かいこまがたけ | |
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登山日: 2014年8月19日(火) | 標高:2966m(甲斐駒ヶ岳) |
標高差:駐車場から約2190m |
8月19日(火) | 登山口 4:35 → 刃渡り 7:10 → 五合目小屋跡 8:00 → 七丈小屋 8:45 | ||||
→ | 甲斐駒ヶ岳 10:50(〜11:05) → 七丈小屋 12:00 → 五合目小屋跡 12:40 | ||||
→ | 刃渡り 13:20 → 登山口 15:10 |
本日は甲斐駒ケ岳に登ります。甲斐駒ケ岳は、登山を始めた年に登って以来登っておらず、いつかは再訪しようと思いつつ今日に至っていた山でした。その時は北沢峠から登ったわけですが、いつかは黒戸尾根から登りたいと思っていて、今回なんとか歩き切ることができました。ただ、当初快晴だと思っていたこの日は、結果としては湿った空気が流れ込んで、雨こそ降らなかったもののガスガスの1日となってしまい、久しぶりの甲斐駒ヶ岳からの展望を拝むことはできませんでした。 今回は、長丁場のルートですので、きちんと歩き切ることが目標であったとはいえ、無事に歩き切った達成感と同時に、ほとんど展望が得られなかったという残念な思いとが入り交ざったような登山となりました。 |
![]() 【登山口駐車場(下山時)】 |
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![]() 【駐車場の奥の道へ(下山時)】 |
ただ、早朝だけは晴れていましたので、連休が取れて七丈小屋に泊まっていれば展望は得られたのでしょう。秋であればともかく、夏のこの時期では、快晴だったとしてもお昼近い時間帯では、ある程度はガスに覆われてしまっていたのかもしれません。 登山口へは前夜に出発です。本当はもっと早い時間に出て、現地で十分な睡眠を取っておきたかったのですが、休暇を前日になってようやく取るような状態でしたので、相変わらず準備に手間取って出発が遅くなりました。かなり暑くなりそうな1日でしたので、早すぎるくらいの出発で良かったのですが、結局3時間弱は睡眠時間を確保したいと思って、夜が明け始めた4時半過ぎにようやく出発です。長丁場でなければちょうどいいくらいの出発時間でしょう。 |
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![]() 【竹宇駒ヶ岳神社(下山時)】 |
![]() 【吊り橋を渡る(下山時)】 |
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![]() 【尾白川渓谷道との分岐(下山時)】 |
やはり夏至の頃とは違って、日も短くなって来ていますので、まだ夜明け前となりました。涼しいとまではいかないにせよ、暑いなとまでは思わないくらいの気温だったので、その点は良かったです。 最初は駐車場奥のやや広めの道を歩いて行きます。左手にキャンプ場、右手に日向山から下って来る道を見送るとやがて右手に竹宇駒ヶ岳神社が現れます。神社名を取って、この登山口は竹宇登山口となっているのでしょう。この神社に少し入ると左脇に道がありますので、これを少し歩くと吊り橋があります。このあたりが暗い時間ですと少しわかりにくいところですが、昨秋歩いた尾白川渓谷への道と途中まで同じですので、暗がりでも問題なく歩いて行くことができました。吊り橋を渡ると尾白川渓谷との分岐があります。 |
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![]() 【尾白川渓谷道(尾根道)との分岐(下山時)】 |
![]() 【日の射した樹林帯の道】 |
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![]() 【横手登山口分岐 山頂まで7時間は遠いです】 |
分岐を経てしばらく登って行くと再び分岐があり、これも尾白川渓谷との分岐となっていますが、こちらは尾白川渓谷の尾根道になっているようで、こちらはまだ歩いたことのないルートです。 この分岐を経た後は、ひたすら樹林帯の道を進むわけですが、しばらくは斜面に沿ってトラバースした道を歩いて行って、尾根に乗った後はひたすら登って行くことになります。この時点で、テント泊の方など結構な方を抜きましたので、やはりみなさんの出発は早かったようでした。登山道は、よく整備された土の道で、このあたりは本当に登りでも下りでも歩きやすかったです。特に下りでは膝がぎりぎりの状態でしたので、本当に歩きやすい道で助かったと思います。 |
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![]() 【地蔵ヶ岳のオベリスクと高嶺への稜線】 |
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![]() 【奥には富士山も見えて】 |
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![]() 【見事な雲海が広がる】 |
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![]() 【刃渡りへ】 |
樹林帯の道を登って行くと、徐々に日が射して来て明るくなって来ました。ただ、基本的には樹林帯にいるため、あまり直射日光は受けず、思ったほどは暑くなりませんでした。やがて横手登山口との分岐になります。下りで10分違いの距離ですので、登山道の状態はわかりませんが、竹宇登山口からとの距離の差はあまりないようです。 分岐を経ても登りが続きます。地図上では八丁登となっていて、登りではあまり意識しませんでしたが、下ってみるとそこそこの斜度の道がしばらく続いていたのでした。 |
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![]() 【右手は切れていますが足の置くスペースは十分にあります】 |
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![]() 【ギンリョウソウ】 |
やがて、少し開けた場所があります。見ると見事な青空と、少し山が見えるようでした。特徴的なオベリスクが見えましたので、地蔵岳であることがわかりました。この日は基本的に一眼レフはしまっていたのですが、この時はどうしようかと思いましたが撮っておくことにしました。結果としては、見事な景色が広がっていたのはこの時が最初で最後となり、唯一得られた展望でした。夏山はいいなと思う景色があれば、そこで撮っておくべきという今までの教訓が生きたことになりました。 素晴らしい景色を眺めたすぐ後に待っていたのが刃渡りです。 |
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![]() 【このあたりからは随所に木の梯子が】 |
![]() 【刀利天狗】 |
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![]() 【五合目小屋跡】 |
刃渡りについては、それほど危険ではないという記録は何度も見ましたので、あまり意識はしていませんでしたが、確かに右が切れ落ちて危険ではあるものの、道幅が十分にあるため、覗きでもしない限りは、あまりその危険さを感じることはないかもしれません。ただ、手前からの眺めはなかなか険しそうに見えます。 刃渡りまでは、本当に樹林帯の道しかないのですが、この後からは、木製の梯子や所々に鎖場および岩場が出てきます。難しい箇所、危険な箇所というのは、基本的にはないと思いますが、そのような箇所が随所に出てきますので、疲れている時などは慎重に進んだ方がいいでしょう。 |
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![]() 【岩壁の絶壁とその前の祠】 |
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![]() 【ミヤマアキノキリンソウ】 |
刃渡りを過ぎた後は、梯子や鎖場を交えつつ登って行きます。ある程度登ると、しばらく平坦な道が続き歩きやすい道となります。その後はしばらく下って行きます。登りはまだいいのですが、これだけ長丁場のルートですので、帰路の登り返しを考えると先が思いやられるのでした。 ほぼ下りきったあたりにちょっとしたスペースがあって、ここが五合目小屋の跡地のようでした。ここで、少し休憩をしてもう少し下ると、岩壁の絶壁があって、その前に祠がありました。ここもスペースがありますので、休憩するにはいい場所でしょう。この右脇に長い梯子が付いているのですが、ここから再び登って行くことになります。 |
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![]() 【長い梯子を登って】 |
![]() 【吊り橋を渡る】 |
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![]() 【七丈小屋へ】 |
この後も、断続的に梯子や鎖場が出てきます。ちなみに、梯子は場所によってはアイゼンで削れてしまっているようでした。確かに冬場はアイゼンを途中で外すことはできないでしょうから、装着したまま上り下りするのでしょう。 これを登りきるとようやく七丈小屋に到着です。ここには水場(100円)やトイレ(200円)がありますので、少し長めの休憩を入れることにしました。黒戸尾根上唯一の貴重な小屋となります。ここで1泊するのが一般的でしょうし、やはり早朝の素晴らしい展望を望むのであれば1泊するのがいいと思います。テント場も大きく2箇所に分かれてあり、そこそこのスペースがありますので、テント泊でもいいでしょう。 |
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![]() 【タカネビランジ】 |
![]() 【ヤマホタルブクロ】 |
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![]() 【奥の七丈第二小屋】 |
![]() 【ヤマハハコ】 |
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![]() 【テント場 もう少し登った所にもあり】 |
![]() 【ミソガワソウ?】 |
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![]() 【ヤマホタルブクロの群落】 |
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![]() 【イワオトギリ】 |
小屋前にはいろいろな花が咲いていましたので、休憩を兼ねて少し写真を撮っていました。まだ先は長いので、休憩もそこそこに出発します。この時には、まだそれなりの時間に到着すれば、展望が望めるのではと思いつつ登っていました。 小屋からはザレた道が続いていて、とにかく標高を稼いで行きます。開けた場所では時折風が吹いて涼しかったです。ただ、ガスに包まれてしかも風がないと、蒸し蒸しして結構暑かったです。むしろもっと標高の低い樹林帯の方がからっとして、涼しく感じたくらいでした。これを登りきると八合目御来迎場に到着です。展望は良さそうですが、ガスに包まれて展望はありませんでした。 |
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![]() 【この時点ではまだ青空も見えて】 |
![]() 【八合目御来迎場】 |
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![]() 【迫力のある大岩】 |
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![]() 【鎖場を登る】 |
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![]() 【足の置場は整備されています】 |
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![]() 【ひたすらよじ登る場所も】 |
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![]() 【ガスガスの稜線へ】 |
さらに登って行きます。ガスに覆われた大岩交じりの稜線はなかなか迫力がありました。とはいえ、山頂まで続く稜線を眺めるのが好きな自分としては、この時点で見えていたかどうかはわかりませんが、目的地となる甲斐駒ケ岳を眺めることができなかったのは残念でした。 八合目御来迎場からの登りは、コースタイム通りにやはり長く、とにかく鎖場が多かったです。岩に足の置場が整備されていたので、難しいところはありませんでしたが、場所によっては鎖に頼るような場所もありました。下ってみるとそうでもないのですが、登っていると随分鎖場が続いているような気がしたのでした。他にもザレた道の急斜面などもあって、それらの道を登って行くと開けた稜線に出るのですが、残念ながらガスの中での稜線歩きです。 |
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![]() 【甲斐駒ヶ岳山頂が見えて】 |
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![]() 【手前のピークに駒ヶ岳神社本社】 |
![]() 【巻道分岐】 |
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![]() 【辛うじて見えた摩利支天方面】 |
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![]() 【大勢の登山者で賑わう山頂へ】 |
しばらく歩いていると、ピークがありますが、ここは山頂ではなく駒ヶ岳神社本社があります。そして、少しガスが晴れた時に奥にようやく甲斐駒ヶ岳山頂が見えました。一旦下って、駒津峰からの巻道との分岐を経て登り返すと甲斐駒ヶ岳山頂に到着です。 山頂自体は、ガスに覆われたり晴れたりの繰り返しでしたが、周囲の展望は完全にガスに覆われてしまって何も見えませんでした。登る途中でそのような状態でしたので、仕方がないなとは思いつつも残念でした。休憩をしながら、南アルプスの山々が見えるであろう場所に座っていましたが、ガスの晴れる気配はありませんでした。 |
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![]() 【頂上碑】 |
![]() 【峠方面が辛うじて見える程度】 |
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![]() 【鎖場を慎重に下る】 |
結局、展望は早々に諦めて、下りも長いことから下山に取り掛かります。展望がなかったとはいえ、目的の山にこれほど短い時間しかいなかったこともそうそうないですね。 鎖場や岩場が多いので慎重に下って行きます。とにかく身軽な装備ですので、登りで思った程は苦労せずに下って行けました。このあたりでは、まだ膝や足首などの疲労がピークに達していなかったこともあると思います。八合目御来迎場を経て、七丈小屋まで比較的順調に下って来ることができました。下りでも、この小屋を休憩ポイントとして、しばらく休憩を取った後に再び下り始めました。 |
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![]() 【ガスに覆われるも涼しい風が吹いて】 |
![]() 【七丈小屋再び】 |
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![]() 【色づいた葉】 |
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![]() 【登りとなる五合目小屋跡地からの道】 |
このあたりから徐々に膝及び足首の疲れを感じて来るようになって来ました。特に膝は痛めたくありませんでしたので、ペースは落としたうえで、意識して休憩を挟みながら下って行きました。ちなみに、五合目小屋跡手前からは登り返しとなるのですが、それまでずっと下りが続いていましので、むしろ程よく登って行くことができたと思います。 刃渡りを経ると、岩場等が終わり樹林帯の比較的歩きやすい道が続くのですが、ちょっとした段差や急斜面が気になるほど足が疲れていたようで、このあたりではずっと膝というか太ももが張っていたように思います。結構、後続の方に抜かれましたが、マイペースを維持して行くように努めました。 |
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![]() 【刃渡りを下って】 |
![]() 【気持ちの良い笹原の樹林帯の道】 |
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![]() 【ソバナ】 |
予想していた通りなかなか厳しい下りとなりましたが、横手登山口との分岐を経てようやく目途が付いて来ます。それでも、まだまだ先は長いですので、無理をしないペースを維持しながら下って行きました。 下りに下ってしばらくトラバース道を歩いて再び下って行くと、尾白川渓谷道と合流しつつ下って行きます。ようやく吊り橋も見えて来たあたりからは、家族連れが目立って来ました。キャンプ場やこのような川の遊び場があって人気があるのか、結構賑わっていました。そのような家族連れの中を下って行ったのでした。 |
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![]() 【再び吊り橋を渡る】 |
![]() 【吊り橋より河原で遊ぶ家族連れを見下ろして】 |
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![]() 【登山口へ】 |
そして、午後3時過ぎにようやく登山口まで戻って来ることができました。やはり登りと比較するとペースも落ち、苦労した下りでしたが、それでもそれなりのペースは維持できたのではないでしょうか。 長年登ろうと思いつつも登れなかった黒戸尾根でしたが、今回無事に登って来ることができて良かったと思います。このルートは比較的年中登られているようですので、今度は時期を違えて、1泊して登りに来たいなと思っています。また、登山を始めた頃に登ったきりで気になる山は今後も再訪して行きたいと思います。 |
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