つるぎだけ
 剱岳
登山日: 2014年9月21日(日)   標高:2999m(剱岳)
    標高差:馬場島から約2240m

地図及びルートについては前回本ルートでの登山時(2010年9月26日)のものを参照

 9月21日(日)    馬場島 3:50 → 早月小屋 6:45 → 剱岳 9:00(〜55)
   早月小屋 11:30(〜40) → 馬場島 13:25

 

 本日は久しぶりに剱岳に登ります。実は狙っていたのは別山尾根からの剱岳だったのですが、天候不順が続いていて思うように計画が立てられなかったのと、今年は六甲全山縦走を目指して日帰りロングを重点的にやっていたことから、久しぶりに早月尾根日帰りをやろうと思ったのでした。特にこの週末は土曜日の天気がいまいちでしたので、登山口が遠い剱岳早月尾根をやるには、土曜日を移動に当てられるこの週末はちょうど良かったのでした。

 前回はまだ明るいうちに登山口まで入りましたが、今回はそこまで早く出発しなかったので既に夜半になっていました。前回は午前3時前に出発していたのですが、さすがにそれでは睡眠時間が足りなませんのでもう少し遅い出発としました。ただ、3時前でも歩き始めていた方はぼちぼちいたように思います。結局、4時前にようやく出発することができました。ただ、この時間に出発して、前回並みに歩けると仮定すれば明るい時間に帰って来られる時間です。

【試練と憧れの碑(下山時)】
 
【標高差は約2240m(下山時)】
 真っ暗な中を登山口を通ってひたすら登って行きます。このあたりは、前回歩いていますし、前回歩くまでにいろいろ調べてから登っていましたので、他の2回目の山よりは余程覚えていました。コースが2箇所程明らかに変わっていた場所があったのですが、それもすぐにわかりました。ただ、これは比較的単純なルートであるということも言えるとは思います。また、標高差に比べて距離が短いので、それなりにコースを覚えていたのでしょう。

 この前の週末は3泊4日のテント泊ということでしっかり歩いてはいたうえに、疲れも充分に取れているはずですが、それ以前に朝からお腹の調子が悪くてとにかくペースが上がりませんでした。お腹が気になりながらもとにかく登って行く感じでしょうか。随分登った頃に徐々に明るくなって来ます。中途半端な場所にいましたが、それでも赤く染まる地平線と、モルゲンロートに染まる猫又山を見ることができました。
 
【久しぶりの剱岳早月尾根へ】

【登山口】

【赤く染まる地平線】

【夜明けの猫又山】

【早月小屋とテント場】

【夜明けの太陽が現れて】

【奥大日岳と大日岳】
 
【早月小屋】
 その後は少し登ると早月小屋まで残り1キロ地点になります。前回、早月小屋手前の1枚岩の登りで少し手こずったので、今回はしっかり登ろうと思っていたのですが、ルートが変わっていたようで、そのような場所もなく早月小屋手前の展望所に出ることが出来ました。正確には御来光ではないのですが、ちょうどこの場所に日が当たり始めた時間のようで剱岳方面から昇る太陽を眺めることができました。

 少し展望を楽しんだら少し下って早月小屋に到着です。ここまでしっかりとした休憩は取っていませんでしたので、小屋前のベンチで少し休憩をすることにしました。この時間でも小屋泊の方やテント泊の方が登り始めていました。ただ、宿泊者の中では遅い方の出発になるでしょう。

 休憩をしたら再びテント場の前を通って登って行きます。太陽の位置が低くどうしても逆光になってしまうので、写真は下山時に撮れたら撮ることにして、基本的には登ることに集中して歩いていたのでした。

【テント場】

【少し登ったところから早月小屋を見下ろして 右上は展望所】

【逆光でまともに剱岳方面は撮れません】

【最後の案内看板 もう一息です】

【さすがに見上げると険しくなっています ただ登山ルートは別山尾根のような高度感はないと思います】

【カニのはさみ手前の岩のトラバース 幅もあり濡れてでもいなければ問題ないと思います】

【カニのはさみ核心部 一ヶ所鉄の棒が足場になっています 区間は短くそこまでの高度感はないと思います】

【岩場自体はその後も続きます 難しくはないですが苦手だと大変かもしれません】
 登るにつれてお腹の調子もようやく落ち着いて来ました。ただ、とても何かを食べる気は起きないままでした。幸いなことにシャリバテを起こさないで登って行くことが出来ました。普段のカロリー摂取が多すぎるのかあまりシャリバテになることはない気がします。ただ、最近は日帰りロングが多く1日当たりの消費量が増えたのか、油断をしているといつの間にか力が入らなくなっていることがあります。

 立派な2800m碑を越えるといよいよ山頂が近づいて来ます。今回はそもそも持っていませんが、前回はここでストックをしまいました。実際、この後は断続的に岩場が続いています。岩場のトラバースが続いた後、有名なカニのはさみがあります。ただ、区間が短く一瞬ですので、歩いたことがないので単純に比較はできませんが、別山尾根のカニのたてばいやよこばいに比べればはるかに歩きやすいのではないでしょうか。ただ、カニのはさみもその後も岩場は続きますので、油断は禁物です。特にこのあたりは疲れて来る頃ですので、前回も今回も疲労からのつまらないミスをしないように気を付けて登ったのでした。

【別山尾根と合流】

【別山尾根からは続々と登って来る人が】

【大勢の人で賑わう山頂へ】

【頂上碑付近は人だかりです】
 急な岩場を登って行くとやがて見晴らしのいい尾根に出て来ます
。すると、別山尾根との分岐看板が出てきます。看板付近まで登って別山尾根と合流した後、少しなだらかなとは言っても岩場は岩場ですが、進んで行くと大勢の人で賑わう山頂に到着です。頂上碑付近は順番待ちの人で列が出来ていました。ですので、少し離れた場所で景色を楽しむことにします。険しい剱岳ですが、山頂付近は意外と休憩できるスペースがありますので、大勢の方が登って来ても大丈夫でしょう。

 今回、実はここまで天気がいいとは思っていなかったので標準レンズしか持って来ませんでした。これだけ天気が良ければ少なくとも望遠レンズは持ってくれば良かったなと思いつつ景色を眺めていたのでした。ただ、望遠レンズを持っていたら、片っ端から写真を撮っていてきりがなかったでしょうから、標準レンズで撮るくらいでちょうど良かったかなと思います。

【剣山荘と剱沢のテント場が見えています】

【立山方面に広がる景色】

【鹿島槍ヶ岳】

【五竜岳】

【旭岳〜白馬岳〜白馬鑓ヶ岳から天狗の大下り】

【針ノ木岳蓮華岳常念山脈を背景に】
 山頂からはパノラマの景色が広がっています。今回は特に展望がクリアだったのが印象的で、遠方の山々もくっきり見えていました。南は八ヶ岳連峰、富士山、南アルプスまで見えていたのには驚きました。槍ヶ岳は立山の背後で見辛いですが、穂先もきちんと見えていました。やはり後立山の山々を歩いていると立山連峰の景色が見事なのですが、逆にこちらに立つと後立山連峰の山々が見事に見えていました。特に鹿島槍ヶ岳などは、ちょうど真西に来るので普段とは違った端正な姿をしていたのが印象的だったでしょうか。

 山頂は相変わらず賑わっていましたが、剱岳の看板が空いていましたので、撮ってもらうことにしました。祠の前は相変わらずの列が出来ていましたので、こちらはやめておくことにしたのでした。結局、登ったらさくっと下る予定だったのが、1時間弱も山頂で過ごしていました。

【後立山の山々】

【蓮華岳と針ノ木岳 間にはうっすらと富士山】

【立山の奥には槍の穂先が見えています】

【山頂の様子】

【右から薬師岳〜黒部五郎岳 左奥には笠ヶ岳】

【険しい別山尾根を見下ろして】

【こうして見るとすごい場所を歩いています】

【別山尾根分岐】

【右奥の早月小屋への下り 距離は近そうですが高低差は大きいです】

【左手前に別山尾根 中央に室堂越しに薬師岳】

【カニのはさみで登山者待ち】
 山頂で十分楽しんだら下山開始です。まだ10時前ということもあって、この時間でも続々と登って来る方がいます。別山尾根からはともかく早月尾根からも結構登って来る方がいて、恐らくこの時間に登って来るのは泊まりの方ではないでしょうから、日帰りの方も結構多かったのだと思います。ただ、前回歩いた時のようにトレランの方はあまりいなかったようです。

 登りでは見事な逆光でしたので、時々振り返って写真を撮りながら下って行きます。午前中なので逆光であることに変わりはないのですが、随分太陽の位置が高くなりましたので、朝方よりはまだ良いでしょう。岩場は慎重に下って、その後もザレた道などもありますので、足元には気を付けながら下って行きました。下って行くにつれて徐々に雲が湧いて来ました。予報通り午後にかけて雲が増えて来ているようでした。

【振り返ると険しい道 午前中のためまだ逆光です】

【奥大日岳〜大日岳 大日岳以降は未踏なのでいつか縦走したいところです】

【右手前に2800m地点碑 このあたりまで下れば岩場は一段落でしょうか】

【徐々に湧いてくる雲】

【剱岳の雄姿を振り返って】

【険しい尾根が続いています】

【以前はなかったルートの岩場を振り返る その後の登山道も刈り払いがされたばかりのようでした】

【雲がかかる様子も様になっているでしょうか】

【早月小屋周辺の染まり始めた紅葉と押し寄せるガス】

【前回歩いた登山道はやはり現在通行止め】
 早月小屋に下った頃には雲が湧いて来たのか、雲の下に入ったからなのかすっかりガスに覆われてしまいました。つい先ほどまで青空の下にいたとは思えないくらいの変化でした。登りでは暗くて気付かなかったのですが、小屋の周辺の紅葉が結構進んでいるようでした。9月下旬でこの標高の紅葉が進んでいるということは、やはり今年の紅葉は早かったということなのでしょう。

 早月小屋で休憩をしたら再び下り始めます。このコースは登り返しがほぼないので下りは楽に見えますが、自分のように膝が弱い方は、勢いに乗って下ってしまうと途中で膝を痛めやすいように思います。実際、前回は痛める寸前まで行ったように思います。そして、前回も今回もやはり膝を痛めてペースを落としてしまっている方がいたのでした。

【ベンチのある広々とした場所まで下ればもう一息です】

【登山口へ】

【登山口付近まで駐車されています】
 さすがに最後は疲れてきましたが、何とかそれなりのペースで下り切ることができました。やはり登山口付近まで駐車された車が並んでいるような状態でした。早い時間の下山となりましたが、自宅までの距離を考えるとちょうどいいくらいでしょうか。

 久しぶりの剱岳早月尾根でしたが、展望にも恵まれて充実した山行になったのではないでしょうか。今年はいろいろな山で日帰りをやっていましたので、登りはお腹の調子が悪くて大変でしたが、総じてみると、体もよくこなれてそれなりのペースで歩けていたのではないかと思います。
 


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