おくちちぶじゅうそう
 奥秩父縦走(3〜4日目)
  登山日: 2016年11月3日(木)〜6日(日)  
  標高:1737m(鷹ノ巣山) 2017m(雲取山) 2077m(飛竜山) 1942m(笠取山) 2289m(雁坂     嶺) 2475m(甲武信ヶ岳) 2592m(国師ヶ岳) 2601m(北奥千丈岳) 2595m(金峰山)


 11月3日(木)    奥多摩駅 9:20 → 六ッ石山 12:10 → 鷹ノ巣山 13:35 → 七ッ石山 15:20
   奥多摩小屋 16:10
   
11月4日(金)    奥多摩小屋 4:30 → 雲取山 5:20 → 飛竜山 8:20 → 将監峠 10:40
 笠取山 12:55 → 古礼山 14:50 → 水晶山 15:20 → 雁坂小屋 15:45
 
11月5日(土)  雁坂小屋 4:50 → 雁坂嶺 5:45 → 甲武信ヶ岳 9:40 → 国師のタル 12:10
   国師ヶ岳 13:40 → 北奥千丈岳 14:05 → 大弛小屋 14:45
     
11月6日(日)    大弛小屋 4:00 → 金峰山 5:45(〜6:40) → 瑞牆山荘 8:50

 

 3日目の朝を迎えます。前日よりはやや短いもののこの日も長丁場になりますので、夜明け前の出発としました。天気はいい予報だったはずですが、小屋から少し登って行くとガスに覆われています。早朝だけガスに覆われるようなことはありますので、この時点ではそのようなものだと思って歩いていたのですが、驚いたのは雁坂峠に近づくあたりで雪が降って来たことでした。どちらかというとみぞれに近いと思いますが、足元を見ると少し積もっているようでした。しかも、結果的には一時的だったのですが、雪が強まって来ましたのでザックカバーを付けて進みました。

 緩やかにしばらく登って行くとやがて雁坂嶺に到着です。当初はどこかで御来光を見られたらとも思っていたのですが、全く晴れる気配はありませんでしたので、どんどん進むことにしました。明るくなるに連れてきれいな霧氷が出て来たのは良かったのですが、木々に遮られる樹林帯はともかく、開けた場所では濡れて来てしまうのが厄介でした。

【この日も長丁場ですので夜明け前に出発です】
 
【前日左から下って来てこの日は右から登ります】
 それでも、東破風山から西破風山を経た頃にはすっかり雪もやんで徐々に青空が見えて来ました。それと同時に甲武信小屋あたりから縦走して来たと思われる方々とすれ違うようになってきました。西破風山を下ったところに破風山避難小屋があって広々としていましたので、ここで少し長めの休憩を取ることにしました。

 この頃になると富士山もすっかり見えて見事なものでした。南アルプス縦走では東に富士山を眺めながら進むのですが、今回の奥秩父縦走では南に富士山を眺めながら歩くことになり、それぞれの場所からの富士山はなかなか味があって良かったと思います。

 休憩を終えたらまずは木賊山に向かいます。途中で巻道もありましたが、ここまで縦走で登れる山には登って来ていますので、何度も登った山でしたが今回も寄って行くことにしました。途中で西沢渓谷からの登山道と合流して歩いて行きます。ここまで来ると何度も歩いていて良く知った道になります。
 
【暗がりの雁坂峠 明るい時の景色はまたの機会に】

【小雪の舞う中雁坂嶺へ】

【霧氷が美しく】

【笹原の道を進む ガスに覆われて展望はありません】
 
【時々霧氷を撮りながら】

【東破風山】

【上部に少し積もっているだけですがきれいです】

【西破風山】

【この時点ではまだすっきりと晴れず】

【徐々に展望が開けて】

【破風山避難小屋】

【富士山も見えて】

【突然現れた砂地の道】

【破風山を振り返る 既に雲はないですが上部には霧氷が僅かに残っています】

【巻道分岐】

【展望のない木賊山へ】

【砂地の足元は真っ白です】
 分岐からは少し登るとほぼ平坦な道になり、これを歩いて行くと木賊山山頂に到着です。山頂は展望がありませんので、そのまま少し下って行くと砂地が出て来てここから展望が広がります。手前の樹林帯の霧氷と甲武信ヶ岳の組み合わせが見事でした。よく見ると甲武信ヶ岳より先には霧氷がなかったことから、この鞍部あたりまでしか雪雲が来ていなかったのかもしれません。ちなみに、甲武信ヶ岳より先は寒気が入って大荒れだった前々日に霧氷が付いてとてもきれいだったとすれ違った方が話していました。残念ながらその後には好天が続きましたので、私が通った時にはすっかりなくなっていました。ただし、その状況では縦走も大変だったでしょう。

 その後は甲武信小屋で少し休憩をして甲武信ヶ岳に登って行きました。ここは、何度も晴れた日に登ってお馴染みの景色ではありますが、富士山から南アルプス、八ヶ岳と素晴らしい景色を見せてくれました。また、今までは甲武信ヶ岳まででしたので、意識して眺めることもなかったこの先の縦走路もじっくり眺めることができました。

【霧氷と甲武信ヶ岳】

【甲武信小屋】

【甲武信ヶ岳頂上碑】

【富士山】

【山並みも美しく】

【白峰三山】

【槍ヶ岳〜穂高連峰もよく見えて】

【前月に縦走した八ヶ岳】

【金峰山の右には甲斐駒ヶ岳〜鋸岳】

【左の国師ヶ岳までの縦走路はまだまだ遠いです】

【八ヶ岳から北アルプスの絶景】

【甲武信ヶ岳より標高が高い埼玉県最高峰の三宝山】

【踏まれてアイスバーンに】

【毛木平分岐】

【ひたすら樹林帯を進んで行きます】

【富士見というピークですが展望はなく】

【唯一の展望地点より甲武信ヶ岳〜木賊山を振り返る】

【国師ヶ岳まではまだまだ遠く】

【国師のタル 道中にある数少ない看板】
 先はまだ長いので、甲武信ヶ岳での展望を楽しむのもそこそこに先に進みます。この日は毛木平から登って来る方が多かったのか結構すれ違いました。それと同時に残った雪がよく踏まれてつるつるのアイスバーンになっていたので、避けながら下って行きました。毛木平の分岐を経た後は、静かな樹林帯歩きとなります。水師、富士見という2つの樹木に囲まれたピークを過ぎると尾根は南西に方向を変えて行きます。

 途中にいくつか小ピークがあるのですが、緩やかなアップダウンが続きますので、なかなか現在地がわかりにくかったです。随分歩いたかなと思われた頃ようやく国師のタルの案内看板が出てきます。ここまで来ると、徐々に国師ヶ岳に向かって登って行きますが、アップダウンがありますのでまだまだ距離があります。少し開けた場所に国師ヶ岳の小さな看板と人の声が聞こえたので着いたと思ったら、それは方向を示す看板で、そこにいた方達は休憩をしていた方で国師ヶ岳はまだ先でした。その方達は甲武信小屋から出発したのですが、疲れ切ったので休んでいるとのことでした。

【最後に少しアップダウンがあってなかなか国師ヶ岳に到着できず】

【ようやく国師ヶ岳へ】

【富士山と北奥千丈岳】

【同じ富士山ですがどこに行っても撮ってしまいます】

【道中で休憩していたおじさんに撮ってもらいました】

【奥秩父最高峰北奥千丈岳へ】

【翌日のメインである朝日岳から金峰山への縦走路】

【水墨画のような美しい山並み】

【この日の最後のピークである前国師ヶ岳】

【木道中心の道を下って】

【大弛小屋】
 山頂はまだ先とはいえ、さすがに標高は随分稼ぎましたので、もう少し歩くとようやく国師ヶ岳山頂に到着することができました。本当にこの甲武信ヶ岳から国師ヶ岳間は区切りがないこともあって、とても長く感じました。山頂で写真を撮っていると、先ほど休憩していた方々も山頂に着いたのでお互いに写真を撮り合ったのでした。

 その後は、せっかく奥秩父を縦走していますので、この奥秩父最高峰である北奥千丈岳に寄ることにしました。離れた場所から見ると百名山の金峰山や三百名山の国師ヶ岳に隠れて地味な山ですが、標高はここが一番高いです。見事な南アルプス方面や翌日の金峰山への縦走路をしばし眺めた後大弛峠に向かって下って行きました。木道が中心なので歩きやすいのかもしれませんが、疲れ切っていると階段が多くて膝にきてしまいそうな道でした。

【車が入れる大弛峠は賑わっていました】

【翌日のために金峰山登山口を確認 この時間も下山する人は多く】
 下り切ると大弛小屋がありますので、ここでテント泊の受付をします。サイトに番号が振られていて、受付時の指定はなかったのですが、混み合って来た時に広いテント場に1人用テントを張っているような場合には動いてもらうかもしれないとのことでしたので、最初からこじんまりとした場所を探して張りました。ここは車が入れるおかげで登山者以外の利用者もテントを張りますので、できるだけ端の方のテント場を選びました。夜は、他の宿泊者の声よりも峠を行き来する車の音の方が気になったでしょうか。

 テントを張った後は時間がありましたので、大弛峠付近を行き来して周囲の景色を眺めたり、翌日の金峰山への登山口の確認などをしました。こうして3日目の夜は更けて行きました。長丁場の2日目、3日目を無事歩き切れてほっとした感じでしょうか。
 

【金峰山登山口】
 最終日の朝を迎えます。この日は普通に歩いても午前中には瑞牆山荘に下れるぐらいの行程でしたが、2日目に山際から昇る太陽を見ただけで御来光を見られていなかったので、金峰山からの御来光を狙って、長丁場だった2日目や3日目よりも早い時間に出発しました。前日比較的余裕を持って大弛峠に到着して時間に余裕があったこともあるでしょう。

 前日に確認しておいた登山口から登って行きます。多くの方が登るルートだけあって登山道はわかりやすく、暗がりでも特に問題なく進んで行きます。朝日峠を経て着実に登って行くとやがて朝日岳に到着です。この時はよく晴れていて星空が素晴らしかったです。懸念していたのは夜明け前に金峰山に到着できるかどうかでした。
 朝日岳から下って鉄山に向かって登り返して行くあたりから稜線がガスに覆われるようになって、鉄山をトラバースして金峰山に向かう頃には展望がすっかりなくなってしまいました。晴れていたのがガスに覆われたのか、元々金峰山周辺がガスに覆われていたのかわかりませんが、この日も御来光は見られないかなと残念に思いながらもとりあえず金峰山山頂を目指して歩いて行きました。

 金峰山に到着してみると、金峰山周辺がガスに覆われていたようで、離れた場所は見事に晴れていて、後は覆っているガスが晴れるかどうかでした。驚いたのは、結構金峰山山頂で御来光を待っている方がいたことで、十数人はいたのではないでしょうか。徐々に夜明けの時間が迫って来ます。

【朝日峠のケルン】

【岩がごろごろの道は暗がりでは歩きにくく】 

【朝日岳山頂】

【この時はオリオン座も見える程晴れていたのですが】

【途中から稜線はガスに覆われて】

【夜明け前に金峰山に到着しましたが・・・】
 夜明けが迫って来るに連れて徐々に地平線が赤く染まって来ます。ガスは朝日岳方面からひっきりなしに滝雲のように流れて来ましたが、斜面を流れて行くような感じでしたので、御来光は見られそうでした。そして、今回の縦走で初めてしっかりと御来光を見ることが出来ました。富士山や南アルプスも染まって素晴らしい景色を見られました。頑張って夜明け前にテントを撤収して登って来た甲斐があったと思います。

 樹林帯に下ってしまうともう展望はありませんので、山頂でしばしのんびり過ごしていました。最後までガスに覆われていた八ヶ岳も最終的にはよく見えて良かったです。さすがに1時間近くも山頂にいて寒くなって来ましたので下山開始です。タイミングが合えば、瑞牆山荘からの始発のバスに乗りたいというのもありました。

【ガスは流れているものの地平線はよく見えています】

【このあたりが地平線が最も赤く染まった頃でしょうか】

【夜明け前の富士山】

【見事な御来光を眺めることができました】

【夜明けの五丈岩】

【赤く染まる富士山】

【赤く染まる北岳と間ノ岳】

【流れる雲を眺めているだけでも飽きないです】

【雲がアクセントになっていい眺めです】

【八ヶ岳もようやく見えて来て】

【下山路と南アルプスの山々】

【霜で滑りやすくて難儀した大岩】
 登山道はよく整備された歩きやすい道なのですが、稜線上は大岩を越えるところがいくつかあって、これらが霜で滑りやすくなっていたので、慎重に下って行きました。緩やかにアップダウンを繰り返しながら進んで行くと砂払いノ頭があってここから樹林帯に下って行きます。御来光を眺めて下って行く方達を抜いたり、これから登って来る方とすれ違いながら快調に下って行きました。

 大日岩を過ぎてさらに緩やかな登山道を下って行くと富士見平小屋に到着です。数多くのテントが張られていて、これから登ろうとしている方やのんびりしている方で賑わっていました。また、紅葉がややピークは過ぎていたもののきれいでしたので、しばし見上げていました。頑張れば始発のバスに間に合いそうな時間でしたので、休憩は写真を撮る時間だけにしてそのまま下って行きました。

【砂払いノ頭看板】

【大日岩分岐】

【富士見平小屋】

【テント場とカラマツの紅葉】

【テントが多かったです】

【紅葉を見上げて】

【ピークは過ぎていても美しく】

【このあたりは日が当たっていませんがきれいでした】

【瑞牆山荘へ】

【バス待ちの間に紅葉を探して】

【登山口】

【始発のバスを待ちます】

【韮崎駅前駐車場へ】
 富士見平から下は紅葉がきれいで、日光が当たっていなくても鮮やかで紅葉を眺めながらの下りとなりました。ただし、足元は落ち葉で歩きにくかったので、そのあたりは注意が必要でした。結局富士見平から20分程で無事に下山することができました。始発のバスまで少し時間があったので、付近の紅葉を求めて少し散策しました。

 始発のバスで韮崎駅前駐車場に戻ります。紅葉はこの登山口よりも下がピークだったようで、バスから見た林道の紅葉があまりに見事で驚いてしまいました。マイカーで来ていたらあちらこちらで車を止めて写真を撮っていたことでしょう。こうして3泊4日の奥秩父縦走を無事に終えることができました。うまく雪山シーズンに入る前の連休を生かして歩くことが出来て良かったです。翌年以降もこのような長い縦走をいくつかできればと思っています。
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