しちめんざん | |
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登山日: 2015年1月25日(日) | 標高:1982m(七面山) 1980m(希望峰) |
標高差:羽衣から約1480m |
地図及びルートについては前回本ルートでの登山時(2012年3月3日)のものを参照
1月25日(日) | 羽衣 5:35 → 敬慎院 8:30(〜50) → 七面山 10:00 → 希望峰 10:35(〜11:00) | ||||
→ | 七面山 11:35 → 敬慎院 12:15(〜40) → 羽衣 14:10 |
本日は七面山に登ります。前日に赤岳を登って、充分歩けましたし展望も楽しめて所期の目的は達成したのですが、日曜日も天気は良さそうであったこと、しばらくしっかり歩いていなかったことから歩ける時に歩いておこうということで七面山に登ることにしました。土曜日に大方トレースは付いたはずですので、他の八ヶ岳の山々でも良かったのですが、同じような展望を見るよりはということで、南アルプス南部を中心とした展望の得られる七面山にしました。赤岳登山で足の裏の皮が剥けてしまったので、あまり12本爪アイゼンは装着したくないというのもありました。 赤岳からの下山はそこまで遅くなかったのですが、そもそも日曜日に山に登るかどうか、登るとしたらどこにしようかということでぐだぐだしてしまったので、結局七面山に登ることに決めて、翌日の準備をして車中泊をしたのが遅い時間になってしまいました。最初は単調な登りですので、夜明け前のかなり早い時間から登る目論見は外れてしまいました。 |
![]() 【入口の鳥居】 |
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![]() 【敬慎院の五十丁目まで続く】 |
前日の疲労も考えて、無理をせずある程度の睡眠時間を確保したうえで現地に向かいます。七面山は2回登っていて、今回も同じ登山口から登る予定でしたので、特に問題なく登山口に到着することができました。道路状況が気になるところでしたが、参拝者の多い場所ですので、やはり除雪はきちんとなされていました。 駐車場に車をとめて準備をしたら出発です。入口の鳥居の脇には「元丁目」と書かれた石灯篭のようなものがあり、敬慎院にある「五十丁目」まで続きます。現在地の目安がわかるメリットがある反面、ペースが上がらないと全然進んでいないような気持にもなりますので、ありがたいのかどうか難しいところです。ここは敬慎院までは一定の斜度で上がって行きますので、現在地の標高もいい目安になると思います。 今年は雪が多いので、雪の状況が気になっていたのですが、十丁目あたりから雪が出始めて、二十丁目あたりからはほぼ雪道が繋がるようになって来ました。 |
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![]() 【十丁目あたりから徐々に雪道に】 |
![]() 【樹木越しの富士山】 |
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![]() 【やや開けた場所からの富士山】 |
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![]() 【朝日を浴びて赤く染まる】 |
その前に夜が明けて来て、ほんのり赤く染まった富士山と富士山の脇に見えていた山から昇って来る夜明けの太陽を樹林越しに眺めることができました。この景色を富士山の展望の素晴らしい敬慎院で見たいと思って、当初早朝の登山を考えていたのですが、逆算すると相当早い時間から登らないといけませんので、あまり現実的ではないかもしれません。敬慎院に泊まるのが一番なのでしょう。ただ、樹木越しでも夜明けの景色は十分素晴らしいものでした。 雪の状況は先に書いたように十丁目あたりから雪が現れて、登るに連れて繋がって来るようになります。この雪道は、よく踏まれていることから滑りやすくなっていました。さらに、この雪道の境目となるところは、雪が溶けかかってアイスバーンになっていることもあって、ある程度雪道が繋がって来た二十丁目手前あたりからはチェーンアイゼンを装着したのでした。 |
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![]() 【富士山と姿を現した夜明けの太陽】 |
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![]() 【すっきりとした北岳と間ノ岳が見えて】 |
![]() 【山門へ】 |
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![]() 【長い階段が雪に埋もれて緩やかな登りに】 |
気温はそれなりに低かったと思いますが、風もなくひたすら登って行きますので、体は結構暑かったです。本当はこの時期にあまり汗をかいてはいけないのですが、休憩をすると体から湯気が立ち上っている状況でした。 思った程ペースは上がらなかったのですが、それでも3時間程で山門を通って、雪に埋もれて緩やかな坂になっている階段を登って行くと敬慎院の境内に到着です。山門の少し手前あたりから、前日に泊まられた方々とすれ違いましたが、やはり時期が時期だけにすれ違った方は少なかったと思います。 富士山の展望台の脇に雪の除かれたベンチが2つありましたので、そこで休憩をさせていただくことにしました。見事な富士山が見えていましたが、この時間は逆光になりますので、下って来た時の眺めに期待することにしました。 |
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![]() 【境内へと言っても奥までは入りません 主要な場所は除雪されています】 |
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![]() 【この時間は逆光の富士山】 |
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![]() 【立派な山門】 |
この時にちょうど泊まっていたと思われるグループの方達が七面山に向かって行きました。休憩を早めに切り上げて先行させてもらうことも考えましたが、そもそもペースが上がっていなかったうえに、思ったよりも疲れていたのでもうしばらく休憩時間としました。 十分休憩をしたら出発です。まずは、敬慎院の裏手に回るように進んで行きます。感覚的には敬慎院を回り込んで行くような感じでしょうか。所々に七面山への方向を示す小さな看板もあります。しばらくは除雪された道が続いていますが、当然とはいえ登山道手前までです。登山道には結構潜っていると思われるトレースがありました。これを忠実に辿ればラッセルもいらないのでしょうが、せっかくスノーシューを担いできましたのでここで装着することにしました。雪は前回の3月上旬に登った時よりも多い感じでした。 |
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![]() 【富士山の展望地点も除雪されています】 |
![]() 【七面山へは裏手へ】 |
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![]() 【除雪地点を過ぎると雪深い道が】 |
登山道の脇を歩いたり、狭い所は登山道を歩いて進んで行きます。スノーシュー自体が重いのでなかなかしんどいですが、結構楽しく歩けたのではないでしょうか。雪を踏みならして一定の幅の道がずっと出来て行く様を振り返るのも楽しかったす。スノーシューの威力は発揮できましたが、やはり登山道を大きく外れるとスノーシューでも思いっきり沈んでしまうくらいの雪が積もっていました。 急斜面もありますが、スノーシューで通れるくらいの幅はありましたのでそのまま登って行きます。スノーシューにも刃はありますので、下手に軽アイゼンを装着するよりも安定しているでしょう。この斜面もスノーシューで行けるだろうということもあって、12本アイゼンは持って来なかったのでした。軽量化重視であまりお勧めできる登り方ではないのですが、過去2回登った時の様子でそこまでは厳しくはないだろうという判断でした。 |
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![]() 【雪道を登って行く】 |
![]() 【鬱蒼とした樹林帯】 |
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![]() 【七面山山頂へ】 |
ゆっくり登って行くと少し開けて七面山山頂に到着です。先行していたグループの方が休憩をしていました。ちなみに上は開けていますが、周囲は完全に樹木に囲まれていて展望はありません。こじんまりとして雰囲気はいいのですが、展望を楽しむことはできないのでした。 グループの方が写真を撮るので撮ってくださいということで、お互いに写真を撮り合いました。その後、休憩をしようかとも思いましたが、まだ多少は余力があったのでそのまま先に進みます。ここからはトレースもなく、雪もかなり深そうです。ちなみに山頂付近はスノーシューでは膝上くらいでしたが、グループの方のトレースを帰路に見たところでは、胸くらいまで嵌ったのでないかと思う穴もありました。 |
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![]() 【一部埋まった頂上碑】 |
![]() 【写真を撮っていただきました】 |
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![]() 【トレースなき樹林帯を進んで行く】 |
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![]() 【急斜面の登りはきつく】 |
一度はノートレースで歩いているルートとは言え、最初の道が少し分かりづらくて先が思いやられましたが、最初の下りで目印を見つけた後は、断続的に目印が付いているのと、そもそもトレースがないとはいえ、トレースの跡が若干窪んでいたので迷うことなく進むことが出来ました。七面山に登る予定はなかったので、休憩時に自分のホームページを見ながら手書きでGPSにルートを入れていたのですが、それを使わずに済みました。 ただ、下りはともかく登りのラッセルは本当にきつくて、一歩一歩登るのが大変でした。そもそも急斜面では九十九折れにしないとずるずる滑ってしまうような状況でした。とはいえ、標高に直すとたいした高さは登らないので、何とか押し切って希望峰まで到着することができました。最初からここで時間を使う予定でしたので、あまり休憩を取らずに登って来たのでした。 |
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![]() 【希望峰頂上へ 八紘嶺への縦走路になります】 |
![]() 【年季の入った標識】 |
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![]() 【左の上河内岳から右の北岳までの絶景】 |
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![]() 【布引山〜笊ヶ岳 右奥に悪沢岳】 |
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![]() 【奥に上河内岳と聖岳】 |
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![]() 【塩見岳と間ノ岳〜北岳】 |
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![]() 【間ノ岳〜北岳】 |
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![]() 【塩見岳〜蝙蝠岳】 |
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![]() 【悪沢岳】 |
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![]() 【布引山〜笊ヶ岳】 |
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![]() 【聖岳】 |
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![]() 【迫力のある間ノ岳】 |
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![]() 【奥に大無間山】 |
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![]() 【帰路はトレースを辿って】 |
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![]() 【再び七面山山頂 グループの方のザックがデポされています】 |
希望峰からは見事な景色が広がっています。初めて訪れた時には素晴らしい景色が見られたものの、前回はガスガスでしたので、今回はすっきりとした展望が得られて良かったです。冬は八ヶ岳や奥秩父の山に登ることが多いので、南アルプス北部はよく見るのですが、塩見岳や南アルプス南部の山々はなかなか見られないので本当に良かったです。 風はそこまではなかったものの、山頂自体が日陰になっていて寒かったです。この景色を見るために登って来ましたので、1時間くらいいても良かったのですが、寒かったのと、先ほどの団体さんが登って来られましたので戻ることにしました。自分の歩いた後に踏み固めてくれましたので、帰路は歩きやすくなっていました。スノーシューの道を作りながら戻って行くと七面山山頂に戻ります。ザックがあったので、誰か登って来たのかなと思ったのですが、先ほどのグループの方達がザックをデポしていたのでした。 |
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![]() 【展望のない山頂 木々の合間より僅かには南アルプスが見えていますが】 |
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![]() 【雪で白くなったナナイタガレの斜面】 |
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![]() 【再び展望所より富士山】 |
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![]() 【富士山をズーム】 |
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![]() 【裾まできれいな富士山です】 |
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![]() 【その後は長い下りへ】 |
七面山からはそのまま下って行きます。敬慎院の裏手まで下った後は、スノーシューを外して再びチェーンアイゼンを装着しました。富士山の展望所に戻って来ると今度はきれいな富士山を見ることが出来ました。山伏と同様に裾まで整った富士山です。展望を眺めながらのしばしの休憩としました。 休憩をした後はひたすら下って行きます。やはり一気に下ると膝が心配でしたので、適当に休憩を挟みながら下って行きました。アイゼンを外すタイミングは難しかったのですが、チェーンアイゼンはあまり歩くのに支障がなかったので、ある程度雪が消えてから外しました。 結局午後2時過ぎには戻って来ることができました。この日は歩こうかどうか迷ったわけですが、希望峰からの南アルプスの素晴らしい展望、敬慎院からの富士山の展望に、スノーシューでもしっかり歩けて充実した山歩きとなりました。七面山・希望峰はまた定期的に訪れたいと思います。 |
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