ちゃうすだけ・かみこうちだけ・ひじりだけ・うさぎだけ・おおさわだけ・あかいしだけ・あらかわさんざん
 茶臼岳・上河内岳・聖岳・兎岳・大沢岳・赤石岳・荒川三山(1日目)
  登山日: 2015年7月25日(土)〜27日(月)  
  標高:2604m(茶臼岳)2803m(上河内岳)3013m(聖岳) 2818m(兎岳) 2819m(大沢岳) 3120m(赤石岳) 3141m(悪沢岳)


 7月25日(土)    夏季臨時駐車場 4:10 → 沼平ゲート前 4:40 → ヤレヤレ峠 5:35
   横窪沢小屋 7:40 → 茶臼小屋 9:40 → 茶臼岳 10:25(〜40)
   上河内岳 12:20(〜50) → 聖平小屋 14:20
     
7月26日(日)    聖平小屋 2:30 → 聖岳 4:30(〜5:10) → 兎岳 6:35 → 中盛丸山 8:10
   大沢岳 9:00 → 避難小屋〜赤石岳 12:00(〜35) → 荒川小屋 13:50(〜14:30)
   荒川前岳 16:00 → 荒川中岳 16:10 → 中岳避難小屋 16:15
   
7月27日(月)    荒川前岳 4:00(〜5:00)   中岳避難小屋 6:00 → 悪沢岳 6:40 → 千枚岳 8:15
   千枚小屋 9:00 → 清水平 10:15 → 椹島 12:25

 

 本日より2泊3日で南アルプス南部を縦走します。今回は、南アルプス南部の山には何度も登っているのですが、いつも初夏のお花の時期は北アルプスに当てていることが多く、初夏には歩いたことがなかったので、今回この時期に歩いてみることにしました。できるだけいろいろな場所のお花の咲き具合を見てみたいということで、目一杯縦走する計画としました。本当は、荒川三山手前のお花畑を晴れた日のいい時間に通過したかったのですが、いろいろな場所のお花の咲き具合の確認を優先することにしたのでした。

 縦走距離を伸ばすために、帰路は椹島からのバスを利用します。したがって、1泊は小屋に泊まらなければなりません。元々できるだけ長い距離を移動したいということもあって、今回は小屋泊としたのでした。3泊以上するのであればテント装備でもいいのですが、1日だけのためにテント装備を担ぎ続けるのもということで、2泊しかできない時は小屋泊が定番になりそうです。とはいえ、聖平小屋の混み具合にはいろいろと考えさせられるものがあったのでした。

【夏季臨時駐車場】
 
【畑薙第一ダムまで1キロ地点】
 帰りを椹島からのバスを利用するため、夏季臨時駐車場から歩き始めます。これは、バスが沼平のゲート前にとまらないからだったのですが、後で椹島で確認してみると、椹島へ向かうバスはとまらないのですが、椹島から戻って来るバスは沼平のゲート前にとまってくれるとのことでした。知っていれば沼平のゲート前に駐車したのですが、こればかりは致し方ありません。他にも長距離バスが待機している畑薙第一ダムでも帰路はとまっていました。

 夜明け前に夏季臨時駐車場に入って少し仮眠を取ります。北アルプスなどに比べれば短い時間で入れる場所ですが、それでもあまり睡眠時間は取れず、まだ眠い目をこすりながらの出発となります。沼平ゲート前に向かう車に気を付けながら車道を歩いて行きました。畑薙第一ダムを経てさらに歩いて行くと沼平のゲート前です。ここで、登山届を提出して林道を歩き始めます。林道を歩いて思ったのは、路面の凹凸が大きくてかつてないほど荒れていたことでしょうか。実際帰路のバスではかなりバスが上下していました。このあたりは、すぐに路肩が崩壊するので大変そうです。

【夜明けの畑薙第一ダム】
 
【沼平ゲート 右が登山指導センター】
 しばらく林道を歩いて行くと畑薙大吊橋が見えてきます。GW以来ということで、GWに歩いた時には今年はもうこのあたりは歩かないかなと思っていた畑薙大吊橋を渡ります。何度歩いても下を見ると怖いものがありますが、さすがにこれだけの回数を歩いているとある程度は慣れてしまいます。

 渡った後はヤレヤレ峠へ向けてトラバース道中心の道になります。GWに比べると随分整備されていて、普通に歩けるだけの幅は登山道の土を固めてくれていましたが、それでもかなり狭いですので、慎重に進んで行きます。ヤレヤレ峠に到着したら、少し休憩をしてから先に進みます。残雪期装備を担いできつかったGWとは違って身軽なはずなのですが、体が重くて思った程ペースが上がりませんでした。それでもウソッコ沢小屋を経て横窪沢小屋へ向かって登って行きます。ウソッコ沢小屋手前の崩壊した登山道もやはり整備されて普通に歩けるようになっていました。

【畑薙大吊橋が見えて】

【GW以来の畑薙大吊橋】

【GW時に比べると整備されているが崩壊地は慎重に歩いて】
 
【ヤレヤレ峠で少し休憩をして】

【GWで滑って転んだ岩場を気を付けて進む】

【渓流沿いの道】

【こちらもGW時に苦労しましたが整備されていました】

【ヤマホタルブクロ】

【ウソッコ沢小屋】

【横窪沢小屋へ】

【アカツメクサ?】

【お茶をいただきました】
 横窪沢小屋で少し休憩をしたらさらに登って行きます。この少し前にテント泊の方に抜かれますが、この方は後で茶臼岳で会って、光岳に1泊2日で行かれるということで初日にテント装備で光岳小屋まで入るとのことでした。その後倒木ベンチでもやはりテント装備の方に抜かれましたが、この方は百間洞まで行かれるとのことで信じられないような健脚の方でした。一方で私の方はこの日は聖平小屋までですので、無理をせずマイペースで登って行きました。

 茶臼小屋が近づいて来ると高山植物も増えて来ます。シナノキンバイを始めとした黄色系の高山植物が華やかでした。やがて、茶臼小屋が見えてきます。ここでGWでもお世話になったおいしい水をいただきます。南アルプスは標高の高いところでも水を取れるのがいいです。小屋の前でゆっくりしても良かったのですが、天気もいいですので、とりあえず茶臼岳まで行ってしまうことにしました。

【倒木ベンチ 茶臼小屋への中間点のようです】

【マルバダケブキ】

【ニガナ】

【ウマノアシガタ】

【茶臼小屋が近づいて 好きなロケーションです】

【天気がいいのでたくさんの布団が干してあります】

【シナノキンバイ】

【イブキトラノオ】

【ヤマハハコ】

【ハクサンフウロ】

【トリカブト】

【水場とジュースやビールを売っています ペット500cc300円は安い】

【富士山が見えて】

【ミヤマコウゾリナ】

【イワカガミの群落】

【ハクサンチドリ】

【ニリンソウ】

【ミヤマダイコンソウ】

【稜線へ】

【茶臼岳】

【鮮やかなタカネバラ】

【茶臼岳山頂へ】

【富士山と青空にたなびく雲】

【頂上碑と上河内岳〜聖岳へ続く道】

【中央奥に大無間山 左に畑薙ダム】

【中央の光岳への縦走路】

【立派な頂上碑】
 小屋裏から少し登って行くと間もなく稜線に出ます。そこから10分少々登って行くと茶臼岳山頂に到着です。茶臼小屋から近くて展望がいい山です。さすがに赤石岳や荒川三山は遠いですが、上河内岳や聖岳の眺めは見事です。また、富士山や光岳への縦走路もよく見えています。この日は青空とたなびく雲が独特の景色を織りなしていて、いくら空を見上げても見飽きることはありませんでした。

 一通り写真を撮ったら上河内岳へというところで、先に書いたテント泊で抜いて行った方がちょうどお昼の長い休憩をとっていていろいろなお話をしたのでした。ちなみに、同じ静岡県内の方でしたが、基本的にテント泊で椹島から沼平ゲート間も普通に歩くと聞いて驚かされました。この日百闢エへ行った方も最終日にその長い林道を歩いていたそうですが、あの長い林道を歩こうと思う時点ですごいなと思ったのでした。南アルプス南部にはよく来られるようですので、またばったりすることもあるかもしれません。

【この日はとにかく空の眺めが素晴らしかったです】

【南アルプスと言えば富士山の眺め】

【右の上河内岳へ向かって 左は聖岳】

【ミヤマアキノキリンソウ】

【ウメバチソウ】

【茶臼岳を振り返る 中央が稜線出合】

【ヨツバシオガマ】

【ウサギギク】

【ミヤマコゴメグサ】
 茶臼岳でしばし休憩をしたら上河内岳を目指します。一旦稜線出合まで戻って上河内岳を目指します。稜線から左手に外れて樹林帯に入って行きます。GWはこのあたりは結構雪が残っていました。樹林帯を抜けると亀甲状土と呼ばれる窪地上の地形があって、その先に上河内岳が聳えています。ここはお花畑と表示されているのに高山植物が見られないと思っていたのですが、お花畑はこの亀甲状土と呼ばれる地形を過ぎたあたりで、そこにはチングルマを始めとしたいろいろな花が咲いていたのでした。

 やがて岩のごろごろしたような道となって、本格的な登りとなって来ます。これを登って行くと上河内岳の肩に到着です。ここでは、休憩をしている登山者がちらほらいました。ザックをデポしても良かったのですが、そこまでは疲れていなかったですし、そもそもテント装備ではありませんので、そのまま山頂に向かって登って行きます。しばらく登って行くとやがて上河内岳山頂に到着です。

【亀甲状土から上河内岳へ続く道】

【堂々と聳える上河内岳】

【アカモノではなく葉から見るとツガザクラ?】

【ミツバオウレン】

【お花畑から上河内岳】

【チングルマの群落】

【キバナノコマノツメ】

【イワツメグサ】

【チシマギキョウ】

【タカネツメクサ】

【上河内岳の肩へ】

【左の茶臼岳 右の光岳への縦走路】

【山頂への道】

【上河内岳山頂へ 地形図の通り南北に長い山頂です】
 上河内岳山頂からの展望は相変わらず素晴らしく、特に南アルプス南部ビッグ3の眺めは素晴らしいです。また、富士山の展望、歩いて来た茶臼岳から光岳への稜線の眺めもいいです。上河内岳は南アルプスでも山頂からの展望が最も好きな山の1つです。茶臼岳は茶臼小屋から近くて展望もいいのですが、この上河内岳が比較的近い距離にありますので、どうしても茶臼岳に登るだけでは満足できなかったりします。

 この時間になると雲が湧いて来て聖岳には雲がかかって来てしまいましたが、それでも十分に素晴らしい展望でした。充分な時間とは言えませんが、景色を楽しんだら肩まで下ります。そのまま聖平小屋へと言いたいところですが、まずは南岳へ向かうことになります。GWの時には結構やせ尾根になっていて歩きにくかったところですが、雪のない時期でも結構幅の狭いトラバース道がありますので、慎重に歩く必要があるでしょう。

【聖岳〜赤石岳〜悪沢岳の南アルプス南部ビッグ3の山々】

【頂上碑を入れて】

【端正な富士山】

【富士山をズームして】

【聖平小屋】

【左は笊ヶ岳と布引山】

【肩へ下る 静かな山頂よりもなぜかにぎわう肩】

【ライチョウの親子 GWに続いて上河内岳付近で会うことが出来ました】

【南岳へ】

【ミヤマキンポウゲ?】

【シコタンソウ】

【エゾシオガマ】

【イワオウギ】

【ミネウスユキソウ】

【タカネコウリンカ】

【ミヤマキンバイ】

【タカネナデシコ】

【タカネマツムシソウ】

【センジュガンピ?】

【花の名前を思い出せず】

【タカネグンナイフウロ】

【ツマトリソウ】

【ウメハタザオ】

【南岳山頂】
 南岳への道は険しい道ではありますが、聞いていたようなお花畑が広がっていました。場所が場所ですので広々としたお花畑というわけではないのですが、斜面いっぱいにいろいろな花が咲いていました。途中で抜いた団体さんの場所を確認しながら、狭い道ですので足元に気を付けながら写真を撮っていました。特にタカネナデシコは見たいと思っていましたので、見つけることができてうれしかったです。1日目に歩いた場所では最も素晴らしいお花畑でした。

 その後は南岳山頂を通り過ぎて聖平小屋へ下って行きます。GWは残雪多い地獄の樹林帯でしたが、当然雪のない時期はそのようなことはなく、登山道も明瞭で順調に下って行きました。ただ、ガスは結構下りて来ていて聖岳はほとんど見えなくなっていました。

【南岳からは一気に下って行く】

【下って来た崩壊地を振り返る】

【聖平小屋分岐】

【柵の中にぽつんと咲いていたニッコウキスゲ】

【長い木道を歩いて聖平小屋へ】

【テント場も大賑わいの聖平小屋】

【名物の?フルーツポンチ】
 聖平小屋分岐へ出ると後は木道をひたすら歩いて行きます。3ヶ月ぶりの聖平小屋です。今回は小屋泊ですが、とても混んでいて受付をするだけでも結構時間がかかってしまいました。場所もちょうど1人分のスペースということで、ほとんど身動きができないような状況でした。

 小屋にはブロ友のキンミーさんが働かれていましたが、このような状態でしたので、簡単な挨拶くらいしかできませんでした。普通の土日でしたが、逆に1泊2日で登れるうえに百名山である聖岳の登山基地となる聖平小屋は混みあったようでした。このあたりは、2泊以上必要になる縦走路とは勝手が違うようでした。基本的に、千枚小屋と赤石小屋は混みあう時期は避けたいところでしたが、聖平小屋も結構混むということがわかったのでした。
 2日目は長丁場になりますので、夜明け前に出たいということで、1泊夕食のみで弁当をお願いしました。寝袋は持っていましたので寝具なしとしました。寝具の有無で金額が違うのは南アルプス独特なのでしょうか。布団だったら寝具有でいいかなと思うのですが、用意されるのが寝袋だと悩ましいところです。

 夜はやはり両脇の人と常時接するような感じですので熟睡は難しそうでした。どちらにしても早い時間に出発しますので、ある程度寝られればいいかなと割り切って床に就いたのでした。あまり寝られなかったような気がしますが、翌日眠くならない程度には寝ていたようで良かったです。こうして1日目は過ぎて行ったのでした。

【キンミーさんはとても忙しそうでした】
 


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