ちゃうすだけ・かみこうちだけ・ひじりだけ・うさぎだけ・おおさわだけ・あかいしだけ・あらかわさんざん
 茶臼岳・上河内岳・聖岳・兎岳・大沢岳・赤石岳・荒川三山(2〜3日目)
  登山日: 2015年7月25日(土)〜27日(月)  
  標高:2604m(茶臼岳)2803m(上河内岳)3013m(聖岳) 2818m(兎岳) 2819m(大沢岳) 3120m(赤石岳) 3141m(悪沢岳)


 7月25日(土)    夏季臨時駐車場 4:10 → 沼平ゲート前 4:40 → ヤレヤレ峠 5:35
   横窪沢小屋 7:40 → 茶臼小屋 9:40 → 茶臼岳 10:25(〜40)
   上河内岳 12:20(〜50) → 聖平小屋 14:20
     
7月26日(日)    聖平小屋 2:30 → 聖岳 4:30(〜5:10) → 兎岳 6:35 → 中盛丸山 8:10
   大沢岳 9:00 → 避難小屋〜赤石岳 12:00(〜35) → 荒川小屋 13:50(〜14:30)
   荒川前岳 16:00 → 荒川中岳 16:10 → 中岳避難小屋 16:15
   
7月27日(月)    荒川前岳 4:00(〜5:00)   中岳避難小屋 6:00 → 悪沢岳 6:40 → 千枚岳 8:15
   千枚小屋 9:00 → 清水平 10:15 → 椹島 12:25

 

 2日目の朝を迎えます。正確には、夜が明けるかなり前に起きて、聖岳山頂で夜明けを見られるように午前2時半頃に出発しました。この日は小屋の人も多くて寝辛かったのでちょうど良かったです。ただ、この時間でも続々と起きて来て準備をしている方がいたのには驚きました。もちろん寝ている方の方が多いので音は立てずらいですが、それでも準備をしている方がそれなりにいるだけでも違います。夜が明けてから出発するつもりだった方は、かなり早い時間から動き出す人が結構いて驚いたことでしょう。

 暗い時間でも道は明瞭ですので、特に問題なく歩いて行きます。GWの時には樹林帯の雪が気になって、さすがにこのような時間には出発できませんでしたが、この時期は道がわかりやすいので、暗い時間でも安心して歩けます。もちろん、聖岳に登ること自体がこれで4回目というのもあります。薊畑分岐で前方を歩いていたグループに追い着きました。準備をしている方は結構いましたが、先行していたのはこのグループだけだったようです。

【聖平小屋分岐】
 
【真っ暗な小聖岳山頂】
 休憩している間に先行しますが、この時間ではあまり体に力が入らずペースも上がりません。グループの方のうち先行している2人が速かったので先を譲ったのですが、結局グループの他の方を待つということで再び先行したのでした。樹林帯はこの時間でも結構暑かったのですが、樹林帯を抜けて森林限界を越えると風が吹いていて結構涼しかったです。ザレザレの道を歩いて行くと小聖岳山頂に到着です。

 ここで少し休憩を入れましたが、この間にグループの方達が再び来て先行しました。ペースが上がらないのでついて行くくらいでいいかなと思ったのですが、結局再び譲られて先行したわけですが、その後は比較的調子も上がって、4時半頃には聖岳山頂に到着です。既に1人カメラを持った方がいたので、もっと早く出た人がいたのだなと思ったら兎岳避難小屋から来られた方でした。基本的に縦走中はかなり暑かったのですが、3日間を通じて風が強く、昼間はちょうどいい風となるのですが、夜明け前の聖岳は吹き飛ばされる程の強い風であったうえに、さすがにこの時間ですので風も冷たくてかなり寒かったです。ただ、夜明け前の赤く染まった雲は見事で、風に耐えながら見る価値はあったと思います。
 
【夜明け前の聖岳山頂】

【赤石岳方面の眺め】

【真っ赤に染まる雲】

【夜明け前の富士山】
 
【御来光】
 さらに寒さに耐えて待っているとようやく御来光を見ることが出来ました。ただ、この日は雲が多かったのか、最初は太陽が見えていましたがやがて雲の中に入ってしまいました。厚い雲ではないので、太陽の位置は分かりましたが、やはり若干暗くなってしまって、モルゲンロートに染まる山々を見ることができませんでした。

 しばらく夜明けの景色を眺めた後頂上碑の近くに移動して写真を撮ったり撮ってもらったりしました。時間が時間ですので、赤石岳はまだまだ真っ暗なものです。聖岳だけに登って下るのであればもう少し明るくなるまで待ってもいいのですが、この日は中日で目一杯の行程を組んでいましたので、山頂での景色もそこそこにまずは兎岳に向かって出発します。最初は緩やかなザレた道を下って行きます。影聖岳と日が当たって堂々たる兎岳を眺めながらの下りになりますが、やがて険しい道になって来ます。断続的に続く岩場を気を付けながら鞍部へ下って行きました。

【赤石岳】

【再び雲に隠れた太陽と富士山】

【大沢岳への稜線と奥には中央アルプス】

【頂上碑】

【頂上碑と富士山をバックに】

【影聖岳】

【賑わう山頂を後にして】

【ザレた道に気を付けて】

【夜明けの光を浴びて輝く兎岳】

【兎岳への縦走路と大沢岳への稜線】

【兎岳へは一旦大きく下って行きます】

【岩場が続く場所も】

【チシマギキョウ】

【白い花】

【イワオトギリ】

【岩場のタカネビランジ 崖にあるので望遠で撮っています 周囲にはイワオウギの群落】

【カラマツソウ】

【シャクナゲ】

【兎岳避難小屋】

【タカネツメクサ】

【ヨツバシオガマ】

【兎岳山頂へ】

【タカネビランジの群落が見事でした】

【赤石岳】

【聖岳方面は逆光になります】
 鞍部の前後を中心に険しい地形が続きますが、一方で岩場に咲く花も多くタカネビランジなどが見事に咲いていました。ただ、崖際に咲いているものも多くて近くでは撮れませんでした。

 鞍部に下った後は登り返して行きます。これもまた急な道なので、まだまだ歩き始めの時間帯でしたがなかなかしんどかったです。頑張って登って行くと少し開けたところがあり、年季の入った兎岳避難小屋との分岐があります。これを山頂方向に向かって歩いて行くとやがて兎岳山頂に到着です。

 兎岳はまだ2回目で前回歩いていた時には、なんと高校の母校の山岳部がちょうど休憩をしていたのでした。その日は母校の甲子園での試合の日で、ラジオ中継を聞きながら応援していたのには驚きました。今回はまだ誰もいない時間帯で、鮮やかなタカネビランジのお花畑と北アルプスも中央アルプスもよく見える展望を楽しみながらの休憩となったのでした。

【中央アルプスと左奥に御嶽山】

【北アルプスもよく見えて】

【中盛丸山から大沢岳への縦走路】

【赤石岳と赤石岳避難小屋】

【左奥に仙丈ヶ岳 中央奥に甲斐駒ヶ岳 右に塩見岳と間ノ岳の眺め】

【丸みを帯びた山頂部が特徴的な塩見岳】

【槍穂の稜線もくっきりと見えて】

【まずは右の小兎岳を目指して行きます】

【左の大沢岳から右の赤石岳へと縦走します まだまだこの日の行程は始まったばかりです】

【兎岳を振り返る】

【タカネヤハズハハコ】

【頂上碑】

【山容が端正な三角錐である中盛丸山】

【ナナカマド】

【クルマユリ】

【ハクサンイチゲのお花畑】

【左が聖岳 右が兎岳からの縦走路】

【稜線ではどこから見ても素晴らしかった富士山】

【大沢岳への道 左下は廃道となっている大沢渡分岐】

【大沢岳】

【百間洞分岐】
 兎岳からはまずは大きく下った後、小兎岳を目指して登り返して行きます。なだらかであるため、あまり山頂という感じはしないでしょうか。その後は、緩やかなアップダウンを経て端正な山容をした中盛丸山を目指して行きます。見た目の通り、鞍部に下ってからの登り返しは急登になっています。また、岩のごろごろしたような道もあって、なかなか大変な登りです。小兎岳付近から中盛丸山あたりでは、前日に百間洞に泊まったと思われる方々とすれ違いました。南アルプス南部では小屋間の距離があるのと、入山者が多くはないので、ある小屋に泊まった方達とまとまってすれ違うことが多い気がします。だいたい、それ以外ですれ違う方は、途中でビバークした方だったり、トレランなどでかなりペースの速い方だったりします。

 中盛丸山でも素晴らしい展望を楽しんだら先に進みます。しかし、この後のルートには少し迷いがあって、大沢岳に登るかどうか、登っても戻って百間洞に下るか縦走するかで悩んでいました。この日は元々行程がとても長い1日でしたので、大沢岳には寄らないで百間洞に下ろうかなと思いつつ下って行きました。 

【山頂直下は岩のごろごろした道】

【大沢渡分岐 現在は通れません】

【大沢岳山頂へ】
 百闢エの分岐までは下りですしそれほどの標高差はありませんのであっという間です。この後が厳しくなることは予想されましたが、結局大沢岳に寄ることにしました。大沢岳に行くことが目的というよりは、前回大沢岳に登った時に歩かなかった大沢岳から奥の縦走路を歩くのが目的でした。

 大沢渡分岐を経た後は岩のごろごろした道が続きます。これを登って行くと大沢岳山頂に到着です。もちろん展望は素晴らしく、周囲をぐるっと見渡すことができます。赤石岳までもまだまだ遠く、さらに遠くに見える荒川三山を見ていると少し気が遠くなるくらいです。それだけ雄大な景色が広がっているとも言えますが。展望を楽しんだら未踏の縦走路へ入って行きます。中腹への下りでは、歩く人が少ないのか登山道がもろくて、途中の大岩に乗ったらその岩ごと踏み抜いて少し下に転がってしまうような状況でした。所々崖際を歩くところもありますので、普通に歩けば問題のないところですが、慎重に下って行きました。

【頂上碑と奥は聖岳】

【赤石岳と富士山】

【荒川三山 右奥が悪沢岳】

【荒川三山と赤石岳の南アルプス南部のビッグ2の揃い踏み】

【2772m峰は巻いて中腹をトラバースして行きます ただ2772m峰の山頂にもケルンか頂上碑らしきものが見えます】

【ハイマツ越しの眺めも素晴らしく】

【苦しめられた岩のごろごろした急斜面の下り】

【最後に渡渉するとテント場へ】

【テント場側にも案内看板があります】

【蒸し蒸しした樹林帯を登って】
 その後は岩のごろごろした急斜面の下りが待ち受けています。これまで稼いで来た標高を一気に下って行くうえに、部分的にはリズムよく岩の上を歩いて行けるところもあるのですが、基本的には歩きにくい道が続きます。軽さ重視の靴であることもあって、このあたりはなかなか正念場だったでしょうか。まだ先は長いですので無理をせず下って行きました。

 最後に小川の渡渉があって、渡渉した後にはテント場があります。少し歩くと百間洞からの登山道と合流します。この大沢岳を縦走するルートは険しくて標高差があるうえに、ちょうど百間洞山の家を避けるようにルートがあるために歩く人があまりいないのでしょう。ずっと気になっていたので今回歩くことが出来て良かったと思います。その後は再び長い登りが待ち受けています。とにかく、この大きなアップダウンは南アルプスの特徴で、数百メートルの登り下りは当たり前のようにあったりします。

【中央の2814m峰から激下りの道が見えます 大沢岳は左になるようです】

【中盛丸山から大沢岳の縦走路 かつては右手のピークを回って来るようなルートだったのでしょうか】

【百間平越しの赤石岳】

【百間平の看板と赤石岳】

【ウサギギク】

【チングルマの実】

【砂礫の露出した赤石岳への取付き】
 
【登って来た道と奥には兎岳から大沢岳のこの日歩いて来た稜線が見えて】

【雷に恐怖した時のことを思い出しながらの登り】

【赤石岳山頂と赤石岳避難小屋】

【今回は素通りですがまた泊まりたいです】
 百間洞のテント場からは百間平への登りとなります。赤石岳へ向けてはまずここで標高を稼ぎます。樹林帯は風が吹かずとても暑かったです。汗を流しながら登って行くとやがて百間平の広々とした場所に出ます。このあたりからは風が吹いて来ますので、なんとか暑い日差しの中でも歩いて行くことが出来ます。

 百間平は前回ガスっていたこともありライチョウを見ることが出来ましたが、今回はよく晴れていたため見ることが出来ませんでした。それどころかお花畑もあまり見ることが出来ませんでした。お花畑になりそうな場所はあるのですが、あまり見られなかったのは残念でした。

 やがて赤石岳への取付きとなります。岩がごろごろの道が続きます。前回ここを歩いた時にはしばらく登った時にひどい雷雨にあってハイマツ帯に1時間以上も隠れてしのいでいたのでした。だいたい標高2900m付近だったと思いますが、その時のことは昨日のことのように覚えています。この日は夏ではあるのですが、秋のような安定した1日でしたので、雷雨の心配はほとんどなく歩くことが出来ました。

【赤石岳山頂は賑わって】

【頂上碑と最高所にある一等三角点】

【赤石岳避難小屋と赤石岳南峰】

【雲海に囲まれた富士山】

【間ノ岳と農鳥岳】

【小赤石岳から荒川三山への稜線と南アルプス北部の山々】

【赤石小屋分岐】
 
【イワツメグサの群落 岩場には随所に見られました】

【小赤石岳頂上碑と富士山】
 ゆっくり登って行くとやがてなだらかな場所に出ます。正面を見ると赤石岳山頂と赤石岳避難小屋が見えてきます。しばらく緩やかな道を歩いて行くと赤石岳避難小屋に到着です。結果として百間洞山の家を飛ばして来ましたので、この日最初の有人小屋となります。ジュースを買ってしばしの休憩としました。この日はとても暑いものの、風が強くて何とかなっていると思っていたのですが、小屋の御主人の話では今日は寒いとのことでした。確かに稜線の風の当たりやすい所や日影は結構涼しかったかもしれません。

 赤石岳避難小屋そしてその後にすぐ近くの赤石岳山頂でしばしのんびりとしました。ここからの富士山は素晴らしく、雲が多い中でもしっかり富士山を見ることが出来て良かったと思います。このあたりまで来るとようやく中岳避難小屋への目途も付いて来ます。それでもまだ何時間も歩かないといけません。しばらく休憩をしたら、小赤石岳を経由して大聖寺平へ下って行きます。

【赤石岳を振り返って】

【荒川三山がよく見えて】

【ミヤマタンポポ?】

【トウヤクリンドウ】

【大聖寺平を経て荒川小屋へ】

【荒川三山 好きなロケーションです】

【荒川前岳も迫力があります】

【稜線からの下りを見上げて】

【荒川小屋へ】
 大聖寺平は小渋ルートとの分岐になっています。沢登りがあるため、今のままでチャレンジすることはできませんが、いつかは赤石岳へのクラシックルートとして登ってみたいルートではあります。

 その後はトラバース気味に付いた登山道をしばらく歩いて行きます。やがて樹林帯に入ってやや歩きにくい道を進んで行くと荒川小屋に到着です。この日は中岳避難小屋に泊まるのですが、食事の提供はなく、軽食が少しあるだけですので、荒川小屋で少し食べておくことにしました。結局名前に魅かれて荒川丼を注文しました。何とこの名前は、この日泊まった中岳避難小屋の御主人が付けたということでした。食事を取ったら、充分食べて休憩も取れましたので、いよいよ荒川三山へ向かって登って行きます。いよいよラストスパートであると同時に、今回最も楽しみにしていた広大なお花畑を通ることになります。

【荒川丼をいただいて】

【テント場から富士山が見えます】

【カラマツソウ】

【タカネマツムシソウ】

【ハクサンフウロ】
 時間帯的にはガスに覆われていることが多いですし、実際この日は赤石岳手前あたりから雲が随分多くて出ていましたので、明るいお花畑を見るのは難しいと思っていたのですが、雲が増えつつも青空も残っていて期待しながら登って行きます。ちなみに今回は南アルプス南部のお花畑を見て回ることが主目的でしたので、この広大なお花畑よりもできるだけ長いルートを見て回ることを優先したのでした。

 荒川小屋からは再びトラバース気味の道を歩いた後、荒川岳へ向けての本格的な登りとなります。ザレた道が続きますが、登りですので特に問題なく進んで行きます。ただ、体力的には既に結構歩いてきましたのでしんどかったです。それでも、登って行くに連れてお花畑が近づいているのがわかりましたので、大きな期待まではしていなかったのですが、楽しみにしながら登って行きました。やがて、登山道脇にお花畑が見えて来て素晴らしいなと思いつつ写真を撮りながら進んで行きます。その場所だけでも素晴らしかったのですが、これは序章に過ぎなかったのでした。

【ハクサンチドリ】

【タカネグンナイフウロ】

【イブキトラノオ】

【タカネコウリンカ】

【センジュガンピ】

【ゴゼンタチバナ】

【オンタデ】

【今回のお花畑の主役の1つ ハクサンイチゲ】

【徐々にお花畑が広がって 正面奥に鹿除けのゲート】

【鹿除けのゲートをくぐると別世界が広がって】

【ハクサンイチゲと並んでお花畑のメインの花であったシナノキンバイ】

【ようやくクロユリも見られて】
 お花畑に囲まれながら進んで行くと鹿除けのゲートがあります。手動で開け閉めをしますので、通ったら再び閉めます。目の前には広大なお花畑が広がっていますが、まだ目線の高い位置にありますので、急く心を静めながら進んで行ったのでした。

 ある程度進むと目の前に扇状にお花畑が広がっています。本当に斜面に目一杯お花畑が広がっていて、少しうるっとしてしまうほど感動させられました。今回の行程の中でここまでにもお花畑はありましたが、一面のと言えるほどのお花畑はなかっただけに余計に驚かされたのでした。このお花畑に全ての思いがこもっているように思えたのでした。

 しばし感動の中でお花畑を眺め、写真を撮っていました。ここまで見つからなかったクロユリも見られましたし、本当に進むのがもったいなく思えたのでした。このお花畑の中を九十九折れに登って行きます。周囲を見渡しながらゆっくり進んで行きました。

【感動的なお花畑が広がって】

【同じ写真を何枚撮ったことでしょうか】

【コイワカガミ】

【イワベンケイ】

【富士山もまだ見えていて】

【白と黄色の見事なコントラスト】

【赤石岳とお花畑】

【名残惜しくもゲートをくぐって】
 最後のゲート前では、何度もお花畑を撮るのと同時に、一生懸命赤石岳との組み合わせでも写真を撮りました。名残惜しくてもいつかは先に進まないといけませんので、後ろ髪をひかれる思いで再び登って行ったのでした。

 その後もちらほらお花畑がありますが、基本的には岩のごろごろした道が続きます。3000m級の稜線まで登らないといけませんので、登りはまだまだ続きます。しばらく登って行くとようやく稜線出合に到着です。とはいえ、ここまで来れば中岳避難小屋はもう間もなくです。

 ただし、思ったよりも早く来られましたので、先に荒川前岳に寄って行くことにしました。稜線出合からはそれほど時間もかかることなく前岳に到着です。中岳から悪沢岳への稜線や赤石岳の展望を楽しんだらいよいよ中岳を経て中岳避難小屋へ向かいます。

【徐々に近づく稜線】

【稜線出合へ】

【荒川前岳へ】

【左の中岳と右の悪沢岳】

【中岳頂上碑】
 中岳で少しだけ写真を撮ったらそのまま中岳避難小屋へ向かいました。到着したらすぐに宿の受付をします。先ほどの中岳や小屋の外でくつろいでいる方がいましたので、それなりに泊まる方がいるのだと思ったらこの日は5人でした。前回もお盆であるにも関わらず静かな小屋泊となったのですが、それでも十数人は泊まっていました。

 この日は夏とは思えない程天気が安定していましたので、中岳に夕陽を見に行きました。前回はガスガスで全く展望がなかったのでした。空気が澄んでいたせいか、夕陽が見られただけでなく、赤く染まった雲や赤石岳も眺めることができました。この日泊まった5人がみなさん見に来ていていろいろな話をしながら夕陽を楽しんだのでした。小屋に戻った後もいろいろな話ができて楽しかったです。少人数の方がこのように交流が深まるのがいいのかなと思います。前回泊まった時と同様に素晴らしい一晩となったのでした。

【中岳避難小屋と悪沢岳】

【中岳避難小屋】

【逃げない雛鳥】

【塩見岳】

【富士山と影中岳】

【アーベントロートに染まる赤石岳】

【美しい夕陽】

【夕陽と赤く染まる雲】

【夕陽が沈んでますます赤く染まる地平線】

【上空の雲が全て赤く染まって なかなか条件が揃わないとここまで染まらないそうです】
 

【夜明け前の悪沢岳と富士山】

【富士山もくっきりと】

【夜明け前の赤石岳と荒川前岳 この後前岳へ移動しました】
 最終日である3日目の朝を迎えます。前回同様に悪沢岳山頂での御来光も考えましたが、起床時間が3時半で夜明け前にはとても間に合わないことから、前岳から御来光を眺めることにしました。中岳の方が展望は良さそうでしたが、前岳からの展望をせっかくですので楽しむことにしました。

 小屋から出て中岳付近で少し写真を撮ったら前岳へ移動です。そろそろ夜が明けそうな時間ですので急いで前岳へ移動したのでした。

 この日の朝も展望はクリアでしたので、見事な景色が広がっていました。景色を眺めながら御来光を待ちますが、悪沢岳の方から昇りますので、少し遅れて昇るかなとは思っていたものの、日の出の時間が過ぎてもなかなか朝日が昇ってきませんでした。

【徐々に雲も赤く染まって】

【御来光を待つ中岳山頂の方々】

【この日も北アルプスはすっきりと見えて】

【槍穂の稜線】

【夜明けの赤石岳】

【山の影が見えて】
 周囲がすっかり明るくなり、赤石岳も赤く染まった頃にようやく悪沢岳の肩から御来光を眺めることができました。ただ、小屋の御主人が中岳よりも少し前岳の方が早いと話されていましたので、中岳はさらに遅いのだと思います。どっしりとした悪沢岳が正面に聳えているので仕方のないところですが、悪沢岳から昇る朝日もまた素晴らしいと思います。ちなみに時間差を利用して、前岳と中岳の両方で御来光を見ることができるようですが、かなり急いで移動しないと難しそうでした。何はともあれ、昨日の夕陽に続いて素晴らしい景色を眺めることができました。一旦小屋に戻って出発の準備をすることにしました。

 小屋に戻ると椹島へ下山する2人は既に出発し、この日は赤石岳避難小屋までと比較的余裕のある行程のお2人もちょうど出発されました。私は、結局小屋の御主人のおもしろい話をいろいろ聞かせてもらって、1時間程のんびりしていたことになります。地元静岡市の方ですので、余計に話が弾んだのかもしれません。私が2回目だと聞いて喜んでいただいたのですが、また機会があれば訪れたいと思い、名残惜しくも午前6時頃出発しました。バスの時間もありますので、さすがにこれ以上はゆっくりできない状況でした。飛ばせばまだまだ大丈夫なのでしょうが、さすがに時間に追われながら下るのは避けたいところでした。

【荒川前岳頂上碑】

【真っ青な空の下で】

【悪沢岳の肩よりようやく御来光】

【御来光と富士山】

【日が当たり始めた荒川前岳】

【雲海に浮かぶ富士山】

【夜がすっかり明けた後の赤石岳と荒川前岳】

【さすがに2回目の御来光は間に合わず】

【中岳避難小屋に別れを告げて】

【逆光の悪沢岳へ 右には富士山もくっきりと見えて】

【タカネマツムシソウ】

【イワオウギ】

【タカネグンナイフウロ】

【九十九折れの道から岩場へ】

【ヤハズヒコダイ?】

【かわいいシコタンソウ】

【堂々たる赤石岳】

【前岳と中岳を振り返る 避難小屋もよく見えて】

【悪沢岳頂上碑 表示は荒川東岳です】
 避難小屋からは鞍部に一旦下ってやせ尾根を進んで行きます。ちょうど東側に悪沢岳があるために、この時間でもまだ日影になっていました。それでもこのあたりはお花がきれいに咲いていますので、写真を撮りながら進んで行きました。

 悪沢岳に取り付いた後は、九十九折れのザレた道を登った後、岩場を登って行きます。ニセピークらしき場所を過ぎて、なだらかな道を登って行くと悪沢岳山頂に到着です。まだ、歩き始めであまり疲れておりませんでしたので、少し景色を楽しんだらそのまま進んで行きました。ただ、景色が良かったので、少し歩いては写真を撮りの繰り返しでペースはなかなか上がりませんでした。千枚小屋を過ぎて樹林帯に入るとほとんど見る所はなく一気に下って行くので、このあたりでは多少は時間を使ってもいいかなと思いつつ進んで行きます。富士山と富士山の周囲の雲海は見事でしたし、隣の赤石岳や塩見岳から蝙蝠岳の稜線も見事でした。大岩の連なる場所もありますので、悪沢岳直下は慎重に下って行きます。岩場を抜けて、歩きやすい登山道に入ると、その名の通り丸い山容を持った丸山に到着です。

【この日も富士山は美しく】

【山頂直下には岩のごろごろした道】

【悪沢岳を振り返って】

【なだらかな丸山への道と富士山】

【岩のごつごつした悪沢岳を振り返る】

【手前は塩見岳〜蝙蝠岳の稜線 奥は間ノ岳〜農鳥岳】

【蝙蝠岳と間ノ岳〜農鳥岳】

【塩見岳と仙丈ヶ岳】

【笊ヶ岳と布引山】

【左中央の千枚岳への縦走路】

【富士山と千枚岳 好きなロケーションです】

【赤石岳の左には聖岳】

【タカネツメクサ】

【イブキジャコウソウ】

【お花畑の広がる崖際の道】
 丸山からは素晴らしい景色が広がっていると同時に1人休憩している方を見たら、同じく中岳避難小屋に泊まっていた方でした。しばし、話をした後その方は先に出発をされました。私の方は夢中で写真を撮っていたのでした。

 丸山からは緩やかに下って行きます。富士山と千枚岳の組み合わせが好きで、何度も撮ったことがあるにも関わらず、どこで撮ったらちょうどいいかなと撮る場所を探しながら下って行ったのでした。

 やがて、少し回り込むようにして崖際を歩いて行きます。道はしっかりしているので問題ないのですが、すれ違いはしにくいくらいの幅の狭さです。この道は花が多いのは分かっていましたので、写真を撮りながら下って行きます。

【マンネングサ】

【タカネナデシコ】

【ミヤマコゴメグサ】
 特に好きなのがタカネナデシコで、紫系の花が目立ったような気がします。他にもマンネングサやミヤマコゴメグサなどのかわいい花もあって目を楽しませてくれます。このあたりは、北アルプスなどと違って、決して花の種類が多いということはないのでしょうが、好きな花が多いのがうれしいです。悪沢岳でのシコタンソウも見たかった花です。

 花をじっくり楽しんだ後は、少し岩場の険しい所を進んで行きます。特に1箇所三点支持が必ず必要な場所があって、こちらからですと登りですからまだいいのですが、気を付けて進んで行きました。しばらく登って行くと千枚岳に到着です。先ほど先行された方もここで休憩をしていました。千枚岳は今回の縦走では最後の山となります。展望もこの後少し下って樹林帯に入るとほぼなくなってしまいますので、ここまでもずっと見て来た景色ですが、最後にじっくり楽しんだのでした。

【タカネビランジ】

【ミヤマトリカブト】

【急斜面の岩場を見上げて】

【千枚岳へ】

【頂上碑と悪沢岳と丸山】

【塩見岳〜蝙蝠岳の稜線】

【左奥に前岳と中岳 中央に悪沢岳とその右に丸山の眺め】

【上河内岳〜聖岳〜赤石岳の眺め】

【左は笊ヶ岳〜布引山 右奥に大無間山 中央の尾根はこれから下って行く道】

【樹林帯へ】

【マルバダケブキ】

【見事なマルバダケブキのお花畑】 

【建て替えられた後に初めて訪れた千枚小屋】
 千枚岳の景色を楽しんだら名残惜しくも下山開始です。とはいえ、下り始めてしばらくは展望のある場所が続きます。いよいよ樹林帯に入ると展望がなくなりますが、今度はマルバダケブキの見事なお花畑があって目を楽しませてくれます。このお花畑を下って行くと千枚小屋です。

 千枚小屋は建て替えられた後は初めての訪問になります。建物以外についても随分配置が変わったように思いました。機会があれば泊まりたいですが、混んでいることが多い小屋ですので、泊まっても素泊まり用の小屋かテントの可能性が高いでしょうか。

 千枚小屋では丸山で会った方と再び会いました。ここで、私の方が初めて先行することになりました。私もその方も午後1時に椹島を発車するバスを目指していましたが、この時には時間は充分だろうと思っていました。私の場合には、最悪午後2時の便でも良かったのですが、その方はバスの乗り継ぎの関係で午後1時のバスに乗らなければならなかったのでした。

【千枚小屋は富士山の展望台でもあります】

【清水平の水場】

【鉄塔】
 千枚小屋からは少し飛ばし気味に下って行きます。急ぐことはないのですが、椹島にはレストランなどもありますので、早く到着しすぎて困ることもありません。下り始めは特に歩きやすい道が続きますので、少し飛ばしやすいというのもあります。ただ、落ち葉の絨毯で1回転んでしまったのは余分でした。

 途中清水平の水場で少し休憩をしたら再び下って行きます。すると、やはり同じ中岳避難小屋に泊まっていた女性の方が歩いていましたので、少しお話をした後、そのまま椹島まで一緒に下って行きました。その方は旦那さんがエキスパートな方でもうバリエーションを歩き尽して、今は一般ルートの縦走を楽しくされているそうです。どんどんハードなルートを歩くようになるというのはよく聞きますが、逆のパターンは珍しいかもしれません。ペースを落としながらもそれなりのペースで下って行きました。

【吊橋】

【ツリガネニンジン】

【コバギボウシ?】

【登山口へ】

【フシグロセンノウ】
 結構余裕があるように感じていましたが、椹島に到着したのは午後12時半頃でした。思ったよりもちょうどいい時間になっていて、意外と長いコースだなと思い知らされたのでした。レストラン入口でバスの乗車券に交換した後はのんびりと過ごしました。心配は、千枚小屋で先行させてもらった方で、私と違って午後1時のバスに乗らなければならないにも関わらずなかなか到着しませんでした。

 椹島は人が多く見つけられなかっただけだと思いたかったところですが、それらしき方はバスに乗っておらず、バスも出発してさすがに大丈夫かなと心配しました。しかし、発車したバスに向かって走って来る方がいて、見てみるとまさにその方だったのでした。本当に間に合って良かったです。

 バスは夏季臨時駐車場に到着して、無事今回の山行を終えることができました。目一杯歩いたこともありますが、展望に恵まれてお花も楽しんだ本当に充実した3日間でした。
 

【椹島へ】

【夏季臨時駐車場】
 


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