やりがたけ・おくほだかだけ・まえほだかだけ | |
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登山日: 2014年7月25日(金)〜7月26日(土) | |
標高:3180m(槍ヶ岳) 3101m(大喰岳)3084m(中岳)3033m(南岳)3106m(北穂高岳) 3103m(涸沢岳)3190m(奥穂高岳)3090m(前穂高岳) |
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累積標高 約3330m(上高地から奥穂高岳まで約1680m) |
7月25日(金) | 上高地 6:10 → 横尾 8:25 → 槍沢ロッジ 9:40 | ||||
→ | 槍ヶ岳山荘〜槍ヶ岳 13:25(〜14:45) → 南岳小屋 16:35 | ||||
7月26日(土) | 南岳小屋 6:05 → 長谷川ピーク 7:10 → A沢のコル 7:30 | ||||
→ | 北穂高小屋〜北穂高岳 8:30(〜9:00) → 涸沢岳 10:40 | ||||
→ | 穂高岳山荘 11:00 → 奥穂高岳 11:40 | ||||
→ | 紀美子平〜前穂高岳 13:10(〜14:30) → 岳沢小屋 16:00(〜20) | ||||
→ | 上高地 18:00 |
本日から1泊2日で槍穂の稜線を縦走します。当初は2泊3日で考えていたのですが、日曜日の天気が悪そうであったのと、小屋泊だったので何とか歩けるだろうという甘い考えで1泊2日としたのでした。結果としては、ルートのハードさもさることながら暑さに苦労した2日間となりました。 今回この縦走を決行したのは、昨年の後立山縦走によって「不帰の瞼」「八峰キレット」を歩いて、今年は「大キレット」を歩こうと思っていたのですが、天候も安定した9月はうまく長い休暇が取れそうもなかったからです。9月に長い休暇が取れるならテント泊とも思ったわけですが、今の時期では、まだあまりテントを担いで縦走をしていないので、担いで歩きまわるには不安ですし、そもそも日数も取れず、何よりも険しい箇所を歩くことを思えば、ちょうど小屋泊で良かったかなと思います。 |
![]() 【沢渡バスターミナルにて】 |
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![]() 【上高地で登山届を提出して】 |
実際歩いてみても、小屋泊装備にしたことで、岩場は随分歩きやすくなりました。重さというよりは、ザックが小さい方が正面を向いて下りやすいといったところでしょうか。重心もパッキングや担ぎ方でも変わるでしょうが、やはり小さい方が安定することでしょう。テント泊で縦走している方も結構いましたが、聞かないとテント泊であるかどうかわからないくらいコンパクトにまとまっている方が多かった気がします。 木曜日の夜に仕事から帰宅したら、準備をして沢渡へ向けて出発します。天気予報が結構変わったこともあり、決行すると決めたのが直前だったので、前日に準備をするような状態で、少し出発が遅れました。 |
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![]() 【河童橋】 |
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![]() 【山の方はガスに覆われて】 |
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![]() 【明神】 |
沢渡に着いたのは夜も明けかかった時間で、本当は朝の5時頃に出る始発に乗りたかったのですが、とても眠くて少し遅いバスに乗りました。そのせいかどうかはわかりませんが、バスに乗る人も少なかったです。 上高地に着いたら、登山届を提出して出発です。いつものように河童橋を横に見ながらまずは明神に向けて出発です。予報通り山の方はガスに覆われていました。この日は槍ヶ岳に登るので晴れて欲しいところですが、今回はとにかく歩き切ることが最大の目標ですから、最悪降られなければいいというのがこの時の正直な気持ちでした。そんな時に限ってよく晴れるものです。 |
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![]() 【青々とした樹林帯を抜けて】 |
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![]() 【見えそうで見えない明神岳】 |
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![]() 【徳沢】 |
![]() 【ヤマブキショウマ】 |
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![]() 【ハクサンオミナエシ?】 |
![]() 【ホタルブクロ】 |
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![]() 【横尾へ】 |
明神を経て気持ちの良い樹林帯を通り過ぎて行きます。明神岳は雲に覆われたままでしたが、それでも少しずつ雲が晴れて行っているようでした。徳沢を経てそのまま横尾に向かいます。GWはここから蝶ヶ岳に向かったのでした。 テント泊ですと、平坦な道とはいえ、あまりこのあたりで休憩なしで頑張ってしまうと疲れてしまうのですが、小屋泊装備だったせいか軽い休憩程度で十分歩いて行くことができました。とはいえ、この日の日程を考えると、縮めながら歩かないととても夕方には南岳小屋には着けません。ただ、厳しそうなら槍ヶ岳は諦めて天狗原経由で登ろうと思っていましたので、そこまで根を詰めて歩いていたわけではありません。 |
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![]() 【徐々に山の雲が取れて】 |
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![]() 【休憩地点】 |
ちょっと疲れて来たかなと思う頃に横尾に到着です。この後は登山道に入って行きますので、さすがにここでは長めの休憩を入れることにしました。横尾大橋を眺めると山々の雲は随分取れて来ているようでした。 休憩を終えたらそのまま槍沢へ向かって歩いて行きます。それまで幅広だった道が狭くなりますが、それでも比較的歩きやすい道が続いています。この前にもぼちぼち花はありましたが、このあたりに来ると種類も増えて来ます。所々で沢の流れる気持ちの良い景色を眺めながら進んで行くと、槍沢ロッジに到着です。 |
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![]() 【ヤマハハコ】 |
![]() 【グンナイフウロ】 |
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![]() 【センジュガンピ】 |
![]() 【イワオトギリ】 |
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![]() 【ゴゼンタチバナ】 |
![]() 【シロバナクモマニガナ】 |
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![]() 【クモマニガナ】 |
![]() 【ベニバナイチヤクソウ】 |
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![]() 【槍沢ロッジ】 |
槍沢ロッジは休憩中の方で賑わっていました。先はまだまだ長いので、少し休憩をしたら出発します。しばらくザレタ道などを歩いて行くとテント場であるババ平に到着です。前回槍ヶ岳に登った時はここにテントを張ったのでした。 ババ平を過ぎると川沿いの道をひたすら歩いて行きます。見上げると徐々に槍ヶ岳から連なる稜線も見えて来ました。この頃になると稜線を覆っていた雲はほぼなくなっていたのでした。花を眺めながら進んで行くと広々とした雪渓が現れます。このあたりになると見事に晴れて、むしろ暑いくらいの状態でした。 |
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![]() 【オオバキスミレ?】 |
![]() 【ヨツバシオガマ】 |
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![]() 【アオノツガザクラ】 |
![]() 【ミヤマキンバイ】 |
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![]() 【ニッコウキスゲ】 |
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![]() 【鮮やかなミヤマカラマツ】 |
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![]() 【ミヤマキンポウゲ】 |
![]() 【ナナカマド】 |
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![]() 【カラマツソウ】 |
![]() 【ババ平のテント場】 |
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![]() 【ハクサンフウロ】 |
![]() 【水俣乗越分岐】 |
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![]() 【クルマユリ】 |
雪渓については、場合によっては軽アイゼンもと思っていましたが、傾斜はそれほどではなく、雪もこの暑さで比較的緩んでいたのでそのまま登って行きました。風があまり吹かなかったのもありますが、雪渓の上であるにも関わらず、直射日光を浴びて本当に暑かったです。雪渓を渡り切ったところで迷わず休憩を取るような有様だったのでした。 少し休憩をした後、ザレた道を登って行くと天狗原分岐に出ます。南岳小屋へは最短距離になる分岐ですので、この日のルートをどうするか決める重要な分岐となってきます。 |
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![]() 【広々とした雪渓を登る できるだけ右側を通って】 |
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![]() 【雪渓を振り返る】 |
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![]() 【サンカヨウ】 |
![]() 【シナノキンバイ】 |
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![]() 【タカネバラ】 |
![]() 【天狗原分岐】 |
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![]() 【左奥への天狗原への道】 |
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![]() 【九十九折れにお花畑を見ながら登山道を登って行く】 |
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![]() 【ハクサンイチゲ】 |
結局、順調に登っても随分遅くなることは覚悟しながらも、思った以上の好天となったことから槍ヶ岳に登っておくことにしました。槍ヶ岳からの展望も良いにこしたことはないのですが、やはり、槍に近づいて行く景色がいいなと個人的には思っております。晴れているなら、その景色を見ておきたいと思ったのです。 九十九折れのザレた道が続きます。もうあまりに暑くて本当に一歩一歩登るという感じでしょうか。それは、他の方も同様で、本当にみなさんの歩みが遅かったです。なかなかのお花畑が広がっていましたが、正直じっくり楽しむだけの余裕はなかったでしょうか。なんとか登り切ると雪渓のトラバースがあります。これを渡って大喰岳がぐっと近づくと、ようやく右手に槍が姿を現します。 |
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![]() 【雪渓のトラバースを通って】 |
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![]() 【ついに槍ヶ岳が見えてきます 同時に槍ヶ岳山荘も見えてきました】 |
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![]() 【ヒュッテ大槍分岐】 |
![]() 【播隆窟】 |
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![]() 【堂々たる槍ヶ岳】 |
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![]() 【槍ヶ岳への道】 |
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![]() 【殺生分岐】 |
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![]() 【殺生ヒュッテ】 |
![]() 【チングルマ】 |
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![]() 【キバナシャクナゲ?】 |
ここからは、正面右に槍ヶ岳を眺めながらの素晴らしい登りとなります。このあたりは、雪渓も数多く残っており、何度か雪渓を渡りますが、斜度はそれほどではありませんので、通過には特に問題ありません。相変わらずの暑さで大変ではありますが、素晴らしい景色にテンションは高まって行きます。 やがて殺生ヒュッテとの分岐が過ぎると、最後の九十九折れの道に入って行きます。見上げると槍ヶ岳山荘まで急斜面になっていますが、九十九折れになっている道のおかげで、登山道は緩やかに登って行きます。最後、表銀座の縦走路と合流すると間もなく槍ヶ岳山荘に到着です。すっきりとした槍ヶ岳が見えています。 |
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![]() 【最後の九十九折れの登りへ】 |
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![]() 【登って来たルートと常念岳から蝶ヶ岳方面の稜線を眺める】 |
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![]() 【九十九折れに登って行く人を見上げて】 |
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![]() 【槍ヶ岳分岐と槍ヶ岳】 |
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![]() 【槍ヶ岳山荘へ】 |
ガスが登って来る前にということと、登っている途中で槍の穂先の方を見ると登っている方がほとんどいなかったので、到着したらすぐに登ろうと思ったのですが、一歩先に結構な数の団体さんが登って行ったので、一旦休憩をすることにしました。すっきり晴れていると本当に素晴らしい眺めです。 団体さんもある程度の所まで登ったので、登り始めます。途中で上り下りの分岐がありますので、上りルートに入って登って行きます。随分間を開けたつもりでしたが、あっという間に追い付いて、その後は団体さんの登り待ちとなりました。 |
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![]() 【いよいよ槍の穂先へ】 |
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![]() 【上りと下りの分岐 左へ登って行く】 |
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![]() 【ミヤマキンバイとイワベンケイのお花畑 右奥には小槍でクライミングする人が】 |
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![]() 【急斜面を登る 写真で見える程急ではありません】 |
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![]() 【少し上あたりが上りと下りの合流点】 |
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![]() 【稜線は徐々にガスに覆われて】 |
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![]() 【最後の2本の梯子】 |
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![]() 【槍ヶ岳山頂へ】 |
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![]() 【頂上碑】 |
鎖や梯子はしっかりしておりますので、きちんと掴んで登れば問題ありません。鎖の方はあまり使わなくても大丈夫だと思います。最後に梯子を登ると山頂に到着です。残念ながら、最後の梯子を登る前にガスが湧いて来て稜線はガスに覆われてしまっていたのは残念でした。ただ、槍ヶ岳山頂自体は晴れていて、それなりの景色が見られたのは良かったと思います。順番に並んで記念撮影をしたら、団体さんが下り始める前に下山開始です。それでも、先に下り始めていた団体さんに追い付いて渋滞になっていました。少し前を下っていた方の話ではこれでもだいぶましだということでした。確かに写真などではもっと長い行列をよく見ます。下った後は、山荘で再び休憩を入れて、いよいよ南岳山荘に向かいます。 | |
![]() 【大喰岳から南に続く稜線】 |
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![]() 【北鎌独標】 |
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![]() 【大天井岳から常念岳の稜線】 |
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![]() 【要塞のような槍ヶ岳山荘】 |
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![]() 【硫黄尾根と水晶岳鷲羽岳方面はガスの中】 |
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![]() 【下りは渋滞中 それでもかなりましな方だとか】 |
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![]() 【槍ヶ岳と右奥は常念岳】 |
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![]() 【槍ヶ岳と槍ヶ岳山荘】 |
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![]() 【槍ヶ岳山荘テント場と奥は大喰岳】 |
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![]() 【迫力のある大喰岳】 |
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![]() 【飛騨乗越】 |
山荘から南に少し下って行くとテント場があります。ここは張数が限られているので、かなり早い時間に行かないとなかなか取れないテント場です。ただ、通った限りでは空いている箇所も見受けられましたが、受付だけ済ませてまだテントを張っていなかっただけなのでしょうか。 そこからさらに下って行くと鞍部があり、ここが飛騨乗越になっています。新穂高温泉から直接登って来るとここに出てくることになるようです。このあたりは、槍ヶ岳を始め岩岩の山が連なっていますが、登山道脇には結構なお花畑がありました。何よりも、ガスが出てきたせいかライチョウの親子にご対面できたのは良かったです。 |
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![]() 【ミヤマオダマキ】 |
![]() 【イワツメグサ】 |
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![]() 【ハクサンイチゲ】 |
![]() 【ライチョウ】 |
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![]() 【忙しなく動き回っていた雛】 |
![]() 【イワカガミ】 |
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![]() 【ガスに覆われつつある槍ヶ岳】 |
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![]() 【大喰岳頂上部】 |
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![]() 【中岳への道】 |
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![]() 【頂上直下の急な道】 |
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![]() 【最後はハシゴを登って行く】 |
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![]() 【ミヤマタンポポ】 |
![]() 【白い花】 |
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![]() 【中岳山頂】 |
鞍部から正面の大喰岳に登り返して行きます。ややザレた道になっていますが、比較的歩きやすい道です。登り返した後はなだらかな頂上部が広がっており、ここに山頂もあります。そのまま抜けて一旦下って中岳を目指します。 中岳は山頂直下がやや急になっていて、ハシゴもありますが、それほど問題なく登ることができました。中岳からは一旦大きく下って行きます。岩のごろごろした道でやや歩きにくかったです。南岳への尾根に乗る前に雪渓があるのですが、この雪渓の脇を流れている水が水場になっているようです。その時はただの雪解け水で飲むことはできないと思ってしまって通り過ぎてしまったのはもったいなかったです。 |
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![]() 【中岳からは一旦岩のごろごろした道を左手に下って行く 左の雪渓脇が水場】 |
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![]() 【南岳への尾根道】 |
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![]() 【ガスに覆われる歩いて来た稜線】 |
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![]() 【大天井岳から常念岳への稜線は良く見えて】 |
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![]() 【岩場を登って越えて行く 左奥に天狗原分岐】 |
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![]() 【天狗原分岐】 |
その後は尾根に乗って緩やかに登って行きます。最後にやや険しい岩場があって、これを登って下って行くと天狗原分岐に出ます。槍ヶ岳に登る途中の分岐から入って来るとここに出てくることができます。 分岐を過ぎた後は、この日最後のピークとなる南岳に登って行きます。山頂はガスが多くてあまり展望がありませんでしたので、そのまま南岳小屋に下って行きます。南岳山頂からは小屋までは近く、下り始めたら間もなく小屋に到着です。小屋の周辺は既にガスに覆われ始めており、あとは小屋でのんびりするだけだとこの時は思っていました。 |
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![]() 【この日最後の南岳へ】 |
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![]() 【ミヤマシオガマ】 |
![]() 【南岳頂上碑】 |
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![]() 【ガスに包まれる南岳小屋】 |
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![]() 【南岳小屋】 |
この日は小屋泊ですので、小屋に到着した後は荷物を整理してくつろいでいました。夕食もいただいて、後は消灯時間までのんびりと思っていたのですが、外を見てみるといつの間にかガスが晴れて夕陽が見えていましたので、急いで飛び出します。実はちょっと作業をしていて出遅れてしまったのが残念で、時間があればもう少し場所を選んで写真を撮れたことでしょう。 何はともあれ素晴らしい夕陽で、雲に覆われている部分が多かったとはいえ、明日目指す穂高の山々も赤く染まっていました。長丁場で暑さにも苦労した1日でしたが、最後に素晴らしい景色を眺めて、翌日の核心部への登りへ向けて励みになったのではないかと思います。食事で隣になった方が大キレットを歩いたことがあったので、いろいろと歩いた時の状況を聞いたり、いろいろな山での話をしているうちに夜は更けていったのでした。 |
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![]() 【赤く染まる穂高の峰々と大キレット】 |
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![]() 【縦に写すとダイナミックな眺めに】 |
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![]() 【笠ヶ岳からの稜線と夕陽】 |
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![]() 【北穂高岳で夕陽を眺める人々】 |
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![]() 【姿を現した槍ヶ岳】 |
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![]() 【染まり終えた穂高の峰々】 |
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![]() 【沈みゆく夕陽と徐々に現れるガス】 |
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![]() 【夜明け前の地平線】 |
2日目の朝を迎えます。この日も日程がタイトなので、暑さ対策を考慮しても夜明け前から出発した方がいいのですが、朝食をきちんと食べてから出発しようということと、夜明けの景色をきちんと見て行こうと思い、朝食後の出発としました。雨が降ることもなく岩場も乾いていたようですので、早朝に出発しても問題はなく、もう1〜2時間早く出発していれば楽だっただろうなという思いもありましたが、そうするとこの夜明けの景色もある程度下った稜線からしか見られなかったわけで、どちらが良かったのかは甲乙付け難いですね。結局は、目一杯詰め込んだスケジュールとなりました。翌日の日曜日は元々予備日としてあったので、間に合わなければどこかで一泊すればいいかなという思いもありました。 | |
![]() 【南岳山頂と槍ヶ岳への稜線】 |
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![]() 【笠ヶ岳と左奥は白山(かなり明るくしています)】 |
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![]() 【富士山と南アルプス】 |
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![]() 【夜明け前の穂高連峰 かなり明るくしていますが光の濃淡がないので全体がよく見えています】 |
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![]() 【槍ヶ岳】 |
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![]() 【御来光】 |
夜明けは前日の夕方の反省を生かして南岳山頂で見ることにしました。確かに南岳山荘南側の高台からであれば、穂高連峰は迫力があるのですが、せっかくであれば周囲の景色をぐるっと見回したいと思ったのでした。夜明けを見るのにザレた道を登るのもという思いもありますが、短時間で登れますのでそこまで苦にはならないでしょう。ちなみに、南岳まで登っていたのは自分だけで、後から1人の方が登って来てちょっと撮影をしていたようでした。 夜明け前の景色も、御来光が見えてからの景色も素晴らしくて、このために時間を割いた甲斐は十分あったのではないかと思います。光の当たり方からして夕陽の方がいいのでしょうが、夜明けでも穂高連峰はやっぱり素晴らしかったです。 |
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![]() 【夜明けの穂高連峰 夕暮れと違って光の当たる場所は限られてしまいます】 |
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![]() 【槍ヶ岳への稜線】 |
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![]() 【雪渓も赤く染まって】 |
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![]() 【乗鞍岳】 |
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![]() 【八ヶ岳連峰】 |
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![]() 【奥穂高岳 山頂にいる人や登っている人も見えています】 |
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![]() 【逆光の常念岳】 |
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![]() 【ようやく光の当たり始めた笠ヶ岳】 |
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![]() 【南岳山頂からの景色も名残惜しく】 |
山頂では夜が明けた後もいろいろ写真を撮っていましたが、朝食を取る前にある程度準備をしておかなければということで、名残惜しくも小屋に向かって下って行きます。 夜明け前から出発している方もいましたし、この時間も北に南に出発している方がいました。そのまま小屋に戻って片づけをしながら朝食を待ちます。朝食時には、前日の夕食と同様にお茶を多めにいただいて、水分補給をしておきました。もちろん道中にも補給するわけですが、小屋での食事と水分補給が最後まで粘れた要因の1つかなとも思っています。 |
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![]() 【笠ヶ岳と左奥に白山】 |
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![]() 【左奥に黒部五郎岳 中央から双六岳と三俣蓮華岳 右奥に薬師岳の眺め】 |
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![]() 【ザレた急斜面を下って行く】 |
朝食をいただいて準備ができたらすぐに出発です。既に日射しは暑くて、この日も結構暑くなりそうでした。ただ、稜線を歩いている間は風がそれなりに吹いているので助かりましたが。 まずは、南の高台に登りそこからザレた急斜面の道を下って行きます。九十九折れになっているので、危なくはないですが、やはりこのような道は歩きにくいです。その後は、鎖場なども出てきますが、後ろ向きで下らなければいけない場所はそうはなかったと思います。鎖にハシゴに全般的によく整備されています。ハシゴはやや高度感がありますが、造りはしっかりしていますので、落ち着いて下れば大丈夫でしょう。 |
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![]() 【北穂高岳とその手前の長谷川ピークを眺めて】 |
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![]() 【下って来たハシゴを振り返る】 |
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![]() 【聳える長谷川ピークとその背後の北穂高岳】 |
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![]() 【長谷川ピークへの登り】 |
鞍部まで下った後は緩やかなアップダウンがありますが、その後は長谷川ピークを目指して登り返して行きます。南岳から大キレットを狙った場合の核心部が長谷川ピークをやや過ぎた場所になりますので、やはり緊張感が高まって行きます。逆に、北穂高岳〜涸沢岳間と違って、それ以外の場所は比較的歩きやすいのではないかと思います。もちろん、部分的に足場の狭いところや飛騨泣きなどの要注意箇所はありますが、注意を要する場所であることがわかっていれば、問題はないと思います。全体的にとにかく目印がしっかりしていて、岩場で時々あるようなどこをどう登るのか、または下るのかという迷いがない点では楽ができたのではないかと思います。目印がなくても、杭や支点があれば、これを使えばいいのかということで、わかりやすいです。 | |
ストックは最初からしまってあったのですが、デジイチはずっと出したまま移動していました。さすがにこの後は厳しいだろうということで、長谷川ピーク手前で休憩を兼ねてしまって備えます。 登って行くと登山道の右手に何度も写真で見たHピークのペンキマークがありました。ただし、このあたりはそれほど問題なく進めます。少し進むと、信州側から飛騨側に乗越すところがありますが、十分なスペースがありますので、特に問題はありません。思っていたよりは、スペースがある感じでしたが、その後の稜線での岩場の下り、下った後に飛騨側の岩場を下って行く場所はやはり一筋縄では行きません。ここは何度も動画で確認していて動きは確認してあったので、多少苦労する程度で済みましたが、初見でしたらかなり苦労したと思います。 |
![]() 【長谷川ピーク】 |
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![]() 【信州側から飛騨側への乗越 |
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![]() 【長谷川ピーク先の岩場の下り】 |
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![]() 【急斜面のお花畑】 |
最近は動画でイメージ作りができてしまうので、ここで体勢を変えてとか、ここの杭を足場にしてなどとある程度想定しておくことができるので、自分のように岩場が苦手な人間にはとても助かります。昨年の不帰の瞼でも何度も確認しました。今回もこの長谷川ピーク先の下りと飛騨泣き、そして、この大キレット全般の他、北穂高岳〜涸沢岳間の動画を何本か見ました。結果としては、下調べが手薄だった北穂高岳〜涸沢岳間の方が大変でしたが、これは、下調べ云々以前にやはり全般的に大キレットよりも歩きにくいルートだったせいだと思います。 この岩場を下った後は、少し回り込むように岩場を下って行きます。ステップも整備されていて、特に問題なく進んで行きます。ただし、飛騨側は完全に切れ落ちていますので、慎重に歩くのは忘れずにと言ったところでしょうか。やがて、A沢のコルに到着です。 |
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![]() 【長谷川ピークを振り返る 中央右の赤いザックの方が下っているあたりからが核心部でしょうか】 |
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![]() 【A沢のコルへ】 |
A沢のコルはザックを置いて休めるとガイドに書いてある場所ですが、ザックを置けるどころかそこそこのスペースがあって、休憩にはうってつけです。大勢の人が行き来する時期はわかりませんが、この日のように歩く人がまばらな時期は十分過ぎるスペースでしょう。 A沢のコルでは、休憩というよりは、しまっていたデジイチを取り出して、南岳方面他少し写真を撮っていました。しかし、先も長いので休憩をそこそこに出発します。岩稜帯が大好きだというおじさんが下って来られたので、先に行ってもらおうと思ったのですが、登りは苦手だということで、先行することにしました。最初から急な登りではありますが、比較的しっかりした道が続きます。 |
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![]() 【最後の下って来たところを振り返る】 |
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![]() 【南岳 中央奥が山頂のようですがそれ以外は小屋より南方の岩場】 |
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![]() 【南岳の右手には大天井岳から常念岳の美しい稜線が】 |
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![]() 【A沢のコルのマーク これもお馴染みですね】 |
ザレた道が結構続きますので、登りはまだいいのですが、下りですと落石他、スリップも気を付けないといけないかもしれません。北穂高岳までの標高差は結構ありますので、とにかく登って行きます。 やがて、ちょっと幅が狭い飛騨側のトラバースがあります。その先に岩場の急な登り及びトラバースがあって、ここが飛騨泣きのようでした。鞍部に下った後に登って行くのですが、本当にここが急でよじ登る感じです。下りで足が届かなかったという話を聞いたこともありますが、北穂高岳方面から下って来ると間違いなくここが核心部になるでしょう。登って行く時も注意が必要ですが、目印に忠実に登ることを心掛ければ大丈夫でしょう。×印が付いているので大丈夫だと思いますが、道なりに行くとトラバースしてしまいたくなる場所がありますが、さらによじ登って行くのが正解ですので、そこだけは気を付けた方がいいでしょう。いずにしても、少し進むたびに目印を確認することが大事だと思います。 |
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![]() 【北穂高岳への登り】 |
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![]() 【途中で振り返った長谷川ピーク A沢のコルは右下】 |
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![]() 【中央左下の見えないところあたりからが飛騨泣きでしょうか 斜めで微妙な写真ですが飛騨側の切れ落ち具合はわかると思います】 |
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![]() 【事前に気になっていたトラバースでしたが設置ステップもあって歩きやすかったです】 |
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![]() 【ひたすら登って行きます だんだん暑くなってしんどかったです】 |
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![]() 【早い段階で見える北穂高小屋ですが近そうでとにかく遠かったです】 |
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![]() 【小屋直下にも後ろ向きで下るような岩場が】 |
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![]() 【ようやく北穂高小屋へ】 |
その後はひたすら登って行きます。特に危険なところはなく、後は体力勝負と言ったところでしょうか。A沢のコルを過ぎたあたりから、時々すれ違う人がいるような感じで、結局最後まで待たされるような場所はなく北穂高小屋に到着です。先行していた方達や涸沢から登って来た方達がのんびり休憩をしていました。 登って来たルートをはじめ、周囲の景色をぐるっと見渡すことができます。奥穂方面は後で山頂で眺めるとして、それ以外の景色を楽しむことができました。とにかく喉が渇いたのでジュースを飲みつつ景色を楽しみました。先のことを考えなければもう30分はのんびりしていたいところでした。休憩もそこそこにトイレに寄った後、縦走を再開します。 |
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![]() 【槍ヶ岳方面の絶景 北アルプスが一望できます】 |
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![]() 【槍ヶ岳から右側の後立山連峰から常念山脈の山々】 |
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![]() 【笠ヶ岳もどっしりと】 |
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![]() 【歩いて来た稜線を振り返る】 |
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![]() 【中央は針ノ木岳と蓮華岳 奥には白馬岳から鹿島槍ヶ岳の後立山連峰の山々】 |
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![]() 【飛騨側の切れ落ちた長谷川ピーク】 |
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![]() 【槍ヶ岳から南岳の稜線】 |
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![]() 【薬師岳 手前(中央右下)の小屋は三俣山荘でしょうか】 |
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![]() 【鷲羽岳と水晶岳】 |
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![]() 【槍ヶ岳をズーム 山頂の人も見えていました】 |
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![]() 【北穂高小屋】 |
縦走の再開と言いつつ、まずは小屋の裏手にある北穂高岳山頂で景色を楽しみます。特にこれから縦走する涸沢岳、奥穂高岳、前穂高岳の山々が見事に並んでいました。素晴らしい眺めですが、まだまだ先が長いことを痛感させられます。少し写真を撮ったら再び出発です。大キレット同様にカメラをしまって岩場に備えます。 まずは鞍部に下って行きます。この松濤のコルは、夏道だとそのまま稜線伝いに歩きますが、残雪期にはここを目がけて登って来ました。やはり改めてみると急斜面です。少し稜線伝いに歩くと涸沢との分岐があります。ここを涸沢岳への縦走路に入ります。ちょっと前を歩いていた方達は、全員涸沢に下って行って、完全に一人旅となりました。 |
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![]() 【チシマイワブキ】 |
![]() 【シコタンソウ】 |
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![]() 【北穂高岳山頂と槍ヶ岳方面の眺め】 |
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![]() 【北穂高岳南峰と奥穂高岳】 |
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![]() 【前穂高岳までの本日の縦走する山々】 |
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![]() 【コルへの下り 残雪期はそのまま左手に下って行く】 |
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![]() 【涸沢分岐 縦走路はそのまま右へ登る】 |
まずは一気に下って登り返しという単純な縦走路ではなく、概ねそのような感じなのですが、アップダウンを繰り返しながら進んで行きます。とにかく、普通に歩ける登山道が比較的少なくて、岩場を歩く区間が長いのが特徴的でしょうか。もちろん、後ろ向きになる必要のある岩場は注意ですが、北穂高岳から中腹に下るあたりにある左手が落ちたトラバース道は足場が狭いうえに左が切れているので注意が必要でしょう。他も、一見歩きやすそうで、部分的には歩きにくい箇所もあったりするので、よく言えば飽きない、逆に言えばしんどい岩場が続きます。小屋泊で荷物が少なかったおかげで、岩場に集中できたのは良かったです。それと、こちらの方が大きいですが、すれ違いが少なく、追い抜きも休憩中の団体さんをうまく抜くことができたので、ほとんど待つことなくマイペースで岩場を歩いて行くことができました。 | |
![]() 【涸沢方面へ下る道 テント場もあるようでテントが張ってありました】 |
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![]() 【北穂高岳南峰と槍ヶ岳を振り返る】 |
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![]() 【急な下りは慎重に とにかくこのルートは岩場の区間が長いです】 |
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![]() 【下って登るだけではなく小刻みなアップダウンが続きます】 |
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![]() 【右上から下って来た岩場を振り返って】 |
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![]() 【何気ないトラバース道が歩きにくかったりします】 |
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![]() 【ザレた道の急な下り 奥には涸沢が見えます まだまだ雪が多いようです】 |
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![]() 【目の前のピークに登った後、中央付近から最後の壁のような斜面を登って行きます 中央右は涸沢岳山頂で人も見えます】 |
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![]() 【最後の急斜面】 |
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![]() 【シコタンソウの群落】 |
アップダウンを繰り返しながら進む道も徐々に涸沢岳が近づいて来ます。鞍部に下ると手前に小ピークがあり、さらに奥には最後の急登が待ち受けています。手前のピークもなかなかの急斜面ですが、それまでの岩場で感覚が麻痺したのかそれほどでもないように感じたのでした。 そして、最後の急斜面の前に少しスペースがあって、先に書いた団体さんが休憩をしていて、そろそろ出発という時でした。また、単独やペアの方など4〜5人の方も下って来て、ちょうどいいタイミングで取り付くことができたと思います。本当は休憩を取りたいところでしたが、団体さんはアンザイレンをしているようでかなり時間がかかりそうでしたので先行しました。実際、その後後ろを見ても全然見えなかったので、結構時間をかけて登っていたのだと思います。 |
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![]() 【トラバースしながら登って行く急登 もう一息です】 |
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![]() 【登り切ったところを振り返る】 |
最後の急登は、最初からよじ登るように登って行きます。鎖もありますが、所々で支点を使うくらいでいいかもしれません。登って行くと梯子があって、その後はトラバースしながら九十九折れに登って行く感じですが、このトラバース道がやや狭い感じでしょうか。下りだとちょっと歩きにくい感じでした。 その後も岩場を着実に登って行くと、最後に聞いていたチムニーになっている箇所がありますので、これを登ると稜線に出ることができます。全般的に岩場の多いルートですが、やはりこの涸沢岳への最後の登りが核心部になるでしょうか。逆に下る場合にはなおさらだと思います。それと、大キレットに比べると浮石が多くて、落石が怖かったです。自分の前にはほとんど人がいなかったので、自分が落とさないかという心配の方が大きかったです。 |
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![]() 【少し稜線歩き】 |
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![]() 【ガスに覆われ始めた涸沢岳山頂】 |
稜線に出たらとりあえずはほっと一息といったところでしょうか。ガスが出て来て展望がなくなってきたのですが、一応涸沢岳山頂には寄りました。残念ながら槍ヶ岳方面の展望はなくなっていましたが、これまで十分見られたので、むしろ涼しくなってちょうど良かったかもしれません。 展望もありませんので、少し休憩をしたら穂高岳山荘に下ります。ここで、しばしの休憩を入れることにしました。北穂高小屋同様にジュースを買って飲んでいたのでした。本当にこの2日間は小屋に寄るたびにジュースを買って飲んでいたように思います。担いでいた2リットルの飲料は行動中に少しずつ飲んでいるような感じでした。 |
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![]() 【ガスが晴れた瞬間に撮った奥穂高岳とジャンダルム】 |
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![]() 【穂高岳山荘】 |
あまり長い休憩はできませんが、登り口を見ていると結構大勢の方が登ったり下ったりしていましたので、様子を見て少なくなって来たかなと思った頃奥穂高岳に向かいます。ここから奥穂間はGW以来になります。当然残雪期とは全然様相が違いますので、比較はできませんが。 結構少なくなったかなとは思っても、続々と下って来る方がいるのですれ違いは時間がかかります。すれ違いを待ちつつ登って行きます。やはりこの取り付きは残雪期程ではないにしても、岩場あり、梯子ありで険しいです。今更ながら、残雪期によく登ったものだと思ったくらいでした。取り付きの急斜面を登り切るとやや緩やかになった稜線を登って行きます。 |
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![]() 【この時間でも登る人は多く】 |
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![]() 【まだ雪の多く残る涸沢方面の眺め】 |
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![]() 【GW以来の奥穂高岳へ】 |
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![]() 【奥穂高岳山頂】 |
ガスに覆われてあまり展望はありませんので、ひたすら山頂を目指して行きます。ガスガスであまり暑くなかったので、なかなかしんどいながらも順調に奥穂高岳山頂に到着です。 展望はありませんが、時折青空が見えたり、稜線の一部が見えていたりしました。少し粘ってみようかとも思いましたが、上高地までの時間を考えるとあまりに厳しかったので、少し休憩をしたら出発です。ここからは未踏のルートになります。まずは、緩やかな稜線を前穂高岳方面に歩いて行きます。すると南陵の頭と呼ばれる場所に出ます。ここからは険しい道も出てきます。 |
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![]() 【槍ヶ岳方面はガスの中】 |
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![]() 【まずは前穂高岳方面に緩やかに下って行く】 |
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![]() 【側面にはこの日も何度も眺めた端正な常念岳】 |
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![]() 【南陵の頭】 |
吊尾根は全般的にトラバース気味の道が多く、最初は緩やかに下って行きますが、途中で長い鎖場の斜面がありました。手や足を掛ける場所は十分ありますが、結構な高度を下って来ますので、慎重に下って行きます。むしろ、大キレットや北穂高岳〜涸沢岳間には、このような長い鎖場はありませんでした。どうしても、今回のルートでは、大キレットや北穂高岳〜涸沢岳間に目が向いてしまいますが、吊尾根は事故をよく聞く場所でもあり、油断は禁物だなと思いました。 このような険しい岩場は多くはないですが、見た目通りトラバースの道が多いので、あまり気を抜かないようにといったところでしょうか。見事な前穂高岳を眺めながらの景色は圧巻でしたが、いつの間にか晴れ渡っていて日射しが暑かったです。 |
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![]() 【緩やかに下った先に長い鎖場が】 |
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![]() 【鎖場を振り返る 斜度はそこまでではないですがとにかく長いです】 |
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![]() 【見事な前穂高岳】 |
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![]() 【いつの間にか青空が広がって】 |
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![]() 【左に霞沢岳右に焼岳を抱えた上高地の見事な景色 中央手前の沢の脇には岳沢小屋も見えています】 |
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![]() 【中央右の紀美子平までが本当に近そうで遠かったです】 |
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![]() 【下る場所を間違えた岩場を振り返る】 |
思ったよりも早く到着するかなと思っていたのですが、結局それなりに時間がかかってようやく紀美子平に到着です。ここでは大勢の人で賑わっていました。前穂高岳に寄らないのであれば、ちょうどいいくらいの時間だったのでしょう。実際、往復して帰って来た時には、一緒に前穂高岳に登った人しかいませんでした。 時間もありませんので、周囲の写真を少し撮ったらそのまま前穂高岳へ向かいます。空身で登る人が多かったですが、小屋泊装備でしたので、そのまま背負って登りました。とにかく、岩場岩場の連続で、なだらかな登山道がないという意味では、この日一番険しかったかもしれません。この日足を滑らせて唯一怖い思いをしたのもこの時でした。 |
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![]() 【大勢の人で賑わう紀美子平】 |
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![]() 【奥穂高岳から西穂高岳方面への険しい稜線】 |
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![]() 【紀美子平より前穂高岳方面を見上げて】 |
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![]() 【岩場の登りが続く 特に斜度はそこまではないもののスラブ状の斜面で下りに足が滑って怖い思いを】 |
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![]() 【ずっと飛んでいたヘリコプター】 |
ちなみに吊尾根を歩いていた時からずっとヘリコプターが飛んでいたのですが、これは後で岳沢小屋のブログで知ったところでは、クライマーが進んで行った奥穂南陵まで付いて行ってしまった登山者がいて、登るには登ったが身動きが取れなくなったためだったようでした。 とにかく岩場をひたすら登って行きます。実際空身の人を見ていてもアスレチックを登っているような感じでした。これは下りは大変かなと思いつつ登って行きました。結構距離もありますので、最後は結構疲れてしまいました。聞いていた通り、1時間で往復するのはなかなか大変な距離だと思います。最後もちょっとした岩場をよじ登って前穂高岳山頂に到着です。 |
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![]() 【険しい登りが続く】 |
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![]() 【前穂高岳頂上碑】 |
山頂では同じ時間帯に登った方の写真を撮って、また撮ってもらいました。その方達は単独の方3名でしたが、3名ともその後穂高岳山荘まで向かうということで、グループになって下って行きました。自分も急ぎはしますが、せっかく晴天の前穂高岳に登ったのですから、山頂の奥にまで進んで景色を楽しみます。なんとかガスが取れて、槍ヶ岳からの今回歩いて来た縦走路を見ることができたのは良かったと思います。今回の縦走でいい締めの山になったのではないでしょうか。次回はここでゆっくりしたいものです。 ささっと景色を楽しんだら下ります。険しいには険しいですが、脇が切れ落ちているというようなことはないので、それなりに楽しみながら下れたでしょうか。ただ、スラブ状の下りで足を滑らせたのだけは本当にびっくりしました。実際はそのまま滑らせても膝を打ったくらいでしょうが、この予想外の事態が起きるということ程怖いことはないと思います。 |
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![]() 【奥穂方面に広がる山頂】 |
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![]() 【右奥の槍ヶ岳からの縦走してきた山々を眺めて】 |
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![]() 【迫力ある奥穂高岳】 |
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![]() 【明神岳と右の麓は上高地】 |
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![]() 【スラブ状の下りに付いた鎖】 |
紀美子平に戻ると先ほどの3人の方が休憩をしていました。自分もこの後一気に岳沢小屋まで下るつもりでしたので、少し休憩をしました。ここで、3人の方と少し話が弾んでしまい、名残惜しくも出発することとしました。自分の方が、まだ倍近くの距離を残していました。 重太郎新道も一気に高度を下げることもあって、特に序盤は鎖の付いた岩場も出てきます。斜度はかなり緩やかですが、先ほど足を滑らせたこともあってスラブ状の斜面はかなり嫌な感じでした。しばらく下って行くと、雷鳥広場と書かれた場所があり、その後さらに下って行くと樹林帯を九十九折れに下って行きます。紀美子平から岳沢小屋まで900m近く下りますので、とにかく下りに下りが続きます。 |
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![]() 【急な下りが続く】 |
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![]() 【意外と高いハシゴでした】 |
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![]() 【ようやく岳沢小屋が見えて】 |
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![]() 【まずはテント場へ】 |
![]() 【助かった水場】 |
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![]() 【沢で稜線を振り返る】 |
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![]() 【岳沢小屋】 |
やはりこの標高差の下りはきつかったようで、途中から膝に違和感を覚えて来ました。さすがにここで痛めるわけにはいかないので、ペースを落として負荷をかけすぎないように下って行きました。これは、疲れもあったようですが、どうも暑さにやられて喉が乾ききって水分が不足していたのも影響していたようで、ようやく下ってテント場の水場で冷たい水を飲んでいたら、ある程度歩ける程度には復活してきました。 そのまま岳沢小屋で休憩を取ります。この後、上高地までのCTは2時間程度でしたので、十分上高地のバスに間に合うだろうと思ったのですが、これが大きな誤算だったのでした。 |
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![]() 【樹林帯の緩やかな道を下る】 |
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![]() 【クルマユリ】 |
![]() 【ハクサンフウロ】 |
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![]() 【徐々に上高地も近づいて】 |
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![]() 【天然クーラー】 |
ただ、実際はこのくらい休憩を取らないと、その後歩くのが大変だったでしょう。ここでもジュースを買ってゆっくり休憩を取ります。さすがにもう歩きたくないくらい疲れていました。 まだ距離がありますので、ある程度休憩をしたら出発です。ここまでの登山道とは違って、岳沢小屋から上高地間はなだらなか登山道が続いていました。なお、念のために岳沢小屋からは膝の負担を考えてストックを出しました。実際、岳沢小屋に着いた時に比べればかなり良くなりましたが、やはり膝は気になる状態でした。とにかく、一定のペースで下って行きます。 |
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![]() 【登山口】 |
![]() 【河童橋を渡って】 |
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![]() 【穂高の峰々はまだ見えていました】 |
途中で上高地の見える場所もありましたが、結構遠くてなかなか近づきませんでした。実際、歩きやすいのでCTは短めに設定されていますが、距離は結構あったと思います。 途中天然クーラーと呼ばれている風穴がありました。聞いていた通りの涼しさで、しばらくここにいたいくらい涼しかったです。確かに、これは暑い時に登っていたら本当に気持ちがいいと思います。この時も全然気温が下がっていなかったので気持ちが良かったです。随分歩いたかなと思った頃ようやく登山口に到着です。しかし、ここからが長くて、しばらく歩いてようやく河童橋でした。ささっと穂高連峰の写真を撮って上高地に向かいます。 |
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上高地に到着するとちょうど沢渡行きの最終バスが出るところでした。ちょっと余裕があるかなと思っていたのが、最終的にはぎりぎりの到着となったのでした。実際には、少し離れたバス停になるようですが、松本行きのバスがあったり、タクシーという手段もありますが、何とか沢渡行きのバスに間に合わせることができたのでした。 バスに乗った時は、本当に歩き切ったという感じでした。だいたい、帰路は寝てしまうバスですが、この日は案内をしてくれて、しかも話のおもしろい運転手さんでしたので、思わず聞き入っているうちに沢渡バスターミナルに到着したのでした。 |
![]() 【上高地へ駈け込んで】 |
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今回は1泊2日の小屋泊の山行でしたが、本当に充実した、ある意味きつくもあった2日間でした。この夏の目標登山であった大キレットを歩けて良かったと思いますし、結果的に槍ヶ岳から前穂高岳経由で上高地まで繋げたのは良かったと思います。この夏、あとどれだけ登れるかわかりませんが、目一杯夏山を楽しめたらと思っております。 |