のぶせがたけ・なぎなたやま | |
![]() |
|
登山日: 2015年3月21日(土) | 標高:1674m(野伏ヶ岳) 1647m(薙刀山) |
標高差:白山中居神社から約950m |
3月21日(土) | 白山中居神社 7:00(〜30) → 和田山牧場跡 8:30 → 野伏ヶ岳 10:50(〜11:10) | ||||
→ | 薙刀山 12:10(〜30) → 和田山牧場跡 13:50 → 白山中居神社 14:50 |
本日は野伏ヶ岳・薙刀山に登ります。実は前週に登る予定だったのですが、急遽別の山に登りたくなったことからとりやめにして、この日に登ることにしたのでした。 野伏ヶ岳は登ったことがありますので、今回はその野伏ヶ岳に加えて前回野伏ヶ岳に登った時に気になっていた薙刀山に登ることにしました。ただし、こちらは基本的にBCの方が登られるようで、あまり歩いて登っている記録はなかったので、様子を見て登るかどうかを判断することにしました。したがってまずは野伏ヶ岳を目指すことになります。 このあたりは、近くまで東海北陸道で行けるとはいえ、距離がありますので、現地入りはどうしても遅くなってしまいます。この時期はなかなか早く帰宅できないこともあって、現地入りは明け方近くになってしまいました。早い時間だったこともあって、白山中居神社を過ぎて橋の手前にあるスペースに駐車することができました。周囲には雪壁があって、前回よりも雪は明らかに多そうです。 |
![]() 【橋の手前に駐車しました】 |
|
![]() 【石徹白川を渡って】 |
このあたりは標高が決して高くはないので、暗い時間の雪が締まっているうちに歩きたかったのですが、やはりとても眠たかったのと、少し夜が明けて来た頃に外を見てみるとガスに覆われていたことから、結局ゆっくり準備をして、大方の登山者が出発した頃の出発となりました。 目の前の橋を渡ってしばらく林道を歩いて行きます。最初は除雪されていますが、やがて除雪区間も終わって雪道になります。雪は思ったよりも深かったことからわかんを装着します。最近は当たり前のようにスノーシューを使っていたのですが、今回は能郷白山で樹林帯での歩きに少し限界も感じたことからわかんの練習をすることにしたのでした。ルート的にはスノーシューで問題なく歩けますし、むしろ快適に歩けることでしょう。ただ、薙刀山から和田山牧場跡までは、谷沿いの急斜面もあるのでスノーシューでは歩きにくかったかもしれません。 |
|
![]() 【雪が多く雪壁の間を通って行きます】 |
![]() 【林道をショートカットを交えながら登って行きます】 |
|
![]() 【野伏ヶ岳の雄姿とともに和田山牧場跡へ】 |
わかんはよく担いでいたのですが、装着をするのは久しぶりで、しかも一部紐が外れている箇所があって随分装着するのに時間がかかってしまいました。これだけで30分くらいは費やしてしまったでしょうか。 和田山牧場跡までは基本的には林道を辿りつつ、時々ショートカットを交えながら進んで行きます。このあたりは行けそうかなと思う場所はあったのですが、いかんせん雪が深くて余計に時間がかかりそうでしたので、結局トレースを追って行ったのでした。出発時間が遅く薙刀山は微妙かなと思われるような時間になっていたので、短時間で登れそうなルートを優先しました。 朝はガスに覆われていましたが、時間が経過するに連れて徐々に晴れて来ました。残念ながらすっきりとしたとまではいかないにせよ、青空も見えて来て展望が楽しみになって来ました。最後林道を逸れてやや急な斜面を登って行くと和田山牧場跡に到着です。このだだっ広い場所に到着したと同時に現れる野伏ヶ岳は本当に見事だと思います。 |
|
![]() 【左に野伏ヶ岳と右に薙刀山】 |
||
![]() 【徐々に近づく野伏ヶ岳】 |
||
![]() 【今回は右の薙刀山も眺めながら進んで行きます】 |
||
![]() 【まずは野伏ヶ岳を目指します】 |
||
![]() 【薙刀山】 |
||
![]() 【美しい雪面と正面は初河山あたりでしょうか】 |
||
![]() 【広々とした牧場跡を振り返る】 |
||
![]() 【山スキー組が薙刀山に向かいます】 |
||
![]() 【右の薙刀山に向かうルートに対して野伏ヶ岳のダイレクト尾根へは小ピーク沿いに歩いて行きます アプローチルートは他にもあるようです】 |
||
![]() 【ダイレクト尾根が見えて来て】 |
||
![]() 【踏み抜きが多くて歩きにくかった尾根へ取り付く道】 |
さっそく野伏ヶ岳へと言いたいところですが、やはり野伏ヶ岳の眺めが見事で、少し歩いては写真を撮っていましたので、なかなか先に進みません。前回はあまり意識していなかったのですが、右手の薙刀山も今回は登る予定でしたので、気になるところでした。野伏ヶ岳より離れた場所にあるので、上部しか見えていませんが、その真っ白な頂が印象的でしょうか。 牧場跡を抜けると薙刀山方面へ向かうルートと別れてダイレクト尾根に取り付いて行きます。尾根の末端まで行くと遠回りになりますし、ショートカットをしようとすると急登になるので、どのあたりに取り付くかは難しい所です。結局、トレースを借りて登ることにしたのですが、これがスキー中心のトレースでわかんではかなり踏み抜くうえに幅も狭くて結構大変でした。何とかダイレクト尾根に乗ると、最初はまだ木々も多く、なだらかな尾根道が続きます。 |
|
![]() 【しばらく登って行くと木々がまばらになり視界が開けました】 |
||
![]() 【振り返ると和田山牧場跡と奥には翼を広げたように見える大日ヶ岳】 |
||
![]() 【徐々に急な斜面に差し掛かって】 |
||
![]() 【稜線手前の急登】 |
||
![]() 【左奥に野伏ヶ岳山頂が見えて】 |
||
![]() 【前回とは違って普通に稜線に乗ることができました】 |
しばらく登って行くと、徐々に木々もまばらになって来ると同時に、部分的に急な斜面も現れて来ます。前回はアイゼンを装着しても急に感じた場所で、今回も山スキーの方がかなり苦戦をしていたので、気を引き締めて向かったのですが、思った程の急斜面ではなくて比較的順調に登って行けました。また、前回は稜線に乗るところで雪庇が発達していて、端からトラバースするように登って苦労をしたのですが、今回は普通に登ることができました。ただ、稜線手前は急で踏み抜きそうであったので、足を乗せるところだけは注意をして進みました。 稜線に出ると山頂までは間もなくです。今回は稜線に出るまでが思ったよりもあっさりでしたので、わかんの装着に時間がかかったことを除けば、意外と早く山頂に着くことができました。ただ、晴れて来てからはぐんぐん気温が上がっていて暑さによって思ったよりも疲れていたように思います。前回はとても寒い1日でしたのであまり感じませんでしたが、やはりこの標高で気温が上がると結構暑く感じます。能郷白山でもそうでしたが、残雪期の中低山はこのあたりが大変な気がします。ただ、暑さ以上に雪の緩み具合が気になるところでした。 |
|
![]() 【山頂への道】 |
||
![]() 【広々とした野伏ヶ岳山頂へ】 |
||
![]() 【白山方面の眺め】 |
||
![]() 【南へ続く稜線も美しく】 |
||
![]() 【荒島岳付近が見えるくらいの霞み具合でした】 |
山頂からは見事な景色が広がっています。ただ、少し霞みがかっていて遠方がくっきり見えなかったのは残念でした。しばらく晴天が続いていたのと、これだけ気温が上がっている状況では仕方がないのかもしれません。それでも翌日の猿ヶ馬場山よりはよく見えていたと思います。白山方面も今回は灰色の空がバックになってしまっていますが、よく見ることが出来て良かったです。前回、別山を白山と間違ってしまいましたが、これだけ存在感があれば仕方がないのかもしれません。荒島岳に登った時も思いましたが、別山だけでもかなりどっしりとした山容を持つ立派な山だと思います。御前峰に比べると標高も300m程低いですが、この付近の山では突出した標高になります。 しばらく山頂での景色を楽しんでいると、いつの間にかそれまでに山頂にいた方々は下ってしまいましたので、薙刀山に向かうことにしました。やはりこちらに向かう人はいませんでした。 |
|
![]() 【左の経ヶ岳と右の赤兎山・大長山】 |
||
![]() 【白山から丸山まで続く稜線】 |
||
![]() 【左中央付近の薙刀山が低く見えます 肉眼ではもう少し迫力がありました】 |
||
![]() 【丸山と芦倉山でしょうか 距離が近いため展望がクリアで見事な景色を見せていました】 |
||
![]() 【少し霞んでいる荒島岳】 |
||
![]() 【いつかは残雪期に登ってみたい経ヶ岳 中央左が山頂だと思います】 |
||
![]() 【左が赤兎山で右が大長山だと思います】 |
||
![]() 【なだらかな山容の丸山】 |
||
![]() 【芦倉山】 |
||
![]() 【真っ白な別山】 |
||
![]() 【別山の左に御前峰と大汝峰でしょうか】 |
||
![]() 【いよいよ薙刀山へ】 |
||
![]() 【随所に走るクラック】 |
最初は急な下りですが、上部の方は特に問題なく下って行きます。問題は下部の方で、斜面が急であることよりもクラックが走っているのが気になるところで、下手なところを踏み抜かないように歩いて行きます。自分と同じわかんのトレースはありますが、雪が緩んでくるとトレース上でも踏み抜くので、このあたりは慎重に進んで行きました。なだらかな場所まで来れば問題ありません。 その後は、快適な稜線歩きとなります。思った程雪に沈むことなく進んで行くことができました。ただ、右手は雪庇が発達していますので寄りすぎないようにして進んで行きます。先行者のトレースがあったので、少し楽をしてしまった面はあるかもしれません。時々振り返った野伏ヶ岳は見事で、和田山牧場跡からの野伏ヶ岳も見事ですが北側からの野伏ヶ岳もなかなかでした。アップダウンを繰り返しながら進んで行き、最後急登を登ると薙刀山に到着です。ちなみに、薙刀山から下るBCの方々はこの稜線の直下を滑って行きますので、すれ違っているようで少し不思議な気分になりました。 |
|
![]() 【筋状の雪面が美しく】 |
||
![]() 【雪庇に気を付けながら進む】 |
||
![]() 【下って来たルートを振り返って】 |
||
![]() 【北側から見た野伏ヶ岳もどっしりとして】 |
||
![]() 【雪庇の発達した稜線】 |
||
![]() 【薙刀山へ】 |
||
![]() 【野伏ヶ岳からのルートを振り返って】 |
||
![]() 【薙刀山山頂は全てBCの方でした】 |
薙刀山からも素晴らしい展望が広がっていました。相変わらず離れた場所は霞みがかっていますが、野伏ヶ岳山頂とおなじような感じで見えていたと思います。白山には少し近づいたものの、やはり白山までの距離はまだまだありますので、それほど大きく見えるわけではありません。この時期はさすがに無理ですが、GWの頃にいつかは残雪期の白山も登ってみたいと思ったのでした。 時間も時間ですので、山頂でのんびりしている間に、先に休憩していた方達は下山してしまったようでした。まだ、数人登って来られる方もいましたが、どの方もBCで下りは速いですので、歩きの自分もあまり遅い時間にならないようにということで下山開始です。とはいえ、焦るような時間ではありませんので、無理をせず下って行きます。ルートはBCの方と合わせて稜線直下を歩いて行きました。滑るわけではないので多少のアップダウンは問題ないですし、斜面の雪の状態を考えても離れて歩いた方が良かったのですが、程良いラッセル具合で緩やかに下りながらだとテンポ良く下れたのでこのルートを取って行ったのでした。 |
|
![]() 【野伏ヶ岳を振り返る】 |
||
![]() 【北東側の尾根から登って来る登山者 こちらにもルートがあるのでしょうか】 |
||
![]() 【丸山から芦倉山の稜線】 |
||
![]() 【少しは近づいたような気がしますがやはりまだまだ遠い白山】 |
||
![]() 【翼を広げたような大日ヶ岳】 |
||
![]() 【大日ヶ岳を拡大】 |
||
![]() 【野伏ヶ岳山頂を拡大 あの後まだまだ登って来られた方がいたようです】 |
||
![]() 【稜線を右手に野伏ヶ岳を眺めがら進む】 |
||
![]() 【張り出した雪庇】 |
||
![]() 【急斜面はさすがに左手のなだらかな斜面を歩きます】 |
||
![]() 【正面に野伏ヶ岳を眺めながら谷間を下って行きます】 |
||
![]() 【結構急な下りでしたが シリセードが止まるくらい滑りにくい雪でした】 |
しばらく稜線直下をあまり離れないように歩いて行くと、やがて急斜面の谷に突き当ります。本当は東寄りの斜面を下った方がいいとは思ったのですが、わかりやすくBCのトレースのある谷の最も深い所から下って行きました。結構な急斜面ですが、あまり危険はなさそうでしたのでシリセードをしようと思ったら、雪がやや深くてべたついていたせいか、ほとんど滑りませんでした。 野伏ヶ岳側の斜面はかなり急でしたので、できるだけそちらには近づかないようにして下って行きました。すると、このあたりで雪山ハイクをしているグループの方達がいて、このあたりを歩いて楽しんでいるようでした。さらにトラバース気味に下って行った後、野伏ヶ岳の東側斜面に取り付いて回り込んで行きました。しっかりBCのトレースがありましたので、問題なく歩くことが出来ました。わかんでは時々踏み抜くこともありましたが、思った程ラッセルすることなく、やや深い所も下りであることを生かしてあまり労力を使わずに歩けたと思います。 |
|
![]() 【下って来た谷を振り返る 写真だとあまり狭まったように見えません】 |
||
![]() 【対岸の山々を眺めながら野伏ヶ岳の東側を回り込んで行きます】 |
||
![]() 【なだらかな雪原に出て来て正面奥が分岐】 |
こうしてだだっ広い場所に出ると、正面に野伏ヶ岳の登りで見送った分岐に出ます。この手前は広々とした雪原になっていて、テントを張っている方がぼちぼちいました。その後も断続的にテントを担いでいる人が登って来ましたので、このあたりは結構雪山テント泊をして楽しむ方が多いようでした。 雪原歩きとは言え、やはり雪が緩んで足がとられる場所もありますので、見た目ほどは歩きやすくはありませんが、比較的順調に戻って行きます。ただし、振り返るとこの時間でも素晴らしい景色が広がっていましたので、時々写真を撮っては進みという感じで、なかなか進みませんでした。最後、野伏ヶ岳と薙刀山がよく見える場所から写真を撮ってこの日お世話になった2山を見送ったのでした。 |
|
![]() 【見事な野伏ヶ岳を振り返る】 |
||
![]() 【牧場跡から野伏ヶ岳と薙刀山を振り返る この日の見納めです】 |
||
![]() 【順調に戻って来ることができました】 |
牧場跡からは、ひたすら下って行きます。登りの時と比べて踏み固められて歩きやすくなっているかと思いきや、むしろ雪が緩んで結構踏み抜きながらの下りとなりました。下りですから何とかなりますが、登りでこのような状態だと大変そうです。 時々ショートカットを交えながら下って行って、結局午後3時前には戻って来ることができました。出発も遅かった割には、順調に歩いて回って来ることができたのではないかと思います。 展望にも恵まれて、今回は前回行けなかった薙刀山まで回って来ることが出来て良かったと思います。やはり奥美濃の山々は歩いていて変化があって楽しいですし、真っ白な山々の景色も素晴らしいと思います。 |
|