でんつくとうげ・こうもりだけ・しおみだけ・せんじょうがたけ | |
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登山日: 2014年9月12日(金)〜15日(月) | |
標高:2865m(蝙蝠岳) 3047m(塩見岳) 2999m(三峰岳) 3033m(仙丈ヶ岳) |
9月12日(金) | 伝付峠入口(新倉) 7:25 → 八丁峠 9:45 → 保利沢小屋 10:50 | ||||
→ | 伝付峠〜展望台 13:10(〜55) → 二軒小屋 15:00 | ||||
9月13日(土) | 二軒小屋 5:45 → 水場分岐〜水場 10:00(〜30) → 徳右衛門岳 10:40 | ||||
→ | 蝙蝠岳 13:15 | ||||
9月14日(日) | 蝙蝠岳 6:00 → 蝙蝠岳分岐 8:00 → 塩見岳 8:30(〜50) → 北荒川岳 10:25 | ||||
→ | 熊の平小屋 12:40 → 三峰岳 14:30 → 両俣小屋分岐 16:30 → 両俣小屋 17:00 | ||||
9月15日(月) | 両俣小屋〜道迷い 4:40 → 両俣小屋分岐 5:50 → 独標 6:50 → 伊那荒倉岳 7:45 | ||||
→ | 大仙丈ヶ岳 10:15 → 仙丈ヶ岳 10:55(〜11:10) → 小仙丈ヶ岳 11:55 | ||||
→ | 北沢峠 12:55 |
3日目の朝を迎えます。この日のCTは13時間と4日間では最も長い行程となります。日帰り装備であれば問題ないのでしょうが、やはりテントザックでは厳しいです。特に、最近は日帰り中心で、泊まりも小屋泊が多く、テント泊は夏山開始となった白馬岳以来の2ヶ月ぶりとなります。実際、1〜2日目は行程が決して長くはなかったので無難には歩いて来ましたが、ペースは全然上がっていませんでした。 蝙蝠岳から塩見岳の間は昨年も歩いていますので、塩見岳往復をカットすれば1時間以上は楽になるのですが、やはり仙塩尾根を歩くのであれば、塩見岳から仙丈ヶ岳まで歩きたいということと、塩見岳に登らないと、今回充実した時間を過ごした蝙蝠岳をまともに見られる展望地がないということで、厳しくとも塩見岳まで登ることにしました。ちなみに手前に熊の平小屋があって、ここだと両俣小屋のように稜線からの登り下りもなくていいのですが、4日目にバスの時間に間に合わせるのが厳しくなります。また、仙丈ヶ岳に到着する時間を考えても、雲が湧いてあまり展望が楽しめなさそうです。実際、この翌日に登った時も仙丈ヶ岳から下り始めた頃には甲斐駒ケ岳が雲に覆われて来ました。 |
![]() 【夜明け前の富士山を中心とした地平線】 |
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![]() 【夜明け前の白峰三山から続く稜線】 |
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![]() 【富士山と蝙蝠岳山頂】 |
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![]() 【夜明け】 |
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![]() 【きれいな御来光】 |
このような状況ですので、本来は夜明け前から歩いて行くべきなのでしょうが、せっかく快晴の朝を迎えたのであれば、蝙蝠岳山頂からの夜明けを楽しみたいということで、寒い中を御来光を待っていました。ただ、すぐに出発できるように撤収を完了してから御来光を待つことにしました。ちなみに、前日からはかなり冷えたようでテントは霜でバリバリになっていました。フライをたたむ時にはしつこく霜を落としたのですが、その間に冷たくて指先の感覚がなくなるくらいでした。結局天気が良くて放射冷却が起きたので、これだけの標高の場所にいれば寒いことでしょう。一方で標高の違いもあるのか、前日の二軒小屋にしても翌日の両俣小屋にしても、全然寒くありませんでした。 低い位置には若干の雲がありましたが、無事素晴らしい御来光を見ることが出来ました。やっぱり富士山と地平線と御来光は本当に絵になる組み合わせです。モルゲンロートに染まる塩見岳も見られましたし、2年続けて蝙蝠岳に登った甲斐があったなと思います。この蝙蝠岳や一昨年登った笊ヶ岳が混みあうことは今後もまずないでしょう。折を見てこのような山に訪れ続けたいものです。 |
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![]() 【御来光と山頂と富士山】 |
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![]() 【徐々に夜明けの太陽が当たり始めた塩見岳への縦走路】 |
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![]() 【夜明けの富士山】 |
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![]() 【モルゲンロートに染まる塩見岳 御来光待ちの登山者も見えます】 |
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![]() 【笊ヶ岳と布引山 また笊ヶ岳からの夜明けが見たいものです】 |
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![]() 【左に悪沢岳 右に中岳と前岳 光の当たり始めたあたりに昨年お世話になった中岳避難小屋】 |
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![]() 【荒川三山と左奥には笊ヶ岳と布引山】 |
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![]() 【これから歩く塩見岳への稜線】 |
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![]() 【夜明けのハイマツ帯を抜けてびしょ濡れに】 |
ある程度御来光を見たら出発するつもりでしたが、結局赤みがかった景色が見えなくなるまで蝙蝠岳に居座ってしまいました。先のことを考えると思いやられますが、今見られる景色を目一杯楽しみたいという思いにはかなわなかったでしょうか。出発時間はせっかく準備をしていたにも関わらず6時を回ってしまいました。普通にCT通りに歩くと夜の7時に到着ということで、山での行動原則にも反していますし、両俣小屋で怒られることでしょう。 まずは、ハイマツ帯を下って行きます。道は出来ていますが結構うるさくて、どちらかというと塩見岳側の方がうるさいように思います。ただ、問題だったのはそのハイマツが露で濡れていたことで、押し込みながら特に濡れている所は避けたつもりでしたが、やはり結構濡れてしまいました。それでも、靴の中が濡れるまではいかず、歩いていれば乾くだろうということでそのまま進んで行きました。鞍部からはザレた道を少し登り返して行きますが、このあたりでもう塩見岳から蝙蝠岳に登って来る登山者の方とすれ違いました。塩見岳で御来光を眺めていた方々がいたので、その方達がそのまま蝙蝠岳に向かって来たのかもしれません。 |
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![]() 【蝙蝠岳と左奥に富士山】 |
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![]() 【蝙蝠岳と荒川三山】 |
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![]() 【緩やかに登り返して行く稜線】 |
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![]() 【塩見岳への稜線 右は分岐までのやや険しい岩場の稜線】 |
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![]() 【塩見岳】 |
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![]() 【ハイマツ帯越しの蝙蝠岳を振り返って】 |
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![]() 【右奥に稜線分岐 左に塩見岳】 |
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![]() 【これから歩く仙塩尾根】 |
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![]() 【蝙蝠岳分岐】 |
離れた場所から見るとなだらかな稜線に見えますが、ザレた道の登り返しはそこそこの登りになります。これを登り返すと岩場に入って行きます。見た目通りの険しい岩場ですが、登山道の幅はしっかりありますので、急斜面の登り下りを特に気を付けて歩けば問題ないでしょう。昨年は初めてでしたので、このような岩場があるのかと驚いて険しく感じましたが、わかっていればそこまで険しい岩場ではないと思います。 やがて蝙蝠岳分岐に到着です。このあたりまで来ると仙塩尾根を歩いて行く登山者もいて賑わって来ます。分岐にザックをデポして塩見岳に向かいました。ただでさえ厳しくなった行程ですので、テキパキと歩いて行きました。ここまで重いザックを担いで来ましたので、それを置くと速いものです。 |
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![]() 【塩見岳東峰と西峰がわかります】 |
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![]() 【やせ尾根を歩く】 |
塩見岳までの道はよく整備されていますが、岩場ややせ尾根もありますので、油断しないように歩いて行きます。近そうで距離はそれなりにありますので、やはり一気に登って行こうとすると結構息が切れて来ます。休憩するのは山頂で景色を眺めながらということで、一気に塩見岳山頂に到着です。まずは手前の西峰に登りました。とはいえ、東峰までもたいした距離はありません。 山頂からは、やはり見事な景色が広がっています。さっきまでいた蝙蝠岳の他、白峰三山からの稜線や荒川三山、そしてこれから縦走する仙塩尾根が見えていました。仙塩尾根は残念ながら仙丈ヶ岳方面はガスに覆われていましたが、これだけ稜線が見えていれば十分でしょう。この先縦走路に入りますと、周囲を見渡せるような場所はあまりないでしょうから、ここで短い時間ですが景色を楽しみました。写真も撮って20分程ですからいかに慌ただしかったかがわかるでしょうか。とはいえ、景色は十分楽しめたと思います。景色を楽しんでいる登山者の脇を通って一気にザックをデポした蝙蝠岳分岐まで戻って行ったのでした。 |
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![]() 【もう少しで塩見岳山頂】 |
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![]() 【塩見岳西峰】 |
![]() 【東峰はすぐの場所にあります】 |
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![]() 【白峰三山と言っても北岳はほとんど見えていませんがそこから伸びる稜線とこれから歩く仙塩尾根 左の崖のような場所は北荒川岳】 |
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![]() 【右はどっしりとした間ノ岳 左の少し尖ったところが三峰岳 よく見ないと間ノ岳からの斜面にしか見えないかもしれません】 |
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![]() 【蝙蝠岳分岐を拡大 分岐からは一気に下って行くのがわかります】 |
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![]() 【東峰へ向かう途中に西峰を振り返って】 |
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![]() 【左は荒川三山 中央に大沢岳 右は小河内岳から烏帽子岳に続く稜線】 |
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![]() 【左の悪沢岳と右の中岳・前岳】 |
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![]() 【蝙蝠岳からぐるっと回って来るような稜線】 |
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![]() 【蝙蝠岳と荒川三山】 |
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![]() 【蝙蝠岳はほぼ見納めでしょうか】 |
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![]() 【再びザックをデポしていた蝙蝠岳分岐へ】 |
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![]() 【仙塩尾根の本格的な縦走へ 中央左奥の仙丈ヶ岳は雲に隠れています】 |
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![]() 【雪投沢の幕営地跡 現在は幕営禁止です】 |
ザックのデポ地点まで戻ったら少し休憩をして、いよいよ本格的な縦走開始です。まずは、急な下りが待ち受けています。これを一気に下って行くと、幕営地のような広々とした場所があります。ここは雪投沢と呼ばれる場所で、かつてキャンプ場だったようです。現在は幕営禁止の標識があります。なお、ここからしばらく沢に向かって下って行くと水場があるということですが、どこから下るのかよくわかりませんでした。 その後は緩やかなアップダウンが続きます。やがて森林限界の下に入ったのかちらほら樹木も出てきます。一面にマルバダケブキの枯れた跡がありましたので、満開時であればさぞかしきれいなのでしょう。南アルプスはあまり初夏に歩いていないのでわからないのですが、枯れた跡を見ているとマルバダケブキのお花畑が結構多いように思います。 |
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![]() 【前半は間ノ岳の左にある三峰岳が目標になるでしょうか 左は崖のようにしか見えない北荒川岳】 |
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![]() 【下って来た道を振り返って】 |
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![]() 【森林限界の下に来たようで樹林帯に入りました】 |
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![]() 【ハクサンフウロ】 |
![]() 【残っていたマルバダケブキ】 |
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![]() 【右は小屋 中央左には幕営禁止碑 昔はキャンプ場だったようです】 |
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![]() 【崖を回り込むようにして緩やかに登って行く】 |
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![]() 【北荒川岳山頂】 |
やがて、砂地の斜面を緩やかに登って行きます。最後回り込むようにして登って行くと北荒川岳に到着です。離れた場所から見ると崖上の平坦な場所にしか見えないかもしれません。ここはガイドブックでは塩見岳の展望台とありますが、なるほど、本当にどっしりとした塩見岳を見ることが出来ます。蝙蝠岳からも両翼を広げたような塩見岳を見ることが出来ますが、北側からはまた違った塩見岳を見ることができました。縦走路もなかなかの景色だなと思いつつ先に進みました。 その後は樹林帯に入って行きます。とは言っても時々ハイマツ帯の混じるような樹林帯で、所々で展望もあります。やがて岩場の登り下りが続く場所があるのですが、その中のピークの1つが新蛇抜山のようです。このあたりまで来ると離れた場所に熊の平小屋らしき小屋が見えてきます。とはいえ、見えてからがまた随分長いのですが。 |
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![]() 【塩見岳の展望台と言われている北荒川岳からの塩見岳】 |
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![]() 【この先は樹林帯に入って所々で頭を出すような感じです】 |
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![]() 【マルバダケブキのお花畑跡】 |
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![]() 【気持ちの良い道が続きます】 |
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![]() 【塩見岳からも随分離れて来ました】 |
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![]() 【次のピークが新蛇抜山あたりでしょうか 中央右に僅かに小屋が見えています 右端に三峰岳】 |
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![]() 【このあたりが安倍荒倉岳でしょうか】 |
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![]() 【中央左の鞍部に下って行くと間もなく熊の平小屋 その後中央左上の三峰岳までは400m以上登り返して行きます】 |
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![]() 【ようやく熊の平小屋へ】 |
![]() 【ここでしばしの休憩 泊まりたくなるロケーションです】 |
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![]() 【テント場と三峰岳・間ノ岳 テント場はあちらこちらに分散しています】 |
新蛇抜山らしきピークを越えてさらに歩いて行くと、展望はあまりありませんが再びなだらかな稜線歩きとなります。途中で安倍荒倉岳まで1分の看板はあるのですが、肝心の安倍荒倉岳自体には看板がないようで、どこがピークなのかよくわかりませんでした。このあたりかなと思う場所で写真は撮ってみましたが、地形図でもかなり平坦な場所ですので、全然違う場所かもしれません。 その後稜線は直角に折れて行くように続いているのですが、その折れる手前をトラバース気味に下って行くと熊の平小屋に到着です。CTを考えるといいペースですが、出発が遅れたのが響いて既に13時前です。ただ、テント装備で無理をしても後でばてるだけですので、ここで休憩を取りました。この日の目的地である両俣小屋を除けば、唯一の小屋にして唯一水の補給が可能な場所でした。ただ、余分に水を担いでも重いだけですので、味見を兼ねて水は少し補給しただけでした。その代わりにジュースを買って飲んで、道中の飲料用にお茶のPETボトルも買いました。小屋の雰囲気が良く、テント場も落ち着いた感じでしたので、次回は小屋泊にしてもテント泊にしても是非泊りに来たいなと思ったのでした。 |
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![]() 【こちらもマルバダケブキのお花畑跡】 |
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![]() 【登って来ると再び森林限界を越えて】 |
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![]() 【農鳥小屋分岐】 |
まだ先は長いですので、休憩もそこそこに出発します。三峰岳までは結構な距離ですが、主な登りはここが最後ですので一気に登ってしまいたいところです。まずは、小屋の先のテント場の間を抜けて、樹林帯を登って行きます。なかなかの急登ですが、これを登り切るとハイマツ帯になります。森林限界を再び越えて来たようでした。なだらかな道を少し進むと農鳥小屋分岐があります。ここから、三峰岳と間ノ岳の中腹をトラバースするように農鳥小屋に向かうことができます。熊の平小屋で会った方はこちらを歩いて行かれました。 自分はそのまま直進してザレた道を登って行きます。これを登ると三峰岳がすっと現れて、CTと比べると随分早く着きそうに感じてしまうのですが、実はここからが意外と奥へ続いていて長かったりします。 |
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![]() 【もう一登りに見えますが登り返した後が結構あります】 |
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![]() 【矢印に忠実に登る】 |
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![]() 【岩場のトラバース 右側に落ちないように】 |
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![]() 【ようやく山頂へ】 |
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![]() 【三峰岳山頂】 |
しばらく登って行くと本格的な岩場に入って行きます。思っていた以上に険しい岩場なのですが、目印と足場はしっかりしていますので、険しい割には歩きやすいと思います。ただ、ザレた道やトラバースなどもありますので、気を付けて歩いていきます。テント装備ですからなおさらです。 緩やかなアップダウンで遠い遠い三峰岳でしたが、ようやく山頂に到着です。山頂はガスガスで展望がありませんでした。誰もいない山頂だと思ったら、少し下ったところで声が聞こえました。山頂から反対側に下ったところにも休憩できる場所があったのでした。ここは、仙塩尾根を縦走する方はもちろんいますが、間ノ岳に向かう人、また逆に間ノ岳から下って来る人も結構いるようで、休憩している間にも何組かが間ノ岳に向かって登って行きました。確かに地図を見ると、仙塩尾根と白峰三山をつなぐ道で一番短いのがこの間ノ岳と三峰岳の間でした。いつかこの道を絡めて歩くこともあるのかもしれません。 |
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![]() 【間ノ岳方面はガスに覆われて】 |
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![]() 【最初は一気に下って行く】 |
少し休憩をしたらいよいよ両俣小屋へ向かってまずは小屋の分岐まで下って行きます。最初は急な下りになっていて、部分的には岩場の急な下りになっている箇所もありました。ただ、そのような場所を除けば概ね歩きやすくなっていると思います。このあたりでも時々登って来る方とすれ違いました。恐らく野呂川出合から入って熊の平小屋を目指している方々だと思います。 ある程度下って来るとすっかり樹林帯の中に入って行きます。樹林帯に入るまでは急な下りが多く、尾根を進んでいることを実感できるのですが、樹林帯に入ると緩やかなアップダウンを繰り返しながら少しずつ標高を下げて行くうえに、展望がありませんので、現在地がわかりにくくあまり進んでいる感じがしませんでした。このあたりは、もしかしたら疲れもあったのかもしれませんが、まだかまだかと思いながら歩き続けていました。 |
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![]() 【辛うじて見えている仙丈ヶ岳への縦走路】 |
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![]() 【右の三峰岳を振り返って】 |
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![]() 【徐々に深い森へ】 |
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![]() 【両俣小屋分岐】 |
結局分岐を見落としていないか気にしながら歩いていたら、分岐までにかかった時間がCTと同じでした。少しばかり休憩したのと、最後は少し探しながらであったとはいえ、結構飛ばしていたように思ったので少し辛めのCTだったのでしょうか。それでも何とか明るいうちには下る目途ができました。さすがにこの時間に下る人はいないだろうと思っていましたら、反対側から歩いて来られた方がいました。ペースが上がらず時間がかかったようで、休憩がてら少し話をしていました。結果としてはさらに後になって小屋に到着された方もいました。 ここまで来たら、長い休憩は小屋に到着した後に設営してからでいいので、少しばかり休憩をしたら下り始めます。翌日暗い時間に登りたかったので、一応道を確認しながら下ったのですが、明るければテープがあるので明瞭です。しかし、随所に脇に入れる道があるのが気になるところでした。残念ながらこの不安が的中してしまったわけですが。 |
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![]() 【明るければ明瞭な登山道ですが・・・】 |
![]() 【祠の前を通ると小屋も近く】 |
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![]() 【両俣小屋】 |
一気に下って何とか午後5時頃に両俣小屋に到着することができました。結果としては、結構CTを縮めながら歩くことができたようです。小屋に入ると管理人さんは夕食の支度中でした。テントの受付を済ませてビールを買ったのですが、少し遅かったねと言われたのでした。ちなみに、小屋泊の場合午後3時までに到着しないと夕食は出ないとのことでした。自分の場合はテント泊でしたので、特に影響はありません。 テント場は川沿いのスペースが丸ごとサイトになっているようでした。ほぼ平坦ですし、小屋、水場、トイレがそれぞれ固まっていて近いので便利でした。ただ、夜になってライトを付けていたら結構な数の虫が集まって来たのには参りました。川が近い樹林帯で、まだこのあたりはそこまで寒くはありませんので、虫も多かったのでしょう。前日が寒かったからそう感じただけかもしれませんが、思ったよりも暖かくてよく寝ることができたと思います。こうして3日目の夜は更けていきました。 |
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![]() 【野呂川沿いの快適なテント場】 |
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最終日の朝を迎えます。昨日下って来た時に決してわかりやすい道とは言えなかったので悩んだのですが、目印はしっかりしているとういことで、夜明け前に出発して少しでも早く稜線に出ることにしました。前日は長い距離を歩いて大変でしたが、就寝時間はそれほど遅くはなかったですし、あまり寒くもなくよく眠れましたので、朝はすっきりと起きられたと思います。最終日は寂しさを感じる反面、あともう一息だということで、元気も出てきます。出発するまでは順調でした。 クマがよく出るということで、小屋から少し離れたあたりからクマ鈴を鳴らして進んで行きます。しかし、少し歩いたところから、踏み跡はあるものの、どうしても行き止まりのような場所に出てしまいます。少し戻っては探しということを何度か繰り返して、時には藪っぽいところにも入りましたが、さすがにこんな道はなかったということで、諦めて分岐まで戻って明るくなって来るのを待ちました。少しでも明るくなれば目印が見えて来るはずです。 |
![]() 【登る途中で振り返ると甲斐駒ヶ岳】 |
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![]() 【遠かった稜線】 |
少し明るくなってもよくわからなかったので、一旦小屋まで戻ってみることにしました。すると、小屋を出て少し歩いたところで既に間違っていたのでした。踏み跡だけを見ると、間違った方が明瞭になっています。しかし、正しい道の方を見上げてみるときちんと目印がありました。自分が明らかだと思って行き来を繰り返していた場所が既に間違った道だったのでした。 前日道を見ながら下ったにも関わらず迷ってはテンションも上がりませんが、それでも30分程度のロスですので、気を取り直して登って行きます。それでも6時前には稜線に上がって来られましたから充分でしょう。森林限界を越えるまでは展望はないだろうと思っていましたので、ゆっくり稜線を歩いて行くことにしました。最初から登りが続いていて、しばらく登って行くと木々に囲まれて展望のない横川岳があります。実は先ほど稜線に出た所で休憩をしましたので、そのまま進んで一旦下って行きます。このあたりは小ピークがいくつかあって、小刻みなアップダウンが続きます。 |
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![]() 【両俣小屋への案内看板】 |
![]() 【こじんまりとした横川岳】 |
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![]() 【展望のない樹林帯を進む】 |
展望のない樹林帯を淡々と歩いて行きます。危険な所もありませんので、淡々という言葉がちょうどいいでしょうか。ただ、つまらないということはなくて、のんびりこうした森の中を歩くのは結構好きだったりします。ただ、前日の後半からずっと樹林帯ですので、飽き飽きする気持ちも多少はありましたが。 しばらく歩いて行くと少し視界が開けて来ます。ちょっとしたスペースがあって、周囲の山々が見えています。特に小高いわけではないのですが、ここが2499mの独標と名の付けられたピークのようでした。ここが、意外に展望が良くて、周囲の山々を眺めることができました。また、岩場に座ってちょうどいい休憩地点になったのではないかと思います。天気は決して良いわけではなく、高曇りのような状態でしたが、展望は意外とクリアで遠方の山々もよく見えていました。思わぬ場所で素晴らしい展望が得られて、少し得をしたような気分で先に進んで行ったのでした。 |
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![]() 【展望のいい場所 ここが独標と呼ばれるピークのようです】 |
![]() 【かわいい頂上碑もありました】 |
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![]() 【逆光の北岳〜間ノ岳の稜線】 |
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![]() 【仙丈ヶ岳への稜線と右は一際目を引く甲斐駒ヶ岳】 |
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![]() 【中央アルプス】 |
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![]() 【随分遠くなった塩見岳もよく見えていました】 |
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![]() 【穂高連峰から槍ヶ岳の稜線もよく見えていました】 |
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![]() 【仙丈ヶ岳をズームして】 |
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![]() 【まだまだ稜線歩きが続きます 左の大仙丈ヶ岳が印象的でしょうか】 |
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![]() 【甲斐駒ヶ岳の山頂付近をズームして】 |
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![]() 【再び樹林帯の道】 |
再び樹林帯を進んで行きます。とは言っても先ほどの独標と標高はほとんど変わりません。まだしばらくは森林限界より少し低いくらいの標高の稜線が続きます。 やがて高望池と書かれた小さい看板があり、現在は干上がっている高望池が現れます。実はこのあたりを少し下ったところに水場があるようなのですが、今回は特に確認しませんでした。独標に到着前にすれ違った方がいたのですが、両俣小屋にたどり着けずビバークしたということでしたが、このあたりで水を補給したのでしょうか。 ここを通り過ぎてさらに進んで行くと、ほぼ平坦で目印がなければ通過してしまいそうなピークがあって、そこが伊那荒倉岳でした。壊れかけの看板があったので恐らく間違いないでしょう。ここは全く展望がありませんので、さらに進むことにしました。ただ、後ですれ違った老夫婦に伊那荒倉岳はどこですかと聞かれたので、この山頂には何かがあるのでしょうか。 |
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![]() 【高望池】 |
![]() 【伊那荒倉岳】 |
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![]() 【岩のごろごろした道も】 |
![]() 【所々にテント適地が】 |
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![]() 【ここもマルバダケブキのお花畑だったのでしょうか】 |
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![]() 【ハイマツ帯へ】 |
その後も樹林帯を歩きながら徐々に標高を稼いで行きます。やがて、上部が開けて来てハイマツなども目立つようになって来ます。ずっと展望があるわけではありませんが、森林限界を越えて徐々に展望が開けて来ます。相変わらず雲の多い状態が続いていますが、周囲の名だたる山々がすっきり見えているのは本当に良かったです。 稜線が開けて来ると風もよく当たって、登りで少し暑く感じていた身にはちょうど良かったでしょうか。ただ、じっとしていると今度は結構風が強かったのでむしろ寒くなるくらいでした。その後も歩いて行って、少し下った後、大仙丈ヶ岳に向かって一気に登って行きます。山頂手前のザレ場を斜めにトラバースして登って行く道が険しそうでしたが、歩いてみるとしっかりとした登山道で特に問題はありませんでした。ただ、下る時には足を滑らせないように注意した方がいいでしょう。こうして仙丈ヶ岳のすぐ隣のピークである大仙丈ヶ岳に到着です。「大」とは付いていますが、仙丈ヶ岳よりも標高は低く2975mと3000mに少し満たない標高です。 |
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![]() 【森林限界を再び越えて】 |
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![]() 【左の甲斐駒ケ岳と右の栗沢山・アサヨ峰】 |
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![]() 【塩見岳方面に連なる山々 左上は三峰岳】 |
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![]() 【この日一番格好良く見えたのがこの甲斐駒ヶ岳だったでしょうか】 |
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![]() 【間ノ岳と三峰岳】 |
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![]() 【仙塩尾根を振り返る】 |
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![]() 【見通しのきいた砂礫地の斜面も】 |
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![]() 【徐々に近づく仙丈ヶ岳とまだ距離のある甲斐駒ヶ岳】 |
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![]() 【一旦下った後大仙丈ヶ岳へ登って行く 見えているピークはトラバースして巻く】 |
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![]() 【振り返るとハイマツ帯の稜線の背後に北岳から間ノ岳 右奥には塩見岳がしっかりと見えています】 |
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![]() 【大仙丈ヶ岳山頂へ】 |
大仙丈ヶ岳からは素晴らしい景色が広がっています。仙丈ヶ岳から近く仙丈ヶ岳に近い高さがありますので当然かもしれませんが、本当に展望のいい山頂でした。山頂がこじんまりとしていて、すぐにどの方向にも見に行けるというのもいいかもしれません。結局自分が山頂にいる間は貸し切りの状態でした。ちらほら、こちらに縦走して来る方が見えて来たので、休憩もそこそこに仙丈ヶ岳へ向かいます。 少し下って岩場のやせ尾根を通過した後、鞍部を経て登り返して行きます。これが、本当に最後の登りですので、がんばって登り返して行きました。やがて仙丈ヶ岳山頂に到着です。仙塩尾根の端についに到着することができたのでした。山頂は、頂上碑前に大行列ができるほどの賑わいようで、本当にこれまでとは別世界のようでした。3連休で天気が良く、仙丈ヶ岳だけなら北沢峠から日帰りで登れますので賑わうのも当然なのかもしれません。テントザックを担いでいる方などはほとんどいませんでした。 |
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![]() 【頂上碑】 |
![]() 【頂上碑と雲が増えて来た中央アルプス】 |
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![]() 【仙丈ヶ岳への道】 |
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![]() 【鳳凰三山〜北岳〜間ノ岳】 |
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![]() 【鳳凰三山 地蔵岳のすぐ右手前は高嶺】 |
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![]() 【槍穂の稜線もまだよく見えて】 |
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![]() 【大勢で賑わう仙丈ヶ岳】 |
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![]() 【仙丈ヶ岳への最後の登り】 |
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![]() 【大仙丈ヶ岳からの稜線を振り返る】 |
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![]() 【塩見岳や荒川三山までよく見えています】 |
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![]() 【富士山と北岳】 |
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![]() 【大仙丈ヶ岳をズーム】 |
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![]() 【鋸岳越しの八ヶ岳連峰】 |
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![]() 【ちょっとはすいてきた?仙丈ヶ岳山頂】 |
山頂にいた方は多かったのですが、落ち着けるスペースも結構ありましたので、展望を楽しむというよりは、これで一段落ついたということで休憩をしました。頂上碑は相変わらず続々と記念撮影をしている人が切れることはなかったのですが、それでも先ほどの行列ができていた時間に比べれば落ち着いて来たでしょうか。 少し休憩をした後は、どのバスに乗ろうか考えつつも景色を楽しみながら下って行きました。一番楽しみにしていた甲斐駒ヶ岳の展望ですが、時々雲が流れるもしっかりと見えていたのはうれしかったです。結局小仙丈ヶ岳付近まで甲斐駒ケ岳はよく見えていました。しばらくカールを回り込むように稜線を歩き、アップダウンを経て小仙丈ヶ岳山頂に到着です。ここもやはり登って来る方下って来る方で賑わっていました。 |
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![]() 【甲斐駒ヶ岳】 |
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![]() 【左手前に仙丈小屋 奥に鋸岳から甲斐駒ヶ岳の稜線】 |
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![]() 【右奥の山頂を振り返って】 |
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![]() 【小仙丈ヶ岳への尾根道 左奥の甲斐駒ヶ岳は何とか見えています】 |
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![]() 【見事なカールが見えています】 |
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![]() 【小仙丈ヶ岳山頂】 |
小仙丈ヶ岳に着いたら少し休憩をしながら下りのバスを検討します。最終バスには全然間に合っているのですが、その1本前が特に広河原から奈良田間がかなり早くて、13時の北沢峠発のバスに乗らないと間に合いません。実は、仙丈ヶ岳にいた時に確認していたのですが、ペースアップするどころか景色が良かったのでゆっくり歩いてしまったのでした。 小仙丈ヶ岳から北沢峠まではCTで2時間程ですので、1時間で下るのはとても無理だとは思いましたが、とりあえず頑張って下ってみることにします。膝のことを考えればあまり無理はできないのですが、この日は特に問題なさそうでしたので、膝に影響が出ない限りはということでそこそこのペースで下って行ったのでした。途中で抜かさせてもらいながら下って行きました。なんとか13時前に北沢峠まで戻って来ることができました。 |
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![]() 【小仙丈ヶ岳からの下りでついに甲斐駒も雲に覆われてしまいました】 |
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![]() 【馬ノ瀬分岐】 |
北沢峠に下った所にあるバス停は仙流荘行きのバス停になっていて、広河原行のバス停は方向が反対になるのですが、長衛荘(現在はこもれび山荘)の奥になりました。ここの切符売り場で切符を買ってバスを待ちます。この日は次々に臨時便が出ていて、あまり時刻表は関係なかったようです。結果的にはすぐに乗れました。混みあう日というのは、バスが余分に出ることがあるので、いつもより早くバスが出たり、本数が増えたりして、予定よりも早く着いてしまうこともあるのがおもしろいところです。とはいえ、計画を立てて予定通りというのが理想なのは間違いないですが。 これで、広河原から奈良田へ行くバスには余裕を持って乗れると思っていたのですが、なんと広河原に着いてみると、物凄い数の登山者がバスやタクシーを待っていて、ロータリーの周りやタクシー乗場全体が埋め尽くされる程で、さすがにこの混み具合には驚いてしまいました。 |
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![]() 【次々臨時便が出ていた北沢峠のバス停】 |
![]() 【ロータリーがぐるっと囲まれるほど登山者の多かった広河原】 |
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![]() 【出発地点の奈良田に戻って来ました】 |
切符を買って奈良田行きを待ちます。待っている方の多くは芦安行きのようで、芦安の駐車場の混み具合が想像されます。奈良田行きのバスは1台しか来なくて、ぎりぎり座れなさそうでしたので、さすがに何時間も待つくらいなら立ってでもと思ったのですが、奥に駐車されていたバスを出してくれたので、無事座って戻ることができました。 結局午後3時頃には奈良田の駐車場に戻って来ることが出来ました。こうして奈良田を拠点にバスを利用してうまく伝付峠から回って来ることができました。未踏のルートも多く、人が全体的に少ないコースで、秘境感たっぷりでとても楽しめたのではないでしょうか。それに加えて、狙った蝙蝠岳の展望はばっちりでしたし、仙塩尾根も大きな天候の崩れもなく、結局午前中はほぼ展望を楽しむことができました。この年は日帰り中心で、他のテント泊が少なかったことを差し引いても充実の山行だったと思います。 |
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この山行によって、南アルプスの主稜線の実線ルートはほぼ歩くことが出来ました。翌年以降は踏み跡薄い点線ルートを狙うのか、また、残雪期を狙って行くのか、特に南アルプス南部は地元だと思っていますので、これからも毎年いろいろな山をいろいろな時期に楽しんで行きたいと思っています。ただ、2泊くらいはしないとしっかり歩けませんので、そう頻繁にというわけにはいかないのが、残念なところですが。 |