しらこまいけ・てんぐだけ | |
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登山日: 2017年1月7日(土)〜9日(月) | |
標高:2352m(ニュウ) 2640m(東天狗岳) |
1月7日(土) | 唐沢橋駐車場 11:10 → ニュウ分岐 14:20 → 青苔荘 15:35 | ||||
1月8日(日) | 青苔荘 7:10 → ニュウ 8:45 → 中山峠 10:00 → 東天狗 11:00 | ||||
→ | 高見石小屋 13:10 → 青苔荘 13:45 | ||||
1月9日(月) | 青苔荘 7:25 → ニュウ分岐 9:30 → 唐沢橋駐車場 12:20 |
本日から2泊3日で八ヶ岳雪山テント泊に向かいます。以前笠取山のオフ会で御一緒して、その後も何度か山でばったりしていたMさんにお誘いいただいての参加となりました。雪山については、基本的に日帰りか小屋泊で、GW頃になってようやくテントを引っ張り出して来るような感じでしたので、厳冬期のテント泊を体験させていただこうということで参加させていただきました。 気温は大きくは下がらず、むしろGWのアルプスの方が寒かったくらいですが、新雪の中でのテント泊、そして南岸低気圧が入っての降雪もあって、貴重な体験をすることができたと思います。久々のザックの重さにも苦労させられましたし、がっつりのテント泊でしたら相当苦労したでしょうから、今回の企画はちょうど良かったと思います。また、Mさん以外の方はみなさん初めてお会いする方ばかりですので、いろいろな話をさせていただいて、いい刺激になったと思います。 |
![]() 【唐沢橋駐車場 奥は本沢温泉方面】 |
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![]() 【シャクナゲ尾根は初めて歩きます】 |
初日は白駒池までになりますので、ゆっくりとしたスタートになりました。前日は仙丈ヶ岳に登りましたので、小淵沢の道の駅で車中泊をして、翌日小淵沢駅でGさん、Kさんを迎えて登山口を目指しました。当初は大雪警報が出ており、さすがに登山口付近でまともに積もってしまうと脱出ができなくなるので、当初は松原湖で拾ってもらう予定でしたが、大雪警報が解除されたので現地に直接向かったのでした。 スキー場側から入って、稲子湯を経由せずに唐沢橋駐車場に到着です。地理的な関係を分かっておらず、稲子湯にいつ着くのかと走っていたら着いてしまった感じでしょうか。さすがに道路上も日陰には雪が残っていましたが、それほどではなく運転に支障はありませんでしたが、この後の降雪後の状況は気になるところでした。他の方達は既に到着していて準備をしていましたので、急いで出発の準備をします。なお、3連休の初日で後半が崩れる予報だったせいか、駐車場はほぼ満車で林道の脇に辛うじて駐車できたのでした。 |
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![]() 【尾根に乗るまでは急斜面を登って行きます】 |
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![]() 【大きな段差がある場所も】 |
今回は雪山テント泊一式を持って行きますが、やはり厳冬期用のシュラフが圧縮しても大きく、分けられた食材を入れると大きなザックでもいっぱいになってしまいました。また、重さも自分にしてはかなりのもので、立っているくらいであれば問題ないのですが、登りでは結構きつかったです。 準備ができたら出発です。昨年の本沢温泉が初めての八ヶ岳の東側登山口からの登山でしたので、今回のシャクナゲ尾根も初めてのルートとなります。なかなかこちらに来る機会がありませんので、そういう意味でも新鮮で良かったと思います。林道をショートカットするように登って行って、少し林道を歩くと本格的な登山道となります。尾根に出るまでは結構な急登が続きます。重い荷物を背負っているせいか思ったよりも進んでいない感じで、ニュウ分岐が随分遠く感じました。午後2時過ぎにようやく分岐に到着です。この後は比較的緩やかな登山道となります。それと同時にここまではほとんど雪がなかったのですが、この分岐前後からはそれなりの雪道になりました。 |
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![]() 【ニュウ分岐】 |
![]() 【樹林帯を緩やかに下って行きます】 |
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![]() 【雪原になっている白駒湿原】 |
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![]() 【既に凍結している白駒池の上を歩きます】 |
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![]() 【氷に反射する夕陽が美しく】 |
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![]() 【雪が残った所を歩いて行きます 何もない所はつるつるでとても歩けません】 |
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![]() 【沈み行く夕陽】 |
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![]() 【青苔荘】 |
緩やかな道をしばらく下って行くとやがて白駒湿原があります。既に雪原になっていますので、元の状態はわかりません。さらに進んで行くと白駒池に到着です。それでは池に沿ってぐるっと回るかと思いきや、いきなりMさんが池の上を横切って行きます。この時期は既に凍結していて池の上を歩けるとのことでした。ただし、雪が少なくて氷が露出しているので、うまく雪の残った所を使わないと滑って大変でした。 景色を楽しみながらようやく池を渡ると青苔荘に到着です。さっそくテントを張りますが、雪が少ないため、表面の雪を少し避ける程度であまり雪上テント泊という感じではなかったかもしれません。また、水をみんなで作るという予定もありましたが、時間が既に遅かったのと、トイレに引いている水が使えるため、水作りはせずにそのまま使わせてもらうことにしました。 |
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各自テントの設営が済んだら食事作りです。とはいえ、食材を運んだだけで後はほとんどお任せとなってしまいました。外でおいしい鍋をいただきました。GWのテント泊の時はいつもソロでしたので、雪のある時期に外で食事というのは初めてでしたが、しっかり着込めば、風のない所なら結構大丈夫なのだということがわかりました。 食事の後は、持ってきたお酒や小屋で買ったお酒などをいただきながら宴会は続きました。この時期は白駒池に泊まる方はまばらなそうで、のびのびと宴会ができたのは良かったと思います。とはいえ、さすがに暗くなると気温が下がって来るのと、充分なお酒をいただきましたので、午後8時頃には解散となりました。夜は前日までの寝不足があったのと、寝袋がとても暖かく、また、気温もそれほど下がらなかったことからよく寝ることができました。経験豊かなMさんやGさん以外の方も結構よく寝られたとのことでした。 |
![]() 【午後8時頃まで楽しい宴会は続きました】 |
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2日目の朝を迎えます。この日の行程はにゅう経由で東天狗に登って高見石小屋経由で帰って来る予定でした。長い行程ではないので、しっかり夜が明けてからの午前7時を目標に出発となりました。私は前夜によく眠ることができたせいで、まさかの10時間以上も寝ていて、起きたのが午前6時20分と慌てての準備となりました。隣にテントを張っているMさんはこの日下山しなければならないため、早めに撤収の準備をするだろうということで、その音に気付いて目が覚めればと思っていたのですが、逆にMさんが音を立てないように気を遣っていただいたおかげで余計に起きなかったようです。 それでも、私は連泊でサブザックに必要なものを詰め込むのと、少し着替えるだけでしたので、若干遅れたものの、概ね時間通りに準備することができました。出発の記念写真を撮って午前7時過ぎに出発です。 |
![]() 【みなさん準備中です】 |
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![]() 【いざ天狗岳に向けて出発です】 |
前日来た時と同様に池の上を歩いて行きます。なお、この時期は本来の池の周囲の木道は雪に埋もれていて、少し踏み外すだけで踏み抜きがひどくてかなり大変なようで、池の上を歩くのが基本になるそうです。 池を渡った後は、早めにアイゼンを装着して樹林帯を登って行きます。途中の分岐を折れてにゅうを目指します。結構樹林帯を登って行くと開けた場所に出て、ちょっとした岩場を登った所がその山頂のようです。インパクトのあるその山名は随分前から知っていたものの、ようやく初めて訪れることができました。にゅうの上からは素晴らしい景色が広がっていて、これから訪れる天狗岳や硫黄岳、北には北横岳から奥には北アルプスも見えていました。この日は下り坂の予報でしたが、この時点では高曇りの状況で景色を楽しむことができたのは良かったと思います。ただ、天候の悪化を思わせる予兆は出ていましたので、天狗岳に登るまでに間に合うかどうかという感じだったでしょうか。 |
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![]() 【やはり池の上を慎重に進みます】 |
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![]() 【ニュー中山分岐】 |
![]() 【樹林帯の登りが続きます】 |
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![]() 【浅間山が見えて】 |
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![]() 【右手前に白駒池が見えています 奥には北八ヶ岳の山々が見えています】 |
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![]() 【山頂で記念写真】 |
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![]() 【絶景を楽しんだら天狗岳に向かいます】 |
にゅうでは1泊2日での参加であったMさんとのお別れとなりました。Mさんを見送ったら天狗岳に向かいます。再び樹林帯を進んで行くと高見石小屋からの登山道と合流して中山峠を目指します。このルートは昨年八ヶ岳を縦走した際に通ったルートとなります。少し展望が開けた場所から緩やかに下って行くと中山峠に到着です。 ここからは、徐々に高度を上げて行って東天狗を目指します。樹林帯を抜けた吹き曝しの場所は、冬はいつも風が強いイメージがありましたが、この日はとにかく予報通りとはいえ風が穏やかでした。結構着込んでいましたので、ゆっくり歩いても結構暑かったです。しばらく歩いて行くと急登になって、本格的な登りとなります。ここからは、背中に付けていたピッケルを使って登って行きました。ただし、入山者が多く、トレースがよく付いて歩きやすくなっていました。 |
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![]() 【僅かに見える太陽と富士山】 |
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![]() 【硫黄岳と天狗岳】 |
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![]() 【中山峠手前の展望地点より】 |
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![]() 【天狗岳を見上げて 風がほとんどありません】 |
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![]() 【急登への取付き】 |
![]() 【急斜面を登って行きます Gさんはピッケルなしでも余裕の登りでした】 |
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![]() 【西天狗 雪が少なくてまだ真っ白にはなっていません】 |
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![]() 【北アルプスがずらっと見えて 南岸性低気圧のため北アルプスの方が天気がいいです】 |
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![]() 【蓼科山まで見渡して】 |
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![]() 【最後の登り】 |
急斜面を慎重に登って行きます。山頂手前は大岩を巻かずに少し登って行くルートでしたので、少し岩場歩きがありました。そこを越えれば間もなく山頂です。既に下って来てすれ違った方も多かったのですが、山頂にいた方や西天狗を往復している方も多く、この時期の人気の山であることがうかがえます。山頂からは南八ヶ岳の見事な景色が広がっていました。この後急速に雲が流れて来て展望がなくなって来ましたので、ちょうどいいタイミングだったと思います。南八ヶ岳もまだ地肌の目立つ所も多かったですが、この後の雪で真っ白になったことでしょう。 山頂では記念写真を撮って少しのんびりしたら下山開始です。前日の白駒池への到着が遅かったので、この日はあまり戻るのが遅くならないようにします。急斜面を慎重に下りますが、やはり下りなのであっという間です。中山峠まで戻り、少し登り返してにゅう分岐を高見石小屋方面に入って歩いて行きます。 |
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![]() 【山頂にて記念写真】 |
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![]() 【根石岳と南八ヶ岳の山々】 |
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![]() 【まだ地肌の見える場所も多いようです】 |
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![]() 【急斜面を慎重に下って】 |
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![]() 【蓼科山と真っ白な北アルプス】 |
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![]() 【にゅう分岐 右から来て奥に進みます】 |
高見石小屋までの道は昨年の八ヶ岳縦走の際も歩いていますが、その時はとにかくぬかるみがひどいのと、滑りやすい大岩がごろごろしていてとても歩きにくかったのですが、やはり雪が積もると歩きやすくて、雪が少なめとは言えかなり歩きやすかったです。歩いているうちに雪が徐々に強まって来て、高見石小屋に着いた頃にはそれなりに降っているような状況でした。 せっかくですので、高見石に寄って行きます。昨年は時間がなくて寄れなかったので、今回は寄ることができて良かったです。既に雲が流れて来ていて展望はあまりありませんでしたが、白駒池を見下ろせただけでも充分でしょう。しばしのんびりした後、小屋に戻ったら白駒池へ下山開始です。このあたりになると、結構降り方も強まって来ていました。 |
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![]() 【高見石小屋 雪が降っているのがわかります】 |
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![]() 【高見石へ】 |
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![]() 【白駒池を見下ろして】 |
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![]() 【白駒池キャンプ場方面へ】 |
![]() 【雪が強まる中 青苔荘へ】 |
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![]() 【タープを使って雪を落としながら食事を取りました】 |
結局順調に下って午後2時前には青苔荘に戻って来ることができました。しかし、雪も強まっていましたので、各自しばらくテントでのんびりしていました。その後、Mさんがタープを用意して食事の準備を始めてくれましたので、一緒に囲わせてもらいました。どうしても雪が吹きこんでしまうのですが、さらさらの雪なら結構大丈夫でした。 食事がかなり早い時間に終わったので、前日同様に少し宴会をしてから解散となりました。雪はずっと降り続いていて、少し目を離すとテントの一部が埋まっている状態でした。寝る前に念入りにテントの周りを掘った後、夜もトイレで起きたついでに雪かきをしていましたが、午前1時以降はそれほど降らなかったのか、夜に雪かきをしてからはそれほど積もっていませんでした。朝まで降り続いていたら雪かきをしなかったテントはまずかったかもしれません。夜眠い目をこすりながら寒い中で雪かきをするのは大変ですが、いい経験になったと思います。 |
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![]() 【テント跡がくっきりする程よく降りました】 |
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![]() 【帰路につきます】 |
最終日の朝を迎えます。先に書いたように結果的には午前1時過ぎには降雪が弱まったのですが、起きた時は朝まで続いていると思っていましたので、あまり積もっていなくて少し拍子抜けしてしまいました。しかし、雪かきをしていなかったテントには相当積もっていたようで、Mさんが声をかけて回っていました。 途中で起きて作業をしたので、前日ほどはしっかり寝たような感じがしませんでしたが、時間は結構ありましたので、睡眠時間は充分取れていたと思います。午前7時頃出発予定でしたので、それに向けて準備をしていましたが、トイレに行っている時間が少し長くて準備ができたのは最後になってしまいました。結構雪が積もっていたことから最初からワカンを装着しました。さっそく白駒池からしっかり積もっていて楽しいラッセルとなりました。膝下とはいえ、ソロだと少しうんざりする距離ですが、さすがに6人いるとなれば楽しいラッセルとなります。 |
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![]() 【凍った水面から雪原へ まだどんよりとした雲に覆われています】 |
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![]() 【わかんを履いても結構埋まります】 |
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![]() 【樹氷が素晴らしく】 |
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![]() 【緩やかに登って行きます】 |
白駒池を渡った後は緩やかな登りとなります。ここからはまずAさんがラッセルをします。その後Gさんとなりましたが、そこは下に木道があるところで、少しでもずれると思いっきり踏み抜くので大変そうでした。それでも、ストックを使って巧みに進んでいるのはお見事でした。私は白駒湿原の後を引き継ぎましたが、既に木道は終えて適当に歩いても問題ありませんので、楽をしてしまったようです。 その後も、みんなでラッセルを経験するということで6人が交代で歩いて行きました。思ったよりも深くはなかったこともあって、それなりのペースで歩いて行けたと思います。ニュウ分岐を過ぎてやがて下りとなります。登りのラッセルが気になっていたところですが、この下りが雪がないかほぼアイスバーンのところに柔らかい新雪が積もっただけなのでとても滑りやすくて大変でした。私は割り切って足を滑らせながら歩いていましたが、慣れないと大変だったと思います。かくいう私も1回思いっきり足を滑らせて尻もちをついてしまいました。 |
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![]() 【登山道にはしっかり積もっています 白駒湿原までは木道が下にあるので厄介でした】 |
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![]() 【スノーシューがあったら楽しそうです】 |
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![]() 【前日までとは一変して】 |
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![]() 【やはり冬景色は素晴らしいです】 |
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![]() 【光が射し込んでと意気込んでみたらレンズが曇っていました】 |
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![]() 【下りは快調と思いきや滑りやすいのと段差があるところが結構あるので大変だったかもしれません】 |
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![]() 【林道に出て来ると青空が見えて来ました もう一息です】 |
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![]() 【下ってみると懸念していたように見事に埋まっていました】 |
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![]() 【ここまで積もるとある意味いい記念かもしれません】 |
その後も下って行くとやがて林道に出ました。見事な青空が広がっていて、順調に回復しているようでしたが、後で八ヶ岳を眺めた時には高山には雲がかかったままでしたので、麓の方から回復していたようです。それよりも気になっていたのが車の埋まり具合ですが、見事にタイヤの半分が埋まるくらいで、雪かきしていかないと脱出は厳しそうでしたが、すぐ脇の道路が既に除雪されていたのと、Mさんが車で結構ならしてくれたこと、またみんなでスコップで除雪してくれたこともあって、順調に出ることができました。その後は日帰り温泉に寄って解散となりました。 この時期の白駒池は当然初めてで凍結した池の上を歩いたのは楽しい経験でしたし、この時期のテント泊に降雪も体験できて良かったと思います。冬は特に快晴の日にしか歩かない自分にとっては貴重な経験となったと思います。また機会があれば雪山テント泊にチャレンジしたいものです。 |
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