あいづあさひだけ
 会津朝日岳
登山日: 2014年6月15日(日)   標高:1624m(会津朝日岳)
    標高差:駐車場所から約1170m


 6月15日(日)    駐車場所 5:45 → 登山口 6:30 → 叶の高手 9:25 → 会津朝日岳 11:20(〜12:10)
   叶の高手 13:20 → 登山口 15:15 → 駐車場所 16:00

 

 この週末は残った三百名山の3山のうちの1つである会津朝日岳に登ります。天候の関係で日曜日に登ることにしたのですが、せっかく新潟方面に向かいますので、新潟のブロ友さんであるまーりさんに声をかけさせていただいたところ、yuさんも駆けつけていただき、へぎそばを食べて、乾杯をさせていただきました。山はほぼ1人旅のような感じになると思いますので、その前に楽しい時間が過ごせて良かったと思います。

 会津朝日岳は、会津地方でも最も奥の方に位置する山で、結局今回は新潟側から入って行きました。この山は2011年に土砂災害があって林道が塞がれてから登山ができない状態が続いています。2年待って今年こそはと思っていたのですが、早々に今年度の復旧がないこと、復旧工事は来年度以降始めるとのことで、来年度からの工事では来年度中に復旧するのは難しいと判断したことから、無理をせず行けるところまで行くことにしたのでした。なお、後日談となりますが、復旧工事は来年度からとのことでしたが、その来年度の6月に4年ぶりに山開きが行われるということで、いい意味でこの記録が役に立たなくなりそうで良かったと思います。

【前日の夜は山仲間と乾杯】
 
【車道から歩き始める】
 結果論から言わせていただくと、元々がよく整備されていたのと、恐らく登山ができない状態の時でもこまめに人が入ったり、部分的に整備などをされていたようで、避難小屋前後に藪っぽいところがあるのと、全般的に草が登山道に若干覆いかぶさっていること、それと登山口を過ぎて間もないところにある川に橋が架かっていないことを除けば、特に問題なく歩くことが出来ました。山頂直下の急斜面の雪渓が、ほとんど歩かれていないので大変ではありましたが、これは整備状況とは関係ありません。山によって違いますので一概には言えませんが、豪雪地帯の山は山開き前に行くと倒木があったり、登山道脇の草が覆いかぶさったりして大変なイメージがありますので、それに比べればむしろ歩きやすかったくらいです。

 土曜日は山仲間と乾杯しましたので、そのまま道の駅で一泊して翌日に現地に向かいました。林道は通じていませんので、その手前から登山口に向けて歩いて行くことになります。
 
【路肩の崩れた林道】

【廃屋や廃車がありました】
 
【登山口へ】
 しばらく路肩が傷んだり、土砂が被さった林道を歩いて行くと、廃墟となったかつての小屋や廃車が数台見えてきます。正直一番荒れているように感じたのはこのあたりでしょうか。ここから林道を折れて山の方に入って行くと間もなく登山口があります。

 登山口から少し奥へ歩いて行くと小川があります。ここは、通常橋が架かっているようですが、この時は架かっておりませんので渡渉する必要があります。どう渡っても片足は水の中に突っ込まないといけませんので、スパッツの防水を信じて、片足だけは川に突っ込ませて渡りました。帰路には若干濡れましたが、登りではほとんど濡れずに渡ることが出来ました。

 その後は、比較的歩きやすい登山道を進んで行きます。登山道脇の草が伸びていますが、そもそもほとんど刈り払われていない山も珍しくありませんので、特に違和感はありませんでした。

【タニウツギの群落】

【渡渉地点】

【比較的歩きやすい登山道が続く】

【脇の沢にはべったりと残雪が】

【若干かき分けて行く道も】

【岩の上を歩いて渡渉しつつ登って行く この手前にもちょっとした徒渉地点がありました】

【サンカヨウ】
 途中何箇所か沢を渡る箇所がありますが、最初の徒渉地点と違って、基本的に岩伝いに渡ることができます。場所によっては、徒渉後の登山道がわかりにくい場所もありましたが、踏み跡の他目印もしっかりありますので、よく見れば迷うことはないと思います。過去の記録を見ると引き返している例がありましたが、恐らく徒渉後の道がわからなかったためだと思います。取り付きだけやや不明瞭で、その後は明瞭な登山道になっていた箇所もありました。

 しばらくはなだらかな道が続きますが、やがて本格的な登りとなって来ます。ちなみに、脇の沢は場所によってはまだ残雪がべったりと残っており、さすがは豪雪地帯といったところでしょうか。しばらく登って行くと、三吉ミチギという水場が出てきますが、さすがにまだ喉は乾いていないので、下りでいただくことにしてさらに登って行きました。

【三吉ミチギ(水場)】

【ムラサキヤシオの群落】

【イワカガミ】

【ウラジロヨウラク】

【ヒメサユリはまだつぼみ】
 このあたりまで登って来るとちらほら花も見られるようになって来ます。サンカヨウやイワカガミなどの他、ムラサキヤシオが鮮やかでした。今回時期的に少し早くて厳しいかなと思ったヒメサユリですが、残念ながら予想通り少し早かったようで、まだつぼみの状態のものしか見つかりませんでした。

 さらに登って行くと叶の高手と呼ばれるピークに出ます。樹林帯のなだらかなピークなので、標柱がなければいつの間にか通り過ぎてしまうでしょう。この後は緩やかながらも避難小屋のあたりに向かって下って行きます。ここまでは登山道中には雪がありませんでしたが、ここから先はちらほら出て来るようになります。ただ、歩いて行くのに特に問題はありません。

【叶の高手】

【このような標柱があるのみ】

【朝日岳の大クロベのうちの1本】
 
【雪渓も徐々に現れて】

【イワウチワ】

【ショウジョウバカマ】

【ナナカマド】

【タムシバ】

【イワイチョウ】

【ツガザクラ】

【ヒメシャガ】
 しばらく歩いて行くと長い雪渓も出てきます。このあたりはまだ結構雪が残っているところもあるようです。また、最近まで雪の重みで横倒しになったままになっていたせいか、倒れた笹薮が結構すごくて押し分けながら進んで行くところもありました。固くて押し分けられないような場所では乗り越えて行ったところもありました。ただ、極めて短い区間ですので、苦労するというほどではないかもしれません。

 やがて、雪渓を歩いて右手に見える登山道に入って行くと避難小屋が見えて来ます。少し回り込むと小屋の正面に出ることができます。かなり年季の入った建物ですが、中はそこそこの広さがあります。その後、さらに樹林帯を進んで行くと視界が開けて、雪渓の急斜面が出てきます。これが、山頂直下の急登で、今回最も気になっていた場所でした。ここで、ピッケルと軽アイゼンを装備しました。

【雪渓も長くなり】

【笹薮を押し分けて行くところも】

【雪渓の途中で右手の登山道に入って行く 基本的にどこかに目印があります】

【避難小屋が見えて】

【小屋の正面に回り込む】

【急斜面を見上げて】

【登って来た斜面を見下ろす】

【一気に絶景が広がる 越後の山々がよく見えて】

【ややトラバースするように越えて行く】
 雪渓はやはり硬くてノーアイゼンでは難しそうでした。傾斜もあるので正直12本アイゼンでもいいくらいでした。ただ、雪渓の切れ目で雪のない区間があったり、山頂付近は雪がないこともあって、取り外しが便利な軽アイゼンはそれはそれで良かったと思います。なお、登山者がそれなりに入っている時にステップが切られていれば、ノーアイゼンや軽アイゼンでも問題なく登って来られるようです。

 登り切るとちょっとしたピークになっていますが、ここは山頂ではありません。ただ、見晴らしは素晴らしく、頂上碑の有無で判断しなければ、ここが山頂と思ってしまうかもしれません。山頂は少し奥になるようでしたので、この場所にアイゼンピッケルを置いて山頂に向かいました。少し藪っぽいところをかき分けて進むと間もなく会津朝日岳山頂です。

【会津朝日岳山頂へ】

【山頂にて】

【北東方面の景色 右奥の浅草岳の他1500m前後の山々が見えています】

【南東側の裏越後三山を中心とした景色】

【田子倉湖と浅草岳 左奥には守門岳】

【手前が大川猿倉山 左奥が毛猛山あたりでしょうか】

【未丈ヶ岳】

【中ノ岳〜越後駒ヶ岳】

【裏越後三山(荒沢岳〜中ノ岳〜越後駒ヶ岳)】

【会津駒ヶ岳】

【堂々たる丸山と左奥は会津駒ヶ岳】

【再び雪の急斜面を下って】
 山頂からは素晴らしい景色が広がっています。晴れてはいても、あまり展望はクリアでないだろうと思っていたのですが、離れた山もくっきりと見ることが出来ました。

 北西方面には、昨年ヒメサユリを見に行った浅草岳やその肩には守門岳も見えていました。西方向の山はよくは知りませんが、まだ沢筋に雪が残っているようにやはり豪雪地帯の山だけあります。南西方向に目を転じると、見事な裏越後三山を見ることができました。南方にはどっしりとした山が見えていましたが、これは丸山岳のようです。その奥には会津駒ヶ岳も見えていました。

 思ったよりも素晴らしい展望に結局1時間弱も山頂付近で過ごしていたのでした。下りも長いですので、十分に景色を楽しんだら下山開始です。まずは、荷物をデポしたところまで戻って行きます。
 

【会津朝日岳を振り返るとたなびく雲が印象的でした】

【稜線の岩場が目立っています】

【登山口へ】
 戻った後は、雪渓の急斜面を下って行きます。若干雪も緩んでおり、軽アイゼンではなかなか止まらないのですが、少しずつ蹴りこんで下って行きました。ピッケルもありますし、落ちても下は樹林帯ですので、その点では安心して下れたと思います。

 その後はひたすら下って行きます。登りでは誰とも会わなかったのですが、下りでは3人の方とすれ違ったり見かけたりしました。ぼちぼちですが、登っている方はいるようです。ただ、1人は何か作業をしているようでした。

 順調に下って駐車場所まで戻って来ることができました。実は、最初は寝不足であまりペースが上がらなかったのですが、最後は快調に歩くことができました。本当はきちんと山開きをした後に登りたかったのですが、それでも懸案の山に登ることができて良かったと思います。これで、残りは以東岳と六甲山となり、最後はどのように登るかいろいろと考えるようになったのでした。
 


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