって現地入りが遅れたため、道の駅で仮眠を取った際に起きられず、開通時間より遅くにシルバーラインに入ることになりました。 山行日に入ると出発が遅くなり、順調に歩けば問題ないものの、何かのアクシデントなどで下山が遅れると今度は出られなくなる可能性もあります。山スキーなら下りが速いので問題ないと思いますが、歩いて登る場合には前夜に入るか、何時までに引き返すかきちんと決めた方がいいでしょう。 |
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![]() 【石抱橋からの眺め】 |
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![]() 【前回縦走の最後となったこの地点より出発】 |
ちなみに、この日出発したのは自分が最後であり、登山者で山頂まで行っていたのは自分だけでした。山スキーの方は結構登っていますが、登山者の方は道行山かそのちょっと過ぎたところあたりまでで引き返している方が多かったです。実際、道行山まで登れば、越後駒ヶ岳の雄姿を拝むことができますので、それも十分ありだと思います。 石抱橋の手前の路肩に駐車して、他の方は出発してすっかり静かになった中を出発です。トレースに沿って高い位置にある林道に向かって行きます。途中でよじ登るのですが、段差が大きく場合によっては危険になりそうなので、手前から林道を歩くのも選択肢だと思います。実際、下山時は大回りしてもう少し石抱橋に近づいてから林道を外れて下っています。 |
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![]() 【右奥に越後駒ヶ岳 左の電柱の奥に中ノ岳】 |
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![]() 【林道に上がったあたりから振り返る 左に林道が続いています】 |
その後は基本的に林道に沿って歩いて行きます。時々アップダウンを繰り返しながら川沿いの道を歩いて行くような感じになるのですが、この時間は雪がまだ締まっており、トレースがスキーのトレースばかりで凹凸がないので、斜度のあるところはとにかく滑って大変でした。この日の長丁場を考えると、危険でもない限りはあまり早い時間帯からアイゼンは装着したくなかったのでそのまま進んで行きます。 左手に見えている荒沢岳が見事で、この山は登っている途中あらゆる場所で見えていました。まだこのあたりですと、西側のピークの方が高く見えるようです。 |
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![]() 【荒沢岳と銀山平の温泉街でしょうか】 |
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![]() 【荒沢岳から中ノ岳の山並み】 |
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![]() 【まだ真っ白な中ノ岳】 |
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![]() 【ちょっと嫌なスノーブリッジ】 |
しばらく歩いて行くとスノーブリッジがあります。これがなくなると結構遠回りになるようで、気がかりな場所ではありますが、この時はまだまだ大丈夫そうでした。それでも、やはり下に川が流れているとどうしても渡るときは心配になります。 その後も川沿いの道を進んで行きますが、ほとんどのトレースはそのまま白沢に向かっています。残雪期に登るルートとしては、もう少し林道を歩いて白沢から詰めていくルートと、ほぼ夏道通りに尾根を歩いて行くルートがあります。白沢からのルートの方がアップダウンがないので効率はいいのですが、事前の記録では既に滝が露出して進むのが難しいとありました。ましてやツボ足ではとても無理なのではないかということで、林道を戻って1064m峰に取り付くことにしました。 |
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![]() 【1064m峰への直登 夏道はもう少し右手に回り込むようです】 |
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![]() 【登っている途中から銀山平を振り返って 正面は未丈ヶ岳】 |
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![]() 【1064m峰から道行山への稜線】 |
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![]() 【随所に見られたクラック】 |
あまりないように思っていたトレースですが、取り付いてみるとそれなりには付いていました。わかりやすく尾根道を直登して行きます。この時間は雪の硬さもほどほどで歩きやすかったのですが、時折クラックが見えているので慎重に歩いて行きます。今回このクラックが多かったのが印象的で、斜度のあるところで時々口を開けていました。 登って行くに連れて展望が広がって行きます。正面に1064m峰から道行山への稜線が見えて来て、さらに1064m峰を経て道行山へと登って行くと、堂々たる越後駒ヶ岳が見えてきます。前回は中ノ岳方面からしか見ていませんが、正面からの越後駒ヶ岳は本当にどっしりとしています。 |
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![]() 【道行山へ】 |
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![]() 【右奥は未丈ヶ岳 左奥は毛猛山あたりでしょうか】 |
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![]() 【越後駒ヶ岳が見えて来て】 |
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![]() 【荒沢岳も鋭い山容を見せるように】 |
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![]() 【やや急な雪道】 |
1064m峰を過ぎて右に折れて道行山に向かうあたりで、前方の2人組の方がスキーを装着していました。若干足が取られるかなと思われる場所もありましたが、概ね問題なく進んで行けます。 この雪道をひたすら登って行くと道行山に到着です。随分登って来ましたがまだ先は長いです。山スキーの方以外にも、4人組のアイゼンピッケルを装着した登山者や、他にも登山者が何人かいました。2人組のおじさんは小倉山に向かって少し歩いたら戻るとのことでしたい、他の方も小倉山方面に下って来ていなかったようで、この道行山でのんびり過ごして下山したようでした。 |
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![]() 【左奥の兎岳から中ノ岳への稜線】 |
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![]() 【右奥の1064m峰を振り返る】 |
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![]() 【真っ白な斜面を登って行く】 |
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![]() 【こじんまりとした道行山より越後駒ヶ岳】 |
道行山からは正面の越後駒ヶ岳の他パノラマの景色が広がっています。素晴らしい景色なのですが、1064m峰以降は、樹木類は完全に雪の下であるため、基本的には展望が広がっています。前回本当に同じ山を歩いたのだろうかと思うくらい尾根の様相は変わっていました。 少し休憩をしたら、まだ先は長いので出発します。ちょっとした下りがありますし、その先もやややせた尾根も見えたので、ここでアイゼンを装着することにしました。アイゼンを効かせて一旦鞍部まで下って、再び気持ちの良い稜線を歩いて行きます。しばらくなだらなか道を歩いて行きます。 |
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![]() 【右中央の小倉山を経て越後駒ヶ岳へ続く道】 |
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![]() 【正面から越後駒ヶ岳】 |
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![]() 【美しい稜線歩き】 |
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![]() 【早くも山スキーで下って来る方が】 |
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![]() 【小倉山への急登】 |
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![]() 【小倉山のトラバースはスキートレースで歩きにくく】 |
小倉山が近づくと本格的な登りとなって来ます。といっても、それほどの標高差はないので、長い登りではありません。正確には小倉山はピークを踏まずに手前をトラバースします。トレースはきちんとありますが、これがスキートレースのため、踏むと崩れてしまって全然使えませんでした。スキートレースの少し上部を若干ラッセルしつつ進んで行きます。そこまで危険ではないと思いますが、ここは今回のルート上唯一トラバースで注意する箇所になると思います。 トラバースを過ぎると今度は広々とした稜線を越後駒ヶ岳へ向けて歩いて行きます。しばらくはなだらかな稜線歩きですが、駒の小屋に近づいて来るとそこそこの斜度の登りとなります。この駒の小屋直下までの登りもクラックが多かったように思います。 |
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![]() 【堂々たる越後駒ヶ岳】 |
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![]() 【広々とした稜線歩き】 |
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![]() 【徐々に左手の本格的な登りへ】 |
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![]() 【このあたりから急な斜面に】 |
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![]() 【歩いて来た稜線を振り返る】 |
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![]() 【兎岳〜中ノ岳】 |
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![]() 【急登の後は一旦なだらかになって駒の小屋直下まで このあたりもクラックが】 |
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![]() 【休憩して絶景を眺める】 |
急登の後は一旦なだらかな道になります。ここも急登と同様に所々にクラックがありました。それを除けば歩きやすい道が続いています。しばらく歩いて行くと、離れた場所からは壁にすら見えた駒の小屋直下の登りとなります。 ここで一旦休憩をした後に急登に取り掛かりました。ちなみに、山スキーの方もこの前の急登はジグザグに切ってスキーで登っていましたが、ここだけはスキーを担いで登っていました。ただ、歩いた人のトレースできれいにステップになっていたので、歩きやすかったです。この急登を登り切ると駒の小屋に出ます。 |
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![]() 【駒の小屋直下の急登を登る スキーの方達もここだけはツボ足で登っていました】 |
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![]() 【側面を見るとなかなかの斜度】 |
![]() 【もう一息】 |
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![]() 【駒の小屋へ 意外と埋まっていない】 |
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![]() 【越後駒ヶ岳への最後の登り】 |
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![]() 【駒の小屋と右の荒沢岳を眺める】 |
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![]() 【稜線に出れば間もなく山頂へ】 |
駒の小屋からも稜線出合まで登りが続いています。ここは、その手前の急登に比べればそこまでの斜度ではありません。しばらく登って行くと稜線出合となります。稜線出合といっても、出合から右に折れて少し登って行くと間もなく越後駒ヶ岳山頂に到着です。結局6時間もかかってしまいました。このあたりは雪の状態によっても随分変わってくるかもしれません。 山頂からは見事なパノラマの景色が広がっています。ちょうど山スキーの方達も登っていましたので、お互いに写真を撮り合いました。その後は、あまりの素晴らしい景色に一生懸命写真を撮っていたのでした。さすがに時間が時間ですので、遠方は霞んで来てはいます。 |
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![]() 【辛うじて露出している頂上碑と八海山】 |
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![]() 【八海山を背景に】 |
写真を撮ったらさらにのんびりとしたいところでしたが、この日はシルバーラインが閉鎖される前に出なければならないので、下山に取り掛かります。山スキーの方々はみなさん既に下っていて、山頂はすっかり静かになっていました。 雪道の下りですので快調に下って行きます。山スキーの方達は下ってしまったのかと思ったら、駒の小屋付近で軽く宴会をしているようでした。山頂と違って確かに小屋付近は風も穏やかです。駒の小屋直下の下りは気を付けて下って行きます。この時間になって来ると、雪が緩んで来ますし、足もところどころ嵌るようなところもあって歩きにくくなってきていました。 |
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![]() 【左奥の守門岳と右の浅草岳】 |
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![]() 【右奥の中ノ岳への稜線 その左に兎岳 左奥の平たい山が平ヶ岳 一番左にうっすらと燧ヶ岳】 |
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![]() 【荒沢岳 麓とは随分様相が変わって】 |
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![]() 【一番奥が浅草岳】 |
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![]() 【燧ヶ岳】 |
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![]() 【平ヶ岳】 |
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![]() 【巻機山】 |
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![]() 【八海山 八ッ峰】 |
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![]() 【八海山 左が入道岳 中央奥が八ッ峰】 |
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![]() 【左奥の巻機山と八海山】 |
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![]() 【左奥の荒沢岳から続く稜線 一昨年はここを周回しました】 |
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![]() 【荒沢岳を眺めながらの下り】 |
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![]() 【急斜面の亀裂】 |
その後の急な下りも過ぎて、緩やかに下って行きます。小倉山のトラバースは相変わらず歩きにくかったですが、登りの時に大体の要領は掴めましたので、同じように戻って行きました。この頃になると随分疲れていて、その後鞍部まで下ったのはいいのですが、道行山までの僅かな登り返しがとてもしんどかったです。それは山スキーの方達も同じようで、鞍部でシールを付けて息を切らせながら登っていました。 道行山まで登り返せば後は下りです。とはいえ、下りはもっと早い山スキーの方達はしばしの休憩の後、あっという間に下って見えなくなりました。自分も、ここで最後の長めの休憩をとってから下って行きます。登山者は他にいませんので、ここからは他に誰もいない一人旅となりました。 |
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![]() 【てかっている越後駒ヶ岳】 |
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![]() 【小倉山のトラバース】 |
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![]() 【右奥の道行山への登り返しがなかなか大変でした】 |
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![]() 【道行山からの越後駒ヶ岳の雄姿も見納めて】 |
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![]() 【荒沢岳〜中ノ岳の絶景を眺めながらの道行山での休憩】 |
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![]() 【この時間でもすっきりと見えていた荒沢岳】 |
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![]() 【既に日陰になった川沿いの林道歩き】 |
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![]() 【沈みつつある夕陽】 |
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![]() 【日もすっかり傾いた頃登山口へ】 |
雪が緩んでやや足が嵌ることを除いては比較的順調に下って行けたと思います。ただ、尾根上のクラックは歩きたいところのすぐ脇にあって慎重に下りました。 結局日がすっかり傾いた午後5時過ぎになんとか戻って来ることができました。石抱橋付近の車はすっかりなくなっていて、最後にゆっくり帰路につきました。移動だけでも大変でしたし、山も一筋縄では行きませんでしたが、好天に恵まれたこともあって、条件のいい中最高の山行になったのではないかと思います。がっつり残雪期の山を歩くにはいい山ではないでしょうか。 |
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