ゆーしん・ひるがたけ・たんざわさん・とうのだけ
 ユーシン・蛭ヶ岳・丹沢山・塔ノ岳
登山日: 2014年11月16日(日)   標高:1673m(蛭ヶ岳)1567m(丹沢山)1491m(塔ノ岳)
    標高差:駐車場から約1240m


※ユーシンロッジ北西はダム管理事務所への誤って歩いた道

 11月16日(日)    ゲート前 4:30 → ユーシンロッジ〜道迷い 6:10(〜50) → 臼ヶ岳 8:50
   蛭ヶ岳 9:55 → 丹沢山 11:05(〜20) → 塔ノ岳 12:05 → 尊仏ノ土平 13:00
   ゲート前 15:10

 

 本日はユーシンを拠点に丹沢主稜線を周回します。主目的はユーシンだったのですが、翌週に六甲全山縦走を控えて、ある程度の距離を歩いておこうという苦肉のルートでした。それと、最近富士山からの距離の近い山からのすっきりとした富士山を見ていないので、久しぶりに見たいというのもありました。ただ、後者の方はどうも相性が悪いのか、思ったよりも天候が悪くて見ることはできませんでした。冬に縦走した時にも富士山は見えるには見えたのですが、もやっとしていてすっきりとした富士山は見られなかったのでした。

 前日の奥久慈男体山・袋田の滝から丹沢に向かいます。正直、自宅からの方がよほど近くて、ちょっと組み合わせるには微妙だったでしょうか。登りたい山を組み合わせたらこうなったという感じです。丹沢は近いので、また訪れればいいのですが、今年はいろいろな方の丹沢の素晴らしい紅葉の記録を見ましたので、その一端でも見ておきたいというのがありました。翌週は六甲全山縦走ですから、翌々週ではさすがにほとんどの紅葉が終わっていることでしょう。

【林道ゲート】
 
【新青崩隧道】
 丹沢への出発時間はそこまで遅くはなかったのですが、やはり距離があるのと、渋滞がひどく、今までと違うルートで下道を結構走ったことから現地入りは遅くなりました。丹沢湖から先は少し道は悪くなりますが、基本的には舗装されていますので、特に問題はないでしょう。ただ、結構陥没している場所があったので、そこは注意をした方がいいかもしれません。

 このような奥地にと思ったのですが、夜中にも関わらず駐車場もその手前のスペースにもそれなりに車がとまっていました。必ずしも登山者だけでなく、河原にテントを張っていたキャンパーもいたようです。とはいえ、ユーシンロッジまでは林道歩きですので、そもそも登山者以外の方も結構歩いていたようでした。驚いたのは下山時にベビーカーを押していた家族までいたことでした。舗装された道はともかく、さすがに乗っている赤ちゃんへの振動は大きそうです。
 
【雨山峠分岐】

【ユーシンロッジ分岐】
 
【落ちているユーシンロッジの看板】
 現地に到着して、準備をして寝たのが随分遅かったので、自然体で起きてユーシンロッジに着いた時間によって予定通り歩くかどうかを判断することにしました。丹沢は本当にコースが豊富ですので、このあたり柔軟に組み替えることができるのがいいと思います。もちろん、コースタイムがちょうどいいからと言って、いきなり点線ルートを歩くというわけにはいかないと思いますが。

 夜が明けた頃からゆっくり起きて塔ノ岳往復でもと思ったのですが、暗いうちに目が覚めましたので、そのままがんばって起きて準備をして出発です。迷うことのない林道は暗い時間に歩いてしまうのが理想でしょうか。ただ、ユーシン付近の紅葉を楽しむという意味では微妙な歩き方ではあります。

 暗い時間に歩いてヘッドライトや懐中電灯を持って歩いていましたので、ライトが必要なトンネルも問題なく進んで行きます。往きは緩やかに登って行きますので、林道歩きとはいえそれなりに疲れて来ます。また、最初は舗装道路も出てきますので、下山時に疲れ切っていると結構足に応えそうな感じでした。

【ユーシンロッジへは分岐から一旦下って橋を渡る】

【川沿いの紅葉】

【ロッジ手前には水洗の公衆トイレも】
 やはりコースタイムで2時間以上ありますので、結構距離があります。下山時には紅葉やダムなどがあって素晴らしい景色が続く道ですが、さすがに暗闇では何も見えませんのでひたすら歩いて行きます。いくつかのトンネルを越えて緩やかなアップダウンを経た後、ユーシンロッジ分岐に出ます。

 分岐からは河原の方に下って行き、橋を渡ります。河原にはテントを張っている方がいました。このあたりの紅葉は見事でしたが、まだ暗い時間でしたので、下山時に明るくて余裕があったら撮ることにして先に進みました。橋を渡ると間もなくユーシンロッジに到着です。ロッジ手前には公衆トイレもあります。

 ロッジ前にもテントを張っている方がいましたし、ロッジ内に泊まっている方がいました。偶然泊まっていた方が出てこられたので聞いてみると、一部屋だけ解放されていて布団もあるとのことでした。自然に囲まれて素晴らしい場所で、一度このあたりに泊まってみたいと思うようなロケーションでした。

【ユーシンロッジへ】

【ロッジ前のテントと素晴らしいロケーション】

【ロッジ手前の右手に入る道 案内看板はありません ここまでは正解】
 ロッジからは臼ヶ岳への尾根に取り付きます。ここから臼ヶ岳までは点線ルートになっていますが、踏み跡は明瞭ということでした。ただ、案内看板等は見た範囲ではなかったように思えます。ロッジ手前に右手に入って行く道があります。道なりに途中で折れ曲がりつつ尾根に沿って進んで行ったのですが、これが失敗で、右手に入った後そのまま真っ直ぐ尾根に取り付く細い道を登って行くのが正解でした。

 誤った道を歩いていることに気付かずに進んで行きます。ロッジを回り込むように進んで、沢沿いの道を登って行きます。水源を管理するような施設があって、その先はとても普通に歩ける場所ではなく、これから歩く予定の右手の尾根に取り付く道がなかったことから誤った道に入ったことに気付いたのでした。ここまでは、おそらくこの施設へ向かうための巡察路といったところでしょうか。無理に尾根に取り付く方法もあるのでしょうが、そこまでの距離は歩いていないので無理をせず戻って行ったら、結局ロッジ手前の先ほどの場所まで戻ったわけでした。

【沢と紅葉の眺め】

【このあたりは随分葉が落ちているようです】

【もう少し染まって明るい時間に訪れると素晴らしい眺めになりそうです】

【最初は尾根をひたすら登って行く】
 ただ、この沢沿いの眺めは見事でしたので、ロッジ付近に泊まる時は散歩がてら歩くのもいいかなと思います。

 戻って尾根に取り付いた後は、最初こそやや緩やかでしたが徐々に急登になって来ます。ルートは落ち葉のせいもあるかもしれませんが、やや不明瞭ですが、あくまでも一般道に比べての話なので、踏み跡を拾うのは難しくありません。仮に拾えなかったとしても、尾根に忠実に進んで行けばいいので、迷うことはないと思います。ただ、下りの場合で、踏み跡を拾えない場合には、方向を確認しないと誤った方向に下る可能性はあると思います。

 先に書いたように踏み跡を忠実にたどらなくても進めますが、やはり踏み跡のあるところが一番歩きやすいので、結局踏み跡をたどることになります。踏み跡といっても、一応道になっているのですから、踏み跡というよりは、あまり整備されていない登山道と言った方が感覚としてはわかりやすいでしょうか。

【鮮やかな紅葉を眺めて】

【きれいな落ち葉と紅葉】

【きれいな落ち葉と紅葉2】

【気持ちの良い尾根道】

【紅葉もなかなか】

【ネットで囲まれた保護地域】

【山頂がガスに覆われている臼ヶ岳】

【鞍部は落ち葉が多かったです】

【残った紅葉と落ち葉が見事な景色 写真ではそれほどでもない?】

【踏むのが惜しくなるような落ち葉の道】

【徐々に近づく山頂】
 しばらく急登が続いた後は、しばらくなだらかな尾根道が続きます。残念ながら紅葉はほぼ終わっていましたが、葉が落ちて見通しがよく、敷き詰められた落ち葉もきれいで、晩秋というべきか初冬の素晴らしい景色が広がっていました。これに青空が広がっていればさらに良かったことでしょう。

 やがてネットに囲まれた場所と脚立が出て来て、保護地域である旨の案内看板もありました。ただし、ネットは倒れている箇所もあって、あまりその役割を果たしていないようでした。この後、一旦急斜面を下って鞍部に出ます。

 この鞍部もほとんど紅葉が終わっていたのですが、とにかく落ち葉が多くて、あたり一面に落ち葉が敷き詰められているような感じでした。僅かに残った紅葉とこの落ち葉の絨毯が素晴らしく、写真ではどうもぱっとしませんが、この日の中では一番お気に入りの景色となりました。これだけの落ち葉ですから、ピークの時にはさぞ鮮やかな紅葉が見られたことでしょう。

【脇の崩壊している場所も】

【落ち葉の乗った急斜面を登って行く】

【徐々になだらかな斜面に】
 鞍部からは最後の急登が待ち受けています。ここまでもなかなかの急登がありましたが、ここからは、部分的には木につかまってよじ登るような場所もありました。急斜面であるからというよりは、足元がザレていたり、落ち葉で滑ったりするので体を支えるためという感じでしょうか。登るルートも必ずしも踏み跡、登山道跡がある方が歩きやすいという感じではなく、1箇所別の方から回り込んだ方が良かったなという場所もありました。登りならともかく、下りの場合には下手な場所で足を滑らせると急斜面を転げ落ちてしまいますので、慎重に歩いた方がいいでしょう。

 急登を登って行くと、徐々に斜面も緩やかな笹原の道となります。このあたりも保護のネットがあって、その脇を歩いて行く感じでしょうか。やがて、臼ヶ岳の案内看板があって、ようやく主稜線に合流することができました。この時は、これから先は歩きやすい道になるものと思っていたのでした。

【臼ヶ岳分岐へ】

【主稜線に合流することができました】

【ようやく姿を現した蛭ヶ岳】

【道中より臼ヶ岳と登って来た尾根道を眺めて】

【山頂はガスガスの展望】
 臼ヶ岳の分岐にはベンチがありますので、少し休憩をしてから出発しました。周囲はガスガスで蛭ヶ岳は全く見えず、風がとても冷たくて本当に歩くだけになってしまいそうな状況でした。この日は富士山も楽しみに登って来たわけですが、富士山はとても見えそうもないという状況でした。

 そのような中でもガスが多少は晴れて来て、途中の蛭ヶ岳の見える所ではなんとかもやっとしながらも蛭ヶ岳の雄姿を眺めることができました。その場所で、前日に上で泊まった後に下って休憩していた方の話では、小屋の主人が午後から晴れると言っていたらしく、この時間に下らないといけないのが残念そうでした。確かに、この後多少は回復傾向を見せていましたが、結局自分が稜線にいる間はすっきりとは晴れず富士山は全く見えませんでした。ただ、稜線から下っていた頃富士山が見えた時間があったようですので、回復傾向にはあったようでした。

【蛭ヶ岳頂上碑】

【霜柱がすごかったです】

【蛭ヶ岳山荘】
 緩やかなアップダウンを経て蛭ヶ岳への登りに取り付きます。離れた場所で見ると結構急斜面が続いているように見える通り、なかなかの急登が続いています。このあたりは、まだ余力もあって、なんとかそれなりのペースで登って行くことができたのではないでしょうか。

 ちなみに登山道ですが、霜が溶けたのかぬかるみが多く歩きにくくなっていました。下りは滑って大変なのですが、蛭ヶ岳までの道はまだましだったように思います。再びガスガスになった頃蛭ヶ岳山頂に到着です。展望はありませんし、ちょうど休憩していた大勢のグループが下山に取り掛かるところでしたので、休憩はせずそのまま丹沢山に向かうことにしました。

 ここからが、ぬかるんだ道の本領発揮という感じで、滑って汚れて大変でした。ハイカットの靴ではなくスパッツもしていなかったので、あまり汚れないようにしつつ、また、転ばないように慎重に下って行きました。

【笹原の道 木道にぬかるんだ道と滑りやすい道が続きます】

【棚沢ノ頭】

【蛭ヶ岳を振り返る】

【左がユーシン方面への看板 右が主稜線案内看板】
 一旦下って棚沢ノ頭に登り返して行きます。ここには、ユーシンへ下る分岐があります。ただ、ユーシン方面への案内看板は風化しているようで、主稜線の看板が立派になっていたのとは対照的でした。ルート的にあまり歩いている人は多くはないでしょう。実線ルートではありますが、気を付ける箇所も結構あるのかもしれません。とはいえ、一度はつないでみたい道ではあります。

 その後は、不動ノ峰を通過して、再び下って登り返すと丹沢山に到着です。ここは、あまり展望はありませんが、山頂が広々としていて休憩するにはうってつけです。いくつもあるベンチの一角をお借りして少し休憩をすることにしました。塔ノ岳は混みあっているでしょうし、この様子では展望もなさそうでしたので、丹沢山で休憩した後は、塔ノ岳の山頂にちょっとだけ寄ってそのまま下ろうと思ったのでした。それにしても塔ノ岳までは、歩きにくいひどいぬかるみの道が続いたのでした。

【丹沢山山頂 奥はみやま山荘】

【丹沢山頂上碑】

【笹原の道を進む】

【塔ノ岳は大賑わい】

【塔ノ岳頂上碑】

【富士山方面はガスガス】

【尊仏山荘】

【ユーシン方面に下って行きます】
 塔ノ岳への登りはそれほどの標高差があるわけではないのですが、やはりこの日の後半に差し掛かって来てなかなかしんどかったです。ただ、登っているとあっさり山頂に到着という感じでした。

 塔ノ岳山頂はやはり大賑わいを見せていました。蛭ヶ岳や丹沢山も結構登山者はいましたが、桁が違うという感じでしょうか。山頂付近のベンチが埋め尽くされているような感じでした。

 やはり山頂からは展望がなかったので、そのままユーシン方面への下りに取り掛かります。やはりこちらのルートに入ると一気に静かになりますが、それなりに登って来る方もいました。なお、下り始めて間もなく水場もあります。少量ではありましたが、この時はしっかり水が出ていました。最初はとにかく急な斜面を階段を中心に下って行きました。

【崩壊地は巻く】

【水量は少ないですが水場も】

【日が出て来て再び明るい尾根道に】

【紅葉と落ち葉】

【部分的に鮮やかな紅葉も】

【葉は落ちてしまっていますが残っていた頃の華やかさを感じます】

【河原へ】
 その後は一旦なだらかなになり、落葉が目立つ道を下って行きます。このあたりからは、再び時々太陽が顔を出すこともあって、タイミングがいいと鮮やかな紅葉も見られました。ただ、全般的に終わりかけという感じで、ユーシン付近までは時々鮮やかな紅葉が見られるという程度でした。ただ、臼ヶ岳への登りの時もそうだったのですが、落ち葉の量と鮮やかさを見ていると、本当にきれいな紅葉だったのだろうと思います。

 下って行くと、突如河原が現れてこれを横断します。ここを尊仏の土平と呼ぶようです。葉の落ちた木々がまとまっていて、このあたりも見事な紅葉が広がっていたことでしょう。ここからは、崩壊していたり、落石がごろごろしている箇所も多いですが、林道歩きとなります。端々に紅葉は見られますが、落石の多さを見ていると、あまりのんびりはしたくない場所でしょうか。

【紅葉はほぼ終わりでしょうか】

【鮮やかな紅葉と河原の道】

【両岸の紅葉 紅葉のピークの時に広角レンズで撮ってみたいものです】

【林道歩きへ】

【落石の多い道】

【残った紅葉ともはやその役割を果たすことはないであろうカーブミラー】

【光が一時的に当たった紅葉】

【鮮やかな黄葉】

【崩壊した林道】

【土砂崩れの上を歩く】

【徐々に歩きやすい林道に】

【紅葉とダムの青い水面】

【落ち葉に包まれたトンネルをくぐって】

【ユーシンロッジ分岐奥のゲート】
 林道歩きは長いですが、残った紅葉の他、ダム湖の青々とした水面や年季の入ったトンネルなど景色を楽しみながら歩いて行きます。岩がごろごろしていたような道を過ぎて、比較的歩きやすい林道になってしばらく歩いて行くとゲートがあります。これは、ユーシンロッジ分岐奥のゲートで、このゲートを過ぎると間もなく分岐に出ます。

 ここからは、結構観光の方も歩いていて、思ったよりも多くの方が歩いていたのには驚きました。実際、紅葉はきれいですし、なかなか素晴らしい景色が広がっています。基本的に林道歩きですから、それなりに動きやすい格好であれば問題なく歩くことができるでしょう。このあたりでは結構太陽も出てきましたが、うまく紅葉に当たらなかったのは少し残念だったでしょうか。

【ユーシンロッジ分岐再び】

【ゲートからユーシンロッジあたりはまだきれいでした】

【上部には光が当たって】

【トンネルをくぐった先に紅葉】

【渓谷を見下ろして】

【ダム湖と紅葉】

【透き通る水面】

【歴史を感じるとトンネル再び】

【渓谷の紅葉】

【ゲートへ】
 その後も所々できれいに残っている紅葉を眺めながら下って行きます。紅葉のピークは過ぎていたと思いますが、それでも見事な眺めだったと思います。

 やはり最後はくたくたになってゲートに到着です。体力的には大丈夫でしたが、膝や足首は悲鳴をあげていたと思います。すぐに運転すると足に響きそうでしたので、ジェルを塗って足を冷やしてから帰路に付きました。このあたりだと、自宅までの時間が短いのはいいですね。

 今回は、紅葉はピークを過ぎ稜線では天気に恵まれませんでしたが、それでも随所で素晴らしい景色を見ることができました。新緑の季節も素晴らしいということでしたので、また機会があれば訪れたいと思います。
 


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